“Vinícius canta Antonio Carlos Jobim” (2015) Vinicius Cantuária
Vinicius Cantuária (vocal, guitar, percussions)
Celso Fonseca, Chico Pinheiro (acoustic guitar) Bill Frisell, Ricardo Silveira (guitar) Ryuichi Sakamoto (piano) Jyoji Sawada, Ryoji Orihara (bass) Ayumi Hashimoto (cello)
Joyce, Melody Gardot (vocal)
Vinicius Cantuária、最近作。
日本人ミュージシャンが多く参加し、Bill Frisell、ブラジル系の豪華ゲスト陣を迎えたJobim曲集。
先端系な音は抑えられ、アコースティックな音とオーソドックスなボサノバが中心。
全てがゆったりしたテンポの静かな音。
聞き慣れたメロディ。
少し湿り気のある空気感。
冒頭、スローな8ビートでアレンジされたのJobimナンバー”Ligia”は絶品の“Horse and Fish” (2004)のバージョンに並ぶような静謐な名演。
以降はボサノバ中心ですが、一曲ごとにゲスト、楽器が変わり、微妙に景色は変わっていきます。
ガットギターでのジャズなギターはChico Pinheiro、キリッとしたボサノバギターはCelso Fonseca、浮遊するエレキギターのBill Frisell、Ricardo Silveira、彩りをつける大御所女性ボーカルの二人、重厚なチェロ、スペーシーなフレットレスベース、遠い所を漂うような坂本龍一氏のピアノ・・・
短く演奏される郷愁感120%の隠れた名曲"Eu Nao Existo Sem Voce", "Por Causa de Você"は日本の誰かの選曲でしょうか?
もちろん主役はいつも通りに沈んだVinicius Cantuáriaの囁き声。
当たり前のようで希少な、静かで上質なボサノバ。
部屋の温度が下がって、ほんの少しだけ湿度が上がる、そんな音。
遅れてきたスーパーアーティスト。
AORな1980年代から、New York系の先端系の人たち、坂本龍一氏などとの交流を経て、それらをアクセントにしたオーソドックスなボッサに戻る・・・
単に洗練されたお洒落な音だけでなく、沈んだ感じが特別だし、日本人に受けるんだろうなあ。
“Vinícius Cantuária” (1982)
“Gávea de Manhã” (1983)
“Sutis Diferenças” (1984)
“Siga-me” (1985)
“Nu Brasil” (1986)
“Rio Negro” (1991)
“Sol Na Cara” (1996)
“Amor Brasileiro” (1998)
“Tucumã” (1999)
“Vinicius” (2001)
“Live: Skirball Center” (2003)
“Horse and Fish” (2004)
“Silva” (2005)
“Cymbals” (2007)
“Samba Carioca” (2010)
“Lágrimas Mexicanas” (2011) with Bill Frisell
“Indio de Apartamento” (2013)
“Vinícius canta Antonio Carlos Jobim” (2015)