吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

piano

【Disc Review】“Caoimhín Ó Raghallaigh & Thomas Bartlett” (2019) Caoimhín Ó Raghallaigh, Thomas Bartlett

“Caoimhín Ó Raghallaigh & Thomas Bartlett” (2019) Caoimhín Ó Raghallaigh, Thomas Bartlett

Caoimhín Ó Raghallaigh (Hardingfele) Thomas Bartlett (Piano)

Caoimhin O Raghallaigh..
Caoimhin O Raghallaigh &
Real World
2019-11-22



 アイルランドのフィドル奏者Caoimhín Ó RaghallaighとアメリカのピアニストThomas BartlettのDuo作品。
 アイリッシュ~ケルトミュージックなのか、ニューエイジミュージック(死語?)なのか、ポストクラシカルなのか、コンテンポラリージャズでいいのかよくわかりませんが、そんな感じの静かで穏やか、美しい音。
 ジャズっぽさはなくクラシック寄り、近年のECMレコードにありそうな感じでもありますが、もっと優しい雰囲気。
 少し遠くで鳴っているようなクラシック寄りの音で、ゆったりと置かれていくピアノ、寄り添うような物悲しいフィドルの擦過音との繊細な絡み合い。
 穏やかな起伏を伴いながら揺れるビート。
 たっぷりの余白。
 日常の法則を無視するかのように揺れ、ゆったりと流れていく時間。
 終始明るい感じながらも、ほのかなセンチメンタリズムが漂うメロディ、リフ。
 ときおりビートを崩し漂いながら、また元のゆったりとしたテンポへ。
 その繰り返し。
 ときおりいかにもケルティッシュな躍動感も表出しますが、その時間は長くはなく、気がつけばまた穏やかな表情。
 緩やかな風のようでもあるし、穏やかな波のようでもあるし。
 この種の音楽、繊細なガラス細工のような質感が多いのですが、本作はもっと柔らかくしなやか。
 さわると壊れるのではなく、緩やかに形が変わっていきそうな、そんな感じ。
 どこか遠くを眺めるような懐かしい感じは、これまたSaudadeな音。
 とても心穏やか、安らぎます。




posted by H.A.

【Disc Review】“Black Orpheus” (2012) Masabumi Kikuchi

“Black Orpheus” (2012) Masabumi Kikuchi

Masabumi Kikuchi (piano)

Black Orpheus
Masabumi Kikuchi
Ecm Records
2016-05-20

 菊地雅章氏、2012年のソロピアノ、東京でのライブ録音、ECMレコードから。
 おそらく遺作。
 とても静かで穏やか、繊細な音。
 幽玄の方が語感が合うのかもしれません、
 超スローテンポ、淡い色合い、漂うような音の動き。
 定まりそうで定まらないビート。
 メロディの核が見えそうで見えない、見えそうになると崩れていく、そんな流れの繰り返し。
 淡く緩やかな音の流れは、中盤に収められた“Black Orpheus”のテーマに向けて収斂していき、その後また崩れていく、そんな感じにも聞こえるステージ構成。
 予定していた展開なのかもしれませんし、偶然そうなったのかもしれません。
 いずれにしても、とても繊細な綾がゆったりと紡がれていくような時間。
 ソロゆえか“Sunrize” (2009)よりもさらに繊細。
 外国とは一線を画する日本的なモノを感じます。
 その静謐な緊張感の中に没頭するもよし、サラサラと流れてゆく心地よい音を聞き流すもよし。
 本邦のスタイリストが奏でる、スタイリッシュな静けさ。

※別のアルバムから。


posted by H.A.



【Disc Review】“Sunrize” (2009) Masabumi Kikuchi

“Sunrize” (2009) Masabumi Kikuchi

Masabumi Kikuchi (piano)
Thomas Morgan (bass) Paul Motian (drums)



 菊地雅章氏、2009年のトリオ作品、ECMレコードから。
 大御所Paul Motian、近年の ECMのファーストコールなベーシストとのトリオ。
 静かで穏やか、とても繊細な音。
 甘いメロディを奏でるわけでも、フリーに飛び交うわけでも、疾走するわけでもない、ゆったりとしたテンポで淡く断片的なメロディを繰り出すピアノ。
 それに寄り添うように静かにビート繰り出すドラム、ベース。
 不思議で先の読めない音の流れの中にときおり表出する、美しいメロディの断片。
 メロディが見えてきそうで見えない、ビートが定まりそうで定まらない、抽象的なようでなぜか美しい音の流れ。
 小さく聞こえる苦悶するようなうなり声、ときおりのフリーで激しい音。
 が、なぜか優しい音。
 全部合わせてとても繊細。
 21世紀前後からECMレコードの音楽は淡く優しくなったように感じますが、それとも違うように思います。
 類似するピアノトリオがすぐには思いつかない、希少な質感。
 日本的な旋律や音階があるわけではありません。
 が、この繊細な感じが日本的な色合いなんだろうなあ、と思う演奏集。

※別のアルバムから。


posted by H.A.



【Disc Review】“The Montreal Tapes” (Jul.7.1989) Charlie Haden w. Paul Bley, Paul Motian

“The Montreal Tapes” (Jul.7.1989) Charlie Haden w. Paul Bley, Paul Motian

Charlie Haden (bass)
Paul Bley (piano) Paul Motian (drums)

Montreal Tapes
Charlie Haden
Polygram Records
1995-07-25


 Charlie Hadenのモントリオールのジャズフェスでのライブ録音。
 全8公演のうち7番目、Paul Bleyとのトリオ。
 メンバー共通のアイドルなのであろうOrnette Coleman曲が半分と各人のオリジナル曲。
 ぶっ飛んでいくジャズと端正なジャズが入り混じる構成。
 ピアノがKeith Jarrettになると“Somewhere Before" (Aug.1968)、"Hamburg '72" (Jun.1972)などの名演があるのですが、もちろんそれらとは違う色合いのピアノトリオ。
 冒頭“Turn Around”から突っ走り、明後日の方向にぶっ飛んでいくピアノ、クールにビートを刻み続けるドラム、ベース。
 あのセンチメンタリズムの極み、タメにタメて崩れそうで崩れないピアノが登場する場面は、”New Beginning”、” Ida Lupino”、” Body Beautiful”あたり。
 なぜかいつものように大きくは崩れない端正な演奏。
 フリージャズ風の激しい演奏もありますが、Ornette Colemanのボサノバなども含めて軽快に爽やかにまとめた感じでしょうか。
 このシリーズの中では本作と“In Montreal” (Jul.6.1989) w. Egberto Gismontiがほどほど甘美で硬派ではないのかもしれません・・・ってどれだけ硬派な音楽やってるんでしょね。
‎ ”Quartet West” (1987)とか、いかにもハリウッドな甘さもいいのですがね。
 ハードボイルドなロマンチストの一作。




posted by H.A.


【Disc Review】”The Montréal Tapes” (Jul.1.1989) Charlie Haden w. Geri Allen, Paul Motian

”The Montréal Tapes” (Jul.1.1989) Charlie Haden w. Geri Allen, Paul Motian

Charlie Haden (bass)
Geri Allen (piano) Paul Motian (drums)

Montreal Tapes
Charlie Haden
Polygram Records
1998-01-27


 Charlie Hadenのモントリオールのジャズフェスでのライブ録音。
 二日目は当時若手であったのであろうGeri Allenを迎えたピアノトリオ。
 最終日“The Montreal Tapes” (Jul.8.1989) Liberation Music Orchestraでも凄い演奏をしていましたが、この日もぶっ飛んだピアノ。
 冒頭のブルースからゴーン、ガーンの強打と軽やかな疾走の交錯。
 続くPaul Motian曲のいかついテーマを転がした後は一気に突っ走るピアノ。
 フリー色も入り混じりながら、どこまで加速するの?ってなすさまじい演奏。
 Paul BleyよりもKeith Jarrettよりも硬質で攻撃的な感じでしょうか。
 硬派で男前。
 若気の至りというか、新感覚というか。
 あの甘く哀しい“First Song”でようやく落ち着きますが、綿々としつつもこれまた強烈な疾走。
 オリジナル曲もこれまたいかついメロディとThelonious Monk的ゴツゴツ感と流麗さが交錯する演奏。
 終盤にかけてゴーン、ガーンがなくなり、柔らかな質感になりますが、どこに飛んでいくのか予想できない動きは変わりません。
 しばしば登場する流麗な上昇下降がとても心地よい音。
 硬質さと柔らかさが同居する質感、それら全部含めて硬派でハードボイルド。




posted by H.A.


【Disc Review】“Time Remembers One Time Once” (1981) Denny Zeitlin, Charlie Haden

“Time Remembers One Time Once” (1981) Denny Zeitlin, Charlie Haden

Denny Zeitlin (piano) Charlie Haden (bass)



 アメリカ西海岸のピアニストDenny ZeitlinとCharlie HadenのDuo、ライブ録音、ECMレコードから。
 ECMからなのが異色。
 それもアメリカ西海岸San Francisco, Keystone Korner,、ってどうも陽気なモダンジャズっぽい感じがして、ECMとは水と油なような気が無きにしもあらず・・・
 もちろん名人のお二人、名人芸な穏やかなジャズ。
 二人のオリジナル曲にOrnette Coleman、スタンダードを少々の選曲。
 妖しく沈痛なCharlie Hadenな空気感からスタート。
 音数を絞ってタメを効かせて置かれていくピアノ。
 沈んだ空気感、ドラムレスゆえの穏やかな音の流れ。
 続くOrnette Colemanナンバーでは明度が上がりつつ、疾走し転げまわるピアノ。
 さらにベースが先導するジャズスタンダードを経て、Denny ZeitlinのワルツあたりからBill Evans的モダンジャズな空気感に変わっていきます。
 とても優雅。
 “Closeness” (1976)でKeith Jarrett との超弩級の名演がある”Ellen David”は少し沈んだムード、Charlie Hadenがリードする穏やかな演奏。
 しっかりとタメを効かせ、ゆったりと音を置いていく美しく柔らかないピアノ。
 狂気と激情が混ざるKeith Jarrettとは好対照。
 さらに締めにはちょっと沈んだ感じながら、なんだかんだで軽快なボサノバ。
 Denny ZeitlinはECMではこれ一作ですか。
 本作でもとても素敵なピアノ、カッコいいジャズなのですが、さもありなん。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Somewhere” (May.2009) Keith Jarrett

“Somewhere” (May.2009) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

Somewhere
Keith Jarrett
Ecm Records
2013-05-28


 Keith Jarrett Standars、2009年、ドイツでのステージ。
 Standars としては“Up for It” (Jul.2002)以来久々の公式音源になるのでしょう。
 リリースはさらに時間を空けて2013年。
 冒頭の”Deep Space/Solar”、深刻で内省的な面持ち、零れ落ちてくるような繊細なピアノの独奏から始まり、徐々に変わっていく景色。
 普通のジャズではない感たっぷり、静謐と耽美、感傷的なあの世界が戻ってきたか?な導入。
 テーマが提示されリズムが入ると、インタープレーを展開しつつ徐々に上がっていく熱。
 気がつけば怒涛のハイテンションジャズ、高速ロングフレーズ連発のピアノ。
 とても激しい演奏。
 さらに中盤のタイトル曲”Somewhere/Everywhere”は、静かなバラードからお祭りファンクへと変化してドカーンと盛り上がる定番パターン。
 これが出てくると安心というか、これがないとねえ・・というか。
 そして淡々と奏でられ、高速ロングフレーズで彩られるバラードで静かに幕。
 全体的には変わらぬStandardsではあるのですが、ピアノにタメ、粘りが出てきて、さらに疾走が強烈になった感じもします。
 単にこの日の具合なのかもしれませんし、変わる兆しなのかもしれません。
 さて、今後の展開やいかに?
 次作を待ちましょう・・・
 って、もうここから十年以上経過してますか・・・

※別のステージから。


〇:ソロ、除くクラシック ●:Standards

 “Life Between the Exit Signs" (May.1967)
〇“Restoration Ruin"(Mar.1968)
 “Somewhere Before" (Aug.1968)
 “Gary Burton & Keith Jarrett" (Jul.1970) 
 “Ruta and Daitya" (May.1971)
 “The Mourning of a Star" (Jul.Aug.1971)
 “Birth" (Jul.1971)
 “El Juicio (The Judgement)" (Jul.1971)

〇"Facing You" (Nov.1971)
 "Expectations" (Apl.1972)
 "Hamburg '72" (Jun.1972)
 “Conception Vessel” (Nov.1972) Paul Motian
 "Fort Yawuh" (Feb.1973)
 "In the Light" (Feb.1973)
〇”Solo Concerts:Bremen/Lausanne” (Mar.Jul.1973)
 “Treasure Island” (Feb.1974)
 “Belonging” (Apl.1974)
 “Luminessence” (Apl.1974) 
 “Death and the Flower” (Oct.1974)
 “Back Hand” (Oct.1974)  
〇“The Köln Concert” (Jan.1975)
 “Solo Performance, New York ‘75” (Feb.13.1975)
 "Gnu High" (Jun.1975) Kenny Wheeler
 “Arbour Zena” (Oct.1975)
 “Mysteries” (Dec.1975)  
 “Shades” (???.1975) 
 “Closeness” (Mar.1976) Charlie Haden
 “The Survivor's Suite” (Apl.1976)
〇“Staircase” (May.1976) 
 “Eyes of the Heart” (May.1976) 
 “Hymns/Spheres” (???.1976)
 “Byablue” (Oct.1976)
 “Bop-Be” (Oct.1976)
〇“Sun Bear Concerts” (Nov.1976)
 “Ritual” (Jun.1977)
 “Tales Of Another” (Feb.1977) Gary Peacock
 “My Song" (Oct.-Nov.1977)
 “Sleeper” (Apl,16-17.1979)
 “Personal Mountains” (Apl,16-17.1979)
 “Nude Ants:Live At The Village Vanguard” (May,1979)

 "Invocations/The Moth and the Flame" (1979,1980)
 "G.I. Gurdjieff: Sacred Hymns" (Mar.1980)
 "The Celestial Hawk" (Mar.1980)
Concerts:Bregenz” (May.1981)
〇”Concerts:Munchen” (Jun.1981)
●“Standards, Vol. 1” (Jan.1983)
●“Standards, Vol. 2” (Jan.1983)
●“Changes” (Jan.1983)
 "Arvo Part: Tabula Rasa" (Oct.1983,1984,1977) 
 "Spirits" (May-Jul.1985)
●"Standards Live" (Jul.1985)
 “Barber/Bartók” (1984-85)
●"Still Live" (Jul.1986)
 "Book of Ways" (Jul.1986)
 "No End" (Jul.1986)
 "Well-Tempered Clavier I" (Feb.1987)
〇"Dark Intervals" (Apl.1987)
●“Changeless” (Oct.1987)
 “J.S. Bach: Das Wohltemperierte Klavier, Buch I” (1987)
〇”Paris Concert” (Oct.1988)
 “Lou Harrison: Piano Concerto” (1988)
●”Standards in Norway” (Oct.1989)
●“Tribute” (Oct.1989)
 “Hovhaness, Alan: Piano Concerto:Lousadzek (Coming Of Light) ” (1989)
 “J.S. Bach: Goldberg Variations” (1989)
●“The Cure” (Apl.1990)
 “J.S. Bach: Das Wohltemperierte Klavier, Buch II” (1990)
 “G.F. Handel: Recorder Sonatas with Harpsichord Obbligato.” (1990)
〇“Vienna Concert” (Sep.1991)
●“Bye Bye Blackbird” (Oct.1991)
 “J.S. Bach: The French Suites” (1991)
 “J.S. Bach: 3 Sonaten für Viola da Gamba und Cembalo” (1991)
 “At the Deer Head Inn” (Sep.1992)
 “J. S. Bach: 3 Sonatas with Harpsichord Obbligato. 3 Sonatas with Basso Continuo” (1992)
 “Peggy Glanville Hicks: Etruscan Concerto” (1992)
 “Dmitri Shostakovich: 24 Preludes and Fugues op.87” (1992)
 “Bridge of Light" (Mar.1993)
 “G.F. Handel: Suites For Keyboard” (1993)
●“At the Blue Note” (Jun.1994)
 “W.A. Mozart: Piano Concertos, Masonic Funeral Music, Symphony In G Minor” (1994)
〇“La Scala” (Feb.1995)
●“Tokyo '96” (Mar.1996)
〇“A Multitude of Angels” (Oct.1996)
 “W.A. Mozart: Piano Concertos, Adagio And Fugue” (1996)

〇“The Melody At Night, With You” (1998)
●"After The Fall" (Nov.1998)
●“Whisper Not” (Jul.1999)
●“Inside Out” (Jul.2000)
●“Always Let Me Go” (Apl.2001)
●“Yesterdays” (Apl.30.24.2001)
●“My Foolish Heart” (Jul.22.2001)
●“The Out-of-Towners” (Jul.28.2001)
●“Up for It” (Jul.2002)
〇“Radiance” (Oct.2002)
〇“The Carnegie Hall Concert” (Sep.2005)
 ”Jasmine” (2007)
 “Last Dance” (2007)
〇“Testament” (Oct.2008)
●“Somewhere” (May.2009)
〇“Rio” (Apl.2011)
〇“Creation” (2014)
〇“Munich 2016” (2016) 


posted by H.A.

【Disc Review】“Up for It” (Jul.2002) Keith Jarrett

“Up for It” (Jul.2002) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

Up for It: Live in Juan-Les-Pins
Keith Jarrett
Ecm Records
2003-05-20


 Keith Jarrett Standars、2002年、フランスのジャズフェスティバルのステージ。
 自信作だったのか、先に録音された“My Foolish Heart” (Jul.22.2001), “The Out-of-Towners” (Jul.28.2001)よりも先にリリース(2003年)された形。
 他のアルバムで聞いことがあるような楽曲が並ぶ、ショーケースのようなステージ。
 少々抑制気味の” If I Were A Bell”から始まり、徐々に熱を帯びテンションを上げていく演奏。
 "Still Live" (Jul.1986)に凄い演奏が記録されている”My Funny Valentine”は同じ感じのイントロながら、早々にテーマが提示され、本演奏へ突入。
 あの沈んだムード、何が始まるのか予想できないドキドキ感がよかったのに・・・なんてのは贅沢なのでしょう。
 さて、お約束の楽曲変化(へんげ)は最後に収められた“Autumn Leaves / Up For It”。
 静々と始まり、凄まじいピアノソロ、ドラムソロ、テーマ、アウトロと来て、気がつけばラテンとゴスペルが入り混じる熱狂の中でドカーンと盛り上がって幕。
 よくできたステージ構成、やはりStandarsのショーケース。
 だから“The Out-of-Towners”より先に世に出たのかな?
 さてどうでしょう。

※別のステージから。


posted by H.A.


【Disc Review】“The Out-of-Towners” (Jul.28.2001) Keith Jarrett

“The Out-of-Towners” (Jul.28.2001) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

Out-Of-Towners
Keith Jarrett
Ecm Records
2004-08-31


 Keith Jarrett Standars、2001年、ECMレコードのお膝元、ミュンヘンのステージ、スタンダード演奏集。
 一年後の演奏“Up for It” (Jul.2002)に遅れて2004年のリリース。
 静かにメロディアスに始まるステージ。
 ゆったりとしたフォーキーな音の流れの後は一転して疾走するジャズ。
 続くバラードも徐々に熱が上がっていくジャズ。
 いつものStandarsではあるのですが、ピアノは1970年代諸作を想わせる疾走するロングフレーズがたっぷり。
 本ステージでは普通のジャズではない独特の疾走が戻ってきたようにも感じます。
 ハイライトはニ十分近い“The Out-Of-Towners”でしょうか。
 カッコいいベースが前面に出るされる不思議なファンクからブルースへ、一通りの演奏の後は長尺なアウトロとドラムソロ。
 あの陶酔へと誘う楽曲変化(へんげ)とまではいかずともそんな感じの展開、ちょっと変化球な新しさ。
 そして締めは”It's All In The Game”のソロ演奏、あまり演奏されない曲なのだと思いますが、これが“The Melody At Night, With You” (1998)的達観を感じさせる絶品バラード。
 いろんな意味で少々変わった印象のStandars。
 が、先にリリースされたのは次年の演奏“Up for It” (Jul.2002)の変わらないStandars。
 どちらがいいかはお好み次第。

※別のステージから。


posted by H.A.


【Disc Review】“My Foolish Heart” (Jul.22.2001) Keith Jarrett

“My Foolish Heart” (Jul.22.2001) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
Gary Peacock (bass) Jack DeJohnette (drums)

My Foolish Heart: Live at Montreux (Ocrd)
Keith Jarrett
Ecm Records
2007-10-16


 Keith Jarrett Standars、2001年、スイス、モントルージャズフェスティバルのステージ、スタンダード演奏集。
 同時期の“Up for It” (Jul.2002)、“The Out-of-Towners” (Jul.28.2001)に遅れて、2007年リリース。
 東京でのライブ“Always Let Me Go”, “Yesterdays” (Apl.2001)も近い時期。
 かつての王道モダンジャズに近い、ジャズ曲と歌曲が半々になったこの期の選曲。
 タイトル曲のイメージ、あるいは落ち着いた印象の“Yesterdays” (Apl.2001)とは違って、“Whisper Not” (Jul.1999)の熱を引き継いだようなハイテンションな演奏。
 お約束の楽曲変化(へんげ)、あるいはゴスペルチックな展開もない、ど真ん中の直球ジャズ。
 一時期のStandarsには軽快なスイングってな印象がありますが、本作は熱出しまくり、汗噴き出しまくり、血沸き肉躍る系な熱血スイング。
 “The Song Is You”,  “Green Dolphin Street”がどこまで行くの?ってな激烈疾走チューンになり、“Straight, No Chaser”は少々フリー混じりのカッコいいファンク。
 ラグタイム、2ビートっぽい演奏が数曲あるのも印象的。
 もちろんタイトル曲を含めたバラードも挿まれますが、しっとりというよりもきらびやかに聞こえます。
 さて、お蔵に入っていた理由は何でしょう?
 熱血ジャズに過ぎるから?
 おっと、ジャケットもそんな感じになっていましたね。
 そんな血沸き肉躍る系ジャズのStandarsの記録。

※別のステージから。



posted by H.A.


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