吉祥寺JazzSyndicate

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Toninho_Horta

【Disc Review】”Foot on the Road” (1994) Toninho Horta

”Foot on the Road” (1994) Toninho Horta
Toninho Horta (guitar, vocal)
Jim Beard, Gil Goldstein (keyboards) William Galison (harmonica) Dominguinhos (accordion) Victor Bailey, Mark Egan (bass) Omar Hakim, Danny Gottlieb (drums) Akiko Yano (piano, voice) and others

Foot on the Road
Toninho Horta
Polygram Special Imp

トニーニョ オルタ

 Toninho Horta、“Moonstone” (1989)からポップスサイドに振れた印象のフュージョン~ポップス路線。
 デビュー当時のMPB路線が現代的に、といったとらえ方もあるのかもしれませんが、当時にはあった独特の翳りがなくなり、何だか明るい印象。
 ちょっと大仰なアレンジ、ぶ厚いバックのサウンド作りもちらほら。
 さらにはシンセサイザーやら、デジタルっぽいリズムやら、ファンクやら・・・。
 サポートは王道フュージョンの一流どころ。
 まあそういった時代だったんでしょう。
 この人にとっては、新たな挑戦による問題作・・・なんてこともないか。 
 クリーントーンのエレキギターがとてもカッコいいのでよしとしよう。




posted by H.A.

【Disc Review】”Durango Kid” (1993) Toninho Horta

”Durango Kid” (1993) Toninho Horta  
Toninho Horta (guitar, vocal) 

Durango Kid
Toninho Horta
Big World Music

トニーニョ オルタ

 アコースティックギターの弾き語り、第一弾。
 これが彼本来の姿なのでしょうね。
 コードをかき鳴らしながら歌ったり、静かにBeatlesを口ずさんだり。
 静謐と時折の激情。緊張感も高い。
 かつての名曲名演の贅肉がそぎ落とされ本来の姿に。
 前半”Daina”、中盤”Serenade”、終盤”Waiting for Angela”の名作バラードの生々しさ。
 そして最後の”Durango Kid” の穏やかな寂寥感と前向きさ。
 夕暮れ時、遠い過去を想い出すような音。




posted by H.A.

【Disc Review】”Once I Loved” (1992) Toninho Horta

”Once I Loved” (1992) Toninho Horta
Toninho Horta (guitar, vocal)
Gary Peacock (bass) Billy Higgins (drum)

ワンス・アイ・ラヴド
トニーニョ オルタ




 Toninho Horta、ジャズの名手とのトリオ編成。選曲もジャズスタンダード中心。
 オーソドックスなアコースティックジャズ?と思いきや、これが一筋縄ではいかない内容。
 基本的にToninhoさんの中には素直な4ビートは流れていないんだろうなあ。
 4ビートは本作の一部のみ、他には過去〜現在の作品にも一度もなかったと思うし、純ジャズ系の人との共演もこれっきり?
 ボサノバアレンジはさておき、ストレートなジャズの演奏は、本作以外は知りません。
 さておき、やはり何をやっても自分の世界にしてしまうToninhoさん。
 “Stella by Starlight”も” My Funny Valentine”も、イントロの無伴奏ソロはもちろん、リズムが入っても、完全にToninho_Worid。
 百戦錬磨の名手二人もついていくのがやっとこさ・・・?な感じ。
 そして終盤のMilton Nascimentoナンバー”Tarde”のカッコよさ。
 やはり最高のスタイリスト。
 モダンジャズの、ではありません。



posted by H.A.

【Disc Review】“Moonstone” (1989) Toninho Horta

“Moonstone” (1989) Toninho Horta
Toninho Horta (Guitars, Vocals)
Eliane Elias (Piano) Onaje Allan Gumbs, Willa Bassen, Russell Ferrante (Keyboards, Synthesizer) Mark Egan, Steve Rodby, Luizão Maia (Bass) Danny Gottlieb, Paulinho Braga (Drums) Randy Brecker (Flugelhorn) Billy Drewes, Billy Egan (Sax) Rudi Berger (Violin) Armando Marçal, Robertinho Silva, Steve Thornton (Percussion) Boca Livre, Lourenco Baeta, Mauricio Maestro, José Renato, David Tygel (Vocal) Naná Vasconcelos (Percussion, Vocal) Pat Metheny (Guitar)

トニーニョ オルタ

 Toninho Horta、前作までの豪華路線から転換、MPBの色も薄くなり、ナチュラルなフュージョンに。
 スッキリとしたコンボ中心、時折ホーンやバイオリンが入る構成。
 とても聞きやすい爽やかなブラジリアン・フュージョン。
 一時期のPat Metheny Groupの雰囲気。
 Pat Methenyとは”Toninho Horta” (1980)で共演、Pat Metheny Groupにブラジル色が入ったのが“Offramp” (1981)。
 Pat Methenyが影響を受けた方なのでしょうかね。
 “Letter from Home” (1989) Pat Metheny Groupが同時期。
 そちらよりもさらに柔らかくて優し気、おまけにポップなイメージ。
 センチメンタルなメロディ、しなやかなリズム、柔らかで丸っこいクリーントーンのエレキギター。
 洗練された現代的、都会的なアレンジ。
 強烈な浮遊感と郷愁感。
 周囲の空気がふわっとして、柔らかくなる、そんな感じ。
 バックが厚くない分、そのニュアンスがキッチリと伝わってきます。
 楽曲はもちろんオリジナル。
 これまたいつもの柔らかなメロディ、郷愁感が滲み出る佳曲揃い。
 遠くを見ているような、過去を眺めているような空気感。
 当たり前のフュージョンとは一味違う、とても柔らかで奥が深い素晴らしい音楽。
 Toninho Horta、諸々のお好みはあれど、わかりやすさ、まとまり、洗練といった観点では、これが最高傑作でしょうね。
 フワフワしていて暖かで、柔らかで穏やかで、少々のちょっと哀愁があって、そこそこの興奮があって・・・
 とても素敵で最高に心地よい音、だと思います。




posted by H.A.

【Disc Review】”Diamond Land” (1988) Toninho Horta

”Diamond Land” (1988) Toninho Horta
Toninho Horta (Guitars, Synthesizer, Vocals)
Jim Beard, Hugo Fattoruso, Flávio Venturini, Helvius Vilela (Keyboards, Synthesizer)
Nico Assumpção, Jamil Joanes, Arthur Maia, Iuri Popoff (Bass) Kenwood Dennard, Teo Lima, Armando Marçal, Jose de Aguiar Ribeiro, Ronaldo, Robertinho Silva, Wanderley Silva (Drums, Percussion) Wayne Shorter, Carlos Watkins, Nivaldo Ornelas, Mauro Senise (Sax) Márcio Montarroyos (Flugelhorn, Trumpet) Paulo Guimarães (Flute) Felipe Doyle (English Horn) Joyce, Paula Morelenbaum, Nelson Ângelo, Quique Azambuja and others (Vocals)  Jaques Morelenbaum, Márcio Mallard (Cello) and strings and others

Diamond Land
Toninho Horta
Polygram Records

トニーニョ オルタ

 Toninho Horta、これまた豪華フュージョン作品。
 シンセなストリングスと分厚めの音。
 幾分スッキリとしてきてはいますが、まだまだあの時代の豪華なフュージョン、MPBの香りがプンプン。
 私的にはこの豪華で大仰な音よりも、ナチュラルな“Moonstone” (1989)の方が好みですが、キャッチーな演奏揃い、人気があるのも納得。
 Toninhoの柔らかなエレキギターもたっぷり聞けるし、Wayne ShorterやらJoyceやらの豪華客演もいいしね。
 それにしても毎度毎度の名曲揃い。
 冒頭の明るい”Diamond Land”もいいですが、ここではバラード”Waiting for Angela”が一押し。
 こんなにシンプルでさりげなくて、寂寥感が滲み出すようなメロディは希少。
 本人の聞き語りやJoyce、Flora Primなどがカバーしたバージョンも秀逸ですが、オリジナル?の本作、涼しげなエレキギターでのメロディライン、音数が絞られたインプロビゼーションが泣ける泣ける・・・




posted by H.A.

【Disc Review】”Toninho Horta” (1980) Toninho Horta

”Toninho Horta” (1980) Toninho Horta
Toninho Horta (Guitars, Synthesizer, Vocals)
Pat Metheny (Guitars) Luiz Avellar, Wagner Tiso, José Roberto Bertrami, Paulo Braga, Andre Dequech (Keyboards) Luís Alves, Jamil Joanes (Bass) Roberto Ribeiro, Roberto Silva (Drums, Percussion) Lena Horta, Paulo Guimarães (Flute) Raul de Souza (Trombone) Nivaldo Ornelas (Sax) Lô Borges (Vocal) and others
 
トニーニョ・オルタ
トニーニョ オルタ




 Toninho Horta、第二作、豪華MPB~フュージョン作品。
 オーケストラなどの分厚い音、後半は少し落ち着きますが、前半はあの時代のMPBの色合いが強い音作り。
 歌モノ中心ですが、加えて厚めの音を背景にしたテンションの高いインタープレーがカッコいい本作。
 後年、この種のエキサイティングな演奏はあまりやらなくなったし、ジャズっぽいサックスやギターソロもたっぷりと。
 一部の少々時代を感じるアレンジもお好み次第。
 曲は哀愁感が漂う、ふわっとしたいかにもToninhoのメロディ。
 強烈な演奏でもほのかな郷愁感。
 客演のPat Methenyも心地よさそうなインプロビゼーション。
 彼は”80/81”,”Offramp”(1981)を作っている頃?後のPat Metheny Groupに通じる演奏もそこかしこに。
 熱いToninho Horta・・・そうでもないか。
 彼自身はいつも通りですね・・・




posted by H.A.

【Disc Review】"Terra dos Pássaros" (1979) Toninho Horta

"Terra dos Pássaros" (1979) Toninho Horta
Toninho Horta (guitar, vocal, etc.)
Hugo Fattoruso, Wagner Tiso (keyboard) Novelli, Jamil Joanes, Luiz Alves, Ringo Thiellmann (bass) Airto Moreira, George Fattoruso, Laudir de Oliveira, Ze Eduardo Nazario, Robertinho Silva, Georgiana de Moraes (drums, percussion) Raul de Souza (trombone) Nivaldo Ornellas (sax) Mauro Senise, Lena Horta (flute) Boca Livre, Milton Nascimento (vocal)  and others

トニーニョ オルタ

 ブラジル、Minas系音楽の大御所Toninho Hortaのデビュー?アルバム。
 デビュー作から、あるいはデビュー作だから彼の名曲、代表曲のショーケース。
 全体の音の作りは当時のMilton Nascimento辺りのMPBに近いのでしょうか。豪華なストリングスなどを従えたドラマチックな構成。
 歪んだギターや強いリズム、シンセサイザー、大仰な編曲、などなど、後年のイメージからは少し距離がある音作り。
 ところが、ふわりとした彼の声やギターはここから現在までそのまま。
 また、哀愁、郷愁が漂う素敵なメロディがたくさん。
 “Ceu de Brasilia”とか“Serenade”とか“Daina”とか “Beijo Partido(Broken Kiss)”とか。
 とりわけ”Aquelas Coisas Todas(All Those Things)”。
 ジャズの人を含めてたくさんのカバーがあるこの曲、本アルバムのバージョン以上の演奏はないのかも。
 さりげない哀愁感、サンバのリズムの高揚感、これでもかと盛り上げるストリングス、ホーン陣。
 遠くから聞こえてくるような、漂うような揺れるようなスキャット。
 遠い過去、郷愁を想起させる素敵な曲。
 このアルバムはそんな素敵なメロディばかり。




posted by H.A.

【Disc Review】”Vira Vida” (2003) Nicola Stilo / Toninho Horta

”Vira Vida” (2003) Nicola Stilo / Toninho Horta
Nicola Stilo (flute, guitar) Toninho Horta (guitar, vocals)
Silvia Donati, Barbara Casini (vocals) Stefano Bollani (piano) Pietro Ciancaglini (bass) Roberto Gatto (drums) Alfredo Minotti, Stefano Rossini (percussion) Rita Marcotulli (piano) Stefano Di Battista (sax) Marco Rinalduzzi (guitar)

Vira Vida
Via Veneto Jazz
2009-04-26
トニーニョ オルタ





 とても素敵なブラジリアンジャズ。
 イタリアのフルーティストとToninho Hortaの共演盤。
 全体の空気を支配しているのはToninho Hortaか、というとそうでもありません。
 もちろんToninhoが全面にフィーチャーされているし、ふわりとしたその色も強いのだけども、ベースはいかにもイタリアンな洒落たジャズ。
 Toninhoのふわっとしたブラジリアンテイストと、小粋でこ洒落たイタリアンジャズのフュージョン。
 演奏はイタリアンジャズの手練れたち。ピアノがいいなあと思うとStefano Bollaniだったり、サックスのソロがカッコいいと思うとStefano Di Battistaだったり。
 著名曲はありませんが、イタリアンクラブジャズ系の香りも感じさせる今風、クールな佳曲揃い。 これならジャズファンも文句はないでしょう。
 とても柔らかくて洗練された心地よい音楽。




posted by H.A.

【Disc Review】“From Napoli to Belo Horizonte” (2010) Antonio Onorato / Toninho Horta

“From Napoli to Belo Horizonte” (2010) Antonio Onorato / Toninho Horta
Antonio Onorato (guitar) Toninho Horta (guitar, voice)

トニーニョ オルタ

 ブラジルの大御所ミュージシャンToninho Horta、イタリア人ギタリストとのDuo。
 とても静かで幸せな音空間。
 若干の効果音、笛的な音が加わりますが、基本的にはギター2本とToninhoの声。
 ギターはガットだったりエレキだったり。
 Antonio Onoratoについての詳細はわかりません。Pat MethenyをアイドルとするJazzの人かな?
 二人はよく似た音使い。ちょっとAntonio Onorato方がシャープ、よりPat Metheny的なのかな?ってぐらい、たぶん。
 ってことは最高の組み合わせ。
 曲は基本的にはバラード。それぞれのオリジナルが半々+α。
 Toninhoの曲はもちろん、全てが素晴らしい曲、ほのかな哀愁を湛えた素敵なメロディがばかり。
 静かな空気の中、ブラジル的な郷愁やら、イタリア的な哀愁やらが浮遊し交錯しながら、ゆったりと進む時間。
 時折クリーントーンのエレキギターの早いフレーズが心地よい風のように走り抜ける。
 極上の時間。




posted by H.A.
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