“A Retrospective” (1975,1976,1977,1980) OM
Christy Doran (Guitar, Guitar Synthesizer) Bobby Burri (Double Bass) Fredy Studer (Drums, Percussion) Urs Leimgruber (Soprano, Tenor Saxophone, Flute)
スイスのバンドOM、1970年代のジャズファンク~フュージョン、ECMレコードからのアルバム。
縁のあるJAPOレーベルでの何作かから、ECMが編集したオムニバスなのだと思います。
バンド名はあのとても怖い“Om” (1964) John Coltrane由来らしいのですが、音の方は妖しいながらも怖くはない、さまざまな色合いのジャズファンク。
エレクトリックMilesからフリー混じり、はたまたPat Metheny Groupのような感じまで。
ャズとロックが交錯するヒタヒタと迫ってくるビートに、ゴリゴリボコボコなウッドベース、あの期のJohn McLaughlinっぽいサイケなギターとWayne Shorterっぽいぶっ飛びソプラノサックス。
“In a Silent Way” (Feb.1969)、“Bitches Brew” (1969)的というか、”Weather Report” (1971)的というか。
これがカッコいいやら懐かしいやら。
妖しく激しいのですが、埃っぽくはなくて、スッキリした感じもするのはスイスのバンドゆえでしょうか?
さらにはオムニバスゆえか、スペーシーなサウンドやら密林なサウンドやらも交錯しつつ、気が付けばPat Metheny Group的柔らかさと爽やかさ、ポップネスな演奏が始まったていたりして。
確かにあの時代のサウンドなのですが、それらがかえって新鮮に聞こえます。
一聴気難し気ですが、毒気はさほど強くなく、サラリとした質感。
隠れた名作・・・かな。