吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

organ

【Disc Review】“Obsidian” (2017) Kit Downes

“Obsidian” (2017) Kit Downes

Kit Downes (church organs) Tom Challenger(tenor sax)

Obsidian
Kit Downes
Ecm Records
2018-01-19


 イギリスのピアニストKit Downes、パイプオルガンのソロ演奏。
 “Time Is A Blind Guide” (2015) Thomas Strønenでカッコいいピアノを弾いていた人。
 ECMからの初リーダー作は、その疾走ピアノではなく、ちょっとビックリのパイプオルガン演奏。
 一曲のみサックスが加わりますが、他はオルガンの独奏。
 とても静かで淡い音。
 宗教的な雰囲気やクラシックな感じが強いわけではなく、むしろ未来的、宇宙的な空気感。
 シンセサイザーで奏でる幻想的なフューチャージャズ、あるいはフリーインプロビゼーションのようにも聞こえます。
 次々と音色を変えていくゆったりと漂うような音と、淡くて幻想的な音の流れ。
 音は穏やかに流れていきますが、先が読めない展開が続きます。
 そんな中に置かれたスタンダード“Black Is the Color of My True Love's Hair”の懐かしいメロディ。
 不思議感120%。
 最高のピアノニストが弾くパイプオルガンは、近年のECMの定番?、時代、場所が曖昧なトリップミュージック。
 全編を流れるどこか遠い所を眺めているようなムード。
 これまたSaudadeなのかもしれません。




posted by H.A.

【Disc Review】“Funk Reaction” (1977) Lonnie Smith

“Funk Reaction” (1977) Lonnie Smith
Lonnie Smith (Organ, Synthesizer?)
Eddie Daniels (sax) Richie Hohenburger (guitar) Yaron Gershovsky (piano) and others

ファンク・リアクション
ロニー・スミス
Pヴァイン・レコード
2013-04-17


 Lonnie Smithの1970年代ソウルジャズ。
 Blue Noteでブルージーな演奏のイメージも強い人ですが、この期ではソウルジャズ~フュージョンな音。
 跳ねるベースにタイトなドラム、ファンキーなギターのカッティングとシンセサイザー。
 Herbie Hancockが “Head Hunters” (Sep.1973)、あるいは“Man-Child” (1974-75)あたりで確立した音なのでしょうか? 
 さらにソフト、ポップになって、ボーカルも乗せて・・・
 それでもいかにもなボーカル曲は最後と最後のみで、インプロビゼーションのスペースがたっぷり確保されているのが1970年代なバランス。
 冒頭から心地いいフェイザーが掛かったギターのカッティング。
 タイトな8ビートにフワフワとした音を出すフロント陣のバランスがとてもいい感じ。
 ディスコな感じのビートの演奏も少々ありますが、中心は柔らかで穏やかなグルーヴ。
 さらにちょっと切ないメロディ。
 その結晶が白眉の“It's Changed”。
 レアグルーヴなんて語感がピッタリな音。
 何のことはないミディアムテンポのソウルバラードなのかもしれませんが、これは染みます。
 ジャズなギターが奏でる切ないメロディに、静かに弾みながら後押しするような絶妙のベースライン、ちょっとあざとい感じのコーラスもいい感じの演出。
 さらに中盤からのシンセサイザーのソロのカッコいいこと、切ないこと。
 これだけ音数が少ないのにカッコいいインプロビゼーションはないのでは?
 少し変えると別の曲になってしまうような完成度の素晴らしさ。
 さすが、生粋のジャズメンLonnie Smith・・・かどうかはさておき、1960年代のコテコテな感じからは想像できないような洗練。
 胸がキュンとする、なんて言葉は気持ち悪くて使わないのですが、そんな音。
 その他含めて、心地よいソウルジャズ~フュージョンがたっぷりと。
 “Bitches Brew” (Aug.19-21,1969)を根っこにして、上記のHerbie Hancock諸作で整理され、確立し、本作もその流れの中の一作。
 あるいは、“Big Band Bossa Nova” (1962) Quincy Jonesあたりからあった、ポップなジャズが、時代の流行りの音と融合してできた音。
 さらに発展して、いきついたピークが“Winelight” (1980) Grover Washington Jr.あたり、ってな感じが私的な捉え方。
 ま、そんな野暮な話はさておいて、あの時代のノスタルジーと呼ぶにはあまりにも素敵な音ですねえ。




 posted by H.A.


【Disc Review】“Live At Club Mozambique” (May.1970) Lonnie Smith

“Live At Club Mozambique” (May.1970) Lonnie Smith
Lonnie Smith (Organ)
George Benson (Guitar) Joe Dukes (Drums)
Gary Jones (Congas) Clifford Mack (Tambourine)
Ronnie Cuber (Baritone Saxophone) Dave Hubbard (Tenor Saxophone)

Live at Club Mozambique
Lonnie Smith
Blue Note Records
1995-04-05


 ソウルジャズ、オルガンのLonnie Smithのライブ録音。
 Blue Noteからですが、お蔵に入っていた音源で、リリースは1995年。
 同じ時期ではGrant Greenの”Alive” (1969)、あるいは同じ場所での”Live at the Club Mozambique” (1971)の方が人気なのかもしれませんが、同じ空気感の、熱い、暑苦しいあの時代のソウルジャズ。
 4ビート、8ビート、16ビートなんでもこいのファンクモード。
 少々跳ね気味のファンキーなリズムとアフロでヒップなパーカッション、コッテリしたオルガンとホーン陣。
 Sly & Family Stoneっぽいファンクから始まり、Coltraneっぽいモードジャズから、後はこってりしたファンクのオンパレード。
 サックスはブリブリと脂汗がにじみ出るような暑苦しいインプロビゼーション、George Bensonもしっかりフィーチャーされ、飛ばしています。
 ちょっととぼけたようなリーダー?のボーカルはご愛敬。
 スムースなグルーヴとトロトロな感じのバラードがカッコいい“Heavy soul” (1961) Ike Quebecのような、少々ノスタルジックなオルガンジャズではなく、ましてや“Bitches Brew” (Aug.19-21,1969)や“Emergency!” (May.26,28.1969) The Tony Williams Lifetimeのような過激なジャズファンクでもなく、オーソドックスな黒々としたソウルジャズ。
 Miles Davis一派と同じようにSly & Family StoneやJames Brownを意識しているにしても、あまりにも直球剛球一直線。
 4ビートのモードな演奏が一番スッキリと聞こえてしまうのは気のせいでしょうか?
 ここからこの人脈も、ポップな要素を強調しつつ洗練され、フュージョン、AORへ展開する一歩手前。
 Miles Davis一派のようなぶっ飛んだ人たちの音ではなく、普通の1960年代までの大衆的ジャズが終わった象徴的な音、でしょうかね。
 この先は”Breezin'” (1976) George Bensonは言わずもがな、ちょっとレアなグルーヴで “Funk Reaction” (1977)が有名なのかな?




 posted by H.A.


【Disc Review】“Afro Blue” (Jun.1993) The Lonnie Smith Trio

“Afro Blue” (Jun.1993) The Lonnie Smith Trio
Dr. Lonnie Smith (Organ)
John Abercrombie (Guitar) Marvin "Smitty" Smith (Drums)

アフロ・ブルー
ロニー・スミス=ジョン・アバークロンビー・トリオ




 John Abercrombie、こちらはホットなオルガントリオ。これも日本制作。
 Dr. Lonnie Smithのリーダー作でもあり、同時期のECMのオルガントリオ“While We're Young” (1992)、 “Speak of the Devil” (Jul.1993)とは全く別の質感。
 プロデューサー、レーベルが違えば同じ編成でも違うものができる見本。
 どちらもどう聞いてもJohn Abercrombieのギターなのですが、全く違う音楽。
 共通するのは強い緊張感。
 本作は熱くて激烈な緊張感。
 熱いといってもブルーノート的なファンキーさやハッピーなイメージではなく、過激な熱さ。
 John Coltraneをモチーフにギュインギュイン、極限まで暴れまくり。
 ロック的なギターは好みではありませんが、ここまでやれば、これしかないようなカッコよさ。
 一方、ECM作品はあくまで静謐さを維持するクールな緊張感。
 さらには、同時期でも全く異質、端正なジャズ“Farewell” (1993)。
 いずれも違ったカッコよさ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Soul Grooves” (1998) Paul Bollenback

“Soul Grooves” (1998) Paul Bollenback
Paul Bollenback (guitar)
Joey DeFrancesco (organ) Jeff "Tain" Watts (drums)
Jim Rotundi (trumpet) Steve Wilson (alto sax) Eric Alexander (tenor sax) Steve Davis (trombone) Broto Roy (table)

Soul Grooves
Paul Bollenback
Challenge
ポール ボレンバック


 アメリカのギタリストPaul Bollenback。
 Stevie Wonder、Otis Redding、Marvin Gayeなどのソウルナンバーをオルガントリオ+ホーンで演奏する、タイトル通りのSoul Grooves。
 さてこのギタリスト、クリーントーンでカッコいい高速フレーズを連発。強烈な加速感、疾走感。
 George Benson、John Mclaughlinあたりの影響が強いのかな?
 全体の雰囲気はジャズギターなんだけども、ロック的、ソウル的な雰囲気も混ざりつつ、いかにも今風な感じ。
 ホーンは意外にもアンサンブル中心。ソロを取るのはほぼギターとオルガンのみ。
 もったいない感もありますが、アルバム全体の統一感としてはこの感じがいいのかな?オルガントリオだけだと飽きが来るもしれないところが、ホーンがいい味付けに。
 リズムもファンクやらラテンやら、ラテンと4ビートが交錯したり工夫が一杯。
 強烈なビート、特にラテンと4ビートが交錯する何曲かがかっこいいなあ。派手すぎてあざといぐらい・・・
 Joey DeFrancescoはいつも通りの後ろから押されるような強烈なグルーブ、Jeff "Tain" Wattsは強烈なビシバシドラム。
 その上を突っ走るギター。
 音量が上がってくるともの凄く気持ちいい。
 このトリオはスゲーや。
 スカッとする系のコンテンポラリージャズ。
 この人の他のアルバム、親分?Joey DeFrancescoの作品も含めて、さらにジャズっぽくて、結構いけます。




posted by H.A.

【Disc Review】“In a-chord” (1995) Randy Johnston

“In a-chord” (1995) Randy Johnston
Randy Johnston(guitar)
Joey Defrancesco (organ) Eric Alexander (tenor sax) Mickey Roker (drums)

In a
Randy Johnston
Muse Records
ランディ ジョンストン


 近年(といっても20年も前かあ・・・)のオルガン・ジャズ。
 気楽に聞ける、なんとも素敵な普通のジャズ。
 オルガンジャズが大好きですが、コテコテの8ビートのファンク、変拍子ガチガチのモダンモノよりも、この手の純粋4ビートのメインストリーム・ジャズが好み。
 ベースラインがカッコいい。
 普通のベースに比べると推進力があるというか、グルーヴが強いというか、スムースというか。
 キーボードと同じ人が弾いているので一体感も強いのでしょうかね。
 このアルバムの名手Joey Defrancescoも、いろんなことをやっていても、このアルバムのようなオーソドックス4ビートが一番カッコいいかな。なんだか楽しそうだし。
 さて、リーダーのギター。
 オーソドックなようで最近っぽいような、懐かしいような新しいような、微妙な面白さ。
 音色も新しいのか古いのかよくわからないし、フレージングもWesなのか、Joe Passなのか、Grorge Bensonなのか、はたまたロック寄りなのか、よくわからない。
 いわゆる速弾き大好きな人、いかにもジャズっぽい速弾きなんだけどなあ・・・
 ま、オルガンの上質なグルーヴの上で、クリーントーンで明快でカッコいいフレーズ連発してくれれば、それだけで十分に心地よい。
 これでさらに涙がちょちょ切れるようなカッコいいバラードが何曲か入ると本当にカッコいいアルバムになるんだろうなあ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Midnight Special” (1960) Jimmy Smith

“Midnight Special” (1960) Jimmy Smith
Jimmy Smith (organ)
Stanley Turrentine (tenor saxophone) Kenny Burrell (guitar) Donald Bailey (drums)

Midnight Special (Reis)
Jimmy Smith
Blue Note Records
ジミー スミス


 脈絡はありませんが、クールなジャズ、“Midnight Blue” (1963) Kenny Burrellとくれば、次はこれしかないでしょう。
 同じようなメンバー、同じくクールな印象。
 質感は異なると思います。
 あちらはクールな「モダンジャズ」ですが、こちらはクールな「ブルースジャズ」。
 ま、こじつけているだけで、こちらもモダンジャズの代表作であることは間違いないのですが、やはり圧倒的にブルージー。
 アーシーといった方が適当なのかもしれません。
 個々の音使いもありますが、タイトル曲の8ビート的ブルースの印象が強いのかもしれません。
 が、ピアノトリオよりもオルガントリオの方がクールに聞こえます。
 カンカンと響くピアノに対して、オルガンはブーンと下の方から静かに押し上げてくるイメージだからでしょかね。
 また、フットペタルなり、左手なりのベースラインの一音一音が繋がってスムース、静かなグルーヴが出ることもあるのでしょう。
 ともあれ、本作、ブルースあり、ジャンピーな曲あり、バラードありの「モダンジャズ」の教科書の様なオルガンジャズ。
 同じクールな質感でも、”Kind of Blue” (1959) Miles Davisのような凄みはないのかもしれないけども、気楽に聞くにはこちらの方がいいのかも。
 しっとりしているのだけども、湿度感は何故か低め。
 ほどほどに涼しげな感じがこれからの季節にはいいかもね。




posted by H.A.

【Disc Review】“Jazz Side of the Moon: Music of Pink Floyd” (2008) Sam Yahel

“Jazz Side of the Moon: Music of Pink Floyd” (2008) Sam Yahel
Sam Yahel (organ)
Mike Moreno(guitar) Ari Hoenig(drums) Seamus Blake (tenor saxophone)

Jazz Side of the Moon: Music of Pink Floyd
Sam Yahel
Chesky Records
2008-02-26
サム ヤヘル

 2014/10/8皆既月食にちなんで。
 これは名企画か、珍企画か?
 あのピンクフロイドの「The Dark Side of the Moon(狂気(:邦題)」をコンテンポラリージャズのオールスターで再現。
 曲順も概ね同じ。
 オリジナルがもともと完璧な曲、構成、演奏で、アレンジしようがないぐらいの完成度だっただけに、どうなることやら。
 さて、中途半端にオリジナルのアレンジを再現しようとしていたり、名曲揃いのメロディを十分に生かし切れていなかったり、Mike Morenoのファンとしては彼のスペースが小さかったり、諸々注文はあります。
 が、先入観なしで聞けば、なかなか変化に富んだ面白いコンテンポラリージャズなのでは。
 企画の成否の判断は聞く人それぞれだとして、私はこの手の企画、結構好きです。
 昔のアルバムを聞き直すきっかけにもなるしね。




posted by H.A.

【Disc Review】“Heavy soul” (1961) Ike Quebec

"Heavy soul” (1961) Ike Quebec
Ike Quebec(Tenor Sax)
Freddie Roach (organ) Milt Hinton (bass) Al Harewood (drums)

Heavy Soul
Ike Quebec
EMI Europe Generic
アイク ケベック

 名門ブルーノートからソウルフルテナーIke Quebec。
 このアルバムではオルガントリオをバックに、ちょっとひしゃげたような音色で、サブトーンを効果的に交えながら、メロディアスなフレーズを展開。
 スイング時代からのベテランらしく、少し古い雰囲気を醸し出しながらも、モダンジャズとして不自然でない演奏。
 Coleman HawkinsやBen Websterの場合、モダンジャズをやっても、何となくスイング時代を感じてしまいますが、この人の場合はモダンジャズ。
 いそうでなかなかいないタイプのミュージシャンのように思います。
 曲はオリジナル曲とスタンダードを半々。
 どの曲もカッコいいメロディとリフ、アレンジも決まっています。
 全編オルガンが入ったJazz独特のグルーブ感満載。
 聞いていると1960年代のハーレム辺りに連れて行ってくれそう。
 アップテンポの曲もいいですが、数曲入るバラードも絶品。
 スペーシーなオルガンの音が空間全体を包み込み、とろけるようなサブトーンたっぷりのテナーを聞いていると、全身の力がふにゃ~と抜けていきそう。
 渋いです。
 カッコいいです。




posted by H.A.
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