吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

baritone_sax

【Disc Review】“Layin' in the Cut” (2000) James Carter

“Layin' in the Cut” (2000) James Carter
James Carter (saxophones)
Jef Lee Johnson, Marc Ribot (electric guitar) Jamaaladeen Tacuma (electric bass) G. Calvin Weston (drums)
 
Layin in the Cut
James Carter
Atlantic / Wea
2000-06-05
ジェームス カーター



 James Carter、この前作“Chasin' the Gypsy” (2000)から一転して真っ黒けなファンクの一作。
 Jamaaladeen Tacumaの繰り出すどヘビーなファンクビートをバックにしたドスの効いたファンクジャズ。
 このバンドのメンツがその世界でどのくらい凄い人なのかは情報を持っていないのですが、まあ、ただ事ではないド迫力の音。
 ドスの効いたJames Carterのサックスに輪をかけたようなドスの効いたファンク。
 ヘビーなビートを叩き出すベースとドラムに、ロックでもジャズでもないカッコいいカッティングに歪んだサウンドのズルズルグチョグチョインプロビゼーションのギター。
 さすがにこうなると、激しくてもどことなくノスタルジックでエレガントなJames Carterではありません。
 ちょっと怖いというか、地下から響いてきそうな音、あるいは激走超大型タンクローリー、ってな感じ。
 フリーキーな音、最初から最後まで超過激に吹き倒しまくるサックスは、とてもヤクザな感じのバンドサウンドにピッタリ。
 アコースティック4ビートでここまで吹くとちょっとやり過ぎ感もあるのだけども、このバンドサウンドにサックスを乗せるとすればこれしかないでしょう。
 多くのJames Carterのオリジナル曲に、一部がギタリストJef Lee Johnsonの曲。
 これまたド迫力のファンク曲が揃っています。いかにも不良な音。
 聞いている方の体温が上がってしまいそうな凄まじさ。
 素直なアコースティック4ビートジャズではないし、ファンクでもなし。
 この手の音楽ってジャズファンからもファンクファンからも敬遠されるのでしょうかね?
 私的には“JC on the Set” (1993)と並ぶお気に入りのJames Carter。
 ジャズとしても聞いても、おそらくファンクとして聞いても凄いアルバム。
 名作だと思うけどなあ。

 


posted by H.A.


【Disc Review】“The Real Quiet Storm” (1995) James Carter

“The Real Quiet Storm” (1995) James Carter
James Carter (tenor, alto, baritone, soprano saxophone, bass flute, bass clarinet)
Craig Taborn (piano) Dave Holland, Jaribu Shahid (bass) Leon Parker, Tani Tabbal (drums)
 
Real Quietstorm
James Carter
Atlantic / Wea
1995-03-08
ジェームス カーター

 James Carterのアメリカでのデビュー作(?)。
 “JC on the Set” (1993)があまりにもカッコよかったので、否が応でも大期待して聞いたアルバム。
 タイトル、から“Lovers” (1988) David Murrayを超えるバラード集か・・・?
 が、ちょっと想像とは違っていました。
 意外にもオーソドックス。
 タイトルなどから想像されるバラード集ではなくて、アップテンポ、ミディアムテンポが半数ぐらいなのはこちらの勘違いですが、“JC on the Set”、 “Jurassic Classics” (1994)のようなぶっ飛んだ演奏はありません。
 各曲ともにコンパクトにスッキリとまとめられたジャズ。
 上記二作では少々ながらあった激しいフリーの時間もありません。
 このくらい普通の方が一般受けするんでしょうね。
 冒頭の"'Round Midnight"のバリトンサックスとピアノとのDuo、最後のバリトンとベースとのDuoなんて、身震いするような迫力。
 張り詰めて破裂しそうな音とビブラートのドスの効いた音と何の迷いも感じられない堂々としたフレージングなど、他の人には出せない音。
 ちょっと音を出すだけで周囲を威圧できる人はなかなかいません。
 ぶっ飛ぶJames Carterを知ってしまうと寂しい感じもしますが、David Murrayとは違って、バラード系ではそれはしない主義なのかもしれません。
 いずれにしてもスッキリしたオーソドックスなバンドサウンドのジャズ、サックスはちょっとすごい現代的なモダンジャズの一作。
 
 


posted by H.A.


【Disc Review】“JC on the Set” (1993)、“Jurassic Classics” (1994) James Carter

“JC on the Set” (1993)、“Jurassic Classics” (1994) James Carter
James Carter (tenor, alto, baritone saxophone)
Craig Taborn (piano) Jaribu Shahid (bass) Tani Tabbal (drums)
 
Jc on the Set
James Carter
Sony
1994-08-23
ジェームス カーター




Jurassic Classics
James Carter
Sony
1995-03-28


 ゴリゴリサックスJames Carterのデビュー作。たぶん。
 ぶっ飛んだ現代的モダンジャズ。
 確かJoshua Redmanと同じ時期に出てきたのだと思うのですが、当時からArchie Shepp、David Murray大好きな当方としては、James Carterの方が好み。
 というか、彼らに続く人がやっといたか・・・と思った記憶。
 ゴリゴリベース、ビシバシゴラム、ガンガンゴンゴンピアノ。
 そんな音を背景にして突っ走るサックス。
 Archie Sheppに似た感じの少し歪んだような、それでいてなぜかとてもキレイな音。
 艶やかさではDavid Murrayの方が勝るかもしれないけども、Ben Websterのサブトーンを大幅に減らして軽くしたような、これこそジャズのサックスな素晴らしい音。
 フリーキーな音も使いながらも、ビートやコード、ジャズの枠組みからは大きくは逸脱しない安心感。
 音がいいし、リズムへのノリは抜群だし、表現力は変幻自在。
 ヤクザな感じで上品さには欠けるのかもしれないけども、その方がジャズっぽくてカッコいい、というか、ジャズのサックスはこうでなくっちゃね。
 バンドが一体となってどこまでも突っ走っていくような心地よさ。
 アグレッシブで激しいけども、どこを切ってもジャズが好きで仕方ないことが伝わってくる音。
 ファンキーでブルージーなオリジナル曲に加えて、Don ByasにElligton、さらにSun Raなんて選曲はちょっとなかなか・・・
 これ以上やり過ぎるとモダンジャズの枠組みからは外れてしまいそうなギリギリのサジ加減。
 本作、最高の現代的モダンジャズだと思います。
 本作から二十余年、他にもっといいのあったかなあ・・・?

 同じメンバーでの一年後のセッション、続編“Jurassic Classics”はジャズ曲のカバー中心。
 耳に馴染んだ楽曲からすればモダンジャズ度はさらに高いのですが、演奏はぶっ飛んでいます。
 “Take the "A" Train”なんてもうグチャグチャ・・・というか、暴走列車。
 これでもかこれでもかの最高の疾走ジャズ。
 これがECM静音ジャズのCraig Taborn・・・?
 ビートやコードを崩すわけではないので、基本的には整った演奏なのですが、その制約の中でどこまで暴れることが出来るか限界に挑戦するようなインプロビゼーション。
 スタジオ録音ってな感じよりもライブそのままな感じ。
 疾走感、ハチャメチャ感は“JC on the Set”よりもこちらの方が上でしょう。
 もうこのくらいで勘弁してください・・・ってな感じ。
 これはちょっとやり過ぎでしょう・・・と眉を顰めるか、もっとイケーっとワクワクするかは人それぞれでしょう。
 私はもちろん後者のクチです。
 あの時代の音として片づけてしまうにはあまりにも素晴らしい、ハイテンションなぶっ飛び現代的モダンジャズ。
 こりゃ気持ちいいや。
 
 


posted by H.A.

【Disc Review】“Summit - Reunion Cumbre” (1974) Gerry Mulligan/Astor Piazzolla

“Summit - Reunion Cumbre” (1974) Gerry Mulligan/Astor Piazzolla
Astor Piazzolla (bandoneon) Gerry Mulligan (baritone saxophone)
Angel 'Pocho' Gatti (piano, Fender Rhodes, organ) Tullio De Piscopo (drums, percussion) Giuseppe Prestipino (electric bass) Alberto Baldan, Gianni Ziloli (marimba) Filippo Daccò, Bruno De Filippi (electric guitar)
Umberto Benedetti Michelangelo (violin) Renato Riccio (viola) Enio Miori (cello)
 
Summit
Mulligan
Ans Records
1990-10-25


 Astor PiazzollaとGerry Mulliganの共演作。
 どうもイメージが合わない二人を誰がどう考えて引き合わせたのかはわかりませんが、とにもかくにもイタリアでの録音。
 当時のPiazzollaバンドにGerry Mulliganが客演した形ではないのでしょう。アルゼンチンに加えて、イタリアっぽい名前も入っていおり、バンドの出自ついてはよくわかりません。
 当の御大Piazzollaもイタリア系でしたかね。
 楽曲はすべてPiazzollaナンバー。
 全編通じてPiazzollaのメロディではあるのですが、背景でエレピ、エレキベースが鳴っていたり、ストリングスのアンサンブルが絡んだり、ドラムがキッチリビートを出していたりで、Piazzollaバンドとはかなり違った質感。
 ちょっと古め、1970年代の映画のサントラ的なムード。
 優しくゆったりしたバリトンサックスは、哀感の強いPiazzollaのメロディにこの上なくピッタリきます。
 バリバリではなくフワフワとした音と、悲しく切ないメロディの対照がいい感じのバランス。
 が、その音が太い分、バンドネオンの音が細く聞こえてしまうのはいたしかたないところでしょうか。
 サックスが背景に回っているであろう場面も、前面に出て聞こえてしまいます。
 インタープレーの場面も微妙なバランス。
 さらに、ロックなビート、ポップスっぽいアレンジの場面もしばしば。
 ってな感じで、Astor Piazzollaの諸作、あるいはGerry Mulligan諸作の雰囲気とは少々異なる質感。
 タンゴ、ジャズに慣れていない人にはこんな感じの方が馴染みやすいのかな・・・?
 変わらないのは素晴らしいメロディ。 
 気が付いていませんでしたが、イタリア的な哀愁も混ざっているんでしょうかね。
 バリトンサックス、電気楽器、ロックビート、ストリングス・・・・何にでも合ってしまいそうな哀愁と緊張感。
 が、なんだかんだでドラムが入っていないPiazzollaキンテートのスタイルが一番落ち着きますかね?




 posted by H.A.

【Disc Review】“Brewster's Rooster” (Sep.2007) John Surman

“Brewster's Rooster” (Sep.2007) John Surman
John Surman (soprano saxophone, baritone saxophone)
John Abercrombie (guitar) Drew Gress (double bass) Jack DeJohnette (drums)

Brewsters Rooster (Ocrd)
John Surman
Ecm Records
ジョン サーマン


 John Surman、John Abercrombieのトリオを迎えた作品。
 かつて“November” (Nov.1992)での強烈でハイテンションな共演がありますが、本作は静かなジャズ。
 ここにはあの地の底から這い出てくるような恐ろしいサックスはありません。
 クールで淡々とした色合いの穏やかなサックス。
 John Abercrombieは少し攻撃的ですが、それでも抑えたイメージ。
 1990年代の触ると切れてしまいそうな激烈さ、緊張感はありません。
 そういった中でJack DeJohnetteは相変わらずの推進力。
 一部で昔ながらの激烈なインタープレーもありますが、それでも全体としてみれば穏やかなムード。
 クールで淡々とした色合いの穏やかなジャズ。




posted by H.A.
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