吉祥寺JazzSyndicate

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vocal

【Disc Review】“Songs in the Key of Life” (1974-1976) Stevie Wonder

“Songs in the Key of Life” (1974-1976) Stevie Wonder

Stevie Wonder (vocals, Clavinet, Fender Rhodes, synthesizer, piano, Keyboards, vocoder, drums, bass synth, percussions, harmonica)
Greg Phillinganes (keyboards) Herbie Hancock (Fender Rhodes, handclaps) Ronnie Foster (organ) Mike Sembello, Ben Bridges, Dean Parks, W. G. "Snuffy" Walden (guitar) George Benson (guitar, vocals) Nathan Watts (bass, handclaps) Raymond Pounds, Greg Brown (drums)
Raymond Maldonado, Bobbye Hall, Larry "Nastyee" Latimer, Eddie "Bongo" Brown, Nathan Alford, Jr. (percussion) Carmello Hungria Garcia (timbales) Charles Brewer, Shirley Brewer, Renee Hardaway, Nelson Hayes, Marietta Waters, John Fischbach, Amale Mathews, Josette Valentino, Dave Hanson, Yolanda Simon (percussions)
Hank Redd (alto sax) Trevor Lawrence (tenor sax) Raymond Maldonado, Steve Madaio (trumpet) George Bohanon, Glen Ferris (trombone) Bobbi Humphrey (flute) Jim Horn (saxophone) Dorothy Ashby (harp) Peter "Sneaky Pete" Kleinow (steel guitar)
Michael Gray, Josie James, Shirley Brewer, Artece May, Renee Hardaway, Minnie Riperton, Mary Lee Whitney, Deniece Williams, Syreeta Wright, Hare Krishna, West Angeles Church Choir, Linda Lawrence, Terri Hendricks, Sundray Tucker, Charity McCrary, Madelaine Jones, Susaye Green, Mary Lee Whitney, Carolyn Denis, Josie James (vocals)

Songs in the Key of Life
Stevie Wonder
Motown
2000-05-02


 Stevie Wonder、天下御免の聖典。
 “Kind of Blue” (1959) Miles Davisよりも、”Waltz for Debby” (1961) Bill Evansよりも、 “A Love Supreme” (1964) John Coltraneよりも、“The Köln Concert”(1975) Keith Jarrettよりもこっちの方がいいんじゃない、と言われると、そうかもしれないなあ・・・と逡巡してしまう鬼のようなアルバム。
 厳かにコーラスに彩られて始まる”Love's in Need of Love Today”から、間髪を入れず続く名曲たち~超弩級エバーグリーン”Sir Duke”で締める、とても気高いLPレコードA面。
 B面に移って、ノリノリの“I Wish”、メロディアスな”Knocks Me off My Feet”、グルーヴィーな”Summer Soft”に頬を緩めていると、最後はちょっとだけお仕置きモード・・・
 LPレコード二枚目は愛の塊“Isn't She Lovely”から始まり、シンセなベースに心臓を鷲掴みにされるようなバラード”Joy Inside My Tears”、ファンクな”Black Man”・・・
 裏返してハープの優しい響きにゆったりするのは束の間、締めは超ウルトラ強力、怒涛の”As”,  ”Another Star”の連発。
 その二曲だけでも集中して聞いてしまうと、もう血管切れそうというか、呼吸困難、頭クラクラ、気が遠くなりそうというか、何と申しましょうか。
 これはもう平伏すのみ。
 畏ろしいまでの完成度、畏ろしいほどポップ。
 あな畏ろしや。




posted by H.A.


【Disc Review】“Who Is This Bitch, Anyway?” (1975) Marlena Shaw

“Who Is This Bitch, Anyway?” (1975) Marlena Shaw

Marlena Shaw (vocals)
Benard Ighner (piano, flugelhorn) Mike Lang, Bill Mays (piano) Larry Nash (electric piano, synthesizer) Dennis Budimir, Larry Carlton, David T. Walker (guitar) Chuck Rainey (electric bass) Chuck Domanico (bass) Harvey Mason (drums, wind chimes) Jim Gordon (drums) King Errison (conga) and strings, horns, woodwinds

フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ
ジム・ゴードン
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
2009-03-25


 Marlena Shaw、1970年代ソウルの名作。
 冒頭のストリートトークが終わるのを我慢強く待つこと三分強、極楽のようなファンク開始。
 加減速を繰り返すリズム、ウネウネと動きまくり跳ねまくり突っ走るベースに、余裕たっぷり、堂々、朗々としたVoice。
 続いて胸キュン(死語!)なギターが彩りをつける甘いバラード二連発”You Taught Me How to Speak in Love”, “Davy” ときて、あのエバーグリーン“Feel Like Makin' Love”。
 このエレピとギターが聞こえると周囲は秋のセントラルパークに・・・って制作はロスでしたかね?
 B面に移っても、うなるベースにフワフワしたエレピ、くすぐるような、ヴォイスに絡みつくような胸キュン(死語!)ギター。
 終盤、これまた名曲“Loving You Was Like a Party”でドカーンときて、2ビートをストリングスで彩った少しノスタルジックなエンディング。
 汗が飛び散る1960年代ジャズ、ソウルから、世は洗練されたポップス色が強くなってきて、“Songs in the Key of Life” (1976) Stevie Wonderの直前期。
 4ビートのカッコいい場面があるのはさすがBlue Noteさんなのですが、モダンジャズはこのあたりでギブアップ・・・かどうかはわかりませんが、とにもかくにも都会的に洗練された1970年代ソウルのカッコよさ全開。
 全編その塊。



posted by H.A.



【Disc Review】“Live” (1971) Donny Hathaway

“Live” (1971) Donny Hathaway

Donny Hathaway (vocals, electric piano, piano, organ)
Phil Upchurch, Cornell Dupree, Mike Howard (guitar, vocals) Willie Weeks (bass, vocals) Fred White (drums, vocals) Earl DeRouen (conga drums, vocals)

Live [12 inch Analog]
Donny Hathaway
Music on Vinyl
2012-12-04


 定番中の定番、Donny Hathawayのライブ。
 汗が飛び散らない、血管切れそうにならない、1970年代型の洗練されたソウル。
 エレピと柔らかなグルーヴが醸し出す浮遊感と優しい声がカッコいい。
  “What's Goin' On”で始まって、”You've Got A Friend”、”Jealous Guy”・・・、あざといまでの選曲がカッコいい。
 エレピ、オルガン、弾むベースはもちろん、Cornellさんのペラペラしたヤクザなギター、Phil Upchurch?のジャズなギターがカッコいい。
 柔らかで優しい歌が終わって間奏になるとなぜかボリュームが上がり、イケイケノリノリ、歌に戻ってクールダウン、ってな展開がカッコいい。
 歌物はもちろん、コテコテグルーヴの”The Ghetto”、締めの”Voices Inside”もカッコいいなあ。
 私的イチオシは、さりげない哀愁と洗練、静かな高揚感がカッコいい“Little Ghetto Boy”だなあ・・・
 さて本編、何回“カッコいい”が出てきたのでしょう。
 カッコいいんだから、仕方ない。




posted by H.A.


【Disc Review】“What's Going On” (1971) Marvin Gaye

“What's Going On” (1971) Marvin Gaye

Marvin Gaye (Vocals, Piano)
Joe Messina, Robert White (Guitar) Bob Babbit, James Jamerson (Bass) Chet Forest (Drums) Earl DeRouen, Eddie Brown (Bongos, Congas) Jack Ashford (Percussion)
Larry Nozero (Soprano Sax) Angelo Carlisi, Eli Fountain (Alto Sax) William "Wild Bill" Moore, George Benson (Tenor Sax) Tate Houston (Baritone Sax) Carl Raetz (Trombone) John Trudell, Maurice Davis (Trumpet) Dayna Hartwick, William Perich (Flute)
Jack Brokensha (Vibraphone) Johnny Griffith (Celeste) Carole Crosby (Harp)
Elgie Stover, Lem Barney, Mel Farr, Bobby Rodgers, The Andantes (Backing Vocals) 
and Strings

What's Going on
Marvin Gaye
Motown
2003-01-14


 Marvin Gaye、言わずもがなのアルバム。
 テレビやラジオ、街で流れていた“What's Going On”や“Mercy Mercy Me”を知っていても、ベストアルバムやコンピレーションを持っていても、このアルバムはこのアルバムとして聞くべきなのでしょう。
 LPレコードでのA面、“What's Going On”から“Mercy Mercy Me”まで全六曲、あるいは裏面含めて全曲、“What's Going On”組曲とも言えそうな穏やかなドラマ。
 その全てが名曲、名演。
 穏やかながらやるせないメロディ。
 とてつもないグルーヴを発し、激しく上下しながらも、なぜか厳かに聞こえるベース、抑制されたストリングス、控え目に鳴るホーン、コーラス。
 そして柔らかな歌声。
 天国から流れてくる音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Partir” (2018) Elina Duni

“Partir” (2018) Elina Duni

Elina Duni (voice, piano, guitar, percussion)

PARTIR
ELINA DUNI
ECM
2018-04-27


 アルバニアをルーツとするボーカリストElina Duni、ECMでの第三作。
  “Matane Malit” (2012)、“Dallendyshe” (2014)と二作続いたピアノトリオとのバンドから、本作は自身で楽器を演奏したソロでの制作。
 ピアノ、ギター、パーカッションの弾き語りを中心として、ここまでの諸作に増して静かでゆったりとしたムード。
 音を探すように置かれていくギター、ピアノと美しい声。
 背景の音が薄いだけに、美しい声の透明度がより際立って聞こえてきます。
 楽曲はここまでの同様に、アルバニア、バルカン半島トラディショナル。
 アルバニアがどんな場所なのかは知りません。
 南ヨーロッパの陽光に包まれた温かい場所なのだろうと思いますが、ヨーロッパと中近東の狭間、政治体制の狭間なだけに、歴史的にもいろいろ訳ありな場所なのでしょう。
 全体を包み込む仄かな哀しさ、祈りにも似たムード。
 かといって絶望とはニュアンスが違う、暗くはない柔らかな空気感。
 南米系Saudadeと比べると、遠い所を眺める感じは同様ですが、より強く直接的な哀しさを感じます。
 ちょうどジャケットのさりげないポートレートのような音。
 この空気感がアルバニアンSaudadeなのでしょうかね。
 これまた非日常へのトリップミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】“Dallendyshe” (2014) Elina Duni Quartet

“Dallendyshe” (2014) Elina Duni Quartet

Elina Duni (voice)
Colin Vallon (piano) Patrice Moret (double-bass) Norbert Pfammatter (drums)

Dallëndyshe
Deutsche Grammophon ECM
2015-04-17

 アルバニア出身のボーカリストElina Duni、ECMでの第二作。
 前作“Matane Malit” (2012)と同様のピアノトリオにサポートされた、地中海エスニックな香り、あるいはバルカン半島色が漂う、不思議系ヨーロピアン・コンテンポラリー・フォーキー・ジャズ。
 本作もアルバニア、コソボなどのトラディショナルが中心。
 強い違和感やエキセントリックさはありませんが、不思議感たっぷり。
 基本的には前作と同様なのですが、音のイメージがシャープになり、一聴で強い印象が残る演奏が増えたように思います。
 前作では遠慮気味にも聞こえたColin Vallonトリオが、リーダー作とも少し違ったイメージの演奏。
 バンドのグルーヴが強くなるとともに、インプロビゼーションの場面が増えた感じ。
 複雑なビートを纏いながら明後日の方向に疾走し拡散していくようで、なぜかいい感じに納まっていく音の流れ。
 ピアノソロが前面に出て、美しく繊細な音でぶっ飛んだ音の動き。
 ヨーロピアンコンテンポラリージャズな香りも濃厚。
 結果、淡々とした印象の前作に対して、起伏、うねりがより強く感じられる本作。
 ちょうどジャケットのポートレートの変化と同じく、モノクロからカラーに変わった感じ。
 もちろん主役のヴォイスは美しく儚い歌。
 非日常感たっぷりですが、気難しくも暗くもありません。
 名作だと思います。



posted by H.A.


【Disc Review】“Matane Malit” (2012) Elina Duni Quartet

“Matane Malit” (2012) Elina Duni Quartet

Elina Duni (voice) 
Colin Vallon (piano) Patrice Moret (double-bass) Norbert Pfammatter (drums)

Matane Malit
Elina Quartet Duni
Ecm Records
2012-10-16


 アルバニア出身のするボーカリストElina Duni、ECMでの第一作。
 エスニックでフォーキーな音。
 敬虔な空気、全体を包み込むほのかな悲哀。
 中近東とヨーロッパが入り混じるような不思議感たっぷりなメロディは、アルメニア、コソボなど、バルカン半島系の伝統曲が中心。
 Sinikka LangelandSavina Yannatouなどの古楽、あるいは地中海トラディショナル路線、Cyminologyなどの中近東・ヨーロッパのフュージョン、それらの中間あたりのイメージでしょうか。
 サポートはスイスのピアニストColin Vallonを中心としたピアノトリオ。
 終始ピアノが前面に出るスタイルではなく、リフを繰り返しつつドラムとべースも含めて三者でテンションを上げていく、ミニマルジャズスタイル。
 そんな音を背景にした、透明度の高い美しいヴォイス、クラシック色も混ざる完璧な歌。
 ゆったりとしたビートとときおりの疾走、力の入らない優し気な歌は、アラブ系の激情やエキセントリックさはなく、ギリシャ系、古楽系の非日常感もそれほど強くはありません。
 フォークの色合いが強いのですが、そこにサラリと中東色、地中海色、宗教色が混ざり合う感じのバランス。
 サラサラと流れていくようで、後ろ髪を引かれるような、どこか違う微妙な音の流れ。
 やはりどこか遠い所に誘うトリップミュージック。




posted by H.A.


【追悼】Joao Gilberto





Chega de Saudade” (1959)
O amor, o sorriso e a flor” (1960)
Joao Gilberto” (1961)
(“The Warm World of João Gilberto” (1958-1961))
  “Getz/Gilberto” (18,19,Mar.1963)
  “Getz/Gilberto Vol. 2” (Oct.1964) 
  "Herbie Mann & João Gilberto with Antônio Carlos Jobim" (1965)
João Gilberto” (1972-1973)
  “The Best of Two Worlds”(May.1975) 
  “Getz/Gilberto'76” (May.1976)
Amoroso” (1976)
 "João Gilberto Prado Pereira de Oliveira" (1980) 
Brasil” (1981)
 “Live in Montreux” (1985)
João” (1991)
 "Eu Sei que Vou Te Amar" (1994)
 "Live at Umbria Jazz" (2002)
João Voz e Violão” (2000)
 “In Tokyo” (2003)


posted by H.A.

【Disc Review】“Bloom” (2016) Areni Agbabian

“Bloom” (2016) Areni Agbabian
Areni Agbabian (Voice, Piano) Nicolas Stocker (Drums, Percussion)

Bloom
Areni Agbabian / Nicolas Stocker
Ecm
2019-04-26


 アルメニアルーツのアメリカンAreni Agbabian、DuoでのECM作品。
 静謐な無国籍ミュージック。
 Tigran Hamasyanバンドにボーカルとして参加していた人。
 サポートはNik Bartsch’s Mobileの人。
 少し重めのピアノと繊細なパーカッションの漂うような音を背景にした、ウィスパーな声。
 全編に哀しさを湛えた、ヨーロッパでも中近東でもない、それらが入り混じるエキゾチックなメロディ、そして敬虔なムード。
 全編スローテンポ、抑えられた音数、場面によっては残響音のみの時間の方が長く感じられるような、余白たっぷりの音の流れ。
 そんな時間の中を漂うとてつもなく美しい声。
 シルキーなようなハスキーなような微妙なバランスの声と、ジャズでもロックでもない、おそらくはクラシックがベースなのであろう歌。
 メロディアスな楽曲と断片的なインプロビゼーション、短い楽曲が錯綜しながら進む時間。
 美しい声とときおりのカリンバの音、朗読に覚醒を促されつつも、まどろむような、あるいは迷宮のような時間が続きます。
 現代アメリカンが感じるアルメニアンSaudadeはこんな空気感なのでしょうか。
 とても哀し気で敬虔、そして幻想的。
 いつなのか、どこなのかわからない、静かで清廉な場所へのトリップミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】“Ochumare” (2012) Yilian Cañizares

“Ochumare” (2012) Yilian Cañizares

Yilian Cañizares (Violin, Vocals)
Abel Marcel Calderón Arias (Piano) David Brito (Double Bass) Cyril Regamey (Drums, Percussion)

Ochumare
Canizares
Naive Jazz
2013-08-27


 キューバ出身の女性バイオリニスト&ボーカリストのキューバンコンテンポラリージャズ、ボーカル入り。
 “Aguas” (2017) でOmar Sosaと共演していた人。
 スイス在住のようで、メンバーは南米、ヨーロッパの混成チーム、コンテンポラリージャズなピアノトリオ。
 ラテンなビートに上品で美しいピアノ。
 グルーヴィーに突っ走るピアノトリオに、旧上昇、急降下を繰り返す、ときおり激情が混ざるバイオリン。
 ちょっと不思議系、エスニックなメロディを口ずさむ、妖しくハイテンションなヴォイス。
 といっても、怒涛のキューバンジャズには、なりそうでなりません。
 ラテンなムードたっぷりながら、上品で抑制されたヨーロピアンジャズが不思議に混ざり合う空気感。
 そんな中を自在に駆け巡るバイオリンとヴォイス。
 暑すぎず寒すぎず、激しすぎずおとなしすぎない、ほどほどのバランス。
 ビジュアルの華やかさも含めて、そろそろブレイクしそうな予感がするのだけど、さて?




posted by H.A.


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