吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

tenor_sax

【Disc Review】"Attica Blues" (1972) Archie Shepp

"Attica Blues" (1972) Archie Shepp

Archie Shepp (tenor, soprano saxophone)
Walter Davis, Jr. (electric piano, piano) Dave Burrell (electric piano) Cornell Dupree (guitar) Roland Wilson, Gerald Jemmott (electric bass) Jimmy Garrison (bass) Beaver Harris, Billy Higgins (drums) Ollie Anderson, Nene DeFense, Juma Sultan (percussion)
Clifford Thornton (cornet) Roy Burrows, Charles McGhee, Michael Ridley (trumpet)
Cal Massey (fluegelhorn) Hakim Jami (euphonium) Charles Greenlee, Charles Stephens, Kiane Zawadi (trombone) Clarence White (alto sax) Roland Alexander, Billy Robinson (tenor sax) James Ware (baritone sax) Marion Brown (alto sax, flute, percussion) John Blake, Leroy Jenkins, Lakshinarayana Shankar (violin) Ronald Lipscomb, Calo Scott (cello)
Henry Hull, Joe Lee Wilson, Waheeda Massey, Joshie Armstead, Albertine Robertson (vocals) William Kunstler, Bartholomew Gray (narrator)

Attica Blues
Archie Shepp
Verve
2018-03-09


 Archie Shepp、1970年代ソウルフュージョン、あるいは激しい系ファンク。
 楽曲は5分前後にコンパクトにまとめられ、メロディ、コード展開も明解、ソウルに近づいたサウンド。
 が、すさまじい音。
 弾みまくるベース、チャカポコしたギターのカッティングに、分厚いホーンのアンサンブル、神秘的というか、妖しいことこの上ないストリングス。
 そんな音を背景に、真っ黒けの男声女声のシャウトが交錯し、さらにナレーションが絡み合う、妖しく激しいファンク。
 時代は “What's Going On” (1971) Marvin Gayeなどのソフトなソウルが隆盛し始めた時期?、確かにそんな演奏、いわゆるレアグルーヴっぽい楽曲もあるのですが、よじれまくるサウンド。
 全体のイメージはやはりおどろおどろしく激しい系。
 魂の叫び、大音量の血沸き肉躍るハードなサウンドに、ハードなメッセージが込められた強烈な緊張感。
 “The Magic of Ju-Ju” (1967)よりもこちらの方がよほど怖い。
 それでいてビートは柔らか、グチャグチャな絶叫大会のようで、今にも崩れてしまいそうで、そうはなりません。
 背後に洗練を感じるのは、キャッチ―なメロディゆえか、実は考え抜かれたアンサンブルゆえか?
 いずれにしても、こりゃスゲーや。
 血管切れそう。




posted by H.A.


【Disc Review】“Things Have Got to Change” (1971) Archie Shepp

“Things Have Got to Change” (1971) Archie Shepp 

Archie Shepp (tenor, soprano sax)
Dave Burrell (electric piano) Billy Butler, David Spinozza (guitar) Roland Wilson (electric bass) Beaver Harris (drums) Ollie Anderson, Hetty "Bunchy" Fox, Calo Scott, Juma Sultan (percussion)
James Spaulding (alto sax, piccolo) Roy Burrows, Ted Daniel (trumpet) Charles Greenlee, Grachan Moncur III (trombone) Howard Johnson (baritone sax)
Joe Lee Wilson, Anita Branham, Claudette Brown, Barbara Parsons, Ernestina Parsons, Jody Shayne, Anita Shepp, Johnny Shepp, Sharon Shepp (vocals)

変転の時
アーチー・シェップ
ユニバーサル ミュージック クラシック
2001-12-21


 Archie Shepp、1970年代初頭のぶっ飛んだファンクジャズ、というよりもアバンギャルドソウル、あるいはこの種もスピリチュアルジャズになるのでしょうか。
 さておき、冒頭のアカペラコーラスからおどろおどろしい感十分、ビートは徐々に強くなり、気がつけば分厚いホーンのアンサンブルとヴォイスの饗宴。
 LPレコード片面全一曲18分強、ひたすら一つのリフ。
 端正な4ビートなんてのは今は昔、重く激しいビートに魂の叫び系のヴォイス。
 強いメッセージが込められた、ただ事ではない緊張感。
 裏返して、短く優しいエレピの音とサックスのDuo、オアシス的なインタールドは束の間、さらにド激しい長尺ファンク。
 リフ一発、怒涛のパーカッションの中、狂気を纏ったバイオリン、ピッコロ、そしてコーラスがたっぷりフィーチャーされるアフロなファンク。
 陶酔感ってな言葉は生易しい、クラクラしてくる音の洪水。
 もちろんあの強烈なサックスがたっぷりフィーチャーされているのですが、周りの激しさに呑み込まれ、何処に行ったんでしょう・・・?ってな具合の激しさが最後まで続きます。
 怖いまでに押し寄せてくる音の洪水は、聞いてるだけでヘロヘロ、汗ダラダラ・・・
 このムードを引きずりつつ、洗練されたド激しいソウル"Attica Blues" (1972)へと続きます。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Way Ahead” (1968) Archie Shepp

“The Way Ahead” (1968) Archie Shepp

Archie Shepp (tenor sax) 
Walter Davis Jr., Dave Burrell (piano) Ron Carter, Walter Booker (bass) Roy Haynes, Beaver Harris (drums)
Charles Davis (baritone sax) Jimmy Owens (trumpet) Grachan Moncur III (trombone)

The Way Ahead
Universal Music LLC
2007-03-22


 Archie Shepp、1960年代末期、ぶっ飛んだジャズ。
 激しい系ジャズ“The Magic of Ju-Ju” (1967)と、激烈ファンクな“Things Have Got to Change” (1971)の間。
 楽曲はブルースに新主流派(懐かしい!)にフリーなオリジナル曲にEllington、各曲長尺な全四曲+ボーナストラック。
 ジャズの歴史をトレースするような選曲・・・ではありますが、演奏はぶっ飛んでいます。
 冒頭のスローブルースは、オーソドックスな演奏とブヒブヒグチョグチョなテナー。
 そこまではまだ普通、以降はあちこちに跳びまくるフリー混じりの先端系。
 離散的な曲、フリーな曲はもちろん、Ellingtonナンバーもメロディは見え隠れするものの、あっちに行ったりこっちに行ったり、変幻自在。
 ビートが定常な分だけクールにも感じられますが、フロント陣はぶっ飛んだりクダを巻いたり、やっぱり普通に吹いてみたり。
 ”Out To Lunch” (1964) Eric Dolphyの少し遅れてきたShepp版・・・ちょっと違うかな?
 重くて沈痛、あの時代のドロドロな感じがうかがえる濃い一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Magic of Ju-Ju” (1967) Archie Shepp

“The Magic of Ju-Ju” (1967) Archie Shepp

Archie Shepp (tenor sax)
Reggie Workman (bass) Norman Connors, Beaver Harris (drums) 
Frank Charles (talking drum) Dennis Charles (percussion) Ed Blackwell (rhythm logs) Martin Banks (trumpet, flugelhorn) Mike Zwerin (bass trombone, trombone)

ザ・マジック・オブ・ジュジュ
アーチー・シェップ
UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)
2008-11-25


 Archie Shepp、激しい系ジャズ。
 師匠John Coltraneが亡くなる少し前の録音。
 ジャケット、この時期のColtraneのイメージから考えると、凄まじい演奏を想像してしいます。
 アフリカンなパーカッションが怒涛のように鳴り響き、もちろんフリー混じり、武骨でとても激しい音です。
 が、常軌を逸した感じにはなりません。
 意外にも普通に聞けてしまうジャズ。
 ぶっ飛び、グシャグシャと崩れつつも、魂の叫び的にはならないArchie Sheppさんのサックス。
 ゴリゴリのジャズサックスながら、ブルース~R&Bの香りをたっぷり漂わせ、どこか醒めた感じ。
 同じ様にブヒブヒブギャーってやっても、師匠の鬼気迫る気高さに比べると、ちょっとヤクザでやさぐれた感じ。
 それがカッコいいんだろうなあ。
 怒涛の18分超、独壇場の “The Magic of Ju-Ju”が終わって複数の管が加わると、後は普通にジャズ。
 ピアノレスのクールな佇まい。
 ま、クールっても十二分に暑苦しいのではありますが・・・
 暑気払いの肝試しかサウナ効果があるかな?・・・さてどうでしょう?




posted by H.A.


【Disc Review】“Four for Trane” (1964) Archie Shepp

“Four for Trane” (1964) Archie Shepp

Archie Shepp (tenor sax)
Reggie Workman (double bass) Charles Moffett (drums)
Alan Shorter (flugelhorn) John Tchicai (alto sax) Roswell Rudd (trombone)

Four for Trane
Archie Shepp
Impulse
2000-07-04


 真夏の暑苦しいフリージャズシリーズ、Archie Shepp編。
 Archie Shepp、師匠に捧げた演奏集。
 ”A Love Supreme” (1964) John Coltrane の数カ月前の時期。
 Coltraneの楽曲中心ながら、そのオリジナルはもとより、”A Love Supreme” (1964)ともムードは異なります。
 むしろ、数カ月前の録音の“Out To Lunch” (1964) Eric Dolphyをオーソドックスにした感じでしょうか。
 ピアノレスならではのクールなムードに、あちこちに飛び散る素っ頓狂なホーン陣のアンサンブル。
 が、インプロビゼーションに突入すると端正な4ビートジャズ。
 黒々、ザラザラとした音、この人ならではテナーサックス。
 他のホーン陣もなんだかんだでオーソドックスなジャズ。
 なお、御大Miles Davis は”Miles in Berlin” (Sep.1964)の時期。
 そういえばこのバンドのビートも伸び縮みしているなあ・・・
 ぶっ飛びそうでぶっ飛ばない、危ういようでそうでもない、でもここまでとは何かが違う、そんな時代のそんな音。
 いろんな人がいろんなチャレンジをしている時期ですが、この期のぶっ飛び大賞は“Out To Lunch” (1964)でしょうかね、有名どころでは。
 いずれにしてもSheppさんのヤクザなテナーは、何をやってもカッコいい。




posted by H.A.



【Disc Review】“Seeds Of Change” (2018) Joe Lovano

“Seeds Of Change” (2018) Joe Lovano

Joe Lovano (tenor sax)
Marilyn Crispell (piano) Carmen Castaldi (percussion)



 Joe Lovanoの変則トリオ。
 大ベテランの大御所にしてECMでの初リーダー作。
 テナーサックスと鐘の音を中心としたパーカッションのDuoから始まる静謐で幽玄な時間。
 静けさを助長する金属の共鳴音の中、ゆったりと哀しげなフレーズを紡ぐサックス。
 ピアノが加わっても空気感は変わりません。
 静かに零れ落ちてくるピアノの音、繊細なパーカッション、その中を漂うようなサックス。
 終始ゆったりしたテンポ、フリーな色合いが混ざりつつの淡い色合い、予想とは違う方向に流れていく音。
 ときおりのセンチメンタルなメロディ、強い音に覚醒しつつ、張り詰めているような、夢の中のような、いろんな質感が交錯する静かな時間が流れていきます。
 哀しげであったり、悟ったようであったり。
 侘び寂び、禅寺、なんて言葉が頭を過ぎる、静謐な時間。
 そして中盤以降に収められた、いくつかの激しさの混ざる演奏。
 残るのは覚醒か、それとも幻想か・・・
 そんな幽玄な時間。




posted by H.A.



【Disc Review】“The Congregation” (1957) Johnny Griffin

“The Congregation” (1957) Johnny Griffin

Johnny Griffin (tenor saxophone)
Sonny Clark (piano) Paul Chambers (bass) Kenny Dennis (drums)


 Johnny Griffin、1950年代、Blue Noteから。
 ジャケットはAndy Warhol。
 ジャケットのシャツの爽やかな色とは対照的な、ゴリゴリ、ブリブリ、真っ黒けの音。
 粘るリズム隊に、それに輪をかけたように粘っこく、黒々としたテナーサックス。
 強烈なビブラートをかけつつ、あっちに行ったりこっちに来たり、クダをまいたりよれたり突っ走ったり。
 悠々としたジャズにラテン。
 これまた1950年代マンハッタンな音。




posted by H.A.

【Disc Review】“What's New?” (1962) Sonny Rollins

“What's New?” (1962) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Jim Hall (guitar) Bob Cranshaw (bass) Ben Riley (drums) Dennis Charles, Frank Charles, Willie Rodriguez, Candido (percussion)

WHAT'S NEW?
SONNY ROLLINS
RCAVI
2016-07-22


 ラテンなSonny Rollins。
 冒頭の”If Ever I Would Leave You”のカッコいいこと。
 ブロードウェーの粋なメロディと、陽気なビートに乗ってどこまでも続いていきそうな怒涛のインプロビゼーション。
 コンパクトにまとまった“Saxophone Colossus” (1956)の”St. Thomas”に対して、たっぷり十数分。
 テーマが終わって、先発の涼し気なギターの音でクールダウンしたら、前後左右に揺れながら少しリズムの芯を外したように置かれていく、少しひしゃげた黒々とした音がこれでもかこれでもかと続きます。
 至福の時間。
 後続もラテンなジャズのオンパレード。
 パーカッションとのDuoになっても、コーラスが入っても、変わらないテナーサックスの動き。
 何をやってもハードボイルド。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Bridge” (1962) Sonny Rollins

“The Bridge” (1962) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Jim Hall (guitar) Bob Cranshaw (bass) Ben Riley (drums)

The Bridge
Sonny Rollins
Imports
2014-09-30


 Sonny Rollinsのギタートリオとの共演。
 不調で何とか、ブルックリン橋の下でどうとか、ようやく脱して何とか、ややこしい時期。
 確かに“Sonny Rollins, Vol. 1” (1956)や“Saxophone Colossus” (1956)あたりと比べるとおしとやかでしょうか。
 が、それゆえにピアノよりも線の細いギターとの相性がとてもいい感じ。
 訥々とした今にも止まりそうなスローバラード“God Bless the Child”、 "Where Are You?"がとても繊細でカッコいい。
 スピードが上がると、例のモースル信号も連発しつつのノリノリの吹きまくり。
 それでもブリブリグリグリな感じではなくて、上品で流麗なJim Hallのギターにスムースに繋がるいいバランス。
 もちろんあの少し歪んだような音と、汲めども尽きぬ泉のような音の流れは、上掲の歴史的な名演のまま。
 少々沈んだ感じのSonny Rollinsもカッコいいなあ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sonny Rollins, Vol. 2” (1957) Sonny Rollins

“Sonny Rollins, Vol. 2” (1957) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Horace Silver, Thelonious Monk (piano) Paul Chambers (bass) Art Blakey (drums)
J. J. Johnson (trombone)

ソニー・ロリンズ Vol.2
ソニー・ロリンズ
ユニバーサル ミュージック
2016-12-14


 Sonny RollinsのBlue Note第二弾。
 This is 50’sなSonny Rollins。
 幕開けはひたすら景気のいい音が鳴り続けるイケイケジャズ。
 突撃あるのみのサックスに、トロンボーン、ピアノ。
 ンチャンチャのハイハットに、おめでたいことこの上ないドラムロール。
 必死にペースをキープしウォーキングするベース。
 間にThelonious Monkのブルージーですっとぼけた感じでクールダウンしつつ、ベタベタ、綿々としたバラードで締め。
 終始鳴り響く少しひしゃげたようなぶっといテナー。
 飛び散る汗と真っ黒けな音。
 愉快痛快。




posted by H.A.


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