吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

percussion

【Disc Review】“Crescent moon Waning” (2015,2016) Kip Hanrahan

“Crescent moon Waning” (2015,2016) Kip Hanrahan

Kip Hanrahan (direction, percussion)
Michael Chambers (guitar, vocal) Brandon Ross (vocal, guitar, banjo) Steve Swallow, Yunior Terry, Andy Gonzalez, Giacomo Merega (bass) Fernando Aunders (bass, vocal, cello, guitar)
Robby Ameen (drums, percussion) Luisito Quintero (percussion) Milton Cardona, Anthony Carrillo, Richie Flores, Ignacio Berroa, Giovanni Hidalgo, Steve Berrios (conga)
Jack Bruce (vocal, bass) Lucia Ameen, Roberto Poveda, Lucy Penabaz, Grayson Hugh, Senti Toy, Xiomara Laugart (vocal)
Charles Neville, J.D. Allen, Craig Handy, Chico Freeman (tenor sax) Mario Rivera, Josh Sinton (baritone sax) Alfredo Triff (violin) David Rodriguez (sound effects)

クレッセント・ムーン
キップ・ハンラハン
MUZAK/american clavé
2018-03-16

 Kip Hanrahan、“At Home in Anger” (2007-2011)以来、久々のアルバム。
 鳴り続けるコンガに囁き声、やるせないメロディにジャズなサックス。
 あのメンバーでの、あのKip Hanrahanのサウンド。
 かつての諸作のいろんな要素が混ざり合う質感は、近作“Beautiful Scars” (2004-2007)、“At Home in Anger” (2007-2011)と同様。
 ダルなムード、コンガと囁くボイスで始まり、妖し気なサックス、ギターとの絡み合い。
 あの都会の裏側の地下室の危ない空気感。
 ピアノレスを中心のクールな質感は初期の“Coup De Tête” (1979-1981)などのソリッドでロックな感じでもあるし、合間に挿入される語り、あるいは狂気を秘めたバイオリンは”A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996)を想い起こし、コンガが鳴れば強烈なキューバングルーヴ、キューバンポップス、さらには唐突に現れる静かだけども突き刺さってくるようなアカペラボイス・・・
 多くの一分前後のインタールード的な演奏を挟みつつ進む全19曲+ライブ音源一曲。
 それらの短い演奏も含めて、キッチリ計算されているのであろうKip Hanrahanワールドがてんこ盛り。
 ピークは中ほど、強烈なグルーヴで疾走する11曲目”She and He Describe the Exact Same Intimate Moment”でしょうか。
 “Tenderness” (1988-1990)あたりのブチ切れたハイテンションさを想い起こす演奏ですが、埃っぽさと脂分が落ちてスッキリした感じ。
 全体的にもそんな感じ。
 最後は静かなロック調のバラード、ギターと囁き声とサックスの絡み合いで締め、さらに追加でライブ音源、“Desire Develops an Edge” (1983)収録の”Working Class Boy”、故Jack Bruceのボイスと強烈なコンガ、ブチ切れたサックスの饗宴で幕。
 猥雑で妖しくて危なくてダーク、そしてオシャレなKip Hanrahanはまだまだ健在です。

※ライブ映像から。



Coup De Tête” (1979-1981)
Vertical's Currency” (1984)

Tenderness” (1988-1990)
Exotica” (1993)

This Night Becomes a Rumba” (1998) Deep Rumba
A Calm in the Fire of Dances” (2000) Deep Rumba
“Bad Mouth” (2006) Conjure
Beautiful Scars” (2004-2007)
At Home in Anger” (2007-2011)
Crescent moon Waning” (2015,2016) 

 posted by H.A.

【Disc Review】“At Home in Anger” (2007-2011) Kip Hanrahan

“At Home in Anger” (2007-2011) Kip Hanrahan
Kip Hanrahan (direction, percussion, voice) 
DD Jackson, Lysandro Arenas, Mike Cain (piano) John Beasley (piano, keyboards)
Brandon Ross, Roberto Poveda (voice, guitar)
Steve Swallow, Andy Gonzalez, Anthony Cox (bass) Fernando Saunders (voice, bass)
Robby Ameen, Horacio “El Negro” Hernandez (drums, percussion) Dafnis Prieto (drums, voice)
Milton Cardona (congas, percussion) Pedrito Martinez (congas)
Don Byron (clarinet) Craig Handy (sax) Yosvany Terry (percussion, sax)
Bryan Carrott (vibraphone) Alfredo Triff (violin) 
Xiomara Laugart, Lucy Penabaz (voice)

AT HOME IN ANGER
KIP HANRAHAN
ewe
2012-01-18
キップ・ハンラハン

 アフロキューバンジャズ~ポップスのKip Hanrahan、少し前の録音~発表ですが、2017年6月時点での最新作。
 前作“Beautiful Scars” (2004-2007)に続く作品、メンバーも色合いも類似しています。
 悲し気でやるせなさ気ながらポップでキャッチーなメロディに、少し丸く、穏やかになった音。
 かつての作品と比べると、マニアックさ、緊張感が少々薄らぎ、馴染みやすいアルバムなのかもしれません。
 が、もちろんベースはいつもの気怠く囁くような歌声と、その背後の狂気を秘めた演奏。
 鳴り続けるパーカッションと激情をほとばしらせるバイオリン、サックス・・・
 あの独特の激しいドラムと強烈なグルーヴが戻ってきた演奏も何曲かあります。
 ときおり顔を出すDon Pullenを想わせる激しいピアノは、弟子のDD Jacksonでしょうか?
 明るくのどかな時間もあるのですが、長くは続きません。
 穏やかなキューバンポップスな曲も時空がねじれたような不思議なアレンジだったり、久しぶりのサイケなギターが鳴っていたり、Bill Frisell風のギターが漂うルバートでのスローバラードがあったり、フレットレスベースがスペーシーな空気感を作る中でのフォークックロックだったり、不可解な肉声、あるいはクラリネットのアカペラがあったり・・・
 その他諸々、一筋縄ではいかない多彩で凝ったアレンジの演奏揃い。
 一曲一曲の楽曲のテイスト、編成、アレンジは全く異なります。
 一見バラバラなようで、不思議な統一感、あるいは全体でのストーリー性を感じるのは、Kip Hanrahanが作るメロディラインゆえ、キャスティングを含めた構成力ゆえでしょうか。
 キューバンポップス、アフロキューバンネイティブ、ひねりの効いたポップスが混ざり合う感じは、やはり初期作品“Coup de tête” (1979-1981)、“Desire Develops an Edge” (1983)の頃を想起し、さらに後のハードなアフロキューバンジャズの色合いが自然に混ざり合ったイメージ。
 それは“Beautiful Scars” (2004-2007)と同様。
 その意味でもこの二作、初期からのさまざまな音、キャリアを通じた集大成のようでもあり、破天荒だったさまざまな音が時間を掛けて熟成した結果のようにも感じます。
 全体を通じた不思議な高揚感と不思議なやるせなさはここまでの作品通り。
 やはり妖しく、クールです。
 このアルバムからもかなり時間が経っていますが、そろそろ新作が出ないのかなあ・・・





※名作揃いですが、初期はポップス~ロック色が強く、“Tenderness” (1988-1990)あたりから、Don Pullenのピアノの炸裂含めて、ハードなジャズ色。
 キューバンネイティブなDeep Rumbaを経て、最近の二作は、どちらもキャリアのさまざまな要素を詰め込んだ集大成的な出来具合。
 諸々の変化はあるものの、30年間、流行の変化に迎合するわけでも無く、どの作品も今聞いても古くないのは傑出したセンスゆえなのでしょう。
 私的な好みは、Don Pullen、DD Jacksonのぶっ飛んだジャズピアノが炸裂する“Tenderness”、“Exotica”、“A Thousand Nights And A Night: Red Nights”ですねえ。
 同じ時期の作品になってしまうのは偶然ではなく、必然なのでしょうね。

Coup De Tête” (1979-1981)
Vertical's Currency” (1984)

Tenderness” (1988-1990)
Exotica” (1993)

This Night Becomes a Rumba” (1998) Deep Rumba
A Calm in the Fire of Dances” (2000) Deep Rumba
“Bad Mouth” (2006) Conjure
Beautiful Scars” (2004-2007)
At Home in Anger” (2007-2011)


 posted by H.A.

【Disc Review】“Beautiful Scars” (2004-2007) Kip Hanrahan

“Beautiful Scars” (2004-2007) Kip Hanrahan
Kip Hanrahan (Percussion, Vocals)
DD Jackson, John Beasley, Lysandro Arenas, Mike Cain (Piano) Leo Nocentelli (Guitar)
Anthony Cox, Steve Swallow (Bass) Fernando Saunders (Bass, Vocals)
Robby Ameen (Drums, Percussion) Dafnis Prieto, Horacio El Negro Hernandez (Drums, Percussion, Vocals)
Milton Cardona (Percussion) Richie Flores (Congas) Pedrito Martinez (Congas, Percussion, Vocals)
Yosvanni Terry Cabrera (Alto Sax, Percussion, Vocals) Mario Rivera (Baritone, Tenor Sax) Ron Blake (Tenor Sax) Bryan Carrott (Vibraphone) Alfredo Triff, Billy Bang (Violin)
Alvin Youngblood Hart, Brandon Ross, Fernando Saunders, Kip Hanrahan, Leijia Hanrahan, Lindsay Marcus, Xiomara Laugart (Vocals)

BEAUTIFUL SCARS
KIP HANRAHAN
ewe
2007-06-27
キップ・ハンラハン

 ニューヨークアンダーグランド、あるろキューバンジャズ~ポップスのKip Hanrahan、久々のリーダー作。
 Conjure プロジェクトでの“Bad Mouth” (2006) がありますが、リーダー作としては“Original Music From The Soundtrack Of Pinero” (2002) 以来になるのでしょうか?
 それがサントラの企画ものだとすれば、Deep Rumba プロジェクトの“A Calm in the Fire of Dances” (2000)あるいは、千夜一夜プロジェクト“A Thousand Nights And A Night - (Shadow Nights 2)” (1999)。
 それらも、あるいはライブ音源をあわせて編集した “All Roads Are Made of the Flesh” (1985–94) と同じく企画ものだとすれば、純粋な新録音のリーダー作としては、“Exotica” (1993) Kip Hanrahanまでさかのぼることになるのだろうと思います。
 いずれにしても久々の純粋リーダー作ですが、内容はかつての色合いと大きくは変わりません。
 Jack Bruce、Don Pullen、David Murrayはいませんが、他のメンバーはどこかで見かけた名前。
 時代が流れても、流行りが変わっても、彼の頭の中で鳴っている音は同じなのでしょう。
 20年以上鳴り続けている音のなのでしょうが、極めて現代的、全く古くないのが天才のなせる技なのでしょう。
 キューバンポップス風、あのやるせないメロディからスタート。
 パーカッションの響きと囁くようなボイス、コーラスとバイオリン。
 どこかは釈然としない、うらぶれた街の片隅の音。
 続くフォークロック調の穏やかで前向きな曲の背後でうごめく狂気を秘めたバイオリン。
 さらにはヴィブラフォンのクールな響きとサックスが交錯する静かなグルーヴ、フレットレスエレキベースの柔らかい音が響く幻想的な時間・・・
 などなど、カッコいいメロディ、演奏が揃っています。
 演奏が素晴らしいことは言わずもがなですが、本作はキャッチーなメロディの楽曲と歌を中心に構成したイメージでしょうか。
 その意味では初期作品“Coup de tête” (1979-1981)、“Desire Develops an Edge” (1983)のムードが戻ってきた感じかもしれませんし、後のハードなアフロキューバンジャズといい感じで混ざり合った感じでもあります。
 “Exotica” (1993)、“A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996)などと比べると丸く穏やかになった音。
 力と勢いで押し切ってしまうような激しい音もなくなりました。
 が、妖しさ、危なさはそのまま、正気と狂気、現実と幻想が錯綜するような空気は健在です。
 かつてのDon Pullenに代表されるように激烈に突っ走る部分が無い分、かえって凄み、妖しさが増したようにも感じます。
 後半に収められた“Accounting in the Morning”にここまでのキャリアの音がギュッと詰め込まれたような演奏。
 フワフワと漂うような時間の中で囁かれるように流れる悲し気なメロディ。
 背後で鳴り続けるパーカッション。
 別の次元から聞こえてくるような、浮世離れしたようないろいろな音。
 うらぶれた街角の空気。
 クールでハードボイルドなKip Hanrahanワールドは健在です。
 それにしても”美しい傷跡”なんて、ものすごく素敵なタイトルだなあ・・・




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【Disc Review】“Original Music From The Soundtrack Of Pinero” (2002) Kip Hanrahan

“Original Music From The Soundtrack Of Pinero” (2002) Kip Hanrahan
Kip Hanrahan (Producer, Percussion)
Lysandro Arias, Mike Cain (Piano) Peter Scherer, Edsel Gomez (Piano, Electric Piano)
Leo Nocentelli (Guitar)
Fernando Saunders (Electric Bass, Cello) Andy Gonzalez (Bass)
Robby Ameen (Drums, Congas, Percussion) El Negro Horacio Hernandez (Drums, Percussion)
Carlos Mestre, Eric Valez, Milton Cardona, Richie Flores (Congas) Paoli Mejias (Congas, Percussion) Edgardo Miranda, Yomo Toro (Cuatro) Vincente George (Guiro) Amadito Valdez, Nicky Marrero (Timbales)
Mauricio Smith (Flute) Mario Rivera (Baritone Sax) Papo Vasquez (Trombone) Chocolate Armenteros (Trumpet) Jerry Gonzalez (Trumpet, Percussion) Alfredo Triff (Violin)
Benjamin Bratt, Frankie Rodriguez (Voice) Felix Sanabria, Orlando Rios (Voice, Bata) Abraham Rodriguez (Voice, Bata, Claves, Congas)

original music for PINERO
キップ・ハンラハン

2002-09-21


 Kip Hanrahan、プエルトリコ~ニューヨークの詩人Miguel Pineroの伝記?映画”Pinero”のサウンドトラックの音楽部分、なのだと思います。
 冒頭からフリージャズなピアノの激しい演奏~電子音と語りが交錯しながらスタート。
 サントラゆえに短い演奏を含めて全27曲、二分に満たない演奏、インタールード的な楽曲、断片的な演奏もありますが、それらを含めてまとまっています。
 全編通じてアフロキューバンな音、あのKip Hanrahanの音です。
 導入部こそ少々重めですが、中盤以降、むしろポップでわかりやすい楽曲、キューバンポップスな感じの演奏も多く、各曲がコンパクトになっている分、聞きやすくなっているかもしれません。
 メンバーもいつものバンドのメンツ。
 ボーカルがフィーチャーされる曲は少な目ですが、いつもながらに鳴り響くパーカション。
 サックスではなく、トランペットがリードする曲が多いのがここまでと違うといえばそうなのかも。
 いかにもキューバ音楽な少々時代を感じる朗々とした音と、Miles Davis的なクールなミュートが交錯するトランペット。
 ちょっと薄味なDon Pullenなピアノの場面があったり、エレピが“A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996)の導入部”Shahrazade (Opening)”を奏でる場面が何回かあったり、その他いろんな隠し味も散りばめられているのでしょう。
 最後もストリングスを絡めつつの”Shahrazade (Opening)”と語りが交錯する中で、穏やかに幻想的に幕。
 映画の内容を把握していないため、全体のメッセージが重いのかどうかもわからないのですが、音自体は意外にも気軽に聞けるKip Hanrahan だったりするかも・・・




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【Disc Review】“A Calm in the Fire of Dances” (2000) Deep Rumba

“A Calm in the Fire of Dances” (2000) Deep Rumba
Kip Hanrahan (Music Direction, Vocals)
Andy González (Bass, Vocals) Robby Ameen (Drums, Sculpture)
Giovanni Hidalgo (Sculpture) Richie Flores, Paoli Mejias (Congas) Abraham Rodríguez (Claves, Vocals) Haila Monpie (Vocals)
Charles Neville (Tenor Sax) Alfredo Triff (Violin)

A CALM IN THE FIRE OF DANCES
DEEP RUMBA
ewe
2007-03-28


 Kip Hanrahan、“This Night Becomes a Rumba” (1998) に続くDeep Rumbaプロジェクト第二弾。
 本作も和声楽器抜きのパーカッションと肉声を中心とした音作り。
 Kip Hanrahanの楽曲は数曲で、メンバーの作品、その他のエスニックな楽曲中心の構成。
 冒頭は物悲しいサックスの独奏から。
 前作の流れからして意外なスタートですが、リズムが入るとあの怒涛のようなエスニックな音。
 この人のオープニングのお約束といえば、そうかもしれません。
 終始鳴り続けるクラーヴェ、パーカッションの連打と色とりどりの声、歌が、これでもかこれでもかと続く饗宴。
 本作もクラクラするような陶酔感。
 音楽が終わってもクラーヴェがどこかで鳴っているような錯覚が・・・
 サンバと同じく、サビのひたすらのリフレインが陶酔感を誘う演奏も何曲か。
 前作よりも本作の方が、西洋音楽的な意味でのメロディラインが明確な曲が多いイメージ、編曲も多彩で、馴染みやすいのかも。
 前作の”Sunshine of Your Love”、” I Wish You Love”のような隠しトラック的な楽曲もあるのかもしれませんが、よくわかりません。
 アカペラで歌われる”Besame Mucho”は、近所のメキシコ原産でもあり、意外性がないような・・・
 もちろん全編通してレギュラー作品でのKip Hanrahanの音楽とは違うテイストの音。
 その洗練された感じ、オシャレな感じも抑制され、あくまで怒涛のようなアフロキューバンエスニックミュージック。
 Buena Vista Social Clubのような優雅でノスタルジックな感じではなく、血沸き肉躍るハイテンションなキューバンミュージック。
 おっと、まだクラーヴェがどこかから聞こえてくるような・・・




 posted by H.A.


【Disc Review】“This Night Becomes a Rumba” (1998) Deep Rumba

“This Night Becomes a Rumba” (1998) Deep Rumba
Kip Hanrahan (Producer, Percussion, Vocals)
Andy González (Bass) Robby Ameen (Drums) 
Rubén Blades, Milton Cardona (Congas, Coro, Vocals) Richie Flores, Paoli Mejias (Congas) Horacio "El Negro" Hernández (Timbales) Orlando "Puntilla" Rios (Congas, Vocals) Abraham Rodríguez (Claves, Vocals) Amadito Valdés (Timbales) Ciamara Laugart (Vocals)
Jerry Gonzalez (Percussion, Trumpet)

This Night Becomes A Rumba
ディープ・ルンバ
american clave
1998-10-27


 Kip Hanrahan、同時期の“A Thousand Nights And A Night - (Shadow Nights 1)” (1998)などの千夜一夜シリーズと並行してして動くプロジェクト。
 西洋音楽的に、現代的に、あるいは洗練された音ではなく、生のままのエスニックなキューバ音楽をやってみようといったところでしょうか?
 この少し前に流行ったと思しき“Buena Vista Social Club” (1996) のRy Cooderになんとか・・・、ってなことはないのでしょうね・・・?ま、全く違う音楽なので・・・
 とにもかくにも、もろアフロキューバンな音、激しい系。
 Kip Hanrahanのここまでの作品と違って、アフロキューバンエスニック、そのものな音。
 ギター、ピアノといった和声楽器なし、ホーンもトランペットのみ。
 パーカッションと肉声を中心とした編成。
 楽曲もKip Hanrahanの楽曲は数曲のみで、メンバーの作品、おそらく伝統曲であろう楽曲が中心。
 短いアカペラでの囁きからスタートしますが、ビートが入るとお祭り状態。
 ベースとドラムの音がかろうじて現代の音楽的というか、西洋音楽的な音、ってな感じのエスニックさ。
 ボーカルも、ジャズやロック色の曲はわずかで、エスニックテイスト全開です。
 クラクラするようなパーカッションの怒涛の連打と、司祭とそれに呼応する群衆のようなコーラス。
 ドラムはいつもの感じだし、たまにミュートトランペットなども登場するのですが、エスニックな音の渦の中に巻き込まれていきます。
 そんな中に、なぜか突然登場するCreamの”Sunshine of Your Love”、さらにシャンソンの” I Wish You Love”。
 縁の深いJack Bruceの参加はすでになく、確かにベースラインは”Sunshine of Your Love”ですが、パーカッションの連打の中に溶け込んで何のことやら・・・
 ”I Wish You Love”は素直にメロディが出ていますが、長尺10分近くクラーヴェ鳴りまくりのお祭り状態で、とてもシャンソンとは思えません。
 素朴なような、のどかなような、不思議な扱われ方のオシャレなメロディ。
 いやはやなんとも・・・
 そして延々と続く宴の締めは、またもや謎の囁きと、ソウルフルな女声のアカペラでの朗々とした歌。
 いやはやなんとも・・・




 posted by H.A.

【Disc Review】“A Thousand Nights And A Night - (Shadow Nights 2)” (1999) Kip Hanrahan

“A Thousand Nights And A Night - (Shadow Nights 2)” (1999) Kip Hanrahan
Kip Hanrahan (Producer)
DD Jackson (Piano) Don Pullen (Piano, Organ) Fernando Saunders (Bass)
Horacio "El Negro" Hernandez, J.T. Lewis, Robbie Ameen (Drums)
Anthony Carrillo (Congas) Paoli Mejias, Richie Flores (Percussion)
Alfredo Triff (Violin) Erica Larsen (Voice)

キップ・ハンラハン

 Kip Hanrahan、“A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996)、 “A Thousand Nights And A Night - (Shadow Nights 1)” (1998)に続く、千夜一夜シリーズ第三弾。
 冒頭はゆったりしたビートに乗った、いつもの激しいピアノで幕を開け、複雑なビートを叩き出すドラムと物悲しいコードを奏でるピアノ、ピアノ二台よるバラード、バイオリンと語り・・・などなど、一分前後の短い演奏が、ずらり七曲?並びます。
 これはなんだろ?
 予告編?
 リミックス?
 ってな感じで始まり、八曲目“Commerce”から長め楽曲、激しいビートの演奏が始まります。
 が、安心するのは束の間、ずーっとドラムソロ、四分過ぎてやっと例の語りが始まります。
 やっと九曲目”The Tale of the Youth Behind Whom Indian and Chinese Music Was Played, And”でオルガンとベースが鳴り出し、激しいビートと物悲しいコードチェンジが絡み合う展開。
 とてもカッコいいのですが、これもそのまま続くこと、四分。
 やっとピアノのインプロビゼーションが乗ってきます。
 これはいつもの超カッコいいDon Pullen&Kip Hanrahan。
 至福の時間が数分続きます。
 が、この編曲はなんだろ?
 カラオケ?
 あるいは自分でストーリーを作れ?
 さらに十曲目、”Accurracy of Location in Shahrazade's Shadow Night”は語りから、ようやく登場する怒涛のパーカションとドラムのみの饗宴。
 これが十数分続くんじゃない?と思っていたら、ほんとにそう。
 そんな三曲の後、残りの四曲はオープニングと同様に、数秒~一分前後の短い曲?
 これはいったいなんだろう?
 凡人の私にはわからない構成。
 どこかに解説があるのかな?
 それでもカッコいいのがこの期のKip Hanrahanの音。
 どれも名作です。
 これ?
 うーん・・・?
 よろしいのではないかと。




 posted by H.A.


【Disc Review】“A Thousand Nights And A Night - (Shadow Nights 1)” (1998) Kip Hanrahan

“A Thousand Nights And A Night - (Shadow Nights 1)” (1998) Kip Hanrahan
Kip Hanrahan (Producer, Voice, Percussion)
Don Pullen, Michael Cain (Piano) Brandon Ross, Eric Schenkman (Guitar)
Andy Gonzalez, Fernando Saunders, Steve Swallow (Bass) 
Horacio "El Negro" Hernandez, J.T. Lewis, Robbie Ameen (Drums) 
Abraham Rodriguez, Anthony Carrillo, Eric Valez, Puntilla Orlando Rios, Paoli Mejias, Richie Flores (Congas) Milton Cardona (Percussion)
Henry Threadgill (Alto Sax) Charles Neville (Voice, Tenor Sax) Alfredo Triff, Billy Bang (Violin) Carmen Lundy, Jennifer Resnick (Voice)

キップ・ハンラハン

 Kip Hanrahan、“A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996) に続く、千夜一夜シリーズ第二弾。
 メンバーは微妙に変わっていますが、空気感は同じ。
 これまた激しさと優しさ、妖しさが交錯する、素晴らしいアフロキューバンジャズフュージョン。
 第一作と同様にオープニングは静かで幻想的な”Shahrazade”。
 第一作ではピアノで奏でられていましたが、本作ではギター。
 その分さらにしっとりとした音の流れ。
 続く怒涛のようなパーカッションを背景に、超スローテンポの物悲しいメロディ。
 歌うとも語るとも区別のつかない、女声の囁き・・・
 おそらくCarmen Lundyであろう妖し気なボイスが囁き続け、間々に激しいアフロキューバンパーカッションの宴、あるいはピアノ中心とした激しいインプロビゼーションが展開される・・・そんな構成。
 導入部分を抜けると激しく強烈な緊張感の連続。
 本作もKip Hanrahan作品に一番多いアルバムの王道にのっとっています。
 叩かれ続ける激しいピアノと、凄まじいビートを叩き出す、おそらくRobbie Ameenであろうドラム。
 前半の中核はやはりピアノとドラム、パーカッション。
 Michael Cain と二台で演奏?する場面を含めて、“Tenderness” (1988-1990)あたりから続く、超激しい系のDon Pullen。
 これもこの期のKip Hanrahanサウンドの代表的な音。
 中盤からは少し落ち着いて、サックス、バイオリンがフィーチャーされ、妖しい囁き、語り、歌が交錯しながら音楽が進みます。
 “A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996) では凄まじいピアノがリードしていた緊張感の塊のようなメロディの“Zunnarud's Tale Continues With the Theives”は、陶酔を誘うパーカッション、今にも崩れ落ちそうな、あの世から聞こえてくるようなボイスはそのままに、ピアノレスでバイオリンが主導。
 音が厚くない分、幻想的であるとともに、かえって強烈な緊張感。
 対峙して聞くと心臓止まるんじゃないの?と思うぐらいの呪術的な空気さえ感じる音。
 その他諸々、オープニングで使われていた”Shahrazade”の穏やかなメロディをインタールードに挟みながら繰り広げられる音絵巻。
 とてもドラマチック。
 終盤は再びピアノを中核として、物悲しくハードボイルドな展開。
 締めは、ピアノとサックス、ギター、ドブロギター?が絡み合うフリージャズ的な音を背景にした、歌うような語るような妖し気な女声。
 いやはや何とも、カッコよくて・・・
 さて、前作“A Thousand Nights And A Night: Red Nights” とどっちがカッコいいんだろう?
 そちらの方が激しさテンションは上かもしれないけども、たくさん入っているナレーションが気になるのであれば、それが少ないこちらの方がいいかもしれません。
 さて、悩ましい・・・




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【Disc Review】“All Roads Are Made of the Flesh” (1985–94) Kip Hanrahan

“All Roads Are Made of the Flesh” (1985–94) Kip Hanrahan
Kip Hanrahan (Producer)
Allen Toussaint (Piano) Don Pullen (Piano, Organ)
Elysee Pyronneau, Leo Nocentelli (Guitar)
Andy Gonzalez, Renaud Garcia-Fons, Steve Swallow (Bass) Jack Bruce (Voice, Bass) 
Ignacio Berroa, J.T. Lewis, Robbie Ameen, Willie Green (Drums)
Jerry Gonzalez, Milton Cardona, Richie Flores (Congas) Anthony Carrillo (Congas, Bongos)
Charles Neville, Chico Freeman, George Adams (Tenor Sax)
Chocolate Armenteros, Giovanni Hidalgo (Trumpet) Wolfgang Puschnig (Alto Sax) Dino Saluzzi (Bandoneon) Michael Riessler (Bass Clarinet) Alfredo Triff (Violin) Carmen Lundy (Voice)

All Roads Are Made Of Flesh
Kip Hanrahan キップハンラハン
American Clave
1995-07-24


 Kip Hanrahan、ライブ音源を含めて、デビューから10年間ぐらいの録音を集めたアルバム。
 半数がかつてのライブ録音、半数が1994年のスタジオでの新録音。
 ライブアルバムを作ろうとしたのか、録り貯めたライブ音源を使って、キャリアを振り返る、あるいはキャリアをまとめようとした企画なのか、意図は分かりません。
 この先、“A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996) に始まる千夜一夜シリーズ、“This Night Becomes a Rumba” (1998) のDeep Rumbaプロジェクトが始まり、ここまでとは違う活動。
 おりしも“Tenderness” (1988-1990)あたりで最高のバンドサウンドが出来たようにも思える時期。
 キャリアを総括して、中締めしておこう、といった感じが自然なとらえ方でしょうか。
 さて本作、時期もメンバーもバラバラですが、不思議な統一感、とてもカッコいい演奏が揃っています。
 冒頭はAllen Toussaintのピアノをフィーチャーした気怠いニューオリンズファンク。
 こちらは“Conjure: Music for the Texts of Ishmael Reed” (1983) Conjureの色合い。
 二曲目はロックなギターとJack Bruceのシャウトと、Don Pullenの跳びはねるピアノ、コンガが絡み合う、ロック~ファンクなナンバー。
 さらに続くは、いかにもKip Hanrahanのやるせないメロディ。
 Carmen Lundyの妖しいアカペラボイスとDino Salussiのバンドネオン、さらにWolfgang Puschnigのサックスが交錯する、穏やかながら凄い演奏。
 Don Pullen、Dino Salussi、Wolfgang Puschnigが共演するってのも、もう無茶苦茶な組み合わせ。
 とてもカッコいい。
 さらにスタジオ録音では、コンガとDon Pullenの跳びはねるピアノとJack Bruceのクールな激渋ボイス、妖し気なギターが絡み合う、いつものKip Hanrahanワールド。
 とてもクール。
 最後はパーカッションが鳴り響く時間と無音の時間が交錯する中での、George Adamsの咆哮。
 ・・・ってな感じで、いろんな時期のいろんな人の演奏が詰め込まれつつも、いつものKip Hanrahanワールド。
 ニューオリンズファンク~ブルース色、ロック色、しっとりさが強調されたジャズっぽい色合い、その他諸々、全部並べてみても全く違和感なし。
 それを繋ぐのは、鳴り響くアフロキューバンなパーカッションなのか、やるせない哀愁が漂うメロディなのか・・・?
 いずれにしても、さすがKip Hanrahan、一本、筋が通っていらっしゃいます。
 単なるベスト盤でもオムニバスでもライブ音源集でなく、オリジナルアルバムとしてしっかりまとまっています。
 これも名作です。
 次は“A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996)。
 まだまだ快進撃が続きます。




 posted by H.A.


【Disc Review】“Exotica” (1993) Kip Hanrahan

“Exotica” (1993) Kip Hanrahan
Kip Hanrahan (Producer)
Don Pullen (piano, organ) Jack Bruce (bass, voice) Robby Ameen (drums)
Leo Nocentelli (guitar) Alfredo Triff (violin) 
Guest :
Andy Gonzalez, Anthony Carillo, David Sanchez, JT Lewis, Mario Riviera, Milton Cardona, Lucy Penabaz, Ralph Peterson Jr., Richie Flores

EXOTICA
KIP HANRAHAN
ewe
2010-07-21
キップ・ハンラハン

 Kip Hanrahanのファンクアルバム。
 本作のテーマがファンク、あるいはアップビートでシンプルにいこう、といった計画だったかどうかはわかりませんが、最初から最後まで、凄まじいグルーヴ、どカッコいいファンク、あるいは強烈で危ないダンスミュージック。
 前作“Tenderness” (1988-1990)の激しくカッコいい場面を抜き出して、ほんの少しだけマイルドにした感じでアルバム一枚作りました、ってな最高のバランス。
 冒頭からカッコいいビート。
 この曲ではパーカッションの参加は無く、オルガン、ベース、ドラム+ピアノのシンプルな編成での演奏ですが、とんでもないグルーヴ。
 ドスの効いたヘビーなエレキベースがブンブンうなりながら強烈な推進力。
 クレジットに詳細が無いのですが、このベースはJack Bruceなのでしょうか?
 縁のあるつわものたち、Bill Laswell, Jamaaladeen Tacuma, Steve Swallowも真っ青の凄まじいベースライン。
 さらに途中から加わるDon Pullenのとんでもないピアノ。
 こりゃスゲーや。
 オルガン含めて、最初から最後まで、これでもかこれでもかと弾き倒しまくり。
 生涯最高の名演・・・かどうかはさておき、前作“Tenderness” (1988-1990)と同様、情け容赦なし、ピアノが破壊されそうな凄まじい演奏。
 すっかりレギュラーに定着したRobby Ameenもドラムも、いいタイミングでスネアドラムが入り続けるKip Hanrahanのハードなサウンドに欠かせないカッコいいビート。
 基本的にはピアノトリオ+オルガン+パーカッションのシンプルな編成が中心なのだけども、そうとはとても思えないド迫力。
 さらに、いつものクラーヴェ、怒涛のパーカッションが鳴りはじめ、ホーンやバイオリンが乗ってくると、これはもう桃源郷・・・
 鳴り続けるパーカッションの連打、強烈な推進力とグルーヴ、シンプルなリフの繰り返しで引き起こされる陶酔感。
 クラクラしてくるような音の渦の裏で表で叩き回され、引っ搔き回されるピアノ・・・
 とても激しい音、強烈なグルーヴを背景にした囁くような激渋ボイスが何ともクール。
 もちろんメロディはいつものやるせない哀愁が漂うライン。
 いつものパターンではあるのですが、背景の激しさ、グルーヴが尋常ではないだけに、激渋ボイスがいつにも増してクールに妖しく響きます。
 激しくとも、どことなくオシャレ。
 やはりKip Hanrahanワールドです。
 この人の作品で、ここまでファンク、あるいはシンプルなアルバムはないと思いますが、これを最高傑作とするのは反則なのでしょうかね?
 Kip Hanrahanのファンクの大名作、いや、古今東西のジャズファンクの中での大名作。




 posted by H.A.

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