吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

tenor_sax

【Disc Review】“The Magic of Ju-Ju” (1967) Archie Shepp

“The Magic of Ju-Ju” (1967) Archie Shepp

Archie Shepp (tenor sax)
Reggie Workman (bass) Norman Connors, Beaver Harris (drums) 
Frank Charles (talking drum) Dennis Charles (percussion) Ed Blackwell (rhythm logs) Martin Banks (trumpet, flugelhorn) Mike Zwerin (bass trombone, trombone)

ザ・マジック・オブ・ジュジュ
アーチー・シェップ
UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)
2008-11-25


 Archie Shepp、激しい系ジャズ。
 師匠John Coltraneが亡くなる少し前の録音。
 ジャケット、この時期のColtraneのイメージから考えると、凄まじい演奏を想像してしいます。
 アフリカンなパーカッションが怒涛のように鳴り響き、もちろんフリー混じり、武骨でとても激しい音です。
 が、常軌を逸した感じにはなりません。
 意外にも普通に聞けてしまうジャズ。
 ぶっ飛び、グシャグシャと崩れつつも、魂の叫び的にはならないArchie Sheppさんのサックス。
 ゴリゴリのジャズサックスながら、ブルース~R&Bの香りをたっぷり漂わせ、どこか醒めた感じ。
 同じ様にブヒブヒブギャーってやっても、師匠の鬼気迫る気高さに比べると、ちょっとヤクザでやさぐれた感じ。
 それがカッコいいんだろうなあ。
 怒涛の18分超、独壇場の “The Magic of Ju-Ju”が終わって複数の管が加わると、後は普通にジャズ。
 ピアノレスのクールな佇まい。
 ま、クールっても十二分に暑苦しいのではありますが・・・
 暑気払いの肝試しかサウナ効果があるかな?・・・さてどうでしょう?




posted by H.A.


【Disc Review】“Four for Trane” (1964) Archie Shepp

“Four for Trane” (1964) Archie Shepp

Archie Shepp (tenor sax)
Reggie Workman (double bass) Charles Moffett (drums)
Alan Shorter (flugelhorn) John Tchicai (alto sax) Roswell Rudd (trombone)

Four for Trane
Archie Shepp
Impulse
2000-07-04


 真夏の暑苦しいフリージャズシリーズ、Archie Shepp編。
 Archie Shepp、師匠に捧げた演奏集。
 ”A Love Supreme” (1964) John Coltrane の数カ月前の時期。
 Coltraneの楽曲中心ながら、そのオリジナルはもとより、”A Love Supreme” (1964)ともムードは異なります。
 むしろ、数カ月前の録音の“Out To Lunch” (1964) Eric Dolphyをオーソドックスにした感じでしょうか。
 ピアノレスならではのクールなムードに、あちこちに飛び散る素っ頓狂なホーン陣のアンサンブル。
 が、インプロビゼーションに突入すると端正な4ビートジャズ。
 黒々、ザラザラとした音、この人ならではテナーサックス。
 他のホーン陣もなんだかんだでオーソドックスなジャズ。
 なお、御大Miles Davis は”Miles in Berlin” (Sep.1964)の時期。
 そういえばこのバンドのビートも伸び縮みしているなあ・・・
 ぶっ飛びそうでぶっ飛ばない、危ういようでそうでもない、でもここまでとは何かが違う、そんな時代のそんな音。
 いろんな人がいろんなチャレンジをしている時期ですが、この期のぶっ飛び大賞は“Out To Lunch” (1964)でしょうかね、有名どころでは。
 いずれにしてもSheppさんのヤクザなテナーは、何をやってもカッコいい。




posted by H.A.



【Disc Review】“Seeds Of Change” (2018) Joe Lovano

“Seeds Of Change” (2018) Joe Lovano

Joe Lovano (tenor sax)
Marilyn Crispell (piano) Carmen Castaldi (percussion)



 Joe Lovanoの変則トリオ。
 大ベテランの大御所にしてECMでの初リーダー作。
 テナーサックスと鐘の音を中心としたパーカッションのDuoから始まる静謐で幽玄な時間。
 静けさを助長する金属の共鳴音の中、ゆったりと哀しげなフレーズを紡ぐサックス。
 ピアノが加わっても空気感は変わりません。
 静かに零れ落ちてくるピアノの音、繊細なパーカッション、その中を漂うようなサックス。
 終始ゆったりしたテンポ、フリーな色合いが混ざりつつの淡い色合い、予想とは違う方向に流れていく音。
 ときおりのセンチメンタルなメロディ、強い音に覚醒しつつ、張り詰めているような、夢の中のような、いろんな質感が交錯する静かな時間が流れていきます。
 哀しげであったり、悟ったようであったり。
 侘び寂び、禅寺、なんて言葉が頭を過ぎる、静謐な時間。
 そして中盤以降に収められた、いくつかの激しさの混ざる演奏。
 残るのは覚醒か、それとも幻想か・・・
 そんな幽玄な時間。




posted by H.A.



【Disc Review】“The Congregation” (1957) Johnny Griffin

“The Congregation” (1957) Johnny Griffin

Johnny Griffin (tenor saxophone)
Sonny Clark (piano) Paul Chambers (bass) Kenny Dennis (drums)


 Johnny Griffin、1950年代、Blue Noteから。
 ジャケットはAndy Warhol。
 ジャケットのシャツの爽やかな色とは対照的な、ゴリゴリ、ブリブリ、真っ黒けの音。
 粘るリズム隊に、それに輪をかけたように粘っこく、黒々としたテナーサックス。
 強烈なビブラートをかけつつ、あっちに行ったりこっちに来たり、クダをまいたりよれたり突っ走ったり。
 悠々としたジャズにラテン。
 これまた1950年代マンハッタンな音。




posted by H.A.

【Disc Review】“What's New?” (1962) Sonny Rollins

“What's New?” (1962) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Jim Hall (guitar) Bob Cranshaw (bass) Ben Riley (drums) Dennis Charles, Frank Charles, Willie Rodriguez, Candido (percussion)

WHAT'S NEW?
SONNY ROLLINS
RCAVI
2016-07-22


 ラテンなSonny Rollins。
 冒頭の”If Ever I Would Leave You”のカッコいいこと。
 ブロードウェーの粋なメロディと、陽気なビートに乗ってどこまでも続いていきそうな怒涛のインプロビゼーション。
 コンパクトにまとまった“Saxophone Colossus” (1956)の”St. Thomas”に対して、たっぷり十数分。
 テーマが終わって、先発の涼し気なギターの音でクールダウンしたら、前後左右に揺れながら少しリズムの芯を外したように置かれていく、少しひしゃげた黒々とした音がこれでもかこれでもかと続きます。
 至福の時間。
 後続もラテンなジャズのオンパレード。
 パーカッションとのDuoになっても、コーラスが入っても、変わらないテナーサックスの動き。
 何をやってもハードボイルド。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Bridge” (1962) Sonny Rollins

“The Bridge” (1962) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Jim Hall (guitar) Bob Cranshaw (bass) Ben Riley (drums)

The Bridge
Sonny Rollins
Imports
2014-09-30


 Sonny Rollinsのギタートリオとの共演。
 不調で何とか、ブルックリン橋の下でどうとか、ようやく脱して何とか、ややこしい時期。
 確かに“Sonny Rollins, Vol. 1” (1956)や“Saxophone Colossus” (1956)あたりと比べるとおしとやかでしょうか。
 が、それゆえにピアノよりも線の細いギターとの相性がとてもいい感じ。
 訥々とした今にも止まりそうなスローバラード“God Bless the Child”、 "Where Are You?"がとても繊細でカッコいい。
 スピードが上がると、例のモースル信号も連発しつつのノリノリの吹きまくり。
 それでもブリブリグリグリな感じではなくて、上品で流麗なJim Hallのギターにスムースに繋がるいいバランス。
 もちろんあの少し歪んだような音と、汲めども尽きぬ泉のような音の流れは、上掲の歴史的な名演のまま。
 少々沈んだ感じのSonny Rollinsもカッコいいなあ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sonny Rollins, Vol. 2” (1957) Sonny Rollins

“Sonny Rollins, Vol. 2” (1957) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Horace Silver, Thelonious Monk (piano) Paul Chambers (bass) Art Blakey (drums)
J. J. Johnson (trombone)

ソニー・ロリンズ Vol.2
ソニー・ロリンズ
ユニバーサル ミュージック
2016-12-14


 Sonny RollinsのBlue Note第二弾。
 This is 50’sなSonny Rollins。
 幕開けはひたすら景気のいい音が鳴り続けるイケイケジャズ。
 突撃あるのみのサックスに、トロンボーン、ピアノ。
 ンチャンチャのハイハットに、おめでたいことこの上ないドラムロール。
 必死にペースをキープしウォーキングするベース。
 間にThelonious Monkのブルージーですっとぼけた感じでクールダウンしつつ、ベタベタ、綿々としたバラードで締め。
 終始鳴り響く少しひしゃげたようなぶっといテナー。
 飛び散る汗と真っ黒けな音。
 愉快痛快。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sonny Rollins, Vol. 1” (1956) Sonny Rollins

“Sonny Rollins, Vol. 1” (1956) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Wynton Kelly (piano) Gene Ramey (double bass) Max Roach (drums)
Donald Byrd (trumpet)

Volume 1
Sonny Rollins
Blue Note Records
2003-07-18


 Sonny Rollins、Blue Noteでの第一集。
 あの時代のモダンジャズ、ハードバップの典型的な音。
 アコースティック4ビートといかにもブラックアメリカンらしく堂々と鳴るホーン。
 ベタつかないクールでブルージーな空気感。
 冒頭の”Decision”なんてまさにそんな音。
 いかにもBlue Note、これこそBlue Noteな、ミディアムテンポ、マイナーコードのブルージーな音。
 “Cool Struttin'” (1958) Sonny Clarkよりも、こちらの方が先。 
 キャッチーな“Saxophone Colossus” (1956)よりも、こちらの方がザラついた感じがして、それがクールでハードボイルド。
 ちょっとヤクザなメロディに、ぶっとく黒々としたテナーサックスのゆったりとした吹きっぷり。
 どの曲でも元曲のテーマやコードの流れがキッチリ聞こえてくるフレーズが次から次へと湧き出してきます。
 だから逆にモード、フリーとは相性がよくないんじゃない?とか勝手に思ったり、思わなかったり・・・
 とにもかくにも、Sonny RollinsのBlue Noteなハードバップは最高。




posted by H.A.


【Disc Review】“Temporary Kings” (2018) Mark Turner, Ethan Iverson

“Temporary Kings” (2018) Mark Turner, Ethan Iverson

Mark Turner (tenor sax) Ethan Iverson (piano)

Temporary Kings
Ethan Iverson/Mark Turner
Ecm
2018-09-07


 Mark Turner、“Lathe Of Heaven” (2014)以来のリーダー作品。
 “All Our Reasons” (2011), “One Is the Other” (2013) Billy Hartでも共演を続けるピアニストEthan IversonとのDuo。
 半数以上をEthan Iversonの楽曲が占め、イニシアティブを執ったのは彼かもしれません。
 静かで妖しいジャズ。
 ダークな空気感、抽象的で不思議なメロディとコード。
 Duoゆえの自由さ、伸び縮みするビート感はありますが、フリーになる時間は長くありません。
 ジャズ、ポップス、あるいはクラシックの整った表情になりそうでならない、どこか意図的に外しているのであろう音の動き。
 ソプラノサックスのような高音の連続から一気に下に急降下し、とぐろを巻くように徘徊するテナー。
 あくまで淡々と不思議な音を紡ぎ続けるピアノ。
 一曲取り上げられたジャズナンバーもどこかひねくれた不穏な表情。
 Thelonious MonkとJohn ColtraneのDuoを、クラシックの香りと現代のクールな質感で包み込んだような音・・・ってな感じ・・・も違うか?
 いずれにしても時空が歪んだような静かな時間。
 そんな不思議感たっぷりの現代ジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Helsinki Songs” (2018) Trygve Seim

“Helsinki Songs” (2018) Trygve Seim

Trygve Seim (tenor, soprano sax)
Kristjan Randalu (piano) Mats Eilertsen (bass) Markku Ounaskari (drums)

Helsinki Songs
Trygve Seim
Ecm
2018-08-31


 ノルウェーのサックス奏者Trygve Seim、カルテットでのコンテンポラリージャズ。
 サポートはリーダー作”Absence” (2017)でタダモノではない感を漂わせていたエストニアのピアニストKristjan Randaluを中心とするトリオ。
 ここまでの作品からすれば意外にもポップで穏やかなジャズ、静かなバラードが中心。
 静かながらとんがりまくっていた”The Source and Different Cikadas” (2000)あたりから、作品が進むにつれて徐々にわかりやすくなってきていたように思うので、落ち着くところに落ち着いたのかもしれません。
 静かにビートを刻むベースとドラムに、明度の高い上品なピアノ、強い浮遊感のピアノトリオ。
 “My Song” (1977) Keith Jarrett までとは言わずとも、そんな空気感も漂う、懐かし気で前向きな明るいメロディ。
 そんな音を背景にした優しいサックス。
 沈痛、敬虔な感じではなくてあくまで懐かし気な穏やかさ。
 ECMのお約束、ルバートでのスローバラードは中盤の”Birthday Song”。
 他にもそんな雰囲気の演奏がちらほら、というよりも全編そんなイメージのゆったりと浮遊するような音。
 近年のノルウェーのアーティストのECM作品、穏やかな表情の作品がたくさん。
 近年の北欧の若手~中堅の本音は、こんな感じのわかりやすい音なのかもしれません。




posted by H.A.


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