吉祥寺JazzSyndicate

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guitar

【Disc Review】“Blue Lights (Volume1, 2)” (1958) Kenny Burrell

“Blue Lights (Volume1, 2)” (1958) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitar)
Duke Jordan, Bobby Timmons (piano) Sam Jones (bass) Art Blakey (drums)
Louis Smith (trumpet) Tina Brooks, Junior Cook (tenor saxophone)

Blue Lights 1 & 2
Kenny Burrell
Blue Note Records
1997-07-07


 Kenny Burrell、1950年代、Blue Noteから。
 ジャケットはAndy Warhol。
 これまた1950年代ヒップな音。
 御大のありがたいンチャンチャとおめでたいドラムロールが鳴り響き、手練れが繰り広げるいかにもBlue Noteな少し粘りのあるビート。
 “Kenny Burrell (Volume 2)” (1956)に比べると、黒くソウルフルなホーン陣がたっぷりフィーチャーされ、その分豪華で分厚い音。
 そんな華やかな音の流れの中、少し沈んだクールな音で全体の熱を抑えるような流麗なギター。
 これまた1950年代マンハッタンの音。




posted by H.A.

【Disc Review】“Kenny Burrell (Volume 2)” (1956) Kenny Burrell

“Kenny Burrell (Volume 2)” (1956) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitar)
Tommy Flanagan (piano) Paul Chambers, Oscar Pettiford (bass) Kenny Clarke, Shadow Wilson (drums) Candido (conga)
Frank Foster (tenor saxophone)

ケニー・バレル Vol.2
ケニー・バレル
EMIミュージック・ジャパン
2004-12-08


 Kenny Burrell、1950年代、Blue Noteから。
 ジャケットはAndy Warhol。
 モダンジャズが最高にヒップだった時代。
 コンガが入る一曲が妖しい饗宴ムードを醸し出しますが、全体を眺めればブルージーながら上品なジャズ。
 あの時代のモノラル録音ながら、ギターとピアノのとても美しい音。
 エフェクティングすることなく、エコーも少ない、自然の生の音の心地よさ。
 少し後ろに下がった感じのリズム隊を背景にして突っ走るギター。
 さらにサブトーンたっぷりのテナーサックスなんて加わると、周囲は賑やかしいあの時代のマンハッタンのど真ん中、夜。




posted by H.A.

【Disc Review】“Combo 66” (2018) John Scofield

“Combo 66” (2018) John Scofield

John Scofield (guitar)
Gerald Clayton (piano, organ) Vicente Archer (bass) Bill Stewart (drum)

COMBO 66 [CD]
JOHN SCOFIELD
VERVE
2018-09-28


 大御所ギタリストの最新作。
 4ビートを中心としたオーソドックスな現代ジャズ。
 ピアノトリオ、またはオルガントリオを背景にした、いつもの軽く歪ませたブルージー成分、ロック成分多めなジャズギター。
 全曲、あの沈んでいくようなダークで不愛想なオリジナル曲、ミディアムテンポ中心。
 私的にはあの“You're Under Arrest” (1984,1985) Miles Davisの超高速タイトル曲が強烈過ぎて、ついついそれを期待してしまうのですが、30年経ってもあれっきり、というかあれが特別だったのでしょうねえ。
 ともあれ、男臭くてヤクザな感じ、意外なところにブレークが入るいつものスタイル・・・と思っていたら、終盤にポップソングのようなキャッチーなバラードも。
 かつてのハイテンションジャズフュージョン、あるいはジャムバンドっぽさも残しつつ、心地よくバウンドする一線級のジャズバンドに、ウネウネとしたギター。
 どこか懐かし気な香りのする、かといってモダンジャズには収まらない、ロック世代以降のアメリカンな音。
 歳を重ねてもなお、何事もなかったように淡々と弾き連ねていく姿が何ともクールでカッコいいなあ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Where The River Goes” (2018) Wolfgang Muthspiel

“Where The River Goes” (2018) Wolfgang Muthspiel

Wolfgang Muthspiel (guitar)
Brad Mehldau (piano) Larry Grenadier (bass) Eric Harland (drums)
Ambrose Akinmusire (trumpet)

WHERE THE RIVER GOES
WOLFGANG MUTHSPIEL
ECM
2018-10-05


 オーストリアのギタリストWolfgang Muthspiel、ECMでのリーダー作、第三弾。
 前作“Rising Grace” (2016)と同じ編成、ドラマーがBrian BladeからEric Harlandに交代。
 色合いも前作と同様、トランペットがアクセントになった穏やかなジャズ。
 かつてのとんがった音は影を潜め、淡く明るい色合い、フワフワと漂うようなサウンド。
 手練れた人たちによる繊細なアンサンブルと、タダモノではない感の漂うインプロビゼーションが続きます。
 楽曲の表情は妖しいコンテンポラリージャズ、ハイテンションジャズ、南米、ブルース、はたまたスタンダードのパロディ、その他諸々のごった煮。
 但し、それら全てがスッキリとまとまり洗練された、ジャズな音。
 オーソドックスなようで先端的なビートを出すドラムとベース、不思議な音の動きのピアノトリオ。
 それを背景にしたクリーントーンのエレキギター、ガットギターもさることながら、それと絡み合うトランペットがカッコいい。
 控え目ながら、繊細から過激までの多彩な表現力。
 この人もECMから出て来るのでしょう。
 全部合わせて、オーソドックスになようでほんの少しだけ現実からズレたような、白日夢のような音。
 穏やかで優しい、21世紀型ECMな一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Bay Of Rainbows” (2018) Jakob Bro

“Bay Of Rainbows” (2018) Jakob Bro

Jakob Bro (guitar)
Thomas Morgan (double bass) Joey Baron (drums)

BAY OF RAINBOWS
BRO/MORGAN/BARON
ECM
2018-10-05


 デンマークのギタリストJakob Broのトリオ、ニューヨークでのライブ録音。
 トランペット入りの前作“Returnings” (2018)から、“Streams” (2015)と同メンバーのトリオに戻りました。
 あの乳濁色の空気。
 トランペットの鋭い音や激しいビートでの覚醒はなく、ゆったりとして淀んだような緩やかな音の流れ。
 終始ルバートのように浮遊するビート感、リバーヴたっぷりの艶のある音のギターが紡ぐ、ゆったりとしたメロディとコードの動き。
 寄り添うように慎ましやかにカウンターを当てるベースとフリーにアクセントをつけるドラム。
 オリジナル曲はいつもの淡くて悲し気で懐かし気なメロディ。
 中盤にいかにもニューヨークな先端的な音、ループを使いつつの強いビートのハイテンションな演奏。
 が、それも一曲のみ、他はひたすら続く緩やかで穏やかな音。
 ライブ録音ながらスタジオ録音諸作と同じムード、合間の賑やかな拍手と掛け声でふと現実に立ち返るような、淡い時間が流れていきます。
 白日夢のような音、21世紀型ECMな音。
 ほんとにマンハッタンのど真ん中で演奏された音なのでしょうかね?
 どこか違う場所の違う時間に連れて行ってくれるトリップミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】”Ask for Chaos” (2018) Gilad Hekselman

”Ask for Chaos” (2018) Gilad Hekselman

Gilad Hekselman (guitar)
gHex Trio : Rick Rosato (bass) Jonathan Pinson (drums)
ZuperOctave : Aaron Parks (piano, keyboards) Kush Abadey (drums, pads)

Ask For Chaos
Gilad Hekselman
Pias UK
2018-09-14


 ニューヨーク系コンテンポラリージャズのギタリストGilad Hekselmanの最新作。
 オーソドックスな編成のギタートリオgHex Trioと、Aaron Parksを迎えエレクトリックを前面に出したトリオZuperOctaveの二編成。
 柔らかくて耳当たりのよい音ながら、その実、先端的で複雑、不思議な音楽を作る人。
 gHex Trioは前作“Homes” (2015)よりもビートが柔らかな感じ、フワフワと漂うような不思議系ジャズ。
 ”Milton”なんて曲もあり、そんな南米的な浮遊感も全編に漂っている感じ。
 ZuperOctaveは電子音と複雑なビートの先端ジャズ。
 パシパシと決めまくる先端的ドラムにシンセ(っぽい)ベース、エレピとシンセサイザー、たっぷりのエコーが効いたクリーントーン、時に強くエフェクティングしたギター。
 徹底的に攻めた音。
 が、こちらのバンドもキツさはなく、柔らかなビート感と強烈な浮遊感。
 楽曲は複雑でメカニカルながら柔らかさが勝り、全て前向きで明るい表情。
 さらにここまでのアルバムと同様に、全体に何かメッセージが込められているのであろうドラマチックな構成。
 後に残る名作になる予感・・・ってなのは贔屓に過ぎますか?
 とにもかくにも心地よさ最高の先端ジャズ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Music IS” (2017) Bill Frisell

“Music IS” (2017) Bill Frisell

Bill Frisell (guitars)

Music Is
Bill Frisell ビルフリーゼル
Okeh/sony Masterwork
2018-03-15

 

Bill Frisell、ソロギター作品。
 前作はECM復帰のライブ録音“Small Town” (2016)だと思いますが、本作は別のレーベルから。
 完全なソロ作品は“Ghost Town” (2000)以来でしょうか?
 短めの演奏で構成された全16曲のオリジナル曲。
 とても静かで穏やか。 
 かつての深刻系や強烈な違和感のメロディはなく、ハードロックなギターもほんの少々のみ。
 また、たっぷりのリバーブを効かせてボリュームペダルを多用してフワフワと・・・といった感じも薄らぎ、ソリッドでシンプルになった音。
 淡々と進む音。
 ジャズでもロックでもブルースでもフォークでもカントリーでもない、それらが交錯する音。
 個々のジャンルの色合いが薄くなり、長い年月をかけて溶け合い熟成されたようにも感じます。
 かつてECMで録音された“In Line”、”Rambler”、”Monica Jane”といった楽曲たちも表情を変え、熟成、あるいは枯淡の味わい。
 全編に流れる懐かし気で穏やかな空気感はAmerican Saudade。

 




 リーダー作、私が知る限り。
 Paul Motianバンドを始め、サポートをの名演は数知れず。
 なんでもやってしまう人ですが、なんだかんだでRy Cooderのように、アメリカンルーツミュージックがお好きなのでしょうねえ。

In Line” (1983)
Rambler” (1984)
Lookout for Hope” (1987)
Before We Were Born” (1989)
“Is That You?” (1990)
“Where in the World?” (1991)
“Have a Little Faith” (1992)
“This Land” (1994)
“The High Sign/One Week|The High Sign/One Week: Music for the Films of Buster Keaton” (1995)
“Live” (1995)
Quartet” (1996)
Nashville” (1997)
Good Dog, Happy Man” (1999)
Ghost Town” (2000)
“Blues Dream” (2001)
“The Willies” (2002)
“Unspeakable” (2004)
“Richter 858” (2005)
East/West” (2005)
“Further East/Further West” (2005)
“Floratone” (2007)
“History, Mystery” (2008)
“Disfarmer” (2009)
Beautiful Dreamers” (2010)
Lagrimas Mexicanas” (2011)
“Sign Of Life” (2011)
“All We Are Saying” (2011)
“Big Sur” (2013)
“Guitar in the Space Age!” (2014)
“When You Wish Upon a Star” (2016)
Small Town” (2017)
Music IS” (2018)


posted by H.A.




【Disc Review】“Lagrimas Mexicanas” (2010) Vinicius Cantuaria & Bill Frisell

“Lagrimas Mexicanas” (2010) Vinicius Cantuaria & Bill Frisell

Vinicius Cantuária (vocals, percussion, acoustic guitar) Bill Frisell (acoustic guitar, electric guitar, loops)

Lagrimas Mexicanas
Vinicius Cantuaria
Imports
2011-03-22


 ブラジルのシンガーソングライターVinicius CantuáriaとBill FrisellのDuo作品。
 Bill Frisellがゲスト参加したジャジーなMPB“Samba Carioca” (2010) Vinicius Cantuariaと同時期の制作。
 Vinicius Cantuáriaのいつもの作品とは少々印象が異なります。
 静かなMPBではなく、アメリカ南西部~メキシコが入り混じる、少しざらついた空気感、フォークロックな音。
 タイトルは”メキシコの涙”。
 ギターのDuoにいくらかのオーバーダビングを加えた静かなサウンド。
 中米、南米が交錯するような哀愁のメロディに、Bill Frisellのソリッドながら一風変わったギター、クールで甘い囁きヴォイスが乗ってきます。
 柔らかで沈み込むVinicius Cantuáriaの音楽に、ソリッドな芯を作りつつあちこちに動き回るBill Frisell。
 甘すぎず辛すぎない、落ち着きすぎず暴れすぎない、そんなバランスの中で、さりげなく複雑に絡み合うギターのアンサンブル。
 強い浮遊感、何曲かではハワイなムードさえ漂う楽園ムード。
 Ry Cooder流Tex-Mex“Chicken Skin Music” (1976)、あるいはブラジルMinasな“Antigas Cantigas” (1999) Renato Motha, Patricia Lobatoにもそんな感じがありましたが、どこか繋がっているのでしょうねえ。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Beautiful Dreamers” (2010) Bill Frisell

“Beautiful Dreamers” (2010) Bill Frisell

Bill Frisell (guitar)
Eyvind Kang (viola) Rudy Royston (drums)

Beautiful Dreamers
Bill Frisell
Savoy Jazz
2010-08-31


 Bill Frisellの変則トリオでのアルバム。
 “Quartet” (1996)あたりから共演が続く弦奏者とドラム。
 それ、あるいは“Lookout for Hope” (Mar.1987)、“Before We Were Born” (1988)あたりの流れを汲むのであろう、とても妖しく不思議なコンテンポラリージャズ。
 が、とても静かになった音。
 ビオラがサックスに変わるとPaul Motianトリオになそうな編成なのですが、不思議さはこちらの方が上。
 例のカントリーとブルースが入り混じるようなマカロニウエスタン風、摩訶不思議な展開のオリジナル曲、あるいはアメリカンスタンダードのメロディに、すっとぼけたような摩訶不思議なアンサンブル。
 ビートはステディですが、フロントの二人がどちらが前に立つでもない、コレクティブインプロビゼーションのような絡み合いがひたすら続きます。
 懐かし気なようで、ポップなようで、歪んだ時空のこの人の音楽。
 美しい夢が見えるか、摩訶不思議な悪夢にうなされるかは聞く人次第。




posted by H.A.


【Disc Review】“Bill Frisell, Ron Carter, Paul Motian” (2005) Bill Frisell

“Bill Frisell, Ron Carter, Paul Motian” (2005) Bill Frisell

Bill Frisell (guitars) 
Ron Carter (bass) Paul Motian (drums)

Bill Frisell Ron Carter Paul Motian
Bill Frisell
Nonesuch
2006-09-12


 Bill Frisell のジャズギタートリオ作品。
 “With Dave Holland and Elvin Jones” (2000,2001)と同様、大御所二名とのトリオ。
 基本的には同じテイスト、ジャズスタンダードも含めて、少々ぶっ飛び気味のジャズ。
 なんだかんでアコースティック4ビートなElvin Jonesに対して、なんでもありのバシャバシャドラムのPaul Motian。
 Ron CarterはあのMilesバンドと同じく伸び縮みするビート。
 ジャズながら不思議感たっぷりなビート感の中、Bill Frisellはいたってマイペース、ひねりまくったアメリカンテイスト、ジャズではないギター。
 同時期のECM制作“I Have the Room Above Her” (2004) Paul Motianと比べると、クールで緊張感の強いそちらに対して、あっけらかんとした本作。
 かつてよりも揺らぎ成分が減ってソリッドになったクリーントーン中心、それでもフワフワしたギターに、同じくPaul Motianの何でもありドラムですが、テイストは全く異なります。
 妖しい系、不思議系ながら、やはりジャズ。
 レーベル、リーダーの違いなのでしょうが、本作の感じはECMでは作らせてもらえないんだろうあ・・・
 ベースが落ち着いている分だけ“With Dave Holland and Elvin Jones” (2000,2001)よりもこちらの方がジャズっぽいのかな?
 さてどうでしょう・・・?




posted by H.A.


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