吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

violin

【Disc Review】“What Exit” (2005) Mark Feldman

“What Exit” (2005) Mark Feldman
Mark Feldman (violin)
John Taylor (piano) Anders Jormin (bass) Tom Rainey (drums)

What Exit
Mark Feldman
Ecm Records
マーク フェルドマン


 John Abercrombie / Mark Feldman Quartet番外編。
 Mark Feldman、ECMでの唯一のリーダー作。
 John Abercrombie共演諸作と同時期、いつもどこかに行ってしまいそうなクリエイティブな演奏でしたが、リーダー作ではさらに遠いところへ。
 いきなり20分を超える冒頭曲。
 ベースとドラムとの静かなインプロビゼーション。
 断片的に聞こえる美しいピアノ。
 緊張感を煽るバイオリンの音・・・
 二曲目以降、ジャズっぽいMark Feldmanを聞くこともできます。
 とても上品で穏やかな演奏もあります。
 が、全体としては名手Anders Jormin、John Taylorをもってしても、彼を完全にジャズの世界に引き込むのは難しかったかなあ・・・?
 ってな感じ?
 ただ、静謐で不思議な音空間に身をゆだねるのみ。
 抽象度が高く不安感もありますが、美しい世界のようにも感じます。
 まさに、迷宮に迷い込み、妖しいモノ、不思議なモノ、そして美しいモノが次々に現れてくるイメージですかね。
 What Exit???




posted by H.A.

【Disc Review】“Wait Till You See Her” (2008) John Abercrombie

“Wait Till You See Her” (2008) John Abercrombie
John Abercrombie (Guitar)
Mark Feldman (Violin) Thomas Morgan (Double Bass) Joey Baron (Drums)

Wait Till You See Her (Ocrd)
John Abercrombie
Ecm Records
ジョン アバクロンビー 
マーク フェルドマン 


 John Abercrombie / Mark Feldman Quartet最終作。
 前作“The Third Quartet” (2006)までから少しテンションが落ち、静謐で穏やかな印象のカルテット。
 Mark Feldmanの色合いが薄くなっているようにも感じます。
 そうではなくて音楽が穏やかになっただけなのかもしれません。
 John Abercrombieも終始抑制された演奏、強烈な弾き方はしていません。
 違和感、非日常感が小さい自然な音。
 スタンダード一曲にいつもの抽象度の高い印象のオリジナル曲を題材に、静かに流れていく弦の音。
 落ち着いた演奏が多い分、このバンドでは一番取っつきやすいアルバムかもしれません。
 この人たちらしくないのかもしれませんが、大人な雰囲気。
 穏やかなエピローグ。

 “Class Trip” (2003)から5年、“Open Land” (1998)から10年。
 このコラボレーションが何をやりたかったのか、何を残したのか・・・
 さまざまな要素はあるにせよ、稀代のバイオリン奏者Mark Feldmanがジャズをやるとどうなるのか、それをジャズの王道から離れたことができる、高テンションかつ幽玄な音を作れるJohn Abercrombieを土台にやってみる。
 絶好調の1990年代前半に比べて2000年前後からテンションが落ち気味だったJohn Abercrombieにも刺激になるだろう・・・
 ってな感じと勝手に推察しました。
 ECM総帥Manfred Eicherではなく、Abercrombieが考えたことなのかもしれません。
 さて真相は?
 また、その結果はいかに?・・・。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Third Quartet” (Jun.2006) John Abercrombie

“The Third Quartet” (Jun.2006) John Abercrombie
John Abercrombie (Guitar)
Mark Feldman (Violin) Marc Johnson (Double Bass) Joey Baron (Drums)

Third Quartet (Slip)
John Abercrombie
Ecm Records
ジョン アバクロンビー 
マーク フェルドマン 


 少し間を空けたJohn Abercrombie / Mark Feldman Quartet第三作。
 激しさと穏やかさが交錯するQuartet。
 激烈な冒頭曲から一転、二曲目からは漂うようなバラードからオーソドックス寄りの演奏まで、バリエーションに富んだ内容。
 ロマンチックまでとはいかずともそんな曲もちらほら。
 Mark Feldmanもいつになくジャズっぽい演奏。
 テーマ提示では自身の分担をこなし、自身のソロをキチンとまとめて、他のメンバーに渡す・・・
 おまけにスイングする定常な4ビート、さらにはBill Evansのバラードまで。
 うーん、ジャズっぽいなあ。
 でも無理してるようなむず痒さ・・・
 冒頭のこのバンドで最も激烈な演奏はその照れ隠しかな?
 ・・・なんて邪推してしまう、ジャズにもっとも近づいたJohn Abercrombie / Mark Feldman Quartet。




posted by H.A.

【Disc Review】 “Visions”(Apl.1983)、“Song for Everyone” (Sep.1984) L. Shankar

“Visions” (Apl.1983) Shankar

Shankar (10-string double violin, drum machine)
Jan Garbarek (soprano, tenor saxophone) Palle Mikkelborg (trumpet, fluegelhorn)


“Song for Everyone” (Sep.1984) L. Shankar
Shankar (10-string double violin, drum machine)
Jan Garbarek (soprano, tenor saxophone) Zakir Hussain (tabla, congas) Trilok Gurtu (percussion)

Vision
Lakshminarayana Shankar
Ecm Import


song for everyone
shankar
ecm
シャンカール


 インドのバイオリニストShankar、ECM作品、Jan Garbarek参加の二作。 
 ShankarはECMで既に録音済。
 Manfred Eicher得意のエスニックな音とジャズの融合。

 “Visions” (Apl.1983)はヨーロピアンジャズの管楽器二名を迎えての幻想的な音楽。
 インド独特の不思議な音階、不思議なバイオリン、ピチカートの瑞々しい音。
 さらに低くdrum machineの音が鳴り響く空間。ヴィィィーンってやつです。
 それらの不思議な音を背景にして、ジャズの二人が穏やかなインプロビゼーション。
 幻想的な空間に穏やかな響く管の音。
 三人ともあくまで静かな音使い。
 これまたインド独特のリズム、穏やかなビート感。
 さらに進むとdrum machineとバイオリンが奏でる幻想的な音・・・
 全曲オリジナル、インプロ含めて時折Ornette Colemanっぽいメロディが出てくるのも面白いところ。
 西洋音楽とは違う音使い、非日常的な音。
 でも穏やか。
 いかにもインドな瞑想的な音楽。

 “Song for Everyone” (Sep.1984)はインドエスニックなコンテンポラリージャズ。
 Zakir Hussain 含めて、John McLaughlin のバンド“Shakti”の人たち。 
 冒頭は”Dresden” (2007) Jan Garbarekでカバーされていた、エキサイティングな”Paper Nut”。
 緊張感が漂うメロディがいかにもJan Garbarekにピッタリ。
 が、全体ではまずまず穏やか、優しい感じ。
 バイオリンとサックスのインタープレーは激しいのですが、キツくもなく緩くもなく、程よいバランス。
 全てShankarのオリジナル曲。
 明るく、わかりやすいメロディが中心。
 タブラとパーカッションが織りなすエスニックで複雑で不思議なビートとの組み合わせがこれまたいいバランス。
 Shankarのバイオリンは、常に前面に出るわけではありませんが、エフェクターも絡めながら、変幻自在、縦横無尽な音使い。
 強烈ですが、わかりやすくて明るい色合い。
 Jan Garbarekはいろんな色合いが交錯しますが、全体的には優しいモードなように思います。
 難解でも深刻でもない、むしろ明るいエスニック系コンテンポラリージャズの佳作。

 Jan Garbarek、優しい音になる過渡期、また、メロディラインも後のオリジナル作品に似ているような気もします。
 後にも穏やかな参加作“Making Music” (Dec.1986) Zakir Hussainがあり、 作曲含めて、Shankar、インド系の人たちの穏やかな音の影響を受け、吸収したのかも?
 とても激しい前のセッション”Wayfarer” (Mar.1983)と、次のセッション“It's OK To Listen To The Gray Voice” (Dec.1984)の優しい音の落差、後の穏やかで幻想的な音を考えるとなおさら・・・
 さて・・・? 





posted by H.A.

【Disc Review】“Giya Kancheli, Themes From The Songbook” (2010) Dino Saluzzi / Gidon Kremer / Andrei Pushkarev

“Giya Kancheli, Themes From The Songbook” (2010) Dino Saluzzi / Gidon Kremer / Andrei Pushkarev
Dino Saluzzi (Bandoneon)
Andrei Pushkarev (Vibraphone) Gidon Kremer (Violin) and others

Themes from the Songbook
Giya Kancheli
Ecm Records
 ディノ サルーシ 
 ギドン クレーメル 
 アンドレイ プシュカレフ 



 Dino Saluzzi、グルジアの作曲家Giya Kancheliの作品集。
 バイオリニストGidon Kremer、ビブラフォンAndrei Pushkarevとのトリオ。
 バイオリンの登場場面は少な目、バンドネオンのソロ、ビブラフォンとのDuoの場面が目立ちます。
 映画か劇のサントラとして使われた曲をピックアップしているのでしょうかね。
 難解系か緊張感高い系かと思いきや、いつものDino Saluzzi Worldに近い、郷愁感を湛えた曲ばかり。
 若干の沈痛度はありますが、あくまで優しいメロディ。
 メロディアスでいつも以上に幻想的で強い揺らぎのある音空間。
 ビブラフォンの残響音が作る幻想的な空気の中を漂うバンドネオン、彩りをつけるバイオリン。
 誰も強い音は出しませんし、性急なフレーズもありません。あくまでゆったりとした静謐な音空間。
 Anja Lechnerとの共演 ”Ojos Negros”(2006)では強い「うねり」のようなものを感じますが、本作は穏やかな波のようなイメージ。
 三者ともに浮遊感の強い音使いですが、ピッタリとした調和。
 Dino Saluzziの揺らぐ音にはクラシック系の人の方が合うんでしょうかね。
 とても穏やかで優しい揺らぎの音楽、音空間。




posted by H.A.

【Disc Review】“Tivoli Gardens” (1979) Grappelli / Pass / Pedersen

“Tivoli Gardens” (1979) Grappelli / Pass / Pedersen
Stephane Grappelli (violin) Joe Pass (guitar) Niels-Henning Orsted Pedersen (bass)

Tivoli Gardens
Stephane Grappelli
Ojc
1991-07-01
ステファン グラッペリ

 名人お三方の共演ライブ。
 小粋で明るい、楽しいジャズ。
 まずは大巨匠Stephane Grappelliの表現力に脱帽。
 次から次へと楽しげなフレーズがでるわでるわ。
 グルーヴも切れ味もバッチリ、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、伸びたり縮んだり、ジェットコースター状態。あくまで楽しげなやつね。
 さらにPedersenのベース。
 早いテンポのノリの凄いこと。グングン前に進む心地よさ。
 名人Passさんは今回はちょっとお休みかな?そうでもないか。ま、録音の加減もあるしね。
 何にしても楽しい時間、春に向う少し寒い日にはこんなジャズがいいですねえ。 




posted by H.A.

【Disc Review】“Santuerio” (1993) Marilyn Crispell

“Santuerio” (1993) Marilyn Crispell
Marilyn Crispell (piano)
Mark Feldman (violin) Hank Roberts (cello) Gerry Hemingway (drum)

マリリン クリスペル

 凄いメンバーによる、ほどほど静かなフリージャズ。
 Marilyn Crispell近年のECMレコード諸作ほどメロディアスではないけども、激しい混沌の時間は短い。
 音が支配する空間は何かしら非日常の空気。

 とても美しいバイオリンとピアノの音。
 うなるチェロ、不定に響く打楽器。

 何を訴えたかったのだろう?まだ見えてこない。
 いや、そんなことを考えるよりも、ただただ、出てくる音を素直に受け止めるべきなのか?
 とある人には「分類しようとするな」と言われた。
 確かジェダイ・マスターは「考えるな、感じろ」と言ってた。たぶん同じことだろう。
 さて、フリージャズへの開眼となるか?
 まだまだフォース、いや、感性の磨き方が足らないなあ・・・




posted by H.A.

【Disc Review】"Bridges" (2015) Adam Baldych / Helge Lien Trio

"Bridges" (2015) Adam Baldych / Helge Lien Trio
Adam Baldych (violin)
Helge Lien (piano) Frode Berg (double bass) Per Oddvar Johansen (drums)

ヘルゲ リエン
アダム バウディフ


 ポーランドのバイオリニストとノルウェーのピアノトリオの共演。
 明るくドラマチックなヨーロピアンジャズ。
 ほぼ全曲Adam Baldychの作曲。
 どんな系統の人なのか詳しい情報はありませんが、基本的には現代的なわかり易いメロディ。
 北欧の親分Lars Danielssonっぽかったり、複雑な作りでも妙に優雅に聞こえる曲があったり、多種多彩。
 ジャズっぽくテーマを提示してインプロ・・・ではなく、静かに始まり、バンド全体で徐々に盛り上がって~大団円、といったドラマチックな構成が中心。
 バイオリンは少なくともこのアルバムでは素直な音使い。
 奇をてらうわけでなく、過激な音や難解なフレーズを使うわけでもなく、コードとリズムに素直にフレーズを乗せるスタイル。
 Helge Lienは本作では美しく上品なピアノ、優しい顔のHelgeさん。
 過度の緊張感や過激な色は抑えて、美しいピアノで整ったサポート。
 といった感じで、全体的なイメージは明るいヨーロピアンジャズ。
 バイオリンとHelge Lienとの壮絶なインタープレイ・・・とか、静謐ながら妖しく鬼気迫る緊張感・・・といった場面は出てきませんが、リラックスして聞ける上質なバイオリンジャズ。
 朝とかに合うかな・・・それにはちと重いか・・・




posted by H.A.
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