“Fiero.” (2017) Quinteto Bataraz
Lisandro Baum (piano) Pablo Farhat (violin) Matías Gobbo (bandoneon) Sebastián Henríquez (guitar) Carolina Cajal (contra-bass)
アルゼンチンのバンドQuinteto Bataraz、タンゴ、フォルクローレ、ジャズ、クラシックなど、さまざま要素が入り混じるアンサンブル。
いわゆるAstor Piazzollaキンテートの編成。
基本はタンゴなのだと思いますが、クラシック色、フォルクローレ色が入り混じるコンテンポラリージャズな感じ、でもジャズ的なビート感ではないので、さて、何でしょう・・・?
ってな感じのバランス。
現代タンゴのDiego Schissiの音楽に近いのかもしれませんが、もう少し柔らかい感じでしょうか。
複雑にビートを変えながらアップダウンする音の動き。
それでいて上品でつつましやかで淡々とした音の流れ。
Astor Piazzolla的展開、静かなジャズ、室内楽クラシック、もろ“展覧会の絵”のインタールード・・・、端正なピアノ、漂うバンドネオン、悲し気なバイオリン、クールなギター・・・
次々と風景が変わっていくような音の流れ、ピアノ、バイオリン、バンドネオン、ギターが代わる代わるフロントに立ち、他のメンバーがアンサンブルを加えつつ、音量と熱量が上がっていく構成はタンゴのそれ。
が、淡くてクールな感じのメロディ、演奏、計算しつくされたと思われるアンサンブルの中に時折現れるインプロビゼーションが現代な感じ。
Astor Piazzolla縁の音の現代版。
彼の音楽にさまざまな要素をフュージョンした、クールな現代の音。
ベタつかない感じ、また、明るくて軽快、前向きな感じが、とてもいい感じ。
こんな感じが現代アルゼンチンの若者のタンゴの色合いなのでしょうかね・・・?
中身もいいのですが、ジャケットがカッコいいなあ。
posted by H.A.