吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

vocal

【Disc Review】“Bloom” (2016) Areni Agbabian

“Bloom” (2016) Areni Agbabian
Areni Agbabian (Voice, Piano) Nicolas Stocker (Drums, Percussion)

Bloom
Areni Agbabian / Nicolas Stocker
Ecm
2019-04-26


 アルメニアルーツのアメリカンAreni Agbabian、DuoでのECM作品。
 静謐な無国籍ミュージック。
 Tigran Hamasyanバンドにボーカルとして参加していた人。
 サポートはNik Bartsch’s Mobileの人。
 少し重めのピアノと繊細なパーカッションの漂うような音を背景にした、ウィスパーな声。
 全編に哀しさを湛えた、ヨーロッパでも中近東でもない、それらが入り混じるエキゾチックなメロディ、そして敬虔なムード。
 全編スローテンポ、抑えられた音数、場面によっては残響音のみの時間の方が長く感じられるような、余白たっぷりの音の流れ。
 そんな時間の中を漂うとてつもなく美しい声。
 シルキーなようなハスキーなような微妙なバランスの声と、ジャズでもロックでもない、おそらくはクラシックがベースなのであろう歌。
 メロディアスな楽曲と断片的なインプロビゼーション、短い楽曲が錯綜しながら進む時間。
 美しい声とときおりのカリンバの音、朗読に覚醒を促されつつも、まどろむような、あるいは迷宮のような時間が続きます。
 現代アメリカンが感じるアルメニアンSaudadeはこんな空気感なのでしょうか。
 とても哀し気で敬虔、そして幻想的。
 いつなのか、どこなのかわからない、静かで清廉な場所へのトリップミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】“Ochumare” (2012) Yilian Cañizares

“Ochumare” (2012) Yilian Cañizares

Yilian Cañizares (Violin, Vocals)
Abel Marcel Calderón Arias (Piano) David Brito (Double Bass) Cyril Regamey (Drums, Percussion)

Ochumare
Canizares
Naive Jazz
2013-08-27


 キューバ出身の女性バイオリニスト&ボーカリストのキューバンコンテンポラリージャズ、ボーカル入り。
 “Aguas” (2017) でOmar Sosaと共演していた人。
 スイス在住のようで、メンバーは南米、ヨーロッパの混成チーム、コンテンポラリージャズなピアノトリオ。
 ラテンなビートに上品で美しいピアノ。
 グルーヴィーに突っ走るピアノトリオに、旧上昇、急降下を繰り返す、ときおり激情が混ざるバイオリン。
 ちょっと不思議系、エスニックなメロディを口ずさむ、妖しくハイテンションなヴォイス。
 といっても、怒涛のキューバンジャズには、なりそうでなりません。
 ラテンなムードたっぷりながら、上品で抑制されたヨーロピアンジャズが不思議に混ざり合う空気感。
 そんな中を自在に駆け巡るバイオリンとヴォイス。
 暑すぎず寒すぎず、激しすぎずおとなしすぎない、ほどほどのバランス。
 ビジュアルの華やかさも含めて、そろそろブレイクしそうな予感がするのだけど、さて?




posted by H.A.


【Disc Review】“The Gabby Pahinui Hawaiian Band Volume 1” (1975) The Gabby Pahinui Hawaiian Band

“The Gabby Pahinui Hawaiian Band Volume 1” (1975) The Gabby Pahinui Hawaiian Band

Gabby Pahinui (Steel Guitar, 12string Guitar, Bass)
Leland "Atta" Isaacs, Bla Pahinui, Sonny Chillingworth (Guitar, Vocals) Ry Cooder (Mandolin, Tiple) Cyril Pahinui, Randy Lorenzo (Bass, Guitar, Vocals) Manuel "Joe Gang" Kapahu (Bass) Milt Holland (Drums) Gabby Pahinui (Percussion) Nick DeCaro (Accordion) Keli‘i Tau‘a (Chanter)

Gabby Pahinui Hawaiian Band Vol.1
Gabby Pahinui ギャビーハピヌイ
Panini
1996-10-27


 ハワイのスチールギターを中心としたアーティストGabby Pahinui、ハワイアン・アコースティック・フォークなんて言葉が似合いそうな音。
 あのRy Cooderの名作 “Chicken Skin Music” (1976)に参加していた人。
 それに漂うハワイなムードはもちろんこの人の色合い。
 ギター中心とした弦楽器の絡み合い、さらにいかにもハワイな余裕たっぷり、裏声たっぷりなテノールヴォイスがフューチャーされます。
 ホテルのラウンジで流れていそうな洗練されたイージーリスニング系ではなく、ネイティブな感じもたっぷり。
 もちろん全編楽園ムード。
 のほほんとしたメロディに、ゆるーくてワイワイとした賑わい。
 そんな音の流れの中にテローンと響くスチールギターが心地よいこと、この上なし。
 Ryさんも数曲に参加、“Chicken Skin Music” (1976)っぽい感じもそこかしこ、というか、ここからの流れだったのでしょうね。
 あるいは後の“Buena Vista Social Club” (1996) のハワイ版ってな感じもしますかね。
 とてもエレガント。




posted by H.A.


【Disc Review】“Luiza” (1964) Luiza

“Luiza” (1964) Luiza

Luiza (vocal) 
Moacir Santos (Arranged, Conductor) and others

ルイーザ
ルイーザ
BMG JAPAN
2002-05-22


 ブラジルの女性ボーカリストLuizaの唯一のアルバム。
 ジャズサンバコンボとときおりストリングスを従えたジャジーなMPB。
 ジャケットの女優然とした可憐な写真があるだけで、経歴、フルネームすらよくわからない謎の美人さん。
 が、このアルバムは最高。
 洗練されたジャズサンバコンボを背景にした、しっとりしているようなサラリとしているような、微妙なシルキーヴォイスのクールな歌。
 演奏はタイトでかっこいいし、声は最高、もちろん歌唱力もバッチリ。
 楽曲はあまり知られていないブラジル曲が中心ですが、どれもメロディアスでキャッチー。
 掘り出し物というか、ブラジルにはどれだけ素晴らしいボーカリストがいるのか、知らないところにどれだけ素晴らしい音源があるのか、はかり知れないというか・・・
 1960年代、隠れた?名作ブラジリアンポップス。
 

 

posted by H.A.


【Disc Review】“Alaide Costa” (1965) Alaide Costa

“Alaide Costa” (1965) Alaide Costa

Alaide Costa (vocal)
and others

アライジ・コスタ BOM1136
アライジ・コスタ
ボンバ・レコード
2014-09-06


 ブラジルの女性ボーカリストAlaide Costa、ジャジーな1960年代MPB。
 元気なジャズサンババンドに、ハスキーヴォイス。
 現代の音楽でも聞こえてきそうなホーン陣のオブリガードがカッコいい
 さらにストリングスも交えながらのちょっと派手に過ぎませんかねえ・・・なんて変幻自在なアレンジ。
 それが時代感があっていい感じ、っちゃあその通り。
 Chico Buarqueの魅惑なメロディから始まって、知る人ぞ知るのであろうブラジルのメロディたち。
 少しねっとりした感じで遅れ気味に置かれていく声。
 ボサノバやフォーク調もあるのですが、派手なアレンジと混ざり合って“夜”な感じ。
 サラリとしたMPBをついつい好んで聞いてしまうのですが、時にはこんなテイストもいい感じ。
 ちょっと濃いめの1960年代ブラジリアンポップス。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Mundo Melhor” (1976) Beth Carvalho

“Mundo Melhor” (1976) Beth Carvalho

Beth Carvalho (vocal) and others

すばらしき世界(期間生産限定盤)
ベッチ・カルヴァーリョ
SMJ
2016-07-06


 Beth Carvalhoの1976年作。
 “Canto Por Um Novo” (1973) , “Pandeiro E Viola” (1975), “Prá Seu Govêrno” (1975)に続くアコースティックサンバ。
 このあたりのアルバム、区別がつきません。
 が、マンネリなんて言葉は微塵も思い浮かばない、どれもがキャッチ―な楽曲とカッコいい演奏が揃った完璧なアルバム。
 歓喜と哀愁、光と影、希望と失望が微妙に交錯するような、そしてそれら全てを包み込んでしまうようなメロディ、演奏、歌。
 カバキーニョとクィーカーが鳴り響き、大人数での合唱で盛り上がる、それでいて全くうるさくない洗練された音。
 とても前向きになっていけるような、そんな空気感。
 とてもカッコいい堂々たるジャケットのお写真、そのイメージ通りの音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Prá Seu Govêrno” (1975) Beth Carvalho

“Prá Seu Govêrno” (1975) Beth Carvalho

Beth Carvalho (vocal) and others

プラ・セウ・ゴヴェルノ(期間限定価格盤)
ベッチ・カルヴァーリョ
SOLID/TAPECAR
2018-06-06


 Beth Carvalhoの1975年作。
 同年の“Pandeiro E Viola” (1975)、“Canto Por Um Novo” (1973)、さらには“Mundo Melhor” (1976)と同様の伝統的サンバ。
 どこを切り取っても金太郎飴なカッコいいサンバ。
 こうなると曲の好みで選んでいくしかないのでしょうが、うーん?
 ま、どの作品を選んでも哀愁と前向きさが交錯するいい曲ばかりなので・・・
 パーカッションとギター、カバキーニョの素朴な響きと、大人数のコーラス。
 大人数でサビの合唱を繰り返すことで陶酔感を誘うあの音の流れ。
 さらに管楽器やマリンバなども交えつつのカラフルな音。
 電気な音が入らない中での洗練。
 とてもエレガント。




posted by H.A.


【Disc Review】“Pandeiro E Viola” (1975) Beth Carvalho

“Pandeiro E Viola” (1975) Beth Carvalho

Beth Carvalho (vocal) and others

パンデイロ・エ・ヴィオラ(期間限定価格盤)
ベッチ・カルヴァーリョ
SOLID/TAPECAR
2018-06-06


 Beth Carvalhoの1975年作。
 本作も“Canto Por Um Novo” (1973)と同様の伝統的サンバ。
 同時期のElis Reginaさんは、ジャズやソウルやロック、ポップス、さらにはクラシック的な色合いも混ざって、新しいサウンドを作ろうとしている感じが強かったり、アルバムごとに色合いが違ったりするのですが、この期おBethさんはお構いなしの王道サンバ。
 初リーダー作?“Andança” (1969)では時代の音が取り込まれていますが、“Canto Por Um Novo” (1973)以降はとにかくひたすらサンバが続きます。
 一部でエレキベースやストリングスが入り、モダンな雰囲気も醸し出しつつも、弦楽器とパーカッションが鳴り響くアコースティックなサンバ。
 低音でベースラインを出すギターに、チャキチャキと高音でカッティングされるカバキーニョ(バンドリン?)のアンサンブル、ウキキキキュキュキュってなクイーカの音の心地よさ。
 山奥な感じもするし、やはりリオ辺りの海岸な感じもするし。
 哀感たっぷりのメロディと、笑顔が見えてくるような堂々とした歌のいいパランス。
 これも最高です。




posted by H.A.


【Disc Review】“Canto Por Um Novo” (1973) Beth Carvalho

“Canto Por Um Novo” (1973) Beth Carvalho

Beth Carvalho (vocal) and others

カント・ポル・ウン・ノヴォ・ヂア(期間限定価格盤)
ベッチ・カルヴァーリョ
SOLID/TAPECAR
2018-06-06


 Beth Carvalhoの1973年作。
 伝統的なアコースティックサンバ。
 ギターとパーカッションの柔らかなビートを中心として、カバキーニョなどの弦楽器と柔らかな管楽器のアンサンブル、そしてコーラス、ときおりのストリングス。
 ジャズ度、ロック度、欧米ポップス度はありません。
 ピアノの出番さえも限られた、シンプルでナチュラル、うるさくない音。
 それがなぜかリッチな質感。
 ハスキーでな堂々たるヴォイスの力なのか、サンバ自体の持つ力なのか。
 哀愁たっぷりながらもなぜか前向きな感じがする、いかにもサンバなSaudadeたっぷりなメロディ。
 みんなでワイワイしながら合唱して、嫌な事や深刻な事は忘れてしまいましょう・・・ってなノリ。
 伝統的なサンバの演奏スタイルを踏襲しているのだと思いますが、今の耳で聞いても決して古くありません。
 このあたりの音が現在に至るまでの現代サンバの原型になっているのでしょうねえ。
 これまた心地よさ、最高。




posted by H.A.

【Disc Review】“Andança” (1969) Beth Carvalho

“Andança” (1969) Beth Carvalho

Beth Carvalho (vocal) 
Som Três: César Camargo Mariano (piano) Sabá (bass) Antonio Pinheiro (drums) Golden Boys, Milton Nascimento (voice) and others

Andanca
Beth Carvalho
EMI Brazil
2009-02-01


 サンバの女王Beth Carvalhoの1969年、堂々たるデビュー作。
 César Camargo Mariano 率いるピアノトリオSom Trêsを中心として、エレキギター、あるいはオーケストラ、コーラスを取り込んだモダンな音。
 洗練されたアレンジ、太くハスキーな声でゆったりと歌われる、新旧織り交ぜたブラジル曲たち。
 大排気量の車がゆっくりと走っているような余裕。
 元気いっぱいから沈痛まで多彩なイメージのElis Reginaさんとはまた違ったカッコよさ、余裕しゃくしゃく、どっしり構えた感じのBethさん。
 しっとりと湿っているようにも、やはりサラリとしているようにも感じるし、優しさ温かさとクールネスが同居しているようにも感じます。
 新しい時代のブラジリアンポップスのようにも聞こえるし、やはりサンバそのもののようにも聞こえます。
 そんな絶妙なバランスのカッコよさ。
 堂々としたブラジリアンポップス、心地よさ最高。
 本作はもちろん、この人のアルバムはどれも名作なのでしょう。




posted by H.A.


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