吉祥寺JazzSyndicate

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piano

【Disc Review】“Yesterdays” (Apl.30.24.2001) Keith Jarrett

“Yesterdays” (Apl.30.24.2001) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

Yesterdays (Ocrd)
Keith Jarrett
Ecm Records
2009-01-27


 Keith Jarrett Standars、2001年、スタンダード演奏集、東京でのステージ。
 リリースは後の演奏のアルバムに遅れて2009年。
 先にリリースされた“Always Let Me Go” (Apl.2001)と同ツアーでのスタンダード演奏集。
 鬼のようなそちらに対して、いつもの小粋にスイングするStandars。
 近作“Whisper Not” (Jul.1999)ようにシンプルなジャズ曲ばかりではなく、歌曲も半数ほど織り交ぜつつのステージ。
 “Always Let Me Go” (Apl.2001)で弾けまくった反動・・・かどうかはわかりませんが、あの楽曲変化(へんげ)あるいはゴスペルチックなファンクの場面は出て来ない事も含めて、オーソドックスでリラックスしたジャズ演奏が並びます。
 お蔵に入っていた理由はそんな感じだからだとも推察されますが、もちろん極上のジャズピアノトリオ。
 刺激が強いヤツをお求めの向きには肩透かしなのかもしれませんが、普通のモダンジャズ好きの人にとっては、本作か“At the Deer Head Inn” (Sep.1992)あたりが一番安心して聞けるかも。
 とても平和なモダンジャズピアノトリオなStandars。

※別のステージから。


posted by H.A.

【Disc Review】“Always Let Me Go” (Apl.2001) Keith Jarrett

“Always Let Me Go” (Apl.2001) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

Always Let Me Go-Live in Tokyo
Keith Jarrett / Jack DeJohnette / Gary Peacock
Ecm Records
2002-10-15


 Keith Jarrett Standars、2001年、オリジナル曲、あるいはインプロビゼーション集、東京でのステージ。
 後の2009年にリリースされた“Yesterdays” (Apl.2001)に収められたスタンダード演奏と同ツアーの録音。
 “Inside Out” (Jul.2000)と同じコンセプトで演奏したのかもしれませんが、よりフリーで抽象度の高い印象。
 長尺な演奏は徐々に変化し、フォーキーでメロディアスなバラード、小粋にスイングするジャズへと姿を変えていきます。
 あるいはその逆。
 ある曲では静かに敬虔に、ある曲ではメロディアスに、ある曲ではジャジーに始まりつつ、徐々に抽象的に変わっていく音の動き。
 “Wave”, ”Tsunami”といったタイトルの演奏がありますが、確かに波のように一定のパルスがあり、連続していて、どこかに収斂していくのですが、不規則で予想できない音の流れ。
 神が降りてくる時間を待っているような、息が詰まるような緊張感の高い演奏が続きます。
 と思っていたら、例のエンヤットットな祝祭ファンクがいきなり始まったり、超高速フリージャズだったり、もう何が何だか・・・
 諸作の中でモダンジャズ度最高が“Whisper Not” (Jul.1999)、不思議度最高は本作。
 さて、本ステージでは“La Scala” (Feb.1995)のごとく神は舞い降りたのか?
 これまた個々にご判断を・・・

※別のステージから。


posted by H.A.


【Disc Review】“Inside Out” (Jul.2000) Keith Jarrett

“Inside Out” (Jul.2000) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

Inside Out
Keith Jarrett
Ecm Records
2001-10-02


 Keith Jarrett Standarsでのスタンダード曲の演奏ではなく、オリジナル曲、あるいはインプロビゼーション集、ロンドンでのステージ。
 このスタイルのアルバムは“Changeless” (Oct.1987)以来。
 スタンダード曲の演奏から別の楽曲に変わっていくスタイルが定番化されていましたが、そんな演奏をオリジナル曲あるいはフリーなインプロビゼーションから展開していく、そんなイメージの演奏。
 4ビートではない複雑なビート、シンプルなリフと変幻自在のインプロビゼーション。
 そしてしばらくの後に始まるあの楽曲変化(へんげ)。
 変化の先は、沈痛なバラードあり、フリーあり、あのエンヤットットなファンクあり、ゴスペルチックな展開あり。 
 ソロでの“La Scala” (Feb.1995)のように、神が降りてくる時間を待っている、あるいはその瞬間を紡ぐためにもがいているような、そんな流れ。
 硬派でハードな演奏が続きます。
 そして完全にスイッチが入ったと目される中盤、“341 Free Fade”のビート、リフのカッコいいこと。
 最後のスタンダード曲でようやく嵐は収まりますが、そこに至るまでの徹底的にハードでストイックなKeith Jarrett Standars。
 さて、果たして神は降りたのか?
 それは個々にご判断を・・・

※別のステージから


posted by H.A.

【Disc Review】“Whisper Not” (Jul.1999) Keith Jarrett

“Whisper Not” (Jul.1999) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

Whisper Not (Live in Paris 1999)
Keith Jarrett
Ecm Records
2000-10-10


 Keith Jarrett Standars、1999年、パリのステージ。
 療養を経て“The Melody At Night, With You” (1998)の後、最初にリリースされた公式音源になるのでしょう。
 開けてビックリ、元気で明るい・超高速・ハイテンション・ピアノトリオ・ジャズ。
 後にリリースされる“After The Fall" (Nov.1998)の時点のスッキリ系とも違った感じ。
 優雅な歌曲のスタンダードではなく、ジャズメンのオリジナル曲の中心の選曲も相まってか少々武骨な感じもちらほら、モダンジャズ度は諸作の中でも最高かもしれません。
 ともあれ、指は高速に動きまくり、例のうなり声とともに次々とフレーズが湧き出てくるあのスタイルが完全復活。
 強い熱を発しつつ強烈に疾走し、軽快にスイングするジャズ。
 が、あのお約束とも思えた楽曲変化(へんげ)やエンヤットットなファンク、ゴスペル的高揚の場面はありません。
 ほどほどコンパクトにまとめられたオーソドックスな4ビートジャズが並びます。
 これまたそのあたりで好みが分かれてくるのでしょう。
 あらためて聞き直してみると、いくつかの演奏、特に後半に“Tokyo '96” (Mar.1996)、 “After The Fall" (Nov.1998)のようなスッキリ系、終盤のバラードに“The Melody At Night, With You” (1998)的達観を感じるかなあ・・・さてどうでしょう。
 いずれにしても完全復活、絶好調のStandars。

※近い時期?


posted by H.A.


【Disc Review】“After The Fall" (Nov.1998) Keith Jarrett

“After The Fall" (Nov.1998) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

AFTER THE FALL
JARRETT/PEACOCK/DEJO
ECM
2018-03-02


 Keith Jarrett Standars、1998年、ニュージャージーでのステージ。
 先にリリースされていたハイテンションな“Whisper Not” (Jul.1999)の少し前。
 療養を経て“The Melody At Night, With You” (1998)を発表した後の最初の公式音源になるのだと思いますが、リリースは2018年。
 そちらのようにゆったりとメロディを紡いていく・・・ではなく、元気で明るいピアノトリオ。
 演奏は完全復活、絶好調。
 ブランクを感じさせないスピード、切れ味、指動きまくり。
 楽曲はジャズ曲と歌曲が半々。
 冒頭“The Masquerade Is Over”、静かなピアノソロから始まり、テーマが提示されると軽快にスイングを始めるバンド。
 端正なジャズで10分ほどの演奏の後は例の長尺なアウトロ。
 お約束でテンションを上げながらドカーンとファンクで・・・とはならず、軽いジャズのまま、それ でも5分以上続く変化球なエンディング。
 続くジャンピーなジャズ曲になっても端正な表情のまま。
 得意の“Autumn Leaves”のアウトロでラテンからお祭りファンクへと変化していく音。
 お約束が来たか、と思いきや、その時間は短く、テーマの提示で通常のテンションへと戻り、静かなエンディング。
 端正な演奏が続きます。
 そろそろドカーンと来たりグシャグシャとなったりしないかな、と思いつつもそんな場面はなく、全編通じてスッキリしたジャズの演奏集。
 盛り上がる場面もあくまで端正、オーソドックスなジャズ。
 “Tokyo '96” (Mar.1996)と並ぶスッキリ度、そんなStandards。




posted by H.A.


【Disc Review】“Tokyo '96” (Mar.1996) Keith Jarrett

“Tokyo '96” (Mar.1996) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

Tokyo 96
Keith Trio Jarrett
Ecm Records
2000-01-25


 Keith Jarrett Standars、1996年、東京でのステージ。
 Standarsとしては“At the Blue Note” (Jun.1994)に続くアルバム、凄まじいソロ作品“La Scala” (Feb.1995)の一年後。
 後にソロ演奏での“A Multitude of Angels” (Oct.1996)が発表されていますが、療養前最後のトリオでの公式アルバム。
 この期の軽快にスイングするStandarsですが、なぜか諸作よりもスッキリした印象。
 選曲なのか、この日の調子なのか、録音の具合なのか、よくわかりませんが、粘性が低くサラサラと流れていくような印象の音の動き。
 他のアルバムで聞いた楽曲もなぜかスッキリ、あの“Billie's Bounce”までが爽やかに響きます。
 薄味といえばそうなのですが、それが居並ぶアルバムの中で希少だったり、身体にもよさそうだったりします。
 ハイライト、お約束の楽曲変化(へんげ)は、”Autumn Leaves”で来ると思わせつつ、次の “Last Night When We Were Young / Caribbean Sky”で意表を突く動から動へ、陽から陽への新しい?パターン。
 ラテン調ながら、これまたなぜかスッキリ爽やか。
 そして締めの“My Funny Valentine / Song”も静かで短い楽曲変化(へんげ)。
 激しく疾走する"Still Live" (Jul.1986)のバージョンとは全く違う印象、とても繊細、穏やかで前向きなエンディング。
 とても上品で素敵なステージでした。

※別のステージから。


posted by H.A.


【Disc Review】“At the Blue Note” (Jun.1994) Keith Jarrett

“At the Blue Note” (Jun.1994) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

At the Blue Note: The Complete Recordings
Keith Jarrett / Jack DeJohnette / Gary Peacock
Ecm Records
2000-09-12


 Keith Jarrett Standars、1994年、ライブハウスのステージ。
 三夜、全六セットの記録。
 ここまで物量で攻められてしまうと、もうごちそうさまというか、参りましたというか、何と申しましょうか。
 ところどころに毒気も散りばめられていますが、“At the Deer Head Inn” (Sep.1992)の流れを引き継いだようなモダンジャズに寄ったステージ。
 三日間、重複する楽曲は数曲のみ、どのセットも素晴らしいジャズ。
 集大成を作ろうとしていたのか、全てを記録することで、いつ訪れるかわからない次年の激烈な名演“La Scala” (Feb.1995)のような、神が降りてくる時間をとらえようとしたのか、ま、両方なのでしょう。
 さておき、概ねいつものStandarsなのですが、お約束?の楽曲変化(へんげ)を取り上げてみると以下の様な感じ。

Disc1.Fri.1set:”In Your Own Sweet Way”
Disc2.Fri.2set:なし
Disc3.Sat.1set:”Autumn Leaves”, “You Don't Know What Love Is/Muezzi”
Disc4.Sat.2set:“I Fall in Love Too Easily/The Fire Within”
Disc5.Sun.1set:”On Green Dolphin Street/Joy Ride”
Disc6.Sun.2set:なし

 なるほど、Disc3のみが単独リリースされたのは納得至極。
 かといって金曜、日曜のセカンドセットがハズレだったわけではなく、イントロ、アウトロが少々長尺で派手だったり、その他諸々、全セットともにドキドキ感がある時間。
 さらに、日曜セカンドに演奏された重々しく沈痛な”Desert Sun”が、次年の“La Scala” (Feb.1995)に繋がっていそうで何とも興味深い・・・なんてのはマニアックな見方なのでしょうねえ。
 ともあれ、平和なジャズあり、疾走と浮遊の心地よさあり、強烈な高揚感あり、そして謎ありの演奏集。
 さて神は舞い降りたのか?
 それは個々にご判断を。

※別のステージから。
 

posted by H.A.



【Disc Review】“At the Deer Head Inn” (Sep.1992) Keith Jarrett

“At the Deer Head Inn” (Sep.1992) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

At the Deer Head Inn
Keith Trio Jarrett
Ecm Records
2000-04-11


 Keith Jarrett、1992年、ライブハウスでのステージ。
 ドラムにPaul Motianを迎えたトリオ。
 ついアメリカンカルテットの空気感や楽曲、あるいは当時のPaul Motianトリオな感じも期待してしまうのですが、Standardsと同様、キッチリとしたジャズスタンダードの演奏集。
 変幻自在、不思議感たっぷりのはずのPaul Motian、このバンドでは予想外のアクセントも、パタパタとしたスネアも、バシャーンなシンバルも、明後日の方向への動きも抑制し、なぜか上品なジャズドラム。
 心なしかベースも抑制気味かもしれません。
 もちろん、ピアノはいつもと変わらず切れ味抜群。
 が、丸かったピアノの音が鋭くなったように、ベースの音も同じくシャープな感じがするのは、デジタル録音への移行期の所以でしょうか?
 さておき、ジャケットの写真のように暗く妖しげな感じではなくて、明るく洒脱なムード。
 軽快に進むジャズの中、“You don’t know what love is?”のアウトロでお約束の楽曲変化(へんげ)、あのファンクビートとゴスペルチックな展開も。
 全部合わせて、ニューヨークの高級ジャズクラブから聞こえてきそうな、オーソドックスながら極上のピアノトリオジャズ。
 普通のモダンジャズファンの人からすると、膨大なKeith Jarrett諸作の中でも一番とっつき易いアルバムだったりして。
 さてどうでしょう?

※別のステージから。


posted by H.A.


【Disc Review】“Bye Bye Blackbird” (Oct.1991) Keith Jarrett

“Bye Bye Blackbird” (Oct.1991) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)



 Keith Jarrett Standars、1991年、逝去したMiles Davis追悼アルバム。
 Keith Jarrett, Jack DeJohnette, Miles Davisとくれば、“Miles Davis At Fillmore” (Jun.1970), “Live Evil” (Feb.Jun.1970)あたりのド激しい系フリー混じりジャズファンクなども期待してしまうのですが、なかなかそうはいきません。
 “Tribute”(Oct.15.1989)あたり以降の明るく軽快にスイングするジャズピアノトリオ。
 バラード演奏ではタップリのタメを効かせつつ哀しみに浸る追悼ムードが漂い、ゴスペルチックな展開もあります。
 哀しみからほのかな高揚感へと変化していく“You won’t forget me”はさりげない名演。
 長尺なフリーインプロビゼーションも、お祭りムードに移行していく展開ではなく、終始ダーク。
 が、沈痛に陥るわけではなく、むしろ淡々と流れていく演奏。
 クールだった大親分の元子分としてのクールな演奏。
 どうせやるならもっと新しいこと、凄いやつをやれ、なんて大親分の声が天国から聞こえてきそうな軽快なジャズが中心。
 が、涙ちょちょ切れな感じよりも、こんな感じの追悼の方がMiles大親分、そしてこのお三方には似合っているのかも。
 軽さ含めてクールでハードボイルドなBye Bye Blackbird、Bye Bye。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Cure” (Apl.1990) Keith Jarrett

“The Cure” (Apl.1990) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

ボディ・アンド・ソウル
キース・ジャレット・トリオ
ユニバーサル ミュージック クラシック
2012-03-21



 Keith Jarrett Standars、1990年、ニューヨークでのステージ。
 “Tribute” (Oct.15.1989)あたりで後々まで続く作風が決まったように思いますが、それに続く本作も同様。
 明るくカラッとしたKeith Jarrett Standars。
 沈み込むように始まっても、テーマが奏でられ、ビートが入ると軽快にスイングするジャズ、あるいは強烈にグルーヴするファンク。
 Monkナンバーがとてもカッコいいファンクに、高速Be-Bopは繊細に、ブルースは少々の粘りを持たせつつも上品に様変わりし、バラードは後ろ髪を引かれることなく淡々と流れていきます。
 かつての内省、耽美、深刻な色合いは、”Body And Soul”の導入、三分を超えるピアノの独奏で少々。
 そして終盤に収められたタイトル曲は、お得意あるいはお約束、エンヤットットなビートのファンクで盛り上がるあのパターン。
 ソロ作品では“Vienna Concert” (Sep.1991)のように重厚でクラシカルな面持ちに変わってきた時期ですが、トリオでは軽快にスイングするジャズとファンク。
 作風、固まりました、そんなKeith Jarrett Standars。

※別のステージから。


posted by H.A.


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