吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

guitar

【Disc Review】“Rimanceiro” (2013) Sergio Santos

“Rimanceiro” (2013) Sergio Santos
Sergio Santos (voice, guitar)
Sílvio D’Amico (guitar)

Rimanceiro
Sergio Santos
インパートメント
2013-09-15


 ブラジル、ミナスのシンガーソングライターSergio Santosの静かなMPB作品。
 アフリカンなエスニックテイスト、ブラジリアンジャジーなテイストなど、いろいろな作品がありますが、本作はギターと声のみの静かなアルバム。
 どれもそれぞれにカッコいいのですが、やはりこのフォーマットは特別な色合い。
 “Ao Vivo 100ª Apresentação” (1983) João Bosco、”Durango Kid”(1993) Toninho Horta、“João Voz é Violão” (2000) João Gilberto、“Rosa" (2006) Rosa Passos、“Cancao da Impermanencia” (2016) Guinga、その他諸々、たくさんの名品があります。
本作はギターが二本ですが、同じく素晴らしい作品。
 João BoscoToninho Horta作品よりは静かだけども、他の上記作品よりも明度や躍動感は強め。
 ギターはアルペジオ中心の静かで柔らかな音使い。
 ボサノバのビートは数曲のみで、フォルクローレっぽさが漂うミナス的な音の流れ。
弾き語りではなく二台のギターの微妙な絡み合いが、強い浮遊感を醸し出していると思います。
 フワフワとした柔らかい音を背景にした優し気な歌。
 楽曲はいつものときおりアフリカンな空気を感じる、柔らかなブラジリアンメロディのオリジナル曲。
 João GilbertoRosa Passosのような沈んだ凄みはないけども、ナチュラルで瑞々しい優しい音。
 これだけサラリとしていて、普通に聞こえて、それでも何となく引っ掛かる奥の深そうな音もなかなかないように思います。
 André Mehmariとの共演やアフリカンな色合いもいいのだけども、この編成は特別、とてもカッコいいと思います。
 この人の作品はどれも名作。
 ・・・なのですが、廃盤になるのが早くて・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Litoral e interior” (2009) Sérgio Santos

“Litoral e interior” (2009) Sérgio Santos
Sérgio Santos (voice, guitar)
André Mehmari (piano) Rodolfo Stroeter (bass) Tutty Moreno (drums) 
Andrea Ernest Dias (flute) Marcos Suzano (percussion) Sílvio D’Amico (guitar) Jota Moraes (Vibraphone) Fabio Cury (Fagote) Éser Menezes (Oboé) Luca Raele (clarinette) and Strings, others

Litoral & Interior
Sergio Santos
Biscoito Fino Br



 ブラジル、ミナスのシンガーソングライターSergio SantosのMPB作品。
 “Áfrico” (2002)、“Iô Sô” (2007)のアフリカンなブラジリアンな感じ、“Sergio Santos” (2004)の洗練されたジャジーなMPBに加えて、クラシックな色合いを加えたアルバム。
 André MehmariJoyceバンドが引き続いてサポートするとともに、ストリングスの登場場面が増えています。
 クラシカルな色合いとドラマチックなテイストが・・・と思っていたら、André Mehmariがアレンジその他に関わっているようだし、全編に参加。
 ストリングス主体のクラシック風、サントラ風、スキャットとアコーディオン、管が絡み合う曲、サックスがフィーチャーされるジャズ曲など、インスツルメンタル中心の楽曲が何曲か。
 André Mehmariとしても名作“Canteiro” (2010, 2011)制作直前のようで、そんな色合いもちらほら。
 それらが“Sergio Santos” (2004)のような洗練されたサンバ、ミナス的なボーカル曲の間に挿入される構成・・・
 というか、実質的に半分半分だし、ボーカル曲についてもAndré Mehmari的な複雑なアレンジでさまざまな楽器が絡み合う構成。
 ピアノも後ろの方で跳びまわっています。
 冒頭はいつものギターとボイスでスタートしますが、ビートが入るとヒタヒタ迫ってくるようなブラジリアンの色合いの緊張感のあるグルーヴ。
 あの一時期のPat Metheny Groupのムード。
 それに続くのは映画のサントラ的なオーケストラ曲、さらにはジャジーなサンバ・・・
 そんな感じで色々なテイストの素晴らしい演奏が続きます。
 楽しげだったり哀しげだったり、ボッサだったりジャズだったりクラシックだったり・・・全く違うテイストのようで不思議な統一感。
 一編の映画を見ているようなストーリー性と完成度。
 締めは優雅で美しいストリングスオーケストラのワルツから、ギターとゲスト女性ボーカルとのDuoで静かな幕。
 もちろんリーダーのボーカルはいつものゴムまりのように弾む柔らかで優しい声。
 楽曲も全て彼のオリジナル、メロディ自体はいつもと同様。
 が、ここまでの延長線のようで、意欲作であり、新機軸。
 MPBとして扱ってしまうには、あまりにも多彩で複雑、高度な演奏。
 でも、聞いた感じは極めてナチュラルでポップ、明るくて楽し気。
 現代ブラジリアンサウンドの最高峰・・・は大袈裟なのかもしれませんが、そんな凄みのある作品。
 繰り返しますが、しかもポップ。
 これは凄い作品、でしょう。




posted by H.A.


【Disc Review】“Iô Sô” (2007) Sergio Santos

“Iô Sô” (2007) Sergio Santos
Sérgio Santos (voice, guitar)
André Mehmari (piano) Rodolfo Stroeter (bass) Tutty Moreno (drums) 
Andrea Ernest Dias (flute) Marcos Suzano (percussion) Sílvio D’Amico (guitar)
Dori Caymmi, Joyce (voice) and Strings

Io So
Sergio Santos
Biscoito Fino
2007-10-01


 ブラジル、ミナスのシンガーソングライターSergio Santosのアフリカ風味も混ざるMPB作品。
 本作も“Áfrico” (2002)、“Sergio Santos” (2004)に引き続きAndré MehmariJoyceバンドがサポート。
 但し、“Áfrico” (2002) と同様に半数ぐらいの楽曲のみ。
 “Sergio Santos” (2004)の洗練を少々“Áfrico” (2002)の方向に戻し、洗練とエスニックのちょうどいいバランス、といったところでしょうか。
 いきなりDori Caymmiのボイスが登場し、御大Joyceも参加しています。
 数曲、ストリングスオーケストラも参加し、布陣は豪華です。
 それでも本作、上記作品に比べて静かで穏やかです。
 涼し気なギターと静かなパーカッションを中心とした演奏だからでしょうかね。
 André Mehmariのピアノもしっかりフィーチャーされていて、Joyceさんの参加曲はやたら元気ですが・・・
 楽曲はいつも通りのオリジナル曲中心。
 アフリカンな空気感が漂うブラジリアンな音。
 “Áfrico” (2002)と同様、リオデジャネイロの直球なサンバ、ボッサなリズムはあまり出てきません。
 それがミナスな音の特徴のひとつと言われればそうなのかもしれません。
 もちろん、南米あるいはミナス特有の浮遊感とそこはかとない哀愁、郷愁感が全編を覆い、優し気な歌声はここまでの諸作通り。
 但し、少々しっとり系、穏やかな楽園ムード。
 このくらいクールダウンした感じの方が、優し気なボイスにフィットしているように感じるし、陰影も出て、私的には好み。
 リゾートのビーチの夕暮れ、あるいは、夏のトワイライト~少し熱が落ちた夜にピッタリした音、ですね。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sergio Santos” (2004) Sergio Santos

“Sergio Santos” (2004) Sergio Santos
Sergio Santos (voice, guitar)
Andre Mehmari (piano) Rodlfo Stroeter (bass) Tutti Moreno (drums)
Marcos Suzano (percussion)
Teco Cardoso (flute, sax) Daniel D’Alcantara (trumpet) Nailor Azevedo (sax, clarinette) Sidnei Borgani (trombone) Leila Pinheiro, Francis Hime (voice)

Sergio Santos
Sergio Santos
Biscoito Fino Br
2004-12-01


 ブラジル、ミナス出身のシンガーソングライターSergio SantosのMPB作品。
 “Canteiro” (2010, 2011) André Mehmari に参加し、“Triz” (2012) André Mehmari, Chico Pinheiro, Sérgio Santosで同世代の面々と素晴らしい作品を作った人。
 本作も“Áfrico” (2002)と同じくAndré Mehmariに加えて、あのJoyceのバンドとの共演。
 が、アルバムのイメージは全く異なります。
 アフリカンな色合いは封印して、洗練されたMPB。
 Milton Nascimentoを現代的にもっと優しくした感じ。
 バンドはしなやかなブラジリアンビートとぶっ飛んだジャズ?ピアノ。
 メンバーから想像される通りの洗練されたジャジーなMPB。
 さらに要所で管楽器、そのお洒落なアンサンブルも加わり、とてもカラフルな構成。
 っても決して派手ではなく、ナチュラルで上品、穏やかな音は、このメンバー界隈のいつもの音、その極めて洗練されている系。
 全曲オリジナル曲、穏やかでスムースなメロディラインに、この人にしては珍しく?ほとんどがサンバ、ボッサのリズム。
 楽しげだったり、センチメンタルだったり。
 フォルクローレな色合いはあまり強くはないのですが、現代の南米音楽的な優しくて穏やかな空気感はが常に流れています。
 主役はブラジル音楽の定番、優しげなボイスと軽やかなギター。
 控え目だけど手練れたバンド。
 後ろの方でさりげなくコロコロと転がるピアノの音が心地よく響きます。
 なお、André Mehmari は名作“Lachrimae” (2003)、“Piano e Voz” (2004)の制作と近い時期。
 本作ではあまり派手に主張はしていないものの、タダモノではない感が漂うピアノ。
 この人が入ると何でも名作になってしまいますねえ。
 とてもさりげないのだけども、抜群の洗練、完成度のカッコいいMPB、ナチュラル系。




posted by H.A.


【Disc Review】“Áfrico” (2002) Sérgio Santos

“Áfrico” (2002) Sérgio Santos
Sérgio Santos (Guitar, Vocals)
André Mehmari (Piano) Rodolfo Stroeter (Bass) Tutty Moreno (drums)
Silvio Damico (Guitar) Teco Cardoso (Flute, Sax) Nailor Proveta (Clarinet, Sax)
Décio Ramos (Marimba, Percussion) Marcos Suzano, Robertinho Silva Agogo, Paulo Sérgio Santos (Percussion)
Olivia Hime, Martinália , Marco Antônio Guimarães, André Costa, Analimar (voice)
and Grupo Uakti, Joyce, Lenine, Olivia Hime

Africo (Dig)
Sergio Santos
Biscoito Fino Br
2004-07-20


 ブラジル、ミナス出身のシンガーソングライターSergio SantosのアフリカンなMPB作品。
 “Canteiro” (2010, 2011) André Mehmari に参加し、“Triz” (2012) André Mehmari, Chico Pinheiro, Sérgio Santosで素晴らしい作品を作った人。
 本作はAndré Mehmariに加えて、Joyceのバンドとの共演。
 この後、そのピアノトリオ+サックスが参加とした作品が何作か続きます。
 本作では彼らの参加は半数ほどで、タイトル通りに自身のルーツなのであろうアフリカにフォーカスしたであろう楽曲が中心。
 Richard Bona、Lionel Louekeのアフリカンフュージョン作品を想い起こすような音の流れ。
 が、アフリカンなコーラス、あるいはパーカッションを交えつつ、アフリカンエスニックな色合いを出しつつも、なんだかんだでブラジリアンな音。
 直球でサンバ、ボッサなビートはほとんどないのですが、なんだかんだで背景の音を支配しているのは、おそらく本人であろうガットギターなので、柔らかなブラジル風味になるのでしょうかね。
 メロディ、コードもどこかしらブラジル風なのでしょう。
 全編、優しく明るい表情。
 楽曲はSérgio SantosとPaulo César Pinheiroの共作を中心とした、これまたアフリカンなようなブラジリアンなような、これまた優しい表情。
 ギターとパーカッションの素朴でネイティブな感じながら、なぜか洗練された音の上に乗ってくる優し気なヴォイス。
 ハッピーな歌ばかりなのかどうかはわかりませんが、とにもかくにも明るく穏やかな音。
 さらに、さりげない演奏のようで、ギター、バンドともに凄まじい演奏力。
 それでいて、リラックスできるというか、作り物ではない自然な感じというか。
 南米系の音楽を聞いていると、たまにハワイっぽい楽園な感じな音に出会うことがあるのだけども、本作もそんな場面がしばしば。
 音にピッタリなとても素敵なジャケットもあわせて、これは名作でしょう。
 この後の作品、本作に近いアフリカンなテイストは次次作“Iô Sô” (2007)、André MehmariJoyceバンドとの洗練されたMPBを聞きたい人はコンボでの次作“Sergio Santos” (2004)、ドラマチックな大作がよければ“Litoral e interior” (2009)、静かな弾き語り的な音がよければ“Rimanceiro” (2013)をどうぞ。
 私が知る限りの作品、本作含めてすべて名作です。




posted by H.A.


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