吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

tenor_sax

【Disc Review】“The Congregation” (1957) Johnny Griffin

“The Congregation” (1957) Johnny Griffin

Johnny Griffin (tenor saxophone)
Sonny Clark (piano) Paul Chambers (bass) Kenny Dennis (drums)


 Johnny Griffin、1950年代、Blue Noteから。
 ジャケットはAndy Warhol。
 ジャケットのシャツの爽やかな色とは対照的な、ゴリゴリ、ブリブリ、真っ黒けの音。
 粘るリズム隊に、それに輪をかけたように粘っこく、黒々としたテナーサックス。
 強烈なビブラートをかけつつ、あっちに行ったりこっちに来たり、クダをまいたりよれたり突っ走ったり。
 悠々としたジャズにラテン。
 これまた1950年代マンハッタンな音。




posted by H.A.

【Disc Review】“What's New?” (1962) Sonny Rollins

“What's New?” (1962) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Jim Hall (guitar) Bob Cranshaw (bass) Ben Riley (drums) Dennis Charles, Frank Charles, Willie Rodriguez, Candido (percussion)

WHAT'S NEW?
SONNY ROLLINS
RCAVI
2016-07-22


 ラテンなSonny Rollins。
 冒頭の”If Ever I Would Leave You”のカッコいいこと。
 ブロードウェーの粋なメロディと、陽気なビートに乗ってどこまでも続いていきそうな怒涛のインプロビゼーション。
 コンパクトにまとまった“Saxophone Colossus” (1956)の”St. Thomas”に対して、たっぷり十数分。
 テーマが終わって、先発の涼し気なギターの音でクールダウンしたら、前後左右に揺れながら少しリズムの芯を外したように置かれていく、少しひしゃげた黒々とした音がこれでもかこれでもかと続きます。
 至福の時間。
 後続もラテンなジャズのオンパレード。
 パーカッションとのDuoになっても、コーラスが入っても、変わらないテナーサックスの動き。
 何をやってもハードボイルド。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Bridge” (1962) Sonny Rollins

“The Bridge” (1962) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Jim Hall (guitar) Bob Cranshaw (bass) Ben Riley (drums)

The Bridge
Sonny Rollins
Imports
2014-09-30


 Sonny Rollinsのギタートリオとの共演。
 不調で何とか、ブルックリン橋の下でどうとか、ようやく脱して何とか、ややこしい時期。
 確かに“Sonny Rollins, Vol. 1” (1956)や“Saxophone Colossus” (1956)あたりと比べるとおしとやかでしょうか。
 が、それゆえにピアノよりも線の細いギターとの相性がとてもいい感じ。
 訥々とした今にも止まりそうなスローバラード“God Bless the Child”、 "Where Are You?"がとても繊細でカッコいい。
 スピードが上がると、例のモースル信号も連発しつつのノリノリの吹きまくり。
 それでもブリブリグリグリな感じではなくて、上品で流麗なJim Hallのギターにスムースに繋がるいいバランス。
 もちろんあの少し歪んだような音と、汲めども尽きぬ泉のような音の流れは、上掲の歴史的な名演のまま。
 少々沈んだ感じのSonny Rollinsもカッコいいなあ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sonny Rollins, Vol. 2” (1957) Sonny Rollins

“Sonny Rollins, Vol. 2” (1957) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Horace Silver, Thelonious Monk (piano) Paul Chambers (bass) Art Blakey (drums)
J. J. Johnson (trombone)

ソニー・ロリンズ Vol.2
ソニー・ロリンズ
ユニバーサル ミュージック
2016-12-14


 Sonny RollinsのBlue Note第二弾。
 This is 50’sなSonny Rollins。
 幕開けはひたすら景気のいい音が鳴り続けるイケイケジャズ。
 突撃あるのみのサックスに、トロンボーン、ピアノ。
 ンチャンチャのハイハットに、おめでたいことこの上ないドラムロール。
 必死にペースをキープしウォーキングするベース。
 間にThelonious Monkのブルージーですっとぼけた感じでクールダウンしつつ、ベタベタ、綿々としたバラードで締め。
 終始鳴り響く少しひしゃげたようなぶっといテナー。
 飛び散る汗と真っ黒けな音。
 愉快痛快。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sonny Rollins, Vol. 1” (1956) Sonny Rollins

“Sonny Rollins, Vol. 1” (1956) Sonny Rollins

Sonny Rollins (tenor saxophone)
Wynton Kelly (piano) Gene Ramey (double bass) Max Roach (drums)
Donald Byrd (trumpet)

Volume 1
Sonny Rollins
Blue Note Records
2003-07-18


 Sonny Rollins、Blue Noteでの第一集。
 あの時代のモダンジャズ、ハードバップの典型的な音。
 アコースティック4ビートといかにもブラックアメリカンらしく堂々と鳴るホーン。
 ベタつかないクールでブルージーな空気感。
 冒頭の”Decision”なんてまさにそんな音。
 いかにもBlue Note、これこそBlue Noteな、ミディアムテンポ、マイナーコードのブルージーな音。
 “Cool Struttin'” (1958) Sonny Clarkよりも、こちらの方が先。 
 キャッチーな“Saxophone Colossus” (1956)よりも、こちらの方がザラついた感じがして、それがクールでハードボイルド。
 ちょっとヤクザなメロディに、ぶっとく黒々としたテナーサックスのゆったりとした吹きっぷり。
 どの曲でも元曲のテーマやコードの流れがキッチリ聞こえてくるフレーズが次から次へと湧き出してきます。
 だから逆にモード、フリーとは相性がよくないんじゃない?とか勝手に思ったり、思わなかったり・・・
 とにもかくにも、Sonny RollinsのBlue Noteなハードバップは最高。




posted by H.A.


【Disc Review】“Temporary Kings” (2018) Mark Turner, Ethan Iverson

“Temporary Kings” (2018) Mark Turner, Ethan Iverson

Mark Turner (tenor sax) Ethan Iverson (piano)

Temporary Kings
Ethan Iverson/Mark Turner
Ecm
2018-09-07


 Mark Turner、“Lathe Of Heaven” (2014)以来のリーダー作品。
 “All Our Reasons” (2011), “One Is the Other” (2013) Billy Hartでも共演を続けるピアニストEthan IversonとのDuo。
 半数以上をEthan Iversonの楽曲が占め、イニシアティブを執ったのは彼かもしれません。
 静かで妖しいジャズ。
 ダークな空気感、抽象的で不思議なメロディとコード。
 Duoゆえの自由さ、伸び縮みするビート感はありますが、フリーになる時間は長くありません。
 ジャズ、ポップス、あるいはクラシックの整った表情になりそうでならない、どこか意図的に外しているのであろう音の動き。
 ソプラノサックスのような高音の連続から一気に下に急降下し、とぐろを巻くように徘徊するテナー。
 あくまで淡々と不思議な音を紡ぎ続けるピアノ。
 一曲取り上げられたジャズナンバーもどこかひねくれた不穏な表情。
 Thelonious MonkとJohn ColtraneのDuoを、クラシックの香りと現代のクールな質感で包み込んだような音・・・ってな感じ・・・も違うか?
 いずれにしても時空が歪んだような静かな時間。
 そんな不思議感たっぷりの現代ジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Helsinki Songs” (2018) Trygve Seim

“Helsinki Songs” (2018) Trygve Seim

Trygve Seim (tenor, soprano sax)
Kristjan Randalu (piano) Mats Eilertsen (bass) Markku Ounaskari (drums)

Helsinki Songs
Trygve Seim
Ecm
2018-08-31


 ノルウェーのサックス奏者Trygve Seim、カルテットでのコンテンポラリージャズ。
 サポートはリーダー作”Absence” (2017)でタダモノではない感を漂わせていたエストニアのピアニストKristjan Randaluを中心とするトリオ。
 ここまでの作品からすれば意外にもポップで穏やかなジャズ、静かなバラードが中心。
 静かながらとんがりまくっていた”The Source and Different Cikadas” (2000)あたりから、作品が進むにつれて徐々にわかりやすくなってきていたように思うので、落ち着くところに落ち着いたのかもしれません。
 静かにビートを刻むベースとドラムに、明度の高い上品なピアノ、強い浮遊感のピアノトリオ。
 “My Song” (1977) Keith Jarrett までとは言わずとも、そんな空気感も漂う、懐かし気で前向きな明るいメロディ。
 そんな音を背景にした優しいサックス。
 沈痛、敬虔な感じではなくてあくまで懐かし気な穏やかさ。
 ECMのお約束、ルバートでのスローバラードは中盤の”Birthday Song”。
 他にもそんな雰囲気の演奏がちらほら、というよりも全編そんなイメージのゆったりと浮遊するような音。
 近年のノルウェーのアーティストのECM作品、穏やかな表情の作品がたくさん。
 近年の北欧の若手~中堅の本音は、こんな感じのわかりやすい音なのかもしれません。




posted by H.A.


【Disc Review】“Mette Henriette” (2015) Mette Henriette

“Mette Henriette” (2015) Mette Henriette

Mette Henriette (sax)
Johan Lindvall (piano) Katrine Schiott (cello)
Per Zanussi (bass) Per Oddvar Johansen (drums, saw) Eivind Lonning (trumpet) Henrik Norstebo (trombone) Andreas Rokseth (bandoneon) Sara Ovinge, Karin Hellqvist, Odd Hannisdal (violin) Bendik Bjornstad Foss (viola) Ingvild Nesdal Sandnes (cello)

Mette Henriette
Mette Henriette
Ecm Records
2015-11-20

 ノルウェーの女性サックス奏者Mette HenrietteのECM制作、デビュー作。
 ピアノとチェロとの変則トリオと、オーソドックスなピアノトリオにホーンとストリングスの大編成の二バンド、二枚組。
 リーダーのキャリア等々の情報はもっていませんが、フワフワと漂うような、ときに凶悪な、普通のジャズとは異なる音使い。
 クラシック畑の人なのかもしれませんし、音響系といった括りがあるとすれば、そんな感じのイメージが合うのかもしれません。
 トリオが15曲にコンボが20曲。
 いずれのバンドも一分前後の短いインタールド的な演奏を交えながら進む不思議な音の流れ。
 トリオでの演奏は風と木々が揺れ擦り合うようなサウンド。
 ときおりアルバム全体のモチーフなのであろう優し気なメロディ、コードが穏やかなうねりとともに現れますが、気がつけば消え入っているような音の流れ。
 電子音で演奏するといわゆるアンビエントミュージックになりそうですが、生楽器の自然な揺れが、なんとも不思議な感じ。
 特にピークを作るわけでもなく、終始とても静かで穏やか、淡々とした音の流れが続きます。
 誰もいない静かな草原とかに似合うサウンド。
 コンボでは躍動感と音量が上がり明確な音楽になりますが、短く目まぐるしく景色が変わっていきます。
 優雅なストリングスあり、断片的な音のコラージュあり、さらには意外にもJohn Coltrane的な陰鬱・絶叫サウンド、などなど、さまざまな表情。
 全編通じて不思議感たっぷり、聞く側の感性が要求される作品でもあるのでしょう。
 ジャズなオヤジもビックリ、とてもアーティスティックな一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Romaria” (2017) Andy Sheppard

“Romaria” (2017) Andy Sheppard

Andy Sheppard (soprano, tenor sax)
Eivind Aarset (Guitar) Michel Benita (Double Bass) Sebastian Rochford (Drums)

Romaria
Universal Music LLC
2018-02-16


 イギリスのサックス奏者Andy Sheppardのカルテットの最新作。
 前作“Surrounded by Sea” (2015)と同じメンバー。
 “Trio Libero” (2012)から変わらないヨーロピアン勢のベースとドラムにEivind Aarset。
 トリオでのオーソドックスなジャズに先端的ギターが妖しい響きで不思議な背景を付けていく形。
 トリオだけだと、いいジャズだねえ・・・で終わってしまいそうなところに、何だこれは・・・?の色合いを付けるギター。
 冒頭は物悲し気なスローバラード。
 漂うリズムに薄く妖し気な背景を作るギター、美しい音、適度な起伏を伴ったスムースなフレーズを奏でるテナーサックス。
 最高の心地よさ。
 二曲目、テンポが上がると強烈な疾走。
 そんな演奏が交錯します。
 サックスとギターもさることながら、全編通じて強い躍動感ベースに、静かにヒタヒタとしたビートを刻むクールなドラムがカッコいい。
 この二人がジャズ度が高いアルバム作る際の新しい世代のECMハウスリズム隊になるのかな?
 どこか懐かし気なメロディのオリジナル曲群。
 リーダーの作る音は20世紀型ジャズなのかもしれないけども、若手リズム隊の現代的なジャズ感覚と、先端的な、でもとても静かなギターのいい感じのバランス。
 妖しいギターが、前作よりも居場所を見つけた感じで、上手く自然にバンドに溶け込んでいます。
 ハイテンションに過ぎず緩すぎず、抽象的に過ぎず具体的に過ぎず、これまたいい感じのバランス。
 そんな古いようで新しい、新しいようで懐かしいジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Surrounded by Sea” (2015) Andy Sheppard

“Surrounded by Sea” (2015) Andy Sheppard

Andy Sheppard (soprano, tenor sax)
Eivind Aarset (Guitar) Michel Benita (Double Bass) Sebastian Rochford (Drums)

Surrounded By Sea
Universal Music LLC
2015-04-17


 イギリスのサックス奏者Andy Sheppardの変則カルテットの普通なようで不思議なジャズ。
 前作“Trio Libero” (2012)のトリオにギターのEivind Aarsetが加わる形。
 静かながら躍動感が前面に出た前作に対して、本作は漂うようなバラード中心。
 Eivind Aarset は前々作“Movements in Colour” (2008)以来の参加。
 Nils Petter Molværバンド的な深刻な感じではなく、あくまで静かでスペーシーな背景作りに徹しています。
 サックストリオがキッチリとジャズを演奏する後ろで、薄い膜を作るような、あるいは緩やかに時空をゆがめていくようなギター。
 幻想的な色合いはBill Frisell入りのPaul Motianのトリオのようでもあるのですが、もっともっとジャズ寄り。
 主導するのは、あくまでどことなく懐かし気なメロディと、心地よさ最高の音のジャズサックストリオ。
 でもなんだかトリオだけの音とは印象は異なります。
 毒気まで行かずとも、不思議感を増幅するギター。
 ルバートでのスローバラードを間に挟みつつ、穏やかでゆったりとしたジャズが続きます。
 締めも“Looking for Ornette”と題された穏やかなバラード。
 本作はあまりにも穏やかなのでそれは感じていなかったのですが、やっぱり根っこはOrnette Colemanだったのかあ・・・




posted by H.A.


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