吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

guitar

【Disc Review】“No End” (1986) Keith Jarrett

“No End” (1986) Keith Jarrett

Keith Jarrett (Electris Guitar, Fender Bass, Drums, Tabla, Voice, Percussion, Recoeder, Piano)

No End by Keith Jarrett (2013-12-04)
Keith Jarrett
Universal Japan


 Keith Jarrettの不思議な多重録音、ソロ作品。
 1986年の録音、2013年発表。
 ピアノの登場する場面はわずか、いつものKeith Jarrettの音楽ではありません。
 自身が弾くギターを中心としたサイケ色たっぷり、不思議な無国籍ジャズロック、全20編。
 一時期のエレクリックMilesのようにインド的なエスニック色とフニャフニャグニャグニャしたエレキギター、ファンクなビートが交錯する、穏やかながらディープな音。
 “In a Silent Way” (Feb.1969), “Big Fun” (Nov.1969-Jun.1972)の一部あたりのあの雰囲気。
 1970年代ならいざ知らず、時代は1980年代。
 公式作品ではクラシック色の強いソロ演奏と、ジャズジャズしたStandardsを展開していた時期。
 頭の中ではこんな音も鳴っていたのか・・・と想像すると、意外というか、感心しきりというか、何と申しましょうか。
 もしこれをあのMilesバンドのメンツとまで言わずとも、あの頃ECMレコードにいたメンバーあたりでやっていたら、大名作と崇め奉られていたかもしれませんね。
 いや、ホントに。
 それにしてもこの期(2013年)に世に出した意味合いやいかに?

※全く無関係ですが、古い演奏でも。もちろん全く違うテイスト。


posted by H.A.


【Disc Review】“From This Place” (2019) Pat Metheny

“From This Place” (2019) Pat Metheny

Pat Metheny (Guitars, Keyboards)
Gwilym Simcock (Piano) Linda May Han Oh (Bass) Antonio Sanchez (Drums)
Luis Conte (Percussion) Meshell Ndegeocello (voice) Gregoire Maret (harmonica)
and Orchestra

From This Place -Digi-
Pat Metheny
Warner
2020-02-21


 Pat Metheny、2020年新作。
 前作はスタジオライブの”The Unity Sessions” (2014)、スタジオ録音では”KIN (←→)” (2013)以来。
 20年来の盟友Antonio Sanchezのみを残してメンバーを一新。
 ギター+ピアノトリオのカルテット+αにオーケストラが加わる編成。
 近作のハードなジャズ色を残しつつ、かつてのPat Metheny Groupの幻想的なムード、ドラマチックさが戻った感じ。
 全十曲ですが、”The Way Up” (2003-4)のイメージに近い組曲風。
 冒頭は10分を超える長尺な演奏。
 静かに漂う様に始まりつつ、徐々にテンションと音量を上げるバンド、緊張感を煽るオーケストラ。
 徐々に変わっていく景色の中を漂い疾走するピアノ、ギター。
 そして陶酔を誘うリフレインの中、凄まじいまでにドラマチックなエンディング。
 その余韻と緊迫感を引きずりつつ、ハードなジャズ、重さを抑えたジャズフュージョン、バラード等々、形態を変えながらも神妙な空気感を纏ったドラマチックな演奏が続きます。
 中盤を過ぎるとキャッチーな展開もちらほらしてきますが、張り詰めた空気感は変わりません。
 終盤に収められた儚げな女性ボーカルも、全体の中に溶け込む小さなアクセント。
 そしてストリングスに彩られたバラードで静かに幕。
 全部あわせて往年のPat Metheny Groupをよりハイテンション、よりシリアスに寄せ、よりドラマチックになった色合い。
 もしLyle Maysが健在なら、オーケストラの部分がシンセサイザーになって軽快な感じにもなっていたのかもなあ・・・いや、やはりこんな感じかも・・・などと想像すると、何とも・・・
 ともあれ本作、めくるめく音楽ドラマ、重厚な大作にして名作。




・ソロ、リーダー ・・サポート (録音or発表年) 、当方知る限り。
・・“Jaco” (Jun.1974) w. Jaco Pastorius
・・“Ring” (Jul.1974) Gary Burton 
・”Bright Size Life” (Dec.1975) 
・・“Dreams So Real” (Dec.1975) Gary Burton 
・・“Passengers”(1976) Gary Burton 
・”Watercolors” (1977)
Pat Metheny Group” (Jan.1978) 
・“New Chautauqua” (Aug.1978)
American Garage” (Jun.1979)
・・“Shadows and Light” (Sep.1979) Joni Mitchell
・”80/81” (May.1980)
・”As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls” (Sep.1980) w.Lyle Mays 
・・”Toninho Horta” (1980) Toninho Horta
・・“The Song Is You” (Sep.1981) Chick Corea
Offramp” (Oct.1981) 
Travels” (1982)
・”Rejoicing”(1983) 
・・”All The Things You Are” (1983) w. The Heath Brothers
・・“Move To The Groove” (1983) w. The Heath Brothers
First Circle” (1984) 
・・“Contemplacion” (1985) Pedro Aznar
・・"Encontros e Despedidas" (1985) Milton Nascimento
・・“Day In-Night Out” (1986) Mike Metheny
・”Song X” (1985) w. Ornette Coleman
Still Life (Talking)" (1987)  
・・“Story Of Moses” (1987) Bob Moses
・・“Michael Brecker” (1987) Michael Brecker
Letter from Home” (1989) 
・”Question and Answer” (1989)
・・“Electric Counterpoint” (1989) Steve Reich
・・“Reunion” (1989) Gary Burton 
・・“Moonstone” (1989) Toninho Horta
・・”WELCOME BACK” (1989) 矢野顕子
・・“Parallel Realities” (1990) Jack DeJohnette
・・“Parallel Realities Live...” (1990) Jack DeJohnette
・・“Tell Me Where You're Going” (1990) Silje Nergaard
The Road to You” (1991)
・”Secret Story” (1991-2) 
・・“Till We Have Faces” (1992) Gary Thomas
・”Zero Tolerance for Silence” (1992) 
・・“Wish” (1993) Joshua Redman
・”I Can See Your House from Here” (1993) w. John Scofield
・・“Noa” (1994) Achinoam Nini
・・“Te-Vou !” (1994) Roy Haynes
・・"Angelus" (1994) Milton Nascimento
We Live Here” (1995)
Quartet” (1996)
・”Passaggio per il paradiso”(1996) 
・“Sign of 4” (1996) w. Derek Bailey
・・“Pursuance” (1996) Kenny Garrett
・”Beyond the Missouri Sky” (1996) w. Charlie Haden
・・"Tales from the Hudson" (1996) Michael Brecker
・”The Elements : Water” (1997) w. David Liebman 
Imaginary Day”(1997)
・・”The Sound of Summer Running” (1997) Marc Johnson 
・・”Like Minds” (Dec.1997) Gary Burton
・”Jim Hall & Pat Metheny” (Jul,Aug.1998)
・・”A Map of the World” (1999) 
・・“Dreams” (1999) Philip Bailey
・・“Time Is of the Essence” (1999) Michael Brecker
・”Trio 99 → 00”(Aug.1999) 
・”Trio → Live” (1999-2000)
・・“Nearness of You: The Ballad Book” (2000) Michael Brecker
・・”Reverence” (2001) Richard Bona 
Speaking of Now” (2001)
・・”Upojenie” (2002)
・”One Quiet Night” (2001,3) 
The Way Up” (2003-4)
・”Tokyo Day Trip” (Dec.2004) 
・”Day Trip” (Oct.2005) 
・”Metheny/Mehldau Quartet” (Dec.2005) 
・・“Pilgrimage” (Aug.2006) Michael Brecker
・”Metheny/Mehldau” (Dec.2006) 
・・”Quartet Live" (2007) Gary Burton  
・”Orchestrion” (2009)
・”The Orchestrion Project” (2010)
・”What's It All About” (2011) 
・”Unity Band” (2012)
・”Tap: John Zorn's Book of Angels, Vol. 20” (2013) 
・・“SHIFT” (2013) Logan Richardson
・”KIN (←→)” (2013)
・”The Unity Sessions” (2014)
・・”Hommage A Eberhard Weber”(2015)  
・・”Cuong Vu Trio Meets Pat Metheny” (2016) Cuong Vu
・“From This Place” (2019)


posted by H.A.

【Disc Review】“Family Tree” (2012) Oregon

“Family Tree” (2012) Oregon

Ralph Towner (classical guitar, piano, synthesizer) Glen Moore (bass) Mark Walker (drums, percussion) Paul McCandless (bass clarinet, flute, English horn, oboe, soprano saxophone)

Family Tree
Oregon
Camjazz
2012-08-28


 無国籍フュージョンバンドOregonの2012年作。
 ECMからポップなテイストな時代を経て、イタリアのCAM Jazzからのアルバム。
 オリジナルメンバー故Collin Walcottの代わりは若手ドラマー。
 タブラ、シタールなどの音が聞こえない分、エスニック色は薄くなっていますが、一時期のポップな色合いもなくなり、ジャズな香りたっぷり、スッキリしたサウンド、。
 御年おいくつだったのかわかりませんが、Ralph Towner, Glen Moore, Paul McCandlessお三方とも枯れた風情など微塵もない音。
 突っ走る木管とギター、ピアノ、動きまくるベース。
 若い打楽器も相まって、1970年代と何ら変わらない躍動感。
 ピアノトリオ+管の場面などは若手のコンテンポラリージャズバンドじゃないの、ってな演奏。
 タブラがドラムになって毒気が抜けた、といえばその通りなのかもしれませんが、強烈な演奏力が醸し出すのであろう緊張感はたっぷり。
 堂々たるジャケット写真の大ベテランの出す音は、若々しいコンテンポラリージャズ、そんなOregon。




Oregon
"Our First Record" (1970) 
"Distant Hills" (1973) 
"Winter Light" (1974)  
"In Concert" (1975) 
"Together" (1976) 
"Friends" (1977)
"Violin" (1978)      ↑Vanguard
"Out of the Woods" (1978)  Elektra
"Roots in the Sky" (1979)   Elektra
"Moon and Mind" (1979)     Vanguard
Best of the Vanguard Years” (1970-1979) 
"In Performance" (1980)    Elektra
"Oregon" (1983)                ECM
"Crossing" (1984)              ECM
"Ecotopia" (1987)              ECM 
"45th Parallel" (1989)  ↓etc.
"Always, Never and Forever" (1991) 
"Troika" (1993) 
"Beyond Words" (1995) 
"Music for a Midsummer Night's Dream" (1998)
"In Moscow" (2000)
"Live at Yoshi's" (2002) 
"Prime" (2005)               ↓CamJazz
"1000 Kilometers" (2007) 
"In Stride" (2010) 
"Family Tree(2012)
"Lantern" (2017)

posted by H.A.


【Disc Review】"In Performance" (1980) Oregon

"In Performance" (1980) Oregon

Ralph Towner (Guitar, Piano, French Horn, Flugelhorn) Glen Moore (Bass, Flute, Violin, Piano) Collin Walcott (Sitar, Tabla, Timpani) Paul McCandless (Oboe, Flute, English Horn, Soprano Saxophone, Bass Clarinet)

In Performance
Oregon
Bgo Rec
2018-09-14


 無国籍フュージョンバンドOregonの1979年作、Elektraレーベルの最終作、ライブ録音。
 Elektraでは洗練されたジャズフュージョンな感じが強くなった感もありましたが、本作は抽象的な楽曲がある分、フリーを含めたインプロビゼーションがたっぷりある分、硬派なイメージ。
 妖しい弦と笛、パーカッションの絡み合いからスタート、ピアノが加わってもビートが定まることは無く、さまざまな楽器が絡み合う、漂うようなコレクティブインプロビゼーション、10分超。
 ピアノがギターに変わりペースが定まると、木管の強烈な疾走。
 さらには再びピアノに変わり、木管とともに疾走。
 クラシカルで上品な感じながら、強烈なグルーヴを伴ったすさまじい演奏。
 Collin Walcottがビートを作る役回りが多く、妖しさが抑えられた印象にも聞こえるかもしれません。
 その分、シタールに持ち換えた楽曲はたっぷりフリーな演奏。
 名曲“Waterwheel”, “Arion”といったRalph Towner諸作でも演奏される楽曲が並び、締めは同じく“Icarus”でドラマチックな高揚感。
 いずれもハイテンション。
 この後、バンドはRalph Towner, Collin Walcottのソロ作品を制作していた ECMへ移籍、"Oregon" (1983)を制作。
 本作のテンションのままかと思いきや、その諸作は淡い色合い。
 ハイテンションな1970年代、そんな時代のOregonの締めの記録。




posted by H.A.


【Disc Review】“Moon and Mind” (1979) Oregon

“Moon and Mind” (1979) Oregon

Ralph Towner (Guitar, 12String Guitar, Piano, Organ, Percussion) Glen Moore (Double Bass Piano) Collin Walcott (Sitar, Tabla, Piano, Congas, Percussion, Dulcimer) Paul McCandless (Flute, Oboe, Bass Clarinet)

Moon & Mind
Oregon
Vanguard Records
1991-07-01


 無国籍フュージョンバンドOregonの1979年作。
 ElektraでもECMでもなく、再びVanguardレーベルから。
 カルテットでの演奏ではなく、メンバーのDuoでの演奏集。
 諸作の中でも人数を絞った演奏がありましたが、そんな演奏をピックアップしたような、いかにもOregonな演奏揃い。
・ハイテンションなギターとタブラ
・幻想的な木管と美しいピアノ
・グルーヴするシタールとベース
・妖しいバスクラリネットとベース
・Bill Evans, Scott LaFaroに捧げたのであろうギターとベース
・漂い、疾走するオーボエとピアノ
・優しく懐かしいフルートとタブラ
・ドラマチックに疾走するギター、オルガン、ピアノ、タブラ
・美しく哀しいピアノとベース
 さまざまな色合いが交錯しますが、いずれも魅力的な楽曲と、美しく、ときに妖しい演奏、そして美しい録音。
 一見バラバラなようで、全てが見事なまでにOregon色。
 アウトテイク集なのか契約消化なのか何なのか、そんな詮索は無用。
 むしろ音を出す人数が絞られている分だけ、静かで繊細、それが特別な音。
 とても美しく妖しい演奏集。




posted by H.A.


【Disc Review】“Roots In The Sky” (1979) Oregon

“Roots In The Sky” (1979) Oregon

Ralph Towner (Guitar, Piano, Flugelhorn) Glen Moore (Bass) Collin Walcott (Percussion, Guitar) Paul McCandless (Clarinet, Oboe, Horn)



 無国籍フュージョンバンドOregonの1979年作、Elektraレーベルから。
 冒頭から疾走するOregon。
 タブラとギター、ベースが作るハイテンションな音を背景にして突っ走るクラシカルな木管。
 続くは美しいピアノと木管の絡み合い、さらにはエスニックで幻想的な木管、パーカッションの絡み合い、ピアノの疾走、妖しいシタールの響き・・・
 ショーケースのような演奏集。
 いずれの楽曲もドラマチックな構成。
 一曲の中でさまざまに変化しながら強烈なグルーヴを伴いながらの疾走へ。
 いわゆるキャッチーなメロディがないのもこのバンドの色合いなのだと思いますが、この曲は何かな?と思っているうちにあれよあれよと展開し、気がつけばハイテンションでカッコいい局面へ突入しているいつものパターン。
 前作“Out of the Woods” (1978)と同じく、先のVanguard諸作と比べると、勢い、妖しさが抑えられ、よりスムースに、スッキリしたようにも聞こえます。
 また、後のECMのOregon諸作と比べると、音の明度が高く、展開が明解。
 そのあたりも時代の狭間、1970年代から1980年代への過渡期。
 ハイテンションなVanguard諸作、スムースなElektra諸作、より淡く幻想的なECM諸作、といったところでしょうか。
 どの色合いがいいかはお好み次第。




posted by H.A.


【Disc Review】“Out Of The Woods” (1978) Oregon

“Out Of The Woods” (1978) Oregon

Ralph Towner (Guitar, 12String Guitar, Piano, Flugelhorn, Percussion) Glen Moore (Bass) Collin Walcott (Percussion, Guitar, Sitar, Tabla) Paul McCandless (Oboe, Cor Anglais, Bass Clarinet)

Out of the Woods
Oregon
Discovery / Wea
1993-09-28


 無国籍フュージョンバンドOregon、1978年作、Vanguardレーベル諸作の後、メジャーレーベルElektraから。
 強いグルーヴのベース、エスニックなパーカッション、牧歌的な雰囲気と妖しさが交錯する中、ギター、ピアノ、木管が疾走するOregonサウンドはそのまま。
 ここまでの諸作と比べると心なしかスッキリした印象のサウンド。
 まさか、同レーベル近い時期の“Winelight” (1980) Grover Washington,Jr.あたりの雰囲気を狙いに・・・なんてことはないのだと思いますが、“American Garage” (1979) Pat Metheny Groupな感じもちらほらしたりして・・・
 さておき、冒頭からピアノと疾走する木管の激しいチェイスのアコースティックジャズフュージョン。
 さらにはフリューゲルホーンとカリンバの絡み合い、さらには美しいピアノに導かれたタブラ、ギター、木管の幻想的な絡み合い、そして強烈なグルーヴのウッドベースとハイテンションなギターの絡み合い・・・
 ハイテンションでマニアック、それでいてスッキリとまとまった、美しい演奏が続きます。
 同時期の“Batik” (1978) Ralph Townerで凄まじいテンションで演奏される”Waterwheel”、“Witchi-Tai-To” (Nov.1973) Jan Garbarek, Bobo Stenson Quartetのタイトル曲の再演されています。
 それらのバージョンのドラマチックさはそのままに、抑制された演奏、少しニュアンスの違う影と湿り気のある色合い。
 なんだかんだでコマーシャリズムとは距離がありますかね。
 少しだけマニアックなカッコいい音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Violin” (1978) Oregon

“Violin” (1978) Oregon

Ralph Towner (Classical Guitar, 12String Guitar, Piano) Glen Moore (Bass) Collin Walcott (Tabla, Percussion, Piano) Paul McCandless (Oboe, Bass Clarinet)
Zbigniew Seifert (Violin)

Violin
Oregon
Wounded Bird Records
2019-07-26


 無国籍フュージョンバンドOregon、1978年作、Vanguardレーベルから。
 ポーランド出身のバイオリニストが全編に参加。
 バイオリンは明解なフレーズを紡いでいくタイプ、強烈なグルーヴと疾走のOregonサウンドに、強い揺らぎと激情が加わります。
 全体を包み込むダークな空気感、緊張感。
 冒頭は15分を超える演奏。
 タブラが刻む激しいビートの中、激しく絡み合いながら乱舞、疾走する木管、バイオリン、ギター。
 ビートを変えつつ混沌一歩手前まで行くものの、ギリギリで踏み止まるコレクティヴインプロビゼーション。
 最後まで途切れることの無い緊張感。
 バラードになっても、明るく前向きな楽曲の演奏に変わっても、張り詰めたムードは変わりません。
 息をつく暇もない、手に汗握るスぺクタル。
 でも、あくまで上品で清廉な音。
 そんな演奏が最初から最後まで。
 この後メジャーレーベルElektraへ移籍。
 Vanguardからの事実上の最終作は、美しく激しく妖しい音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Friends” (1977) Oregon

“Friends” (1977) Oregon

Ralph Towner (French Horn, Guitar, 12Strings Guitar, Percussion, Piano) Glen Moore (Bass, Bass Flute, Piano) Collin Walcott (Congas, Hi Hat, Percussion, Sitar, Tabla) Paul McCandless (Bass Clarinet, English Horn, Oboe)
David Earle Johnson (Congas, Timbales) Larry Karush (Piano) Bennie Wallace (Tenor Sax)

Friends
Oregon
Wounded Bird Records
2019-07-26


 無国籍フュージョンバンドOregon、1977年作。
 カルテットに加えて何曲かにゲストが加わる構成。
 大きく景色が変わるわけではありませんが、ゲストが出す非Oregonな音で、ジャズな側面を強調された感じでしょうか。
 いつもの疾走、浮遊の交錯はそのまま、ピアノがたっぷりとフィーチャーされ、パーカッションが妖しいタブラの音の印象を中和し、テナーサックスが牧歌的なというよりもアメリカンカントリー、あるいはブルージーな感じ、はたまたフリージャズな感じを助長する、そんなイメージ。
 メンバー各人のオリジナル曲に加えて、アイドルBill Evans、さらになぜか“Timeless” (Mar, 1974) John Abercrombieのタイトル曲が加わるのは、ECMでの“Sargasso Sea” (May, 1976)の流れなのでしょう。
 ハイテンションさ、妖しさはJohn Abercrombieのバージョンと同様ですが、全く違った色合い。
 メンバーを絞った演奏が散りばめられていることも加えて、少し各曲の印象がバラけた感じもありつつも、なんだかんだでOregonぽさも全編に流れているのも、スタイリスト集団ゆえなのでしょう。
 少々ジャズ寄り・・・でもなくて、やはりいつもと変わらないこの期のOregonな一作。




posted by H.A.


【Disc Review】"Winter Light" (1974) Oregon

"Winter Light" (1974) Oregon

Ralph Towner (Classical Guitar, 12String Guitar, Piano, French Horn, Drums, Handclaps) Glen Moore (Bass, Electric Bass, Violin, Flute, Piano) Collin Walcott (Tabla, Sitar, Percussion, Congas, Percussion, Dulcimer, Clarinet) Paul McCandless (Oboe, English Horn, Bass Clarinet)

冬の陽
オレゴン
インディーズ・メーカー
2004-08-25


 無国籍フュージョンバンドOregon、1974年作。
 美しく瑞々しいギター、ピアノ、強いグルーヴを作るベース、疾走する木管、そして妖しいシタール、タブラが絡みつく、美しく妖しい典型的なOregonサウンド。
 いつも通りに、一部強いエスニック風味、あるいはフリーに近い演奏もありますが、わかりやすい演奏がたっぷり。
 タイトル、ジャケットからすれば穏やか音が聞こえてきそう、確かに柔らかに始まります。
 が、気がつけば激しいインプロビゼーションの絡み合い。
 とてもドラマチック。
 哀し気な表情、常に張り詰めたような音。
 が、どこか優しい感じ、さらに懐かしい感じがするのは、ギター、ピアノ、木管の上品な音ゆえ、あるいはときおり顔を出す牧歌的な空気感ゆえ、でしょうか。
 また、電気音華やかなりし時代、そんなものは無視したかのようなアコースティックサウンド。
 気難しい場面も本作では限られています。
 それでいて十分に先端系。
 ECMを含めた後の諸作よりも躍動感が強い、1970年代Oregonサウンド。
 なお、1974年とは思えない美しい録音。
 中身も音も全く古くなっていません。
 VanguardのOregonはどれもカッコいいのですが、わかりやすさが前面に出て、気難しさとのバランスがとてもいい感じの一作。




posted by H.A.


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