吉祥寺JazzSyndicate

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Savina_Yannatou

【Disc Review】“Songs of Thessaloniki” (2014) Savina Yannatou & Primavera En Salonico

“Songs of Thessaloniki” (2014) Savina Yannatou & Primavera En Salonico


Savina Yannatou (voice)
Kostas Vomvolos (qanun, accordion) Yannis Alexandris (oud, guitar) Kyriakos Gouventas (violin) Harris Lambrakis (nay) Michalis Siganidis (double bass) Kostas Theodorou (percussion)

Songs of Thessaloniki
Savina Yannatou & Primav
Ecm Records
2015-05-18


 ギリシャのボーカリストSavina Yannatouと地中海系伝統音楽バンドPrimavera En Salonico、ECMでは“Sumiglia” (2004)、“Songs of an Other” (2007)に続くアルバム。
 本作はギリシャの都市Thessalonikiにまつわる楽曲集。
 Thessalonikiはギリシャの北東部の港町。
 トルコ、東欧にも近くヨーロッパと中近東の結節点なのでしょう。
 ここまでの諸作と同様、諸々の民族感、歴史感、空気感が入り混じる、そんなサウンド。
 いつも通りに静かでゆったりした音の流れが中心。
 祈り系あり、祝祭系あり、呪術系あり、勇壮系あり、童謡系あり・・・そして全編を漂うそこはかとない哀感、やるせなさ。
 アコーディオンとバイオリンよりもウード、カヌーンといった中近東系楽器の音が目立つ印象、メロディも中近東寄りな感じがするのはThessalonikiの場所ゆえでしょうか。
 ヴォイスも裏声の時間が長くなったイメージ。
 ときおりのベースが目立つ場面のジャズなグルーヴがかろうじて現代に引き戻す・・・そんな感じ。
 どこか懐かしい感じがするのは、歴史の優しさゆえなのか、それとも哀しさゆえなのか?
 諸々あわせて強烈な非日常感。
 いにしえのエーゲ海へのトリップミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sumiglia” (2004) Savina Yannatou & Primavera En Salonico

“Sumiglia” (2004) Savina Yannatou & Primavera En Salonico


Savina Yannatou (voice)
Primavera en Salonico:
Kostas Vomvolos (accordion, qanun, kalimba) Yannis Alexandris (tamboura, oud, guitar) Michalis Siganidis (double-bass) Kyriakos Gouventas (violin, viola) Harris Lambrakis (ney) Kostas Theodorou (percussion)

Sumiglia
Universal Music LLC
2005-03-08


 ギリシャのボーカリストSavina Yannatou、ヨーロッパ~地中海の伝統音楽作品、ECMから。
 アコーディオンのトリオをベースにして、バイオリン他の弦、木管が絡み合う揺らぎの強いサウンド。
 少し陰のあるソプラノヴォイスはクラシック系の歌唱、裏表を駆使した変幻自在の表現力ですが、声を張り上げないサラリとした感じはポップス的、ジャズ的でもあるのでしょう。
 とても優し気ですが、呪術的でもあるミステリアスヴォイス。
 基本的には静かでゆったりした音。
 おそらくは中央アジア~中近東~東欧~ギリシャ~地中海の伝統音楽集。
 トルコ~中近東、アルメニア、ケルティッシュ、西欧的クラシック、教会系・・・その他諸々な感じが交錯します。
 楽曲ごとにイメージが異なる感じは、さまざまな地区の楽曲を集めてきているのだろうと思います。
 後の“Songs of an Other” (2007)、“Songs of Thessaloniki” (2014)と比べると、よりメロディアスでセンチメンタルな感じでしょうか。
 少し緊張感、非日常感が薄らぎ、静かで優しい印象が勝ります。
 哀しげな表情の漂うようなサウンドを中心として、祝祭的であったり、祈りのようであったり。
 遠い所を眺めているような、ささくれた気持ちをなだめてくれるような。そんなサウンド。
 とても優しく穏やかな魔術のような音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Terra Nostra” (2001) Savina Yannatou & Primavera En Salonico

“Terra Nostra” (2001) Savina Yannatou & Primavera En Salonico

Savina Yannatou (Voice, Vocals)

Lamia Bedioui (Voice) Tassos Misyrlis (Cello) Antonis Maratos (Percussion)

Primavera En Salonico:

Yannis Alexandris (Oud, Guitar, Tamboura) Kostas Vomvolos (Kanoun, Accordion, Caliba, Tamboura) Kyriakos Gouventas (Violin) Harris Lambrakis (Nay) Michalis Siganidis (Double-Bass) Lefteris Ahgouridakis (Percussion)

Terra Nostra
Savina Yannatou
Ecm Records
2003-03-25


 ギリシャのボーカリストSavina Yannatouと地中海伝統音楽バンド Primavera En Salonicoのライブ録音。
 別レーベルで制作、流通していた音源をECMで再発した形なのでしょう。
 ギリシャ、ブルガリア、スコットランド、イタリア、レバノン、トルコ、北アフリカ、フランス、カリブ・・・その他諸々の伝統曲、全20曲。
 全体を覆う中近東的な空気感、聞き慣れない音階と、弦を中心とした古楽器の響き。
 宗教系、祝祭系、勇壮系、その他諸々な質感の音。
 中核の変幻自在なヴォイスパフォーマンスを含めて、めまぐるしく景色が変わっていきます。
 過去の音楽の再現の部分と、現代の音の区別はつきません。
 弦の響きは遠い過去から聞こえてくるようだし、終始下を支えるベースは現代的なグルーヴと疾走のようにも聞こえるし、パーカッションはアフリカのようにも中近東のようにもインドのようにも聞こえるし、ヴォイスはクラシックにも演劇にも呪術にも叫びにも聞こえるし・・・
 決してキツイ音楽ではなく、むしろ懐かしくて優しい感じなのですが、強烈な非日常感とインパクト、圧倒的なパフォーマンス。
 古代南ヨーロッパ~中近東へのラウンドトリップ。
 次はECMらしく少し音量を落とした”Sumiglia” (2004)へと続きます。




posted by H.A.


【Disc Review】“Songs of an Other” (2007) Savina Yannatou, Primavera En Salonico

“Songs of an Other” (2007) Savina Yannatou, Primavera En Salonico
Savina Yannatou (Voice)
Kostas Theodorou, Michalis Siganidis (Double Bass) Kostas Vomvolos (Kanun, Accordion) Harris Lambrakis (Ney) Yannis Alexandris (Oud, Guitar) Kostas Theodorou (Percussion) Kyariakos Gouventas (Violin, Viola)

Songs of an Other (Ocrd)
Savina Yannatou
Ecm Records
2008-09-09


 ギリシャの女性ボーカリストSavina Yannatouの地中海エスニック~クラシックな音楽。
 正直、ギリシャ、地中海のエスニックな音がどんな音なのか、いつの時代の音楽をイメージしたのかはよくわかりません。
 また、Savina Yannatou自身がクラシックの人なのか、伝統音楽の人なのか、はたまたジャズ、ポップ畑の人なのか、あるいはこの音楽がギリシャ的なのかどうかもわかりません。
 “Siwan” (2007,2008),“Nahnou Houm” (2017) Jon Balke、"Arco Iris" (2010) Amina Alaouiなどの北アフリカ色、あるいはアラブ~中近東が混ざり合うような少々妖しげで悲しげな音の流れ。
 ギリシャといえばエーゲ海の陽光のイメージをしてしまうのですが、地理的にはトルコ~アラブ、あるいはアフリカ、そしてヨーロッパの結節点。
 実際はいろんな要素が入り混じる複雑な空気感の地域なのかもしれません。
 それらのエスニックな空気感にヨーロッパ的な優雅でクラシカルな空気感、宗教的な敬虔な空気感が加わった音。
 楽曲を見ると、ギリシャ、イタリアに加えて、セルビア、アルメニア、ブルガリア、カザフスタンなどの伝統曲。
 エスニックで耳慣れない弦と木管、アフリカンなパーカッションの響きと朗々としながらも悲しげな女性ボイスの絡み合い。
 静かながらハイテンションで非日常的なメロディと演奏。
 ときおりの演劇的なアヴァンギャルドなボイスパフォーマンスは、Maria Joao、Iva Bittováあたりを想い起こします。
 敬虔で少々深刻なムードは宗教的な意味合いもありそうですが、それらが祈祷、祝祭、儀式、その他、何の音楽なのかはわかりません。
 ちょっと怖いような、哀しいような、それでいて懐かしいような・・・
 いずれにしても現代日本の日常の中では感じることができない空気感。
 きっと古代~中世の地中海~北アフリカ~中近東のムードなのでしょう。
 強烈な非日常感を味わえるトリップミュージック。




posted by H.A.

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