吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Tutty_Moreno

【Disc Review】“Dorival” (2017) Tutty Moreno, Rodolfo Stroeter, Andre Mehmari, Nailor Proveta

“Dorival” (2017) Tutty Moreno, Rodolfo Stroeter, Andre Mehmari, Nailor Proveta
André Mehmari (Piano) Nailor Proveta (Alto sax, Clarinet) Rodolfo Stroeter (Contrabass) Tutty Moreno (Drums)

 ブラジリアンジャズの名手が揃ったDorival Caymi作品集。
 大将はJoyceの夫君Tutty Morenoでしょうか?それともAndré Mehmari
 いずれにしても“Forcas D'Alma” (1999) Tutty Moreno、“nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso、“Nonada” (2008)などを制作した中核メンバー。
 上記の作品群からかなりの年月が経過し、ほんの少しエキセントリックに、言葉を変えればクリエイティブに変化した音。
 ベテラン陣はあまり変わっていないのかもしれませんが、André Mehmariのピアノが変わっているように思います。
 内面から出てくるモノを抑えきれないような、その場に止まれないような、激しい演奏。
 スローテンポで漂うような音の流れから始まり、徐々に飛び跳ね、突っ走るピアノ。
 過去のジャズカルテット作品でも、頭抜けた演奏力のピアノだけがぶっ飛ぶ場面はあったのですが、この期では彼のピアノが全体を支配しているようにも聞こえます。
 そんなピアノに寄り添うように伸びたり縮んだり、時に共に突っ走り、時に定常に引き戻すバンド。
 多くの場面でフロントに立っているのは流麗なサックス、クラリネットなのですが、後ろで動きまくるピアノに耳が行ってしまいます。
 郷愁漂うDorival Caymiのブラジリアントラディショナルなメロディとドラマチックな編曲、ハイテンションなジャズカルテットの演奏。
 企画、メンツどおりの心地よい、ほんの少しだけぶっ飛んだブラジリアンジャズ。
 なお、録音はノルウェー、OsloのRainbow Studio。
 言わずと知れたECMのホームグラウンド。
 ここまでの作品とは音の感じが変わってそれっぽい音?・・・・ではありませんね・・・?





 Andre Mehmariの参加作品、私が知る限り。
 他にもたくさんあるのでしょう。
 2017年は極めて多作。
 近年はクラシック色が強くなってきているように思いますが、いずれにしてもどれもハズレなしの名作、佳作揃いなのが凄いなあ・・・

edição comemorativa: 10 anos de lançamento” (1998) with Celio Barros
  “Forcas D'Alma” (1999) Tutty Moreno 
nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso
“Canto” (2002)
  “Áfrico” (2002) Sérgio Santos
Lachrimae” (2003) 
Piano e Voz” (2004) with Ná Ozzetti
  “Ia Ia” (2004) Monica Salmaso
  “Sergio Santos” (2004) Sergio Santos
Continuous Friendship” (2007) with Hamilton de Holanda
  “Io So” (2007) Sergio Santos
de arvores e Valsas” (2008)
Veredas” (2006-2008) Omnibus
Miramari” (2008) with Gabriele Mirabassi 
  “Nonada” (2008) with Rodolfo Stoeter, Tutty Moreno, Nailor Proveta, Teco Cardoso
  “Litoral e interior” (2009) Sérgio Santos
Gimontipascoal” (2009, 2010) with Hamilton de Holanda
  “Antonio Loureiro” (2010) Antonio Loureiro (一曲のみ)
Canteiro” (2010, 2011)
Afetuoso” (2011)
“Orquestra A Base De Sopro De Curitiba e André Mehmari” (2011)
  “Naissance” (2012) François Morin
Triz” (2012) with Chico Pinheiro, Sérgio Santos 
  "Macaxeira Fields" (2012)  Alexandre Andrés
  "Sunni-E" (2012) Renato Motha & Patricia Lobato (一曲のみ)
Arapora” (2013) with Francois Morin
Tokyo Solo” (2013)
“Angelus” (2013)
Ao Vivo No Auditorio” (2013) with Mario Laginha
Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014)
  ”Caprichos" (2014) Hamilton de Holanda (一曲のみ)
As Estacoes Na Cantareira” (2015)
  “Partir” (2015) Fabiana Cozza (一曲のみ)
"MehmariLoureiro duo" (2016) with Antonio Loureiro
Três no Samba” (2016) with Eliane Faria, Gordinho do Surdo
Guris” (2017) with Jovino Santos Neto
Am60 Am40” (2017) with Antonio Meneses
Serpentina” (2017) with Juan Quintero, Carlos Aguirre
Dorival” (2017) with Tutty Moreno, Rodolfo Stroeter, Nailor Proveta
  "Macieiras” (2017) Alexandre Andrés(一曲のみ)


posted by H.A.

【Disc Review】“nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso

“nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso
Monica Salmaso (Vocal)
Nailor Proveta (sax, clarinet) Andre Mehmari (piano etc.) Rodolfo Stroeter (bass) Tutty Moreno (drums) Toninho Ferragutti (acordion)

NEM 1 AI
MONICA SALMASO
DISCMEDI
モニカ サルマーゾ


 ブラジル、サンパウロのボーカリストMonica Salmaso、MPB作品。
 サポートはジャズコンボ。
 ドラムがJoyceの夫君Tutty Moreno。
 ピアノがAndre Mehmari。
 これはMPBというより、少々クラシックの色合い、フォルクローレの色合いも交錯するコンテンポラリージャズ。
 同時期、ボーカル抜きの同メンバーでジャズ作品“Forcas D'Alma” (1999) Tutty Morenoもあります。
 南米系しっとり系のジャズ~ポップスは、柔らかくて明るいECMといったイメージの作品が多いのですが、まさにそんな一作。
 バンド全体がふわふわと漂い、ゆらゆらと揺れる、強烈な浮遊感、とても優雅で柔らかなグルーヴ。
 その中を美しいボイスとピアノ、その他が駆け巡る・・・、そんな音楽。
 ボーカルはブラジル音楽定番、少しスモーキーな優しい声。
 クラシックの香りも漂わせつつ、フォルクローレな色合いも強い歌。
 彼女の作品、あるいはAndre Mehmariの作品はそんなテイストが多いのですが、リオのボッサ、サンバ系、ミナス系、バイーア系などに対して、サンパウロ系?なんてのがあるんでしょうかね? 
 ピアノのAndre Mehmariが言わずもがなの圧倒的な演奏。
 美しい音、端正なクラシックの香りを漂せつつ、強烈な浮遊感の音使い。
 ふわりと立ち上がって、静かに消えてゆく繊細なタッチ、スローではたっぷりのタメを効かせて、アップテンポでは強烈な疾走感、上品ながら意外性のある強烈なオブリガート、思い出したように現れる速いパッセージ・・・
 この頃のAndre Mehmariは本当に凄い。
 もちろん今も凄いのですが、この頃の方がジャズの色合いが強い感じ。ジャズ慣れしてしまった耳にはこの方が馴染みます。
 たくさんではありませんが、管楽器含めてエキサイティングなジャズ的インタープレーの場面もあります。
 これまた膨大なジャズの演奏の中でもなかなか聞けないような素晴らしい演奏。
 楽曲は柔らかくてメロディアスなブラジルの巨匠その他の曲のカバー中心。
 全く普通のアレンジなんだけど、出自が気にならないほどのオリジナリティ。
 不思議ですが、Andre Mehmariが絡む作品にはそんな演奏がたくさん。“Lachrimae” (2003)とかね。
 この作品、しばらくお蔵入りしていたらしいのですが、なんでだろ?
 ブラジル系のボーカルものでボッサではないもの、と言われると一押しするのはこれかな、と思う素晴らしいアルバムだと思います。
 ブラジル音楽ファンからは“Voadeira” (1999)あたりの方が好評なのかな?
 ジャズファンからすれば、こちらも大傑作。

※本投稿は2016/05/28から移動しました。



posted by H.A.

【Disc Review】“Samba-Jazz & Outras Bossas” (2007) Joyce & Tutty Moreno

“Samba-Jazz & Outras Bossas” (2007) Joyce & Tutty Moreno
Joyce (Vocal, Guitar) Tutty Moreno (Drums, Sax)
Hélio Alves (Piano) Teco Cardoso (Flute, Sax) Luis Galvão (Guitars) Jorge Helder (Bass) Henrique Band (Sax) Nailor Proveta (Clarinet, Sax) Jessé Sadoc (Trumpet) Vittor Santos (Trombone)

トゥッティ モレーノ

 Joyce、夫君のドラマーと共同名義のアルバム。
 いつも通りと言えばいつも通りのJoyce。
 楽曲もJoyce作が半分ぐらい、残りがブラジルの巨匠の作品で、これまたいつも通り。
 たくさんのホーン陣が入って、しっかりしたアンサンブル、さらにはピアノ、ギターも含めてソロスペースもたっぷりあって、ジャズのムードが強いのがいつもとは違うところなのでしょう。
 あ、タイトルにそう書いてましたね。
 ピアノのブラジリアンHélio Alvesがものすごくカッコいいし、ホーン陣、ギターも手練れ。
 いつもよりももっと強いかもしれないグルーヴ、ビート感。 
 その辺のジャズバンドではこの雰囲気、躍動感は出せないだろうなあ。
 さすが一流ジャズドラマーのTutty Moreno。
 なお、この頃のJoyceのアルバム、どれも似たようなジャケットで区別がつきにくいのですが、少しづつ色合いが違います。
 さらにどれも名作。
 本作はジャンピーなジャズ色の強い、とても楽しそうなMPB。
 ジャズファンの方で彼女を聞いたことない人は、スタンダード集も良いですが、オリジナル曲中心ゆえに彼女の色が強いこの辺りからも是非お試しを。




posted by H.A.

【Disc Review】“Forcas D'Alma” (1999) Tutty Moreno

“Forcas D'Alma” (1999) Tutty Moreno
Tutty Moreno (drums)
Rodolfo Stroeter (bass) André Mehmari (Piano) Nailor Proveta (sax, clarinet) Joyce (voice, guitar) and strings

Forcas D'alma
Tutty Moreno
Malandro Records
 トゥッティ モレーノ


 ブラジリアンによるコンテンポラリージャズ。
 リーダーはあの現代MPBの女王Joyce Morenoの夫君のドラマー。 ピアノが若き日のAndre Mehmari。
 Joyceのバンドが実はカッコいいジャズバンドなことは知っていました。
 が、Andre Mehmariにはジャストなジャズを弾いて欲しいような、欲しくないような・・・。
 2000年代前半のジャズ、クラシック、フォルクローレとかが混ざったような、あるいはミナスっぽい柔らかな音楽、“Lachrimae” (2003)とかが一番カッコいいもんね。
 ところがどっこい、全くの杞憂。すごい「ジャズ」ピアノ。
 特別にフィーチャーされているわけではありませんが、ちょっとしたバッキングの音からして普通の人とは違います。
 突然現れる高速なオブリガード、しなやかなコンピング等々、他の人では聞けないような音。
 彼独特の優雅なムード。
 Keith Jarrettっぽさは若干のみ、Gismontiっぽさはあまり感じません。
 影響はあるのかもしれませんが、後の一部でのそれらしい演奏は本来の姿ではないのでしょうね。
 ここでもクラシックがベースであることが感じられるフレージングですが、いい感じでグルーヴしてるし、突っ走るし。
 ピアノが動き出すとバンドが一気に走り出す、そんな感じ。
 この頃から何年かに一人のピアニストであることは間違いなかったのでしょう。
 アルバム全体としては、オーソドックスなサックスカルテットながら、ストリングス入りあり、Joyceのスキャットあり、などなど、バラエティに富んだ穏やかで優し気な佳作です。
 ブラジリアンのジャズは柔らかくていいなあ。 




posted by H.A.
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