吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Vinicius_Cantuaria

【Disc Review】“Vinícius canta Antonio Carlos Jobim” (2015) Vinicius Cantuária

“Vinícius canta Antonio Carlos Jobim” (2015) Vinicius Cantuária

Vinicius Cantuária (vocal, guitar, percussions)
Celso Fonseca, Chico Pinheiro (acoustic guitar) Bill Frisell, Ricardo Silveira (guitar) Ryuichi Sakamoto (piano) Jyoji Sawada, Ryoji Orihara (bass) Ayumi Hashimoto (cello)
Joyce, Melody Gardot (vocal)

Vinicius Canta Antonio Carlos Jobim
Vinicius Cantuaria
Sunnyside
2015-05-26


 Vinicius Cantuária、最近作。
 日本人ミュージシャンが多く参加し、Bill Frisell、ブラジル系の豪華ゲスト陣を迎えたJobim曲集。
 先端系な音は抑えられ、アコースティックな音とオーソドックスなボサノバが中心。
 全てがゆったりしたテンポの静かな音。
 聞き慣れたメロディ。
 少し湿り気のある空気感。
 冒頭、スローな8ビートでアレンジされたのJobimナンバー”Ligia”は絶品の“Horse and Fish” (2004)のバージョンに並ぶような静謐な名演。
 以降はボサノバ中心ですが、一曲ごとにゲスト、楽器が変わり、微妙に景色は変わっていきます。
 ガットギターでのジャズなギターはChico Pinheiro、キリッとしたボサノバギターはCelso Fonseca、浮遊するエレキギターのBill Frisell、Ricardo Silveira、彩りをつける大御所女性ボーカルの二人、重厚なチェロ、スペーシーなフレットレスベース、遠い所を漂うような坂本龍一氏のピアノ・・・
 短く演奏される郷愁感120%の隠れた名曲"Eu Nao Existo Sem Voce", "Por Causa de Você"は日本の誰かの選曲でしょうか?
 もちろん主役はいつも通りに沈んだVinicius Cantuáriaの囁き声。
 当たり前のようで希少な、静かで上質なボサノバ。
 部屋の温度が下がって、ほんの少しだけ湿度が上がる、そんな音。





 遅れてきたスーパーアーティスト。
 AORな1980年代から、New York系の先端系の人たち、坂本龍一氏などとの交流を経て、それらをアクセントにしたオーソドックスなボッサに戻る・・・
 単に洗練されたお洒落な音だけでなく、沈んだ感じが特別だし、日本人に受けるんだろうなあ。

Vinícius Cantuária” (1982)
Gávea de Manhã” (1983) 
“Sutis Diferenças” (1984)
“Siga-me” (1985)
“Nu Brasil” (1986)
“Rio Negro” (1991)
Sol Na Cara” (1996)
Amor Brasileiro” (1998)
Tucumã” (1999)
Vinicius” (2001)
Horse and Fish” (2004)
Silva” (2005)
Cymbals” (2007)
Samba Carioca” (2010)
Lágrimas Mexicanas” (2011) with Bill Frisell


posted by H.A.



【Disc Review】“Indio de Apartamento” (2013) Vinicius Cantuaria

“Indio de Apartamento” (2013) Vinicius Cantuaria

Vinicius Cantuaria (Vocals, Guitar, Drums, Keyboards, Percussion)
Ryuuichi Sakamoto, Norah Jones (piano) Mario Laginha (keyboards) Oliver Glissant (electric piano) Bill Frisell, Dadi (guitar) Liminha (bass) Jesse Harris (voice)



 Vinicius Cantuaria、2012年作。
 とても静かなブラジリアンポップス。
 漂う静謐な凄み。
 徹底的に内に内に入っていくようなムード。
 ここまでの諸作よりもさらに音量が下がり、遅れ気味に置かれていく囁きヴォイス。
 淫靡なまでの静けさ。
 Chet BakerとかLou Reedとか、そんな感じ。
 バンドの音もそれに合わせるように、どこか浮世離れしたようなクールなムード。
 坂本龍一氏が二曲に参加し、音数を抑え、ぶっ飛んだアバンギャルドなピアノ。
 淡々とボッサを刻むギターと沈んだヴォイスとの絡みがなんとも凄い。
 Norah Jonesがピアノのみで短い一曲での参加、彼女の盟友Jesse Harrisの歌を含めて、彼女っぽいフォーキーな楽曲が数曲。
 さらに中盤からたっぷりとフィーチャーされるジャジーなエレキギターがとてもクール。
 21世紀のこの人の真骨頂、クールでやるせなくてお洒落な危ない音、湿った夜な感じの淫靡な音、その極めつけ。
 普通にボッサとポップスながら、どこか遠い静かな場所に連れて行ってくれる、極上のトリップミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】“Samba Carioca” (2010) Vinicius Cantuaria

“Samba Carioca” (2010) Vinicius Cantuaria

Vinicius Cantuaria (Vocals, Guitar, Drums, Keyboards, Percussion)
Brad Mehldau, Joao Donato, Marcos Valle (Piano) Bill Frisell, Dadi (Electric Guitar)
Luiz Alves (Bass) Liminha (Electric Bass) Paulo Braga (Drums) Sidinho (Percussion)



 ブラジルのシンガーソングライターVinicius Cantuariaの2010年作。
 プロデュースにロック界のArto Lindsay、同時期に共同で“Lágrimas Mexicanas” (2010)を制作したBill Frisell、共演が続くジャズピアニストBrad Mehldau、その他有名どころのブラジリアンを迎えたジャジーMPB。
 強いArto Lindsay色、Bill Frisell色はなく、またファンクな感じも抑えられ、オーソドックスなボサノバな感じが強い音。
 ゆったりとしたボッサビートに、少し沈んだとても静かでしっとりとした音の流れ、哀しげなメロディに甘い囁きヴォイス。
 要所でカッコいいジャズピアノやら、Jobimなピアノやら、エレピやら、ジャズギターやら、妖しい電子音やら。
 それらがとてもさりげなくて、あくまで沈んだ静かな音。
 現代的で都会的、その上でナチュラルでサラリとした質感、それでいて少々淫靡なブラジリアンポップス。
 静かで大人なブラジリアンミュージック、ボッサ寄り。




posted by H.A.


【Disc Review】“Cymbals” (2007) Vinicius Cantuaria

“Cymbals” (2007) Vinicius Cantuaria

Vinicius Cantuária (Vocals, Acoustic, Electric Guitar, Percussion, Drums)
Brad Mehldau (Piano) Marc Ribot (Acoustic Guitar) Marivaldo Dos Santos (Percussion)
David Binney (Tenor Sax) Michael Leonhart (Trumpet) Jenny Scheinman (Violin) Eric Friedlander (Cello)

Cymbals
Vinicius Cantuaria
Naive
2008-01-21


 ブラジルのシンガーソングライターVinicius Cantuariaの2007年作。
 とても洗練されたカラフルなサウンド。
 メキシコ~キューバ、中南米、伝統的サンバ、速いボッサ、ホーンが絡むクラブジャズな感じ、そしていつものギターとストリングスとパーカッションの静かなボッサ。
 ときおり聞こえるBrad Mehldauの少ない音数のピアノがカッコよかったり、電子音やエフェクティングしまくったギター、プリミティブなパーカッションがが妖しかったり、キューバな曲はKip Hanrahanっぽかったり。
 そんな音を背景にした囁きヴォイス。
 バラバラな色合いのようで、なぜか統一感のあるVinicius Cantuáriaサウンド。
 いずれも静かで沈んだやるせない空気感が流れているからでしょう。
 その上でほんの少しだけアバンギャルド。
 考え抜かれたのであろう過不足のないアレンジ、透明度の高い空間が広い録音を含めて、とても洗練されています。
 “Horse and Fish” (2004)の音がさらにこなれた感じは、電子音が絡む系、ファンク混じり系のVinicius Cantuariaの完成盤といったところ。
 とてもクール、少しひねくれた感じがとてもカッコいいと思います。




posted by H.A.


【Disc Review】“Silva” (2005) Vinicius Cantuária

“Silva” (2005) Vinicius Cantuária

Vinicius Cantuária (Vocals, Guitars, Fender Rhodes, Loop, Drums, Percussion)
Jun Miyake (Fender Rhodes, Flugelhorn, Sampling) Chacal, Sidinho Moreira (Percussion) Michael Leonhart (Trumpet) Strings

Silva
Vinicius Cantuaria
Hannibal
2005-10-25


 Vinicius Cantuária、2005年作。
 とても静かなジャジーMPB。
 ギターかストリングスを背景にしたクールな囁きヴォイス。
 電子音を含めてときおりのサポートが入りますが、あくまでギターとストリングスとヴォイスの音。
 少し沈んだ感じで淡々と進む空気の流れ。
 ときおりの静寂。
 いつものさり気ない哀愁、あるいはカリブ~メキシカンな感じも含めたオリジナル曲にJobim一曲。
 ボッサが半分ぐらいに残りが先端的な香りのポップス~ロック。
 いずれもとても静かです。
 いろんな音が聞こえてきてカラフルな“Cymbals” (2007)、オーソドックスなボッサの“Samba Carioca” (2010)よりもさらに油気が抜けた感じ、シンプルで飾り気がない感じ。
 この人にしてはちょっと?なジャケットを含めて地味な一作なのかもしれません。
 が、シンプルながら洗練された、やるせない音。
 シンプルで仕掛けが少ない分、あのChet Bakerの音のようにも聞こえてきます。
 さり気なくて、淡々とした空気感がとてもいい感じの一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Horse and Fish” (2003) Vinicius Cantuária

“Horse and Fish” (2003) Vinicius Cantuária

Vinicius Cantuária (Vocals, Guitar)
Paul Socolow (Bass) Paulo Braga (Drums) Mauro Refosco, Nanny Assis (Percussion) Michael Leonhart (Trumpet, Keyboards, Percussion)

Horses & Fish
Vinicius Cantuaria
Hannibal UK
2008-01-13


 Vinicius Cantuária、2004年作。
 ファンクと静謐が交錯する南米AORなVinicius Cantuária。
 この人の作品にしては珍しくベースが激しく動きまくり、ジャズな感じながら激しいドラム、トランペット、エフェクティングしまくったギターが漂い疾走する、激しい演奏からスタート。
 続いてガットギターがボッサなリズムを刻み始めるといつもの静かなVinicius Cantuária。
 そんな感じでエレキベース、あるいはオルガンの音がしっかり効いたファンクな演奏、AORな演奏と、ベースレスでの静かなボッサ、フォークが交錯します。
 この期になるとBeatles的な楽曲、1970年代MPBな色合いは影を潜め、ファンクやフォーキーな演奏の中、あるいは先端的ギターの響きの中に溶け込んでしまったようにも感じます。
 同じコードをひたすら繰り返すクラブ~ラウンジ向けっぽい演奏も何曲か。
 終盤にさりげなく収められた、妖しいアレンジのJobimナンバー”Ligia”なんて絶品。
 変わらないのは儚げなヴォイス。
 が、その音量は下がり、ダークで沈んだ空気感。
 多用され始めたクリーントーンエレキギターの響きがとてもクールだし、ハイテンションなファンクもいい感じ。
 全部含めて、クールでやるせなくてお洒落、そして沈んだ音がこのあたりで確立した感じ、そんな一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Live: Skirball Center” (2003) Vinicius Cantuária

“Live: Skirball Center” (2003) Vinicius Cantuária

Vinicius Cantuária (Guitar, Vocals, Percussion)
Sergio Brandao (Bass) Paulo Braga (Drums) Nanny Assis (Percussion)
Jenny Scheinman (Violin)

Live Skirball Center 8-7-03
Vinicius Cantuaria
Kufala
2005-01-11


 Vinicius Cantuáriaのライブ録音。
 “Vinicius” (2001)からゲストが抜けたメンバー、ギタートリオにパーカッション、バイオリンが彩りをつける形。
 “Horse and Fish”(2003)の録音の少し前の時期のステージのようで、同アルバムの楽曲が多く選択されています。
 スタジオ録音のような静かで繊細な感じとは異なります。
 各曲が長尺、インプロビゼーションのスペースもたっぷりの激しい音。
 終始激しく鳴り響くパーカッションに、ブンブン唸るエレキベースVinicius Cantuária自身のBill Frisellもビックリの先端的エレキギターが炸裂。
 音量が大き過ぎな気もしますが、クリーントーンを中心にエフェクティングもほどほど上品。
 冒頭から10分を超え、二曲目も7分を超える強烈なブラジリアンファンク。
 “Horse and Fish” (2003)の冒頭曲はそれに近いのだけども、二曲目の“Sol Na Cara” (1996)の冒頭曲はクールな感じだったはずなのに・・・
 とにもかくにも激しいビートとギター、バイオリン、動きまくるベースの絡み合い。
 続く静謐なはずのJobimナンバー“Ligia”もヘビーで激しい系。
 バラードはなく、最後までアコースティックギターに持ち換えることもありません。
 意外にもCD二枚分、アンコールの熱狂サンバまで、全編そんな感じ。
 これでもかこれでもかのハイテンションブラジリアンファンク。
 実は暴れん坊のVinicius Cantuária。




posted by H.A.


【Disc Review】“Vinicius” (2001) Vinicius Cantuária

“Vinicius” (2001) Vinicius Cantuária

Vinicius Cantuária (guitar, vocals, Keyboards, percussion)
Brad Mehldau (piano) Perter Schere (keyboards) Bill Frisell, Marc Ribot (guitar) Marc Johnson (bass) Paulo Braga, Joey Baron (drums) 
Jenny Scheinman (violin) Michael Leonhart (trumpet) Caetano Veloso (vocal) David Byrne (vocal, guitar)

Vinicius
Vinicius Cantuaria
Transparent Music
2001-03-06


 Vinicius Cantuária、2001年作。
 ジャジーなブラジリアンポップス。
 メンバーの名前を見るとECMな音が聞こえてきそうな顔ぶれですが、そうではなくていつものVinicius Cantuáriaの音。
 豪華ゲストが楽曲ごとに参加する、これまたいつものスタイル。
 前後のアルバム“Tucumã” (1999)、“Horse and Fish” (2004)と比べると穏やかで柔らかな感じがします。
 アップテンポでもサンバ、ボッサを含めて静かなビート、ゆるーい感じ。
 この人の囁きヴォイスにはこの感じが似合います。
 入れ替わり立ち代わりに入ってくる、電子音、先端ロックギター、ジャズギター、ジャズピアノ、バイオリン、トランペット、そして大御所Caetano Veloso, David Byrneのヴォイス・・・
 一聴バラバラなサウンドが静かで穏やかな音の流れの中に溶け込んでいます。
 この人のヴォイス、年月を経て沈んだ感じなっていくように思いますが、後の淫靡な感じの二歩ぐらい手前。
 緩さも含めて洗練されていて、とてもクール。
 この人の作品、ジャケットのムードと中身が概ね一致するのですが、本作も天然色ではない、輪郭が少し曖昧で緩やか、ほどほどの浮遊感、そんな音。
 Vinicius Cantuáriaの作品ではこれと、もっともっと沈み込んでいく“Indio de Apartamento” (2012) が一番のお気に入り。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Tucumã” (1999) Vinicius Cantuária

“Tucumã” (1999) Vinicius Cantuária

Vinicius Cantuária (Vocal, Guitar, Piano, Keyboards, Flute, Percussion, Sampler)
Bill Frisell, Arto Lindsay (electric guitar) Steve Cohen, Sean Lennon (Bass) Joey Baron (drums) Mauro Refosco, Davi Vieira, Marivaldo Dos Santos (Percussion) Nana Vasconcelos (Berimbau, Panela)
Laurie Anderson (Vocals, Violin) Joyce Hammann, Mark Feldman (Violin) Lois Martin (Viola) Erik Friedlander (Cello)
Michael Leonhart (trumpet) Peter Apfelbaum (Tenor Sax) Josh Roseman (Trombone)

Tucuma
Vinicius Cantuaria
Polygram Records
1999-03-16


 ブラジルのシンガーソングライターVinicius Cantuariaの1999年作。
 ガットギターとパーカッションを中心に、エレキギター、管楽器がささやかな彩りを加える背景に、シルキーな囁きヴォイス。
 そんな静かな演奏が何曲か。
 他はBeatles的なロックの強い音、Caetano Veloso、Milton Nascimentoあたりから続く1970年代MPBな音。
 あるいは、複雑なビートと一風変わったストリングス、電子音が絡み合う攻撃的、先端的な音は、New Yorkアンダーグランウンド的な妖しさ、危なさ、緊張感が漂う音。
 全曲を占めるオリジナル曲は、いずれもやるせない哀愁が漂うキャッチーなメロディ。
 それらと控え目な先端サウンドの絡み合いがいいバランス。
 なるほどなBill Frisell, Arto Lindsayのゲスト参加ですが、Kip Hanrahanあたりと絡んでいるとすごい作品ができていたんだろうなあ・・・と思わせる、そんな音。
 名作“A Thousand Nights And A Night - (Shadow Nights 1)” (1998)と同時期ですねえ・・・
 ブラジルとNew Yorkアンダーグランウンドが交錯する、ポップながら妖しいブラジリアンミュージック。
 クールでやるせなくて危なくて、お洒落。




posted by H.A.


【Disc Review】“Amor Brasileiro” (1998) Vinicius Cantuária

“Amor Brasileiro” (1998) Vinicius Cantuária

Vinicius Cantuária (Guitars, Percussion, Voice) Naná Vasconcelos (Percussion, Voice)
Michael Leonhart (trumpet) Arto Lindsay (guitar)

Amor Brasileiro
Vinicius Cantuaria
インディペンデントレーベル
1998-04-15


 Vinicius Cantuária、1998年、Naná Vasconcelosとのコラボレーション作品。
 二人のDuoを中心として、数曲でゲストが加わる構成。
 アコースティックギターを背景にして、例のブラジリアンネイティヴなパーカッションとヴォイス、クールなVinicius Cantuáriaのヴォイスの絡み合い。
 少人数の静かで落ち着いた音。
 仕掛けは最小限に抑えられ、あくまでナチュラルな音。
 録音はニューヨーク、十二分に洗練されていて、あくまでVinicius Cantuáriaワールドですが、それに風と土の香りを加えていくようなNaná Vasconcelosの妖しい音。
 半数ほどのオリジナル曲にボサノバスタンダード、MPBスタンダード。
 いつもの構成、前作“Sol Na Cara” (1996)にも近いフォーキーで静かなサウンドですが、もう少しブラジル寄りな感じ。
 電子音も聞こえません。
 わずかに使われるエレキギターが特別にカッコよかったりもするのですが・・・
 都会的に過ぎず、洗練され過ぎず、とんがり過ぎず、そして素朴に過ぎない、ちょうどいいころ合いの自然な音。
 どこか遠い所を眺めるような空気感。
 ここから先は都会で夜なVinicius Cantuária、お洒落な“Tucumã” (1999)へと続きます。




posted by H.A.


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