吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

bass

【Disc Review】“Miro por la ventana” (2013) Fernando Silva

“Miro por la ventana” (2013) Fernando Silva


Fernando Silva (bass, guitar, voice)
Carlos Aguirre (piano, keyboard, accordion, flute voice) Sebastian Macchi (piano, voice)
Marian Ruggieri (piano, celesta) Andres Beeuwsaert (piano, electric piano, synthesizer) Claudio Bolzani (guitar, voice) Nico Ibarburu, Luis Chavez Chavez (guitar)
Gonzalo Diaz (percussion) Eugenio Zeppa (bass clarinet, clarinet) Juampi di Leone (flute) Guadalupe Abero (voice) etc.

Miro por la ventana 〜 窓の外を眺めて
Fernando Silva
bar buenos aires
2014-04-10



 アルゼンチン、現代フォルクローレのベーシストFernando Silvaのリーダー作。
 Carlos AguirreAndrés BeeuwsaertAca Seca Trioなど、アルゼンチンの現代フォルクローレ、フォルクローレ的ジャズ諸作の数多くに参加する人。
 名作“Luz de agua” (2005)、”Luz de agua: Otras canciones” (2015) のメンバー。
 本作はそれらの諸作よりも少々ジャズフュージョンの方に振れたサウンド。
 リーダーのオリジナル曲に加えてCarlos Aguirre二曲。

 何曲かの歌ものは、漂うようなビートに瑞々しいギターと舞い落ちるようなピアノ、儚げなボイス、コーラス、そしてフレットレスベースが映える、あのCarlos Aguirreの世界。
 あるいは、少々ジャズに寄ったAndres Beeuwsaert的世界、きっちりとしたビートのロックな色合い、はたまたJaco Pastrius的なベース、ファンクなベースのジャズフュージョンな演奏、いわゆるアルゼンチン音響派的な不思議な電子音、生活音などが交錯する場面もちらほら・・・
 などなど、この界隈のさまざまな色合いがてんこ盛り。

 Carlos Aguirre的、“Luz de agua” (2005)的センチメンタリズム、繊細さはほどほどに、躍動感が前面に出たサウンド。

 オーソドックスな現代フォルクローレ、アルゼンチン・ジャズフュージョンの中に納まろうとしない、あるいはそこから飛び出そうとするムードが充満しています。
 アヴァンギャルドとまではいかずとも、攻めた感じ十分。
 さて、最後に数十秒の空白を作ったうえで収められた、過激なシークレットトラックは本気か遊びか?
 ・・・などなど含めて、今のアルゼンチンのいろんなサウンドが詰め込まれた一作。


 


posted by H.A.


【Disc Review】“Reflejos” (1997-2011) Daniel Nakamurakare

“Reflejos” (1997-2011) Daniel Nakamurakare

Daniel Nakamurakare (bass)
Edgardo Acuña (guitar) Adrián Fernández Fazio, Marcelo Macri (piano) Ricardo Fiorio, Lautaro Greco, Pablo Mainetti (bandoneon) Pablo Agri, Juan Roqué Alsina (violin) Pablo Rodríguez (percussion)




 おそらくアルゼンチン在住日系人による、現代タンゴ。
 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。
 少々重めのビート感、悲壮感も漂うようなメロディラインは、Astor Piazzolla的なイメージ。

 ってな感じでこのレーベルの現代フォルクローレのイメージとは雰囲気が異なります。
 さらに、ヨーロッパ系コンテンポラリージャズ的でもあるし、プログレッシブロック的にも聞こえます。
 Astor Piazzolla所縁のフォーマット。
 バイオリン、バンドネオン、ピアノが代わる代わる奏でる物悲しく深刻系のメロディとドラマチックな構成。
 音、ビートが上下左右に伸び縮みするバンドネオンと、激情を表出するバイオリン。
 そこまでは極めてAstor Piazzolla的なのですが、後方で、あるいはときおり前面に出るエレキベースのうねりが現代的。
 アンダーグラウンド的な妖しさもありながら、鬱屈した感じがしないのも微妙なバランス。
 むしろクールな質感、淡々とした哀感。
 それまた現代の音ならではなのかもしれません。
 フォルクローレとはまた違うアルゼンチン。
 クールな現代タンゴ。


 


posted by H.A.

【Disc Review】“Re-Enter” (1990) Masqualero

“Re-Enter” (1990) Masqualero
Arild Andersen (bass)
Tore Brunborg (saxophones) Nils Petter Molvaer (trumpet) Jon Christensen (drums)

Re-Enter
Masqualero
Ecm Records
2001-02-27


 ノルウェーのスーパーアーティストを集めたバンドMasqualeroの最終作?。
 美しいピアノのJon Balkeが参加していた“Bande a Part” (1986)、ピアノがクリエイティブ系ギターに交代した“Aero” (1988)から、和声楽器を排した本作。
 Ornette Coleman所縁のピアノレス二管のフォーマット。
 編成から想像される自由度の高い激しい音。
 甘さを排した不思議感、クールネス全開の北欧的フリー混じりジャズ。
美しいJon Balkeのピアノが加わった方が、より上品になってECMっぽいのかもしれないけども、激しい系をやるならばこの編成の方がいいのかもしれません。
 自由に叩きまくるドラムと、強烈なグルーヴを作る激情ベース。
 クールに寂寥感の塊のような音を出すNils Petter Molvaerも、このバンドではあるいはこの期では激情を交えつつのバリバリ系。
 Tore BrunborgはJohn Coltrane、同胞のJan Garbarekスタイルの重い情念ほとばしり系サックス。
 哀しげな表情、ノルウェーの民族音楽が混ざった感じながら、愛想が無い楽曲はこの系の音楽のお約束。
 緊張感と切迫感、激しい叫びのような音の塊。
 Ornette Coleman的であり、バンド名所縁の1960年代Miles Davis的でもあり、1970年代ECM的でもあり。
 1990年代、ECMでは同編成の“Old and New Dreams” (1979)から十年。
 ドロドロとした1960~70年代フリージャズの復活とみるか、次の新しい音を目指した試行とみるか。
 いずれにしても穏やかな21世紀になってからは、なかなか聞けないハイテンションな音ではあります。

※少し前の演奏から。


posted by H.A.


【Disc Review】“Em Casa Com Luiz Eça” (2017) Igor Eça

“Em Casa Com Luiz Eça” (2017) Igor Eça
Igor Eça (bass, guitar, voice)
Toninho Horta (guitar, voice) Itamar Assiere (piano) Jurim Moreira, Ricardo Cota (drums)
Dori Caymmi, Edu Lobo, Zé Renato (voice) Mauro Senise (flute, sax) 

Em Casa Com Luiz Eca
Igor Eca
Imports
2017-04-21


 ブラジル、ジャズサンバトリオTamba TrioのピアニストLuiz Eçaへのトリビュートアルバム。
 リーダーは明記されていませんが、息子さんのIgor Eçaが仕切ったのでしょうかね?
 楽曲はLuiz Eçaの作品を中心とした、オーソドックスなジャズサンバ。
 バンドはピアノトリオ+ギター+木管を中心とした、これまた由緒正しいオーソドックスなブラジリアン・ジャズフュージョン編成、一部ボーカル入り。
 そのギターがToninho Horta
 ガットギターはもちろん、丸い音のエレキギターもたっぷり。
 さらにボーカルはそのToninho Hortaに加えて、Dori Caymmi, Edu Loboの豪華ゲスト陣。
 ま、想像通りの平和で楽し気な音。
 普通・・・といえばその通りなのですが、Toninho Hortaのギターがたっぷり聞ければ文句なし。
 やはりこのあたりのサウンドは、気楽に安心して聞けるなあ・・・


※別のバンドから。


posted by H.A.

【Disc Review】“Liberetto III” (2017) Lars Danielsson

“Liberetto III” (2017) Lars Danielsson
Lars Danielsson (double bass, cello, piano, wah-wah cello, guembri)
Grégory Privat (piano) John Parricelli (guitars) Magnus Öström (drums, percussion)
Arve Henriksen (trumpet, voice) Mathias Eick (trumpet) Björn Bohlin (english horn, oboe d'amore) Dominic Miller (acoustic guitar) Hussam Aliwat (oud)

LIBERETTO III
V/A
ACT
2017-05-26


 北欧ジャズの大御所Lars DanielssonのLiberettoシリーズ第三弾。
 “Liberetto” (2012)、“Liberetto II” (2014) と変わらない、哀愁短編小説集のような、悲し気でメロディアス、ドラマチックな楽曲。上品、上質なヨーロピアンコンテンポラリージャズ。
 今回のピアニストはカリブのGrégory Privat
 この人のバンドのピアニスト、古くはBobo Stenson、その他以下などの強烈な面々。
  “Libera Me” (2004) Carsten Dahl
  “Pasodoble” (2006,2007), “Tarantella” (2009) Leszek Mozdzer
  “Liberetto” (2012)、“Liberetto II” (2014) Tigran Hamasyan
 よくもまあ、私的な好みの人ばかり連れてくるというか、何と申しましょうか。
 凄まじいテクニック、疾走感もさることながら、それぞれ個性は違えど、Larsさんの頭の中で鳴っている少々沈痛気味の哀愁のメロディに合いそうな人をチョイスしているんでしょうね。たぶん。
 であれば、私の好みに合うのは偶然ではなく必然なのでしょう。たぶん。
 上記の三人のピアニストに比べて、強烈な個性は譲りますが、その分、上品でスッキリした感じ。
 自身のリーダー作“Ki Koté”(2011)、“Tales of Cyparis” (2013)などでは、強烈な疾走感に加えて、カリブ~南米系特有の浮遊感が加わる素晴らしい演奏でしたが、本作でも要所で軽快に突っ走っています。
 さておき、本作も全編哀愁が漂う切ないメロディに圧倒的なバンドの演奏力。
 ピアノトリオ+ギターをベースとして、曲ごとにホーン他のゲストが入る構成。
 ゲストはこの人のアルバムではお馴染みの寂寥感の塊のような音のノルウェー人トランペッター二人に、その他エキゾチック系の楽器などなどなど。
 楽曲ごとに前面にフィーチャーされる人が変わっていきますが、美メロ、美コードをベースに長尺にインプロビゼーションする・・・というよりは、凝った構成とアンサンブルが中心になってきた感じでしょうか?
 クラシック系、アラブ系、スペイン系、ディストーションが効いたギターがうなるロック、ボッサのバラード、いかにもなヨーロピアンピアノジャズ前向き系、沈痛系、尺八のような響きのトランペットの寂寥系、疾走系・・・その他諸々。
 諸々のテイストが混在しているのですが、ここまでの諸作に比べて、全体の演奏がカッチリ、スッキリしている分、また、インプロビゼーションが前面に出る場面が少なく感じられる分、ポップに聞こえるかもしれません。
 そのあたりで好みがわかれるのかな?
 いずれにしてもメロディはあの昭和的?な哀感が漂うLars Danielssonワールド。
  北欧哀愁短編小説ジャズは健在です。





 Lars Danielson諸作、私が知る限り。
 他にもたくさんの参加作品があるのでしょう。
 現在のACTのシリーズとその前の作品の間で期間が空いています。
 オリジナル曲の作風がその間で変わっているのが面白いところ。
 くどいまでの美メロはそれまでの親分Lars Janssonの影響が強かったりするのかな?
 いずれにしても現代の北欧ジャズの親分、その最右翼の一人、ですかね。

Time Unit” (1984)
"New Hands" (1986)
"Tiá Diá" (1987) with Alex Acuña
  "The Eternal Now" (1987) Lars Jansson
"Nightlight" (1990) with Alex Acuña
"Poems" (1991)
  "A Window Towards Being" (1991) Lars Jansson
"Fresh Enough" (1992)
"Far North" (1994)
"Continuation" (1994)
"European Voices" (1995)
  "Invisible Friends” (1995) Lars Jansson
  ”The Time We Have” (1996) Lars Jansson
  "Our Standards" (1996) Joey Calderazzo
"Origo" (1997)
"Live At Visiones" (1997)
  ”Hope” (1999) Lars Jansson
  "Witnessing" (2002) Lars Jansson

Libera Me” (2004)
The Time” (2005) Leszek Mozdzer, Lars Danielson, Zohar Fresco
“Live” (2005,2006) Możdżer, Danielsson, Fresco
Melange Bleu” (2006) Lars Danielsson
Salzau Music On The Water” (2006) Danielsson, Dell , Landgren
Between Us & The Light” (2006) Możdżer, Danielsson, Fresco
  "Notes From The Heart" (2006) Ulf Wakenius
Pasodoble” (2006,2007)
  "Love Is Real" (2008) Ulf Wakenius
  "Voyage" (2008) Youn Sun Nah
Tarantella” (2009)
  "Same Girl" (2010) Youn Sun Nah
  "Arabesque" (2011) ‎with Cæcilie Norby
  "Vagabond" (2012) Ulf Wakenius
Liberetto” (2012)
  "Lento" (2012) Youn Sun Nah
Polska” (2013) Możdżer, Danielsson, Fresco
Liberetto II” (2014)
  "Just The Two Of Us" (2015) ‎with Cæcilie Norby  
Jazz at Berlin Philharmonic III” (2015) Leszek Możdżer
  "Sun Blowing" (2016) with Marius Neset, Morten Lund
Liberetto III” (2017)

posted by H.A.

【Disc Review】“Melange Bleu” (2006) Lars Danielsson

“Melange Bleu” (2006) Lars Danielsson
Lars Danielsson (cello, acoustic bass, Fender bass, piano, Fender Rhodes)
Bugge Wesseltoft (piano) Eivind Aarset (guitar) Gustaf Ljunggren (steel guitar, syntheziser) Jon Christensen (drums, percussion) Anders Engen (drums)
Jan Bang (samples, livesampling) Pål ''Strangefruit'' Nyhus (vinyl channeling) Vytas & Mario Basanov (beats & samples) Xavier Desandre Navarre (percussion)
Nils Petter Molvaer (trumpet) Cæcilie Norby (voices)
Copenhagen Concert Orchestra

Melange Bleu
Lars Danielsson
Act
2006-10-24


 Lars Danielsson の静かでクールなフューチャージャズ的作品。
 メンバーには“Libera Me” (2004)にも参加していたノルウェーのNils Petter Molvaer人脈の面々の名前。
 Nils Petter Molvaerの諸作ほど暗くて激しい場面があるわけはありませんが、いかにもそれらしいビート、展開もしばしば。
 が、全体の音の流れはあくまで静謐です。
 Bugge Wesseltoftの色合いが最も強く出ているのかもしれませんが、いずれにしてもノルウェー系のクリエイティブ系ジャズ、あるいはラウンジ系ミュージックの色合い。
 そんな電子音を含めたクールで淡々とした色合いと、Lars Danielssonの昭和的?哀愁ジャズのフュージョンミュージック。
 悲し気なメロディとクールで電子的なビートを背景にして、寂寥感の塊のようなトランペットやら、美しいピアノやら、チェロやら・・・
 私が知る限りのLars Danielsson諸作ではほとんどなかった無機質な感じが強く、とてもクール。
 ちょっと聞いただけでは彼の作品とは思わないかもしれません。
 ひんやりとした質感と淡々と進むリズム、少々のデジタル臭~人工感。
 彼の作品としては異色で、ジャズ的な色合いも薄いのですが、とても心地よい音。
 ジャズジャズした他の作品よりもポップに聞こえるかもしれません。
 この作品のピアノはノルウェーのBugge Wesseltoft
 近作の若手ピアニストのように突っ走ることはありませんが、電気楽器の使い方を含めて、とてもクールでかつ悲し気な表情。
 Lars Danielssonバンドのピアニスト、古くはスウェーデンの大御所Bobo Stenson、先の“Libera Me” (2004) ではデンマークのCarsten Dahl
 さらに本作と並行して、あるいはこの後、ポーランドのLeszek Możdżerとのコラボレーション“The Time” (2005)、“Between Us & The Light” (2006)、”Pasodoble” (2006,2007)、“Tarantella” (2009)・・・・ ‎が始まり、次いでアルメニアのTigran Hamasyanを迎えて“Liberetto” (2012)、“Liberetto II” (2014)、最近作の“Liberetto III” (2017)ではフランス領カリブ系のGrégory Privatと、凄いピアニストが並びます。
 どの人もスーパーピアニスト、本作含めて、どれも名作です。




posted by H.A.


Disc Review】“Live at Visiones” (1997) Lars Danielsson

“Live at Visiones” (1997) Lars Danielsson
Lars Danielsson (bass, synthesizer, piano)
Bobo Stenson (piano) Jon Christensen (drums)
David Liebman (soprano saxophone)

Live at Visiones
Lars Danielsson
Imports
2010-01-05


 Lars Danielsson、若手~中堅時代のコンテンポラリージャズ作品、ライブ録音。
 少々妖しげ、ヨーロピアンなコンテンポラリージャズ。
 Bobo StensonDave Liebman、Jon Christensenといったビッグネームと組んだこの期のレギュラーバンドでの最終作。
 このステージでもDave Liebmanと楽曲を分け合い、このバンドの集大成的な位置づけでもあるのだとは思います。
 フロントに立つのはソプラノサックスですが、全体の音を支配しているのは、カミソリのように鋭く繊細で美しいBobo Stensonのピアノのようにも感じます。
 サックスが抜けてピアノトリオになった場面はもちろん、さり気ないバッキングでもタダモノではない音の流れ。
 Bobo Stenson はECMに復帰して制作を続けている時期で、近作は“War Orphans” (1997)あたり。
 独特のクールな緊張感が全編に漂います。
 各曲がコンパクトにまとめられていたスタジオ録音作品ではあまり感じなかった少々重めの質感、あるいは、John Coltraneのムードが漂うのは、モーダルな演奏に加えて、その時代を経たミュージシャンならではの空気感でしょうか。
 Lars Danielssonはこの後ACTに移籍。
 若手メンバーを集めつつ、作品のムーどは大きく変わって、“Libera Me” (2004)を始めとする沈痛なまでに悲し気でメロディアスな作品を連発。
 そこに至るまでの、ミステリアスなヨーロピアンジャズのLars Danielsson。
 20世紀も最終局面、21世紀との狭間、そんな音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Poems” (1991) Lars Danielsson

“Poems” (1991) Lars Danielsson
Lars Danielsson (bass)
Bobo Stenson (piano) Jon Christensen (drums)
David Liebman (soprano saxophone)

Poems
Dragon Records
2017-03-31


 Lars Danielsson、若手~中堅時代のコンテンポラリージャズ作品。
 この前、“Time Unit” (1984)のようなフュージョン的な作品もいくつかあるようですが、このバンドではあくまでアコースティックなヨーロピアンなコンテンポラリージャズ。
 この期のパートナーはBobo Stenson、さらにDave Liebman
 ドラムのJon Christensenを含めてスーパーな人たち、ECMな人たちによるいかにもそれらしい音。
 リーダー自身はなぜかECMとほとんど縁がない人なのですが・・・
 アメリカンのDave Liebmanもソプラノサックスに徹してヨーロッパっぽいムードが漂っています。
 後の激甘なメロディはまだなく、半数がDave Liebmanの楽曲。
 オーソドックスかどうかはさておき、近作などと比べてジャズの香りが強いのは、そのせいもあるのでしょう。
 “Shimri” (1976) Arild Andersen、“Silent Feet” (1977) Eberhard Weber、“Motility” (1977) Steve Kuhnあたり、ECM1970年代ヨーロピアンジャズフュージョン諸作に近いムード。
 少々悲し気な面持ちの楽曲と、しなやかなグルーヴ、透明度の高いクラシック色も強いピアノとソプラノのサックスの組み合わせ。
 フリーな演奏、実験的な作品もシレっとできてしまいそうな面々ですが、冒険がない分、安心して聞けます。
 いかにもなヨーロピアンジャズ、アバンギャルドではない、上品な系。
 このスーパーなメンツ、もちろん名演です。




posted by H.A.


【Disc Review】“Contra Post” (1994) Palle Danielsson

“Contra Post” (1994) Palle Danielsson
Palle Danielsson (Double Bass)
Rita Marcotulli (Piano) Anders Kjellberg (Drums) Joakim Milder (Saxophones)

Contra Post
Palle Danielsson
Caprice Records
2008-12-23


 スウェーデンのベーシストPalle Danielsson、唯一?のリーダー作。
 あのKeith Jarrett European Quartet、あるいはECMレコードのハウスベーシストの人。
 北欧系では同世代のArild Andersen、少し若い?Anders JorminLars Danielssonらと並ぶ名手。
 たくさんリーダー作があってもおかしくない大ベテランの名手なのですが、私が知る限り、リーダー作は本作のみでしょうか?
 本作のメインパートナーは、知る人ぞ知るイタリアの名ピアニストRita Marcotulli
 さらにサックスはサラリとしたオーソドックスな音の使いの人、ドラムはLars DanielssonLars Janssonの諸作に多数参加しているスウェーデンの名手。
 顔ぶれから想像できる音そのままの柔らかでしなやかなリズムと癖の無い音の流れ。
 典型的、オーソドックスなヨーロピアンコンテンポラリージャズなのですが、ピリリと効いているのがピアノ。
 近くのRita Marcotulli作品“Night Caller” (1992) ほど妖し気なムードはなく、盟友Bobo StensonKeith Jarrettほどアグレッシブではありません。
 が、素直で上品、柔らかな雰囲気で突っ走る、いかにもヨーロピアンの女性な音。
 グルーヴと疾走感、スムースさのバランスがとても心地よい音の流れ。
 楽曲はリーダーとRita Marcotulliの作品が中心。
 少々オーソドックスなジャズ寄りですが、いずれも悪くありません。
 総じてみれば、しなやかなグルーヴとシャープでしなやかなピアノが映える、いかにもなハイテンション系ヨーロピアンジャズの名作。
 さすが、その系の重鎮ベーシストの貴重なリーダー作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Agora e Sempre” (2016) Zeli Silva

“Agora e Sempre” (2016) Zeli Silva
Zeli Silva (bass)
Moises Alves (piano) Fernamdo Correa (guitar) Edu Ribeiro (drums) Vitor Alcantara (sax, flute)
Cleber Almeida (Percussion, drums) Lulinha Alencar (sanfona) 
Vinicius Gomes, Thiago do Espirito Santo (guitar) Antonio Baeker (piano) Paulo Malheiros (trombone) Lea Freire (flute) Dado Magnelli (Clarinet) Daniel D'ALcantara (Flugelhorn, trumpet) Samuel Pompeu (clarone) Fabio Peron (Bandlim)
Arismar do Espirito Santo (Piano, voice) Sergio Santos (voice, guitar) Ana Luiza, Vanessa Moreno, Livia Nestrovski, Filo Machado, Simone Guimaraes (Voice)

Agora E Sempre
Zeli Silva
Tratore
2016-09-18


 ブラジル人ベーシストのMPB作品。
 音作りはブラジリアンジャズフュージョンなのですが、全曲ボーカル入りなので、ジャジーなMPBな色合い。
 ピアノトリオ+ギターのブラジリアンフュージョンバンドのオーソックスな編成に、アコーディオンやホーン陣などが彩りを添え、男女のゲストボーカリストが代わる代わるフロントを取る形態。
 Edu Ribeiroをはじめ、どこかで名前を見たことのあるような、ないようなメンバー、いずれも手練れた演奏。
 派手な演奏やエキサイトな場面があるわけではないのですが、穏やかで上品。
 上質なブラジリアンジャズフュージョン。
 柔らかでしなやかな質感、不要い浮遊感の中、色々なタイミングで色々な音が零れ落ちてくるような流れは、ブラジリアンならではの音作り。
 その洗練された都会的な色合いの系。
 これまた洗練されたメロディの楽曲含めて、インスツルメンタルだけでも結構な名作になりそうなのですが、さらに素晴らしいボーカルが載ってきます。
 ボーカリストの有名どころはSergio Santosぐらいでしょうか?
 が、例外なく全員素晴らしいボーカリスト。
 中でもAna Luizaが出色でしょうか。
 現代最高のボーカリストだと思うGisele De Santiをもう少し軽く、スモーキーにした感じ。
 フワフワと漂うようなシルキーボイス。
 そこそこキャリアがある人のようですが、果たしてブラジルにはどれだけとんでもないボーカリストがいるのでしょうかね?
 この人の二曲だけでも買い。
 もちろんその他の曲も素晴らしい、全曲外れなしのジャジーMPBアルバム。




posted by H.A.
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