吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Soul

【Disc Review】“There Must Be a Better World Somewhere” (1981) B.B. King

“There Must Be a Better World Somewhere” (1981) B.B. King

B.B. King (Guitar, Vocals)
Dr. John (Keyboards) Wilbur Bascomb (Bass) Pretty Purdie (Drums)
Hugh McCracken (Rhythm Guitar)
Hank Crawford (Alto Sax) David "Fathead" Newman (Tenor Sax) Ronald Cuber (Baritone Sax) Tom Malone (Trombone) Waymon Reed, Charlie Miller (Trumpet)
Donny Gerrad, Carmen Twillie, Vennette Gloud (Background vocals)
 
There Must Be A Better World Somewhere
B.B. King
Beat Goes On
2002-04-08
B.B.キング

 B.B. King、Dr. Johnとのコラボレーション、ニューオリンズファンクな一作。
 Crusadersとの“Midnight Believer” (1978)、“Take It Home” (1979)と同じ路線かもしれませんが、よりジャジーな感じでしょうか。
 冒頭からリラックス度120%のジャズバラード。
 ニューオリンズファンクなバラードの方が正解なのかな?
 ゆるゆるのホーンに例の艶々なボイスとギター。
 気合が入ったボイスが聞こえても、ふにゃー・・・と全身から力が抜けていくような心地よさ。
 こりゃ最高。 
 以降はいかにもDr. Johnなアーシーでルーズな感じのファンクとジャズフュージョン的な音が交錯します。
 アメリカ南部の香りがたっぷりな音だったり、ニューヨークな音だったり。
 アーシーなようでなんとなくオシャレで洗練されている気もする不思議な音。
 1940-60年代っぽくもあるし、現代的でもあるし。
 人生の皺が刻まれたような大人の音。
 さすがB.B.、さすがDr. John。
 余裕度120%の緩さ加減。 
 こりゃカッコいいわ。
 
 


【Disc Review】“Midnight Believer” (1978), “Take It Home” (1979) B.B. King

“Midnight Believer” (1978) B.B. King

B.B. King (Guitar, Vocal, Piano)

Joe Sample (Keyboards) Wilton Felder (Bass, Saxophone) Robert "Pops" Popwell (Bass) Stix Hooper, James Gadson (Drums)

Roland Bautista, Dean Parks (Guitar)

George Bohannon, Dick Cary, Quitman Dennis, Chuck Findley, Gary Herbig, Steve Madaio, Kurt McGettrick, Eddie Miller, Abe Most, Ernie Watts (Horns, Reeds)

Julia Tillman Waters, Luther Waters, Oren Waters, Maxine Willard Waters (Vocals)

and Strings

Midnight Believer
B.B. King
Universal Mod Afw
1989-09-12
B.B.キング

“Take It Home” (1979) B.B. King
B.B. King (Guitar, Vocals)
Joe Sample (Keyboards) Wilton Felder (Bass, Saxophone)
Stix Hooper, James Gadson (Drums, Percussion) Paulinho Da Costa (Percussion)
Paul Jackson Jr., Dean Parks (Guitar)
Gary Grant, Kim Hutchcroft, Larry Williams, Quitman Dennis, Steve Madaio, Charles Fendley, Jack Redman, Jack Redmond (Horns, Reeds)
Julia Tillman Waters, ulia Tillman, Luther Waters, Oren Waters, Maxine Willard Waters (Vocals)
 
Take It Home
B.B. King
Mca
1998-04-21
B.B.キング

 B.B. King、Crusadersの面々と制作したサザンソウル~フュージョンな二作。
 とてもとてもアメリカンな音、ほどよくアーシーでほどよく洗練された、素晴らしいバランスの音。
 Joe Sample中心の楽曲に、Joe Sampleのアレンジ。
 ブルースファンからすれば洗練され過ぎていているのかもしれないし、ソウル、フュージョンファンからすればブルージーに過ぎるのかもしれませんが、私的には、あるいはジャズファンの立場としては、これぐらいがちょうどいい具合のフュージョン具合。
 グルーヴィーなビート、洗練されたエレピの上に乗ってくる、コテコテのブルースギターと張り詰めた艶やかなヴォイス。
 彩りを加えるホーンといかにもブラックアメリカンなコーラス陣。
 1970~1980年代のちょっとこじゃれたバーの空気感たっぷり。
 といってもこの先に流行るブリティッシュソウル~ファンク、フュージョン、“Night-Birds” (1982) Shakatak的でないことは当たり前としても、“Winelight” (1980) Grover Washington Jr. 的なオシャレさでもなくて、圧倒的に人間臭い音。
 どちらもほぼ同じメンツ、同じ企画、同じくソウル的な音ですが、オシャレで現代的な色合いが強いのが“Midnight Believer” (1978)、“Take It Home” (1979)はよりリラックスしてよりアーシー、ブルージーな感じでしょうか。
 最高のボーカリストB.B.KingがJoe Sampleのちょっとアーシーだけどオシャレなサウンドをバックにして歌い、終始これでもかこれでもかと鳴り響くブルージーなギター。
 もちろんブルースの香りが120%充満。
 カクテルやワインよりもバーボンがピッタリくる音。
 あの時代のアメリカにトリップできそうな素敵な音。



 
posted by H.A.


【Disc Review】“To Know Is To Love You” (1973) B.B. King

“To Know Is To Love You” (1973) B.B. King

B.B. King (Guitar, Vocals)

Dave Crawford, Stevie Wonder, Charles Mann (keyboards) Vince Montana (vibes) Norman Harris, Roland Chambers, Eli Tartarsky (guitar) Ronnie Baker (bass) Earl Young (drums) Larry Washington (conga) Wayne Jackson & The Memphis Horns (horns)
 

トゥ・ノウ・ユー・イズ・トゥ・ラヴ・ユー
B.B.キング
ユニバーサル ミュージック
2015-09-16


 突然B.B. King。

 ブルースではなくて、ソウルな一作。

 フィラデルフィアなのか、メンフィスなのか、シカゴなのか、デトロイトなのか・・・、そのあたりのソウル界の事情には明るくないのですが、とにもかくにも、とてもアメリカンな音。

 B.B. King、後にもCrusadersとの“Midnight Believer” (1978)などのソウルよりの作品がありますが、これの作品あたりがその端緒でしょうか?

 ボコボコしたあの時代のベースのサウンド、グルーヴィーにバウンドするビートにいなせなホーン。

 ちょっと切な気で懐かし気なメロディ。

 余裕たっぷりな空気感の中に響く、堂々とした、黒々としたボイス。
 最高のボーカリストB.B.Kingの本領発揮。 

 もちろんあのギターが鳴り響く時間はブルースの香りたっぷり。
 どんな音が背景であれ、全体の質感はブルースの神様B.B.Kingの色合い。 

 が、本作、なぜか夜の街やクラブの空気感ではなく、郊外の見晴らしのいいハイウェイな感じ。

 FRの大型セダンで余裕たっぷり、ゆったりとクルーズしている感じ。

 こりゃ気持ちいいや。

 タイトル曲はStevie Wonder。

  “Talking Book” (1972), “Innervisions” (1973)の時期、既にスーパースターの時期だったのでしょう。

 洗練されてキャッチーなStevie Wonderと重厚なB.B.King、イメージが合わない感じもしますが、合わせてみるとこれがバッチリ。

 グルーヴィー&ブルージー。

 さすがブラックアメリカンの神様たちの共演。

 その他含めてほどほどに作り込まれていいてゴージャスな感じがするのは、いかにも1970年の空気感。

 ちょっとノスタルジックないい感じの温かなムードに浸れる素敵な音。

 何となく春っぽくて、今の季節にいい感じ・・・かな?





posted by H.A.

【Disc Review】“Everything's Beautiful” (2015) Miles Davis & Robert Glasper

“Everything's Beautiful” (2015) Miles Davis & Robert Glasper
Robert Glasper (Piano, Keyboards, Percussion)
Danny Leznoff, Kyle Bolden, John Scofield (Guitar) Chris Rob (Electric Piano)
Derrick Hodge, Braylon Lacy, Burniss Earl Travis II (Bass)
DJ Spinna (Drum Programming) Rashad Smith, DJ Spinna (Percussion) Hiatus Kaiyote (Program, etc)
Bilal, Illa J, Bianca Rodriguez, Phonte, Nai Palm, Laura Mvula, Amber Strother, Anita Bias, Georgia Anne Muldrow, Ledisi, Chris Rob (Vocals) Erykah Badu (Vocals, Percussion)
Lakecia Benjamin (Alto, Tenor Sax) Stevie Wonder (Harmonica) Brandee Younger (Harp)
 
Everything's Beautiful
Miles Davis
Sony Legacy
2016-05-27
ロバード グラスパー

 Robert GlasperのMiles Davis曲集。
 Robert Glasper Experiment名義にはなっていませんが、”Black Radio” (2011)的なヒップホップ、ネオソウル作品。
 もっと柔らかくて淡い感じかもしれません。
 フワフワとしたエレピ、打ち込みっぽいドラム中心の音に、曲ごとにボーカリスト、ゲストが入れ替わるスタイル。
 若手、HipHop系の人については詳しくありませんが、ベテランのビッグネームとしてはErykah Badu、Stevie Wonder、John Scofield。
 ”Milestones”はさておき、エレクトリックMilesが好きな人にとっては、”Maiysha”、”Little Church”などのレアグルーヴがカバーされていたり、”Silence Is The Way”、 “Song for Selim”なんてタイトルの曲があったりすると、ジャズではないことはわかっていても、どうしても手が出てしまうところ。
 おまけに”Maiysha”をErykah Baduが歌うとなると・・・

 Milesのしゃがれ声のサンプリングをラップ風に、Joe Zawinulのエレピのサンプリングをループに仕立てた穏やかなグルーヴからスタート。
 そんな感じのマニアックでオシャレな遊び心が溢れた音作りが続きます。
 お目当てのErykah Baduの”Maiysha”も予想通りの音。
 とても優し気な素敵なメロディ、まさにレアグルーヴなのですが、この曲、本当に硬派で孤高のMilesが書いたのかなあ?と聞くたびにいつも思う、オシャレな曲。 
 柔らかなビートとフワフワとしたエレピに乗ったクールな歌声。
 ちょっと時代っぽいシンセの音にニヤリとしていると、続くのはホンモノのMilesのトランペットのサンプリング。
 これには思わず笑ってしまうというか、元ネタを知っている人は楽しくなってくる作り。
 さらにMiles とErykah BaduとのDuo状態。
 これは両方のファンからすれば、涙チョチョ切れな演出。
 プロモーションビデオもパロディ半分で楽しそうだし、元ネタと1970年代の時代感が見ても聞いても楽しくなってきます。
 「こんなバカなことに付き合わせやがって・・・」とErykah Baduさんが思ったかどうかはわかりませんが、感情が読み取れないクールな表情、いつも通りに据わった眼差しがなんともミステリアス。
 この約7分間だけでもう十分でしょう。
 気になる人は“Get Up with It” (May.1970-Oct.1974) Miles Davisを聞いてみましょう。
 元ネタは、オシャレなメロディの後にズルズルギター、さらにあのStuffのGordon Edwards風グルーヴ、その他諸々???、まさにレアなトラックです。 
 そういえばErykah Baduの以前のステージのオープニングは”So What”でしたね。

 さておき、他も含めてフワフワとしたエレピを中心とした穏やかな音を背景にして、いかにも今風のラップ、ネオソウル的な歌が乗ってくる構成。
 一部を除き、原曲の形はありません。 
 一部のドスが効いたラップには引いてしまいますが、サウンド自体は柔らかくて心地よい音。
 さらにそれに要所に元々の音源からのサンプリングが乗ってくる構成。
 それに気づいてニッコリするのはマニアだけの楽しみ。
 いかにもなラップの曲の中で、これ、どこかで・・・?”Blue in Green”のBill Evans?・・・とかが隠されていますので、探してみましょう。 
 これ、なんて曲のどこの部分だっけ?とか思い、クレジットを確認して、納得したり、忘れていたり・・・
  “Milestones”は妖しいコーラスが錯綜する8ビートに、鬼のようなアルバム”Live Evil” (Feb.Jun,Dec.19,1970) に収録されたオシャレなブラジリアンレアグルーヴの”Little Church”、“Song for Selim”は、さらにオシャレに、しかも妖しく仕上がっています。
 もちろんジャズっぽさはありません。
 Milesっぽくもありません。
 でも、これをジャズじゃないとか、Milesじゃないとかいうのは野暮ってもんでしょうねえ。
 Milesをネタにしてカッコいい音楽やってるねえ、オシャレじゃん・・・・・・が、Milesを聞いてきた人の大人な反応のように思います。私は。
 今の時代の「クール」な音はこんな感じなのでしょう。
 たぶん。




posted by H.A.

【Disc Review】“Sunflower Time” (1996) Anna Caram

“Sunflower Time” (1996) Anna Caram
Anna Caram (Vocal, Whistle, Tambourine)
Graham Harvey (Synthesizer, Electric Piano) Richard Cottle (Piano, Synthesizer, Organ) Claudio Tranjan (Synthesizer, Drum Programming) Pepe Cisneros (Piano) Mark Lanbert, Jean Paul 'Bluey' Maunick (Guitar) Arnie Somogyi, Celso Pixinga, Randy Hope Taylor (Bass) Maguinho Alcantara, Richard Bailey (Drums) Chacal (Percussion) Max Beesley Jr. (Percussion, Vibraphone) Ron Aslen (Programming) Nailor Proveta Azevedo (Sax) Edger Francis Jones (Sopranino, Sax) Francois Lima, Mauricio De Souza, Joseph De Jesus (Trombone) Walmir Gil, Byron Wallen (Trumpet) Carlinhos, Cidinha, Rita Kfouri (Vocals)

Sunflower Time
Anna Caram
Universal
アナ カラム


 ブラジルのボーカリストAnna CaramのMPB作品。
 ボサノバ中心にたくさんの作品がありますが、本作は現代ファンク~ソウル系のMPB。
 Incognitoが数曲に参加し、プロデュースにも入っていて、British Soul的なクールでオシャレなムードも漂っています。
 ビート感、とてもカッコいいベースライン、ホーンのアレンジなど、“Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognitoにも近い雰囲気。
 もちろん、ブラジルっぽい雰囲気はありますが、直接的なボッサのリズムはあまりなし。
 イマドキのクラブで何が流れているのか知りませんが、十分使えそうな(気のせい?)音作り。
 強烈なグルーヴ、ノリノリなうえに洗練されていてオシャレです。
 さらには少々実験的な音作り、デジタル系もいくらか導入されており、先端系で作ってみよう・・・なんて目論見だったのかもしれません。
 選曲はブラジル系、ポップスともベタベタ。
 “Agua De Beber”, “Mas Que Nada”, “Wave”, “Odara”, “Close To You”, “Overjoyed”・・・・・・
 これでアレンジもベタベタだと引いてしまいますが、斬新でひねったアレンジ、しかもオシャレでノリノリ。
 これはカッコいい。
 グラブ~ラウンジ的な“Agua De Beber”, “Mas Que Nada”、もろIncognitoな”Port Of Call”, ”Odara”などなど、ありそうでないカッコよさ。
 ボーカルは元々透明度高い系、可憐系でしょう。
 本作では背景に合わせて頑張ってる感じですが。
 これが世に出て早20年。
 さて、この音は今の耳で聞くと古いのでしょうか?
 私はとてもカッコいいと思うのですが。




posted by H.A.

【Disc Review】“Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognito

“Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognito
Bluey (Guitar, Keyboards) Randy Hope-Taylor (Bass) Andy Gangadeen (Drums) Richard Bull (Drums, Percussion, Keyboards, Guitar) Graham Harvey, Peter Hinds (Keyboards) Thomas Dyani-Akuru (Percussion) Patrick 'Bebop' Clahar (Saxophone) Fayyaz Virji (Trombone) Kevin Robinson (Trumpet, Flugelhorn) Maysa Leak (Vocals) and others



 懐かしのBritish Soul。
 ノリが良くてファンキー。
 でも、全体の空気はクールでオシャレ。
 とてもカッコいいギターのカッティング。
 シンプルながらものすごいベースライン。
 ブンブンうなりながらのグルーヴが最初から最後まで続きます。
 でも下品にはならない絶妙な音使い。
 さりげないタイミングで入ってくる、これまた絶妙なホーンアンサンブル。
 ベタつかない哀愁感の漂うメロディライン。
 軽さを押さえるちょっとコッテリ気味のボイス・・・・・・
 全編通じて、アメリカ系のソウル、フュージョンにはあまりない、軽快でスッキリした音作り。
 ノリノリなようで、穏やかにジワジワと、ヒタヒタと迫ってくるようなグルーヴ。
 それでいてしっとり感も十分。
 洗練の極みですねえ。
 聞き慣れたStevie Wonderナンバーまでもとても斬新に聞こえます。
 これは懐かしい・・・になってしまうのでしょうか?
 今の耳で聞いてもカッコいいなあ。
 最高のブリティッシュ・ファンク、ソウル、フュージョン、・・・だと思います。




.posted by H.A.

【Disc Review】“My Love” (1981) Salena Jones

“My Love” (1981) Salena Jones
Salena Jones (vocal)
Eric Gale (guitar) Cornell Dupree (guitar) Richard Tee (keybord) Gordon Edwards (bass) Steve Gadd (drum)

My Love
Salena Jones
Jvc / Xrcd
2003-05-27
サリナ ジョーンズ



 さらにもう少し前の懐かしいソウル系の音。
 さて、このアルバムを知ってて懐かしいと思う人はどのくらいいるのでしょうか。
 ジャズボーカリスト、サリナ・ジョーンズがあの時代のスーパーバンド、スタッフをバックに従えたジャズ~フュージョン~ソウル~ポップ仕立てのバラードアルバム。
 来日時に半ばやっつけで録音したのかもしれないけども(違ったら失礼!)、いい意味で肩の力が抜けた素晴らしい音。
 この時代のフュージョン、ともすれば豪華なホーンセクションやシンセサイザーが入って過剰にゴージャスなものが少なくないのだけども、このアルバムは至ってシンプル。
 自然なリズムと自然なアンサンブル、多くない音数、手練れた渋い演奏。贅肉はなし。
 フェイザーをたっぷり効かしたローズピアノ、渋いギター、不思議なグルーブのベース、タイトなドラムの完璧なバンド。その上にさらりとしたボーカル。
 選曲はポール・マッカートニーの表題曲をはじめとして、スタンダード、スティービー・ワンダー、渋いソウル曲などなど、ロマンチックなムードの佳曲揃い。
 さて、曲名だけ見るとベタベタで、これをフュージョンアレンジするとどうなんでしょ?、とも思ってしまいますが、どころがどっこい、飾り気のないシンプルなアレンジ、演奏が最高にいい感じ。
 スタッフのアルバムとしてみても、このアルバムがいい意味で一番緩く感じられ、一番好み。
 リチャード・ティーのふわふわしたローズの上でエリック・ゲイルの訥々とした激渋ギターが鳴ると胸がキュンとするのはあの時代を知っているからなのか、普遍的なものなのか?
 何はともあれ、とても緩やかで幸せな音。
 超名盤だと思うのだけどね。


※これはちょっとレアな映像・・・

posted by H.A.

【Disc Review】“Diamond Life” (1984) Sade

“Diamond Life” (1984) Sade
Sade Adu (voice)
Paul S. Denman (Bass) Dave Early, Paul Cooke (Drums) Andrew Hale (Keyboards) Dave Early, Martin Ditcham (Percussion) Stuart Matthewman (Saxophone, Guitar) Gordon Matthewman, Terry Bailey (Trumpet)

Diamond Life
Sade
Epic
2013-07-23
シャーデー

 懐かしいついでにこのアルバム。
 当時のイギリスの世相がどうだったかはわかりませんが、パンクのJamがオシャレなStyle Councilに変わっていったり、オシャレなフュージョンShakatakが流行ったりで、好況に向かっていたのかな?
 日本はバブルの入り口。
 ユーミン、山下達郎などのゴージャス系もさることながら、ちょっとマニアな男子の間ではこの手のちょっとオシャレで、ちょっと妖しげな雰囲気な音楽が流行っていたような。
 カセットテープにダビングして、カーステレオで。
 さて、Eryka Baduより10年以上前。
 近い音だったかな?と思いながらホントに久々に聞いてみました。
 Jazzyな質感、夜っぽい雰囲気、エキゾティシズムは通じますが、全体の感じは全く別物ですね。
 ちょっとオシャレで妖しげ、シャーマニックな感じも・・・と記憶していましたが、聞き直してみるとものすごくオシャレでポップ。
 でもSade Aduさんのスモーキーでディープなボイス、ゆったりとした立ち振る舞いは、Erykaさん同様、カリスマの雰囲気十分。
 自然に体が揺れる柔らかい軽めのグルーブ。
 シンプルだけど、かといって退屈なリズムでは無く、キツすぎず緩すぎないほどよい自然なノリ。
 ShakatakやIncognitoなどにも共通する英国系Funkのカッコよさ。
 あの時代の懐かしい音と言えばそうなのかもしれませんが、クールなグルーブ、哀感の強いメロディ、儚げなボイスがカッコいいことには変わりなし。
 今の若い人にはどう聞こえるんだろう???
 私は思い入れ先入観抜きで今の耳で聞いても、ものすごくカッコいいと思うのですが・・・

※Sade Aduさん、2:50ぐらいからお約束で突然踊り出す場面がとてもカッコいい。

posted by H.A.

【Disc Review】“Baduizm” (1997) Erykah Badu

“Baduizm” (1997) Erykah Badu
Erykah Badu (voice) and others

Baduizm
Erykah Badu
Umvd Labels
1997-02-11
エリカ バドゥ




 何故か突然、懐かしのNeo-Soul?のErykah Badu。
 バーで流れていて思い出しました。
 積極的にはフォローしていないのですが、Robert GlasperとかSergio Mendesとかといい感じでやってるのは知っていましたし、近年でもカリスマなのでしょう。
 さて、彼女のデビューアルバム、ものすごくカッコいい音楽。
 普段ジャズかブラジル系しか聞いていない私にとっても、この人は特別。
 Soul系、昔、OtisもMotownも好きだったし、Sadeとかもよく聞いたけど、それらと比べて何かしらものすごく進歩しているような、でも逆に懐かしいような不思議な質感。
 サポートはこれ以上シンプルにならないぐらいのエレピのトリオ+α。
 余分な贅肉、全くなし。
 むしろスカスカに感じるぐらいのシンプルさ。
 強烈なグルーブがあるわけでも、派手に盛り上げるわけでもない。
 でもそれがものすごくカッコいい。
 とにかくクール。
 静かな揺れのある音。
 基本は8ビート。他のアルバムではロックっぽい物や激しい系もあるけど、このアルバムではあくまで静かに、Jazzyでしっとり。
 その上にこれまたクールなボイス。
 叫ぶわけではなく、強い抑揚があるわけでなく、あくまで語るように。
 でも、これまたいい具合に静かに揺れ、うねる。
 とても優雅。
 凄い歌。
 オシャレでムーディーと聞けるかもしれないけども、シャーマニック。
 妖しいし、緊張感も強い。ある意味怖い。
 でもカッコいい。
 さりげなく凄い音楽、凄いボーカリスト。
 シンプルで、そこそこポップだけども、アートだなあ。

※さりげなく凄いステージ。怖い。ここまで来るとアーティストというより教祖様。
 そう言えばあのSadeも何気に素足だったなあ。


posted by H.A.
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