吉祥寺JazzSyndicate

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kantele

【Disc Review】“The Magical Forest” (2015) Sinikka Langeland

“The Magical Forest” (2015) Sinikka Langeland


Sinikka Langeland (kantele, vocals)

Arve Henriksen (trumpet) Trygve Seim (soprano, tenor sax) Anders Jormin (double bass) Markku Ounaskari (drums) Trio Mediaeval (vocals)


MAGICAL FORREST
SINIKKA LANGELAND
ECM
2016-07-29


 ノルウェーの古楽器カンテレ奏者&ボーカリストのコンボ作品。
 Anders Jorminをはじめとするいつものメンバーに、ノルウェーの伝統音楽コーラスグループに加わる編成。
 北欧の古典の世界とジャズの交錯。
 ジャズなグルーヴを出すベースとドラム、漂うようなサックスとトランペットのアンサンブル、背景を薄く彩るカンテレの響き。
 耳馴染みのないメロディとクラシカルなヴォイスが聞こえると、強い非日常感のこの人の音。
 さらにコーラスが加わることで、敬虔なムードが増強されています。
 冒頭は敬虔で勇壮。
 非日常感の強いメロディ、沈痛なホーンのアンサンブルとヴォイスの絡み合い。
 カンテレの高貴な音とコーラスのみの清涼にほっとしつつも、重い空気感が続きます。
 中盤からは哀し気ながら耳馴染みのよい現代的なメロディが増えていきます。
 徐々に音量を上げるコーラスと、その間隙を埋めるような強い寂寥感のトランペットの音が交錯しつつ幕。
 全編通してとてもドラマチック。
 少し重く哀しい映画のサウンドトラックのような一作。





posted by H.A.





【Disc Review】“The Half-Finished Heaven” (2013) Sinikka Langeland

“The Half-Finished Heaven” (2013) Sinikka Langeland


Sinikka Langeland (vocals, kantele) 
Lars Anders Tomter (viola) Trygve Seim (tenor sax) Markku Ounaskari (drums, percussion)

 ノルウェーのカンテレ奏者、ボーカリストSinikka LangelandのECM作品。
 “Starflowers" (2006)、“The Land That Is Not" (2010)からベースとトランペットが抜け、ヴィオラが加わった編成。
 北欧トラディショナルとジャズなビートが交錯する先のそれらの作品に対して、本作はカンテレ、ヴィオラ、テナーサックスの漂うような絡み合いを中心とした音。
 ゆったりとしたテンポ、少ない音数、より静かになった強い浮遊感の時間。
 クインテットだと前面には出て来なかったカンテレのとても美しい音が全編で響き、漂うようなヴィオラ、テナーと妖しく絡み合います。
 悲し気なメロディ。
 いつもの聞き慣れない感じが抑えられ、わかりやすい楽曲が並びます。
 また、ヴォイスの場面も抑えられ、主役はあくまで静かなアンサンブル。
 美しいカンテレの爪弾きを背景として、メロディを奏でる上品なヴィオラ、どこかに行ってしまいそうな時間を現実に引き戻すテナー、静かに時を刻むパーカッション。
 全部合わせて遠い所から流れてくるような音。
 これまた非日常の音ですが、心地よさ最高。
 天上の音・・・ってのには具体に過ぎたり、哀し気に過ぎたりするのかもしれませんが、そんな感じ。
 極上のトリップミュージック。




posted by H.A.





【Disc Review】“The Land That Is Not" (2010) Sinikka Langeland

“The Land That Is Not" (2010) Sinikka Langeland


Sinikka Langeland (kantele, vocals)
Arve Henriksen (trumpet) Trygve Seim (soprano, tenor sax) Anders Jormin (double bass) Markku Ounaskari (drums)

 ノルウェーのカンテレ奏者&ボーカリストSinikka LangelandのECM作品。
 “Starflowers" (2007)と同じスカンジナビア周辺のメンバーでの二管クインテット編成。
 楽曲も同じく北欧トラディショナルの色濃いのオリジナル曲が中心。
 不思議系、深刻系、勇壮系の哀し気なメロディに緊張感の高いヴォイス。
 全体の空気感は前作と同様ですが、カンテレの音が控え目になり、バンドのアンサンブルとヴォーカルが中心。
 クラシック、あるいはアヴァンギャルド系フォーク~ロックのようなヴォイスが前面に出る場面は摩訶不思議なSinikka Langelandの世界ですが、ホーンが前面に出る場面は北欧コンテンポラリージャズ。
 そのジャズ~現代のグルーヴを加えるのは名手Anders Jorminのベース。
 本作でもハイテンションなジャズな場面もちらほら。
 あるいは、聞き慣れないメロディラインの中に、現代的なメロディやコード展開も少々。
 過去の北欧の世界に戻っていきそうでいかなくて、現代の世界に戻ってきたようでそうでもない、漂う違和感、非日常感。
 その北欧トラディショナルとジャズの交錯、バランス~アンバランスがこのバンドのカッコいいところなのでしょう。
 ところどころに現れる、静かな空間に響くカンテレの響きがとても心地よいのですが、その音がしっかり聞こえて、かつ普通にメロディアスなのは“The Half-Finished Heaven” (2013)。
 いずれも非日常の音、どれがいいかはお好み次第。




posted by H.A.


【Disc Review】“Maria's Song” (2008) Sinikka Langeland

“Maria's Song” (2008) Sinikka Langeland

Sinikka Langeland (voice, kantele)

Kare Nordstoga (organ) Lars Anders Tomter (viola)

Maria's Song
Sinikka Langeland
Ecm Import
2010-08-03


 ノルウェーのカンテレ奏者&ボーカリストSinikka Langelandのクラシック寄りの作品。
 本作の前後の““Starflowers" (2006)、“The Land That Is Not" (2010)はジャズにも近い編成でしたが、本作はパイプオルガンとビオラ奏者を迎えクラシック寄り。
 J.S. Bachを中心にノルウェーのトラディショナル+α全28曲。
 インタールード的な短い楽曲を挿みながら、最後に十数分の長尺な演奏。
 カンテレが響く場面は少な目、Sinikka Langelandはボーカルが中心。
 前後の作品ではあまり聞かれない朗々としたクラシック歌手のような歌。
 ビオラ、パイプオルガンのソロ演奏、楽曲も含めて完全にクラシックな質感。
 アカペラボイスで幕を開け、パイプオルガンが教会的な空気も作りつつ、ビオラのソロ演奏が鳴り続く・・・そんな演奏が入れ代わり立ち代わり登場しては消えていく構成。
 合間々に挿まれるカンテレの独奏を含めた美しい音がアクセント。
 ノルウェーのトラディショナル曲もその空気感、音の流れの中に溶け込んでいます。
 根っこは一緒なのかもしれません。
 そんな感じのクラシックフュージョンなノルウェートラディショナルミュージック。


※別の作品から。

 


posted by H.A.


【Disc Review】“Starflowers" (2006) Sinikka Langeland

“Starflowers" (2006) Sinikka Langeland


Sinikka Langeland (kantele, vocals)
Arve Henriksen (trumpet) Trygve Seim (soprano, tenor sax) Anders Jormin (double bass) Markku Ounaskari (drums)

Starflowers (Ocrd)
Sinikka Langeland
Ecm Records
2007-08-21


 ノルウェーのカンテレ奏者、ボーカリストSinikka LangelandのECMでの第一作。
 カンテレはフィンランド、小型のハープ、あるいは琴のような楽器。
 古楽器なのだと思いますが、透き通った高音と控え目な響きが何とも美しい楽器。
 バンドはECM御用達の北欧陣、ノルウェーのホーン二人にスウェーデンのベース、ドラマーがフィンランド。
 ノルウェーあるいはフィンランドのトラディショナルがベースなのだと思います。
 とても静かな時間。
 聞き慣れない音階、ゆったりとしたアフリカにも通じそうなプリミティブな感じのビート。
 カンテレの音はとても美しいのですが、ヴォイスはフォーキーながら呪術的に響きます。
 悠久の何とか・・・とはニュアンスが違うのかもしれませんが、遠い過去から聞こえてくるような音。
 そんなカンテレ、ヴォイスと絡み合う寂寥感の塊のようなトランペット、緊張感の塊のようなサックス。
 名手Anders Jorminの地の底でうごめくようなベースとジャズドラマーであろうMarkku Ounaskariが作る静かなグルーヴを背景にして、妖しく漂うようなフロント陣。
 それらあわせて、少々沈痛で敬虔な空気感。
 基本的に静謐系なのですが、後半になぜか凄まじいエネルギー放出系、1970年代型激烈ジャズの場面があったり・・・この手の演奏は久しぶりだなあ・・・
 などなど含めて、不思議な北欧トラディショナルなコンテンポラリージャズ。
 これまた非日常、異空間へのトリップミュージック。




posted by H.A.


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