吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

flute

【Disc Review】“Ra” (2018) André Mehmari, Bernardo Maranhão, Alexandre Andrés

“Ra” (2018) André Mehmari, Bernardo Maranhão, Alexandre Andrés

André Mehmari (piano, voice, etc.) Alexandre Andrés (flute, guitar, voice, percussion, etc.) Bernardo Maranhão (voice)
Neymar Dias (viola caipira) Artur Andres (marimba, vidro) Guastavo Amaral (bass) Adriano Goyata (drums) Daniel Guedes (percussion) Maria Joao (voice)



 ブラジルのピアニストAndré Mehmariと盟友のマルチ楽器奏者Alexandre Andrés、さらに詩人?Bernardo Maranhãoを冠した、ブラジリアンポップス、ジャズ~クラシック寄りなアルバム。
 André Mehmari、Alexandre Andrésの二人でベースのサウンドを作り、楽曲ごとにゲストが彩りを加える構成。
 ジャズでもクラシックでもない不思議感たっぷりのポップス。
 ヴォーカルを中心とした構成、コミカルにも聞こえる質感、凝りまくったポップなサウンドは、“Macaxeira Fields” (2012) Alexandre Andresの続編なイメージが強いかもしれません。
 フワフワした質感はそのままに、よりハイテンションにしたようなサウンド。
 あの凄まじいまでの疾走感、ぶっ飛んだピアノがたっぷりフィーチャーされ、ギターとヴォイスに管が加わり、シンセサイザーが飛び交う・・・ってな感じの摩訶不思議サウンド。
 二人で分け合った楽曲は、明るいけどもどこかひねくっているというか、なんだか変わっています。
 アレンジも強烈なピアノが動いている割には妙にポップで、シンプルなようで分厚く複雑。
 ともあれ主役はお二人の柔らかな歌声。
 ハードさと浮遊感が入り混じるサウンドに優し気な歌。
 あのMaria Joaoの魔女なヴォイスなどなど混ざりつつ、不思議な感じというか、珍味というか、何と申しましょうか・・・
 それら含めて、とてもポップな演奏が並びます。
 攻めた感じの新感覚MPB。




posted by H.A.


【Disc Review】“Erudito opular e Vice Versa” (2014) Teco Cardoso & Tiago Costa

“Erudito opular e Vice Versa” (2014) Teco Cardoso & Tiago Costa

Teco Cardoso (Sax, Flute) Tiago Costa (Piano)

Erudito Popular E Vice-Versa
Teco Cardoso & Tiago Costa
Maritaca
2017-03-24


 ブラジリアン二人、ピアノと管によるクラシック寄りコンテンポラリージャズ。
 二人ともブラジル系アーティストのアルバムでしょっちゅう見かける名前。
 Teco Cardoso はJoyce、Tiago CostaはMaria Ritaのハンドメンバー。
 そんな押しも押されもせぬファーストコールな名人二人による、クラシックの香りも漂う上品で上質なブラジリアンジャズ。
 MPBがカッコいい理由は、そんな名手がキッチリ背景を固めているからなのでしょう。
 オリジナル曲を中心にブラジルの伝統曲。
 ジャズ~ラテンだけではなく、クラシック~ヨーロッパの香りがするピアノに、これまたクラシックな感じも散りばめた上品な管楽器。
 二人だけゆえに、加速と減速を繰り返すビートが伸び縮みするような演奏が中心ですが、決して奇をてらわない、穏やかで上質な時間。
 たくさんありそうであまりないジャズ系のピアノと管のDuo作品。
 アメリカンな“1975: The Duets” (1975) Dave Brubeck, Paul Desmond, “Songs of Mirth and Melancholy” (2011) Branford Marsalis, Joey Calderazzo、
 アフロキューバンな“And the Cuban Piano Masters” (1996) Jane Bunnett、
 フリージャズな“Double Time” (1993) Paul Bley / Jane Bunnett、
 ヨーロピアンな“On the Edge of a Perfect Moment” (2005) Rita Marcotulli, Andy Sheppard、“Hagar's Song” (2012) Charles Lloyd(アメリカ人ですが・・・)・・・
 本作はクラシック寄りのブラジリアンジャズ。
 さてお好みは・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】“Double Time” (1993) Paul Bley / Jane Bunnett

“Double Time” (1993) Paul Bley / Jane Bunnett

Paul Bley (piano) Jane Bunnett (Soprano Sax, Flute)

Double Time
Bley
Justin Time Records
1994-09-25


 Paul Bley、同じくカナダの女性サックス、フルート奏者Jane BunnettとのDuo作品。
 Paul BleyがJane Bunnettの才能を見込んだか、カナダのレーベルJust in TimeがJane Bunnettをプロモートしようとしたのか、そのあたりの事情はわかりません。
 とにもかくにも二人の天才、スタイリストの共演作。
 Jane Bunnettの楽曲、共作が多いのですが、得意の激烈Cuba色はなく、フリージャズも交えつつのPaul Bley的な色合いが強い演奏。
 Duoゆえの伸び縮みするビート、強い浮遊感。
 何曲かの美しいバラードでは、あのタメにタメながら音を置いていくあのPaul Bleyスタイル。
 その直後に疾走する場面を含めて、Jane Bunnettもしっかりついていっています。
 加速しながら突っ走る心地よさ最高のサックス、フルートはこの頃から。
 走りだすと過激になるPaul Bleyに対して、しっかりまとまったJane Bunnett。
 ECM系の人とだとぶっ飛んでどこかに行ってしまいそうですが、突っ走っていても落ち着いた感じがするのは彼女ゆえでしょうか。
 この後、Jane Bunnettは怒涛のAfro Cuban Jazz作品を連発、Paul BleyはもちろんマイペースなPaul Bleyワールド。
 一期一会?のカナディアンDuo作品。
 それにしても、Paul Bleyのバラード演奏、本作ではアルバム中盤以降に収められた”Foolishly”, Please Don't Ever Leave Me”はいつもながらにカッコいいなあ・・・

※Afro CubanなJane Bunnettから。


posted by H.A.


【Disc Review】“Música Argentina de Cámara” (2015) Luis Barbiero

“Música Argentina de Cámara” (2015) Luis Barbiero


Luis Barbiero (flute) 
Ramiro Gallo, Emilia Brumnich (violín) Nicolás Rossi, Gabriela Peirano (cello) Celina Federik (piano) Mauricio Bernal (marimba) Matías Marcipar (clarinet) Víctor Malvicino (soprano sax)
Ensamble de cuerdas:
Sebastián Orlando, Martín Larraburu, Alejandro Rodrigo, Sergio Sanagustín; Soledad Rodríguez (Violins) Lucrecia Morisse, Marcelo Barolín (Violas) Virginia Núñez, Enrique Catena (cellos) Contrabajo: Fernando Silva (Contrabass)



 アルゼンチンのフルート奏者Luis Barbieroのクラシック室内楽的現代フォルクローレ。
 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。
 自身のフルートが前面に出る場面はあまりなく、ストリングスのアンサンブルを中心とし、楽曲によってさまざまな編成に変えていく構成。
 いかにもフォルクローレなワルツ系奇数拍子が印象に残るフワフワと漂うな優雅な音の流れ。
 基本的には穏やかで優し気な表情なのですが、少しテンションが高い曲はEgberto Gismonti的な感じの雰囲気の楽曲もあります。
 クラシックな色合いが強いからなのかもしれませんが、やはり南米、お国、地方は違っても、どこかでつながっているのかもしれません。
 その他、ストリングスアンサンブルとピアノによるとても美しいバラードやら、マリンバと穏やかな管との絡み合いやら、チェロを背景にしてジャズっぽいソプラノサックスやら・・・
 いろんな編成、いろんなテイストが交錯しますが、基本的には明るい色合い。
 穏やかで、優し気で、前向きで、懐かし気で、ちょっととぼけたようで、実は複雑に入り組んでいて、マニアックで・・・
 きっとアルゼンチンの景色、空気感の描写なのでしょう。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sol y Luna” (2013) Lilián Saba, Marcelo Chiodi

“Sol y Luna” (2013) Lilián Saba, Marcelo Chiodi


Lilián Saba (piano) Marcelo Chiodi (flute, quena, soprano sax)
Juan Falú, Carlos Moscardini, Jorge Jewsbury, Roberto Calvo, Néstor Gómez, Juan Carlos Maddío (guitar)
Quique Ferrari, Ricardo Cánepa (contrabass) Matías González (bass) Horacio López (drums) Rubén Lobo, "Colo" Belmonte, Facundo Guevara (percussion)
Rubén "Mono" Izarrualde (flute) Néstor Tomassini (clarinet)
Liliana Herrero (vocal)

Sol Y Luna
Lilian Saba / Marcelo Chiodi
Shagrada Medra
2014-05-30


 アルゼンチンの女性ピアニストLilián Saba、管楽器奏者Marcelo Chiodi の現代フォルクローレ~アルゼンチンジャズ作品。
 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。
 ボーカル曲はゲストの一曲のみでインツルメンタルがメイン。
 とても穏やかなアンサンブル。
 二人の静かで穏やかな演奏にいろいろなゲストが彩りを加えていくスタイル、
 Carlos Aguirreほど切ない系ではなく、あっさりとしたセンチメンタリズム。
 二人のオリジナル曲その他の楽曲のメロディ自体はセンチメンタルなのですが、ピアノも管楽器も端正で素直、あっさりとした印象。
 木管の柔らかな響きと、クラシック、ジャズ、ポップスが入り混じる上品で穏やかな癖のないピアノの音の流れ。
 ベタつかない哀愁感が、ほどよい感じでジャジーな空気感を醸し出しています。
 スローな漂うような演奏を中心に、アップテンポも織り交ぜながら、インプロビゼーションのスペースもたっぷり。
 ドカーンとくるエキサイティング場面はありませんが、サラサラと流れていくような、爽やかで瑞々しい音の流れ。
 少し懐かし気な優しい音。
 ジャジーな現代フォルクローレ、あるいはフォルクローレ的ジャズの典型。
 部屋の空気が浄化され、湿度が少し下がるような・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Macaxeira Fields” (2012) Alexandre Andres

“Macaxeira Fields” (2012) Alexandre Andres

Alexandre Andres (flute, piccolo, guitar, viola, voice)
André Mehmari (piano, Rhose, accordion, electronics, percussion, voice) Rafael Martini, Regina Amaral (piano) Pedro Santana (bass) Gustavo Amaral (bass, voice) Adriano Goyatá (drums, marimba) Antonio Loureiro (drums) Paulo Santos, Decio Ramos (percussion) Tarcisio Braga (vibraphone)
Artur Andrés (flute, percussion) Joana Queiroz (clarinet, clarone) Jonas Vitor (sax) Anor Luciano (trumpet) Alaecio Martins (Trombone)
Ayran Nicodemo, Ravel Lanza (violin) Gerry Varona (viola) Felipe Jose (cello, triangle)
Ilessi, Rafael Martini, Gustavo Amaral, Tatiana Parra, Rafael Martini, Monica Salmaso, Leonora Weissmann, Juan Quintero, Bernardo Maranhao (voice)

マカシェイラ・フィールズ
アレシャンドリ・アンドレス
SPACE SHOWER MUSIC
2013-05-29


 ブラジル、ミナスのシンガーソングライター~フルーティスト~マルチインスツルメンタリストのMPB。
 名作ブラジリアンジャズフュージョン“Macieiras” (2017)に先立つ作品ですが、インスツルメンタル主体のそちらに対して、こちらは全曲にボーカルが入り、ミナス的、あるいはフォルクローレの色が濃いポップス。
 但し、徹底的に凝りまくったポップス。
 André Mehmariがディレクションを務め、彼を筆頭に豪華なゲスト陣を迎えて、凝りに凝ったアンサンブル。
 ストリングス、木管楽器、ホーン陣などが入れ代わり立ち代わりにフィーチャーされながら、要所で前面に出るフルートのアンサンブルとAndré Mehmariのピアノ。
 クラシカルな室内楽風だったり、Beatles風なオーケストラを絡めたり、フォルクローレ風だったり、その他諸々いろんなテイスト、てんこもり。
 そんな動きまくり、変わりまくるサウンドを背景にしつつ、中心となるのはリーダーを中心としたボーカル。
 少々細めの若々しい声はEgberto Gismontiっぽくて趣があるのですが、これまた豪華なゲスト陣が入れ代わり立ち代わり。
 Tatiana Parra, Monica Salmaso, Leonora Weissmann, Juan Quinteroといったスタイリストたちが、キッチリ一曲ずつ前面に立つ構成。
 いろんな演奏、いろんな声が入り混じり、次々と周囲の風景が変わっていくような音ながらも一貫性があるのは、リーダーが作った複雑ながら優しい表情のブラジリアンメロディと、アレンジ~プロデュースの妙ゆえでしょうか。
 ミナスサウンドのMPBと片づけてしてしまうには、あまりにも多彩で豪華で高尚な一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Out There” (Aug.1960) Eric Dolphy

“Out There” (Aug.1960) Eric Dolphy

Eric Dolphy (flute, bass clarinet, alto saxophone, clarinet)
Ron Carter (bass, cello) George Duvivier (bass) Roy Haynes (drums)

Out There
Eric Dolphy エリックドルフィー
Original Jazz Classi
1989-12-12


 Eric Dolphyの第二作。
 不思議感120%のモダンジャズ。
 4か月前に制作した前作“Outward Bound” (Apl.1960)は普通にモダンジャズな形でしたが、ここではそれを壊しに行っているように思います。
 異次元空間からやってきましたあ・・・ってな感じ十分な音。
 コードを縛るピアノは外して空間を広げて、これでやっと爆発的な演奏が収まりそうな空間ができたかも・・・
 でも、まだ4ビートを刻むウォーキングベースとドラムが邪魔かなあ・・・
 ってな感じで、リズムの二人はキッチリジャズを演奏していますが、Eric Dolphyはもちろん、Ron Carterはぶっ飛び気味。
 このアルバムはぶっ飛んでますが、ここから先しばらくは“Olé Coltrane” (May.1961)、“Live! at the Village Vanguard” (Nov.1961)などのJohn Coltraneとの共演も含めて、少し時計の針を戻したようなオーソドックな色が強いジャズ。
 時代が進み、Tony Williams その他、多くのアーティストがぶっ飛んだ演奏を始めてやっと“Out To Lunch” (1964)にたどり着いた・・・ってな感じでしょうか。
 ジャケットはなんだかよくわからないChirico風の不思議な絵。
 そのままの音。
 他者を寄せ付けない爆発的な演奏力もさることながら、モダンジャズ離れした本作と“Out To Lunch” (1964)がEric Dolphyの真骨頂、なのでしょう。
 それを引き継いだのは果たして・・・?
 ちょっと違うか・・・
 ヨーロッパ系にいたような気もするのだけも、思い出せないなあ・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】“Outward Bound” (Apl.1960) Eric Dolphy

“Outward Bound” (Apl.1960) Eric Dolphy

Eric Dolphy (flute, bass clarinet, alto saxophone)
Freddie Hubbard (trumpet) Jaki Byard (piano) George Tucker (bass) Roy Haynes (drums)

Outward Bound
Eric Dolphy
Ojc
1991-07-01


 Thelonious Monkに次いで、同じく歪む時空の音を奏でるEric Dolphy、デビュー作。
 若くして亡くなったクリエイティブなアーティスト、時間が短すぎて全部やり切れてはなかったんだろうなあ・・・ってな印象。
 亡くなる少し前の“Out To Lunch” (1964)、“Point of Departure”(1964) Andrew Hillなどが凄まじい演奏。
 亡くなった1964年以降にフリージャズ、フュージョン、その他諸々新しい動きが盛り上がったのでしょうから、この人がいればもっと凄いことになっていたんだろうなあ・・・と思います。
 本作はその時代よりも少し前、ジャズとブルースが中心の作品。
 全編アコースティック4ビート、スタンダード曲も入っていますが、それでもなんだか変わっています。
 先行していた?Ornette Coleman的といえばそうなのかもしれないけども、もう少しオーソドックス寄り。
 加えて爆発的なサックス他の演奏力。
 サポートメンバーは名手揃いですが、Eric Dolphyの音が鳴ると空気感が一変するようにも感じます。
 トランペットが先導する“On Green Dolphin Street”などはその典型。
 天才Freddie Hubbardがキッチリテーマを出し、流麗なソロを展開しますが、その間のバスクラリネットのソロはなんだか別世界。
 後の強烈さこそまだないにせよ、ソロが始まると、あるいはテーマを吹くだけでも急に緊張感が高くなるように感じます。
 他のメンバーが平和なモダンジャズな演奏だけに好対照。
 ちょっと変わったオリジナル曲も含めて全編そんな感じ。
 Freddie Hubbardが対抗しよう?としている感じの場面もありますが、ナチュラルにブチ切れ気味のソロを展開するEric Dolphyにはかないませんかねえ・・・
 由緒正しき形式のバース交換の場面、ブルースの演奏などもそんな感じ。
 普通にジャズをやってみようと思っているのだけども、無意識に枠組みから外れてしまいますぅ・・・って感じ。
 後のスタジオ録音アルバムでは枠組み自体を壊してしまえ・・・ってな感じのものもありますが、ライブでの録音などは、オーソドックスなフォーマットとそれに納まりきらないサックス、その不思議なアンバランス。
 やはりこの頃から全く普通ではない音使い。
 それをキッチリと収める形ができたのは“Out To Lunch” (1964)?
 そこでもまだ未完だった感じもするなあ・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Macieiras” (2017) Alexandre Andrés

“Macieiras” (2017) Alexandre Andrés
Alexandre Andrés (flute, guitar, voice)
Rafael Martini (piano, accordion, voice) Pedro Trigo Santana (Acoustic Bass, Voice) Adriano Goyatá (Drums, Marimba de vidro, Voice) Rafael Dutra (Voice) Gabriel Bruce (Drums), Natália Mitre (Vibraphone)
André Mehmari (piano) Antonio Loureiro (Vibraphone) Joana Queiros (Clarinet, Clarone) Ricardo Herz (violin)

Macieiras
Alexandre Andres
Fazenda Das Macieira
2017-09-14


 ブラジル、ミナスのシンガーソングライター~フルーティスト~マルチインスツルメンタリストのフォルクローレなジャズフュージョン。
 ミナス系のボーカリストLeonora Weissmannの“Adentro Floresta Afora” (2015) や、André Mehmari人脈、Antonio Loureiroの"" (2012) その他で名前をよく見かける人。
 本作はボイスはスキャットのみ、フルートを中心としたブラジリアンジャズフュージョン。
 この種の音楽のもはや大御所André Mehmari本人もゲストで一曲に参加しています。
 ブラジリアンならではのしなやかなグルーヴのピアノトリオを背景にして、アコーディオンにビブラフォンにバイオリン・・・、そしてリーダーを含めた管楽器の丸い音。
 この種の音楽の定番のヒタヒタと迫ってくるようなビートに、上品なアンサンブルはもちろん、少々激しめ、エキサイティング系の演奏も含めて、ジャズ的なインプロビゼーションのスペースがたっぷり。
 ほぼ全曲のオリジナル曲は、少し陰のある哀愁を含みつつも前向きな、あのブラジリアンなメロディ。
 さらには遠くから聞こえてくるようなコーラス・・・
 全編に漂う、懐かしげなような哀しげなような、いわゆるサウダージ、郷愁感。
 徐々に周囲の景色が変わっていくような音の流れに、ドラマチックなアレンジ。
 あの期のPat Metheny Group、“Lachrimae” (2003) Andre Mehmari, “Naissance” (2012) François Morin,“Dos ríos” (2008) Andrés Beeuwsaertなどの南米系ジャズフュージョンの名作群を想い起こします。
 全編通じて、とてもしなやかなブラジル・ミナス的なフォルクローレ色の混ざり合うジャズ。
 素晴らしい楽曲、演奏揃い。
 名作です。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sin Palo” (2011) Juan Pablo Di Leone

“Sin Palo” (2011) Juan Pablo Di Leone
Juan Pablo Di Leone (flutes, voice, piano, harmonica, percussion, keyboards)
Carlos Aguirre, Hernán Jacinto (piano) Andrés Beeuwsaert (Keyboards) Nicolás Ibarburu (guitar)
Fernando Silva, Pablo Giménez, Quique Ferrari, Fancisco Fattoruso (bass)
Martín Ibarburu (drums, cajón) Facundo Guevara (percussión) Mariano Cantero (drums, percussion, accesorios, cajón peruano) Roberta Cunha Valente (pandeiro) Juan Quintero, Luna Monti (voice)
 フルートを中心としたマルイチインスツルメンタリストJuan Pablo Di Leoneの現代フォルクローレ。
 “Andrés Beeuwsaert” (2015)など、Andrés BeeuwsaertAca Seca Trioの諸作に参加していた人。
 彼らに加えてCarlos Aguirre閥などなど、豪華なサポート陣。
 Carlos Aguirreに通じる現代フォルクローレがベース、水彩画のジャケットアートもいかにもなそれ系ではあるのですが、強めのビートのラテンフュージョン、AOR風ポップス、などなど、いろいろな色合いが交錯するアルバム。
 本人のメイン楽器?であろうフルートを前面にフィーチャーするだけではなく、ピアノを弾いたり(上手い!)、歌ってみたり。
 楽曲は、ウルグアイのHugo Fattoruso、アルゼンチンのGustavo Leguizamonが何曲か取り上げられ、その他Carlos Aguirreなどなど。
 冒頭二曲は穏やかで優し気な現代フォルクローレ。
 旧い曲なのだと思うのですが、現代のヒットチャートに載っておかしくないキャッチーなメロディの素晴らしい演奏。
 この線か・・と思っていると、続くはキメの多いラテンフュージョン、さらに続くCarlos Aguirreナンバーもハイテンションな演奏。
 ・・・てな感じで、いろんな色合いの楽曲が交錯します。
 南米の近年の若手アーティスト、実験的な要素を入れ込む人も少なくない中、この人の場合はいずれもポップ。
 この種の音楽の定番のしっとり系も何曲かありますが、情緒に浸る感じではなく、明るく元気でカラッとした感じ。
 ロック、ポップスはほとんど聞かなくなってしまいましたが、このくらい南米フォルクローレやジャズが混ざった感じだとちょうどいい感じ。
 とても素敵な南米ポップス、現代版。




posted by H.A.
Profile

jazzsyndicate

【吉祥寺JazzSyndicate】
吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。
コンテンポラリー ジャズを中心に、音楽、映画、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

記事検索
タグ絞り込み検索
最新記事
  • ライブドアブログ