吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Rosa_Passos

【Disc Review】“Recriação” (1979) Rosa Passos

“Recriação” (1979) Rosa Passos
Rosa Passos (vocal, guitar)
Jose Menezes (guitar) Gilson Peranzzetta (keyboards) Luizao (bass) Wilson das Neves (drums) Ubirajara (bandneon) Jorginho (Flute) Zdenek Svab (trompa) and others



 現代ボサノバ~MPB最高のボーカリストRosa Passosのデビュー作。たぶん。
 この後の作品は“Amorosa” (1988), “Curare” (1991)のようなので、かなり間が空いていて、私の知る限りの作品とはかなりイメージが異なります。
 ちょっと時代を感じさせるオーケストラ、シンセサイザー?も含めたアレンジ、ポップス仕立てな音作りが目立ちますかね。
 1970年代MPBな音作り、いろいろやってみました、ってな構成。
 何となく手練れた感じがしないボーカルは、瑞々しいといえばそうかもしれないし、素朴で可憐ともいえばそうかもしれません。
 別の言葉にすれば、洗練される前の音。
 現代的な音ではなく、1970年代を感じるちょっとノスタルジックな音。
 後にはあまりない?フェイザーがたっぷり聞いたローズがフワフワしていて、この人にピッタリな空気感。
 半数以上を占めるボッサなビートの曲は後の作品のムードなのですが・・・ 
 変わらないのは独特のボイスと共作によるオリジナル曲のメロディ。
 そこはかとない哀愁、郷愁が漂う、さり気ない音の流れ。
 沈んでいるようでそうでもない、普通なんだろうけども泣きだしそうにも聞こえる微妙なボイスはこの頃から。
 微妙に遅れがちで少々沈んだ感じの絶妙なギターはまだかな?・・・
 Joao Gilbertとこの人しか出せない(と思っている)空気感までもう少し。
 天才登場・・・ってな感じではないのかもしれませんが、悲し気なようでのほほんとしているムードは特別でしょう。
 などなど含めて、完成してくる前の、初々しい、とてもいい感じの音・・・だと思います。
 やはりこの人の音は和みますねえ。




 posted by H.A.

【Disc Review】“ao vivo” (2014) Rosa Passos

“ao vivo” (2014) Rosa Passos
Rosa Passos (vocal, guitar)
Lula Galvao (guitar) Jose Reinoso (piano) Paulo Paulelli (bass) Celso de Almeida (drums) 

Ao Vivo
Biscoito Fino
2016-05-13
ホーザ パッソス

 現代最高のボサノバ~MPBのボーカリストRosa Passos、2016年発表の最新作、ライブアルバム。
 サポートはいつものLula Galvaoのギターに加えて、ジャジーなピアノトリオ。
 集大成の意味合いもあるのでしょう.
 近年の作品のイメージ通りジャズのムードが濃厚な華やかな演奏から、少人数での静かな演奏まで。
 コンボもいいのですが、ここでも何曲かのギターとベースのみ、ピアノのみの少人数での伴奏の方が彼女ならではの凄みが一番出る演奏のように思います。
 “Rosa” (2006)、“Entre Amigos” (2003) のような沈んだ凄み。
 この人とJoao Gilbertoのみが出せるムードだと思っています。
 さておき、彼女はもちろん、バンド全員が手練れ。
 ピアノ、ギター、ベースのカッコよさが前面に出る場面も多々。
 静かなボサノバで始まり、間奏に入るとベースが動き出し、4ビートの強いグルーヴとエキサイティングなインプロビゼーション、間奏が終わるとまた静かな彼女の世界に戻る・・・ってなカッコいい編曲。
 楽曲は、いつものお気に入り、Gilberto Gil, Djavan, Jobimなどのブラジルの巨匠の名曲揃い。
 但し、有名曲ではなく隠れた名曲の渋い選択。
 いいメロディばかりですが、彼女のオリジナル曲がチョイスされていないのは少々残念なところではありますが・・・
 終盤に向けて盛り上がっていくライブ定番の構成、さりげない高揚感。
 普通に演奏しているようで、このバンドでしか聞けなさそうな上質なグルーヴ、そして全編を漂う穏やかな郷愁感。
 やはり集大成。
 彼女の作品にハズレなし。
 すべて名作。

※別のステージから。



 デビュー時の作品は聞けていませんが、初期は作り込まれたMPB。
 今風に洗練されたオーソドックスなボサノバ、さらにはファンクを経て、“Entre Amigos” (2003)あたりで音数が絞り込まれ、以降ジャズ色が強くなっている、といったイメージでしょうか?
 当時流行っていた録音やアレンジが自然な形に落ち着いただけで、実は全く変わっていないのかもしれません。
 ボーカルは初期から特別。
 少し遅れ気味のビート、沈んだムードの自身のギターも特別。
 個人的な好みは、それらの両方がたっぷり聞ける弾き語りの“Rosa” (2006)。
 コンボだとオリジナル曲が映える“Morada do Samba”(1999)ですかね。
 “Pano Pra Manga”(1996)もいいなあ。 
 いずれにしてもハズレなし、どれも名作のスーパーアーティストだと思います。

(1979) “Recriação”
(1988) “Amorosa”
(1991) “Curare
(1993) “Festa
(1996) “Pano Pra Manga
(1997) “Letra & Música - Ary Barroso” with Lula Galvao
(1998) “Canta Antonio Carlos Jobim
(1999) “Morada do Samba
(2000) “Rosa Passos Canta Caymmi
(2001) “Me and My Heart”  
(2002) “Azul” 
(2003) “Entre Amigos
(2004) “Amorosa
(2006) “Rosa
(2008) “Romance
(2011) “É Luxo Só
(2013) “Samba dobrado”
(2014) “ao vivo

 彼女のOfficial Web Site 

posted by H.A.

【Disc Review】“É Luxo Só” (2011) Rosa Passos

“É Luxo Só” (2011) Rosa Passos
Rosa Passos (vocals)
Lula Galvao (guitar) Jorge Helder (bass) Rafael Barata (drums, percussion)

ホーザパッソス

 Rosa Passos、サンバ~ボサノバの大歌手Elizete Cardosoに対するオマージュ作品。
 雑味なしのシンプルなギタートリオを背景に、慈しむような優しい歌。
 もう自分ではギターは弾かないのかもしれないし、作曲もしていないのかもしれないけども、名曲はたくさんあるし、声と歌は唯一無比の存在感。
 バラード中心のこのアルバム、心なしか少し力が抜けていつもよりウィスパー成分が強いかも。
 静かでスッキリしているサポートメンバーの音とのバランス、あるいは録音の妙なのかもしれないけども、優しい凄みのギター弾き語り“Rosa” (2006)、あるいは“Entre Amigos” (2003)に通じるイメージ。
 ジャズもいいけど、やはりRosa Passosには音数が少ない静かな背景が似合うなあ。
 静かでゆったりしたリズムに、囁くような優しく暖かいボイス、明るいながら哀愁を湛えたメロディ。
 そんな音が流れる時間、音空間。
 癒し度、最大級。
 最高の現代ボサノバ~MPB。

(※この投稿は2016/02/25から移動しました。)



posted by H.A.

【Disc Review】“Romance” (2008) Rosa Passos

“Romance” (2008) Rosa Passos
Rosa Passos (vocals)
Fabio Torres (piano) Paulo Paulelli (acoustic and electric bass) Celso de Almeida (drums) Daniel D'Alcantara (trumpet and flugelhorn) Lula Galvao (guitar) Vinicius Dorin (tenor, alto, and soprano sax, transverse flute) Nahor Gomes (flugelhorn)

Romance
Universal Music LLC
2008-07-15
ホーザパッソス

 Rosa Passos、神々しい弾き語り”Rosa" (2006)に続く、ジャズボッサコンボを従えた、ボサノバ、MPBのバラードを中心とした名曲集。
 Jobim, Ivan Lins, Dorival Caymmi, Djavan,Chico Buarque, ・・・・・・・
 これだけの巨匠の名曲からの選択、もちろん全曲ハズレなし。
 哀愁、郷愁が漂う素敵なメロディばかり。
 本人があのゆったりとしたギターを弾いていないことがとても残念ですが、サポートメンバーはみんないい音を出す人たち。
 ピアノはリリカルかつ只者ではない感が漂う素晴らしい演奏、さらにカッコいいクリーントーンのエレキギターが現代的なブラジル音楽っぽくていい感じ、ホーン陣も手練れた音。
 わずかに太くなったかな?と感じるRosaさんの声も落ち着いたいい感じ。
 弾き語りや音の間が大きい”Entre Amigos”(2003)などと比べると、凄みは薄れているのかもしれないけども、その分気楽に聞けるのでしょう。
 さりげなくて上質、Rosaさんの最もジャズに近い?アルバム。

(※この投稿は2016/02/25から移動しました。)



posted by H.A.

【Disc Review】 “Rosa” (2006) Rosa Passos

”Rosa" (2006) Rosa Passos
Rosa Passos(Vocal, Guitar)  

Rosa
Rosa Passos
Telarc
2006-04-25
ホーザ パッソス

 目下、私の知る限りのブラジル系のベストボーカリスト。
 かわいい系の声なのだけど実に深い。
 ボサノバ伝統のウイスパー系で、スカートをはいたJoao Gilbertoと呼ばれているらしいのだけど、わずかに強い押し。
 語尾に微妙なビブラートが掛かり、高い音では微妙に裏返り気味、鼻に抜け気味。
 湿っているような乾いているような、絶妙なバランスの発声。
 1曲目、そんな微妙な声で、いきなりアカペラが始まります。
 これにはドッキリ。
 さらに2曲目、Jobimの隠れた佳曲、ガットギター一本のバッキングで哀愁曲を囁きます。
 泣けてくるようなというような大げさな悲しみではなく、切ないもの悲しさが漂うメロディ。
 これが彼女の微妙な声と絶妙なバランス。
 そんな微妙で、絶妙、深い演奏が最後まで続きます。
 背景に何もない、無音の瞬間をたくさん感じられる、静謐で奥の深い音空間。
 有名曲やヒット曲が入っているわけではありませんが、どの曲も佳曲で彼女のために書かれたのでは、と思えるほどベストマッチな曲と声とギター。
 確かにJoao Gilberto的なのですが、女性だけにもっと優しく、同じぐらいに深い。
 最後まで同じ質感だけど、飽きてくる感じはしないのも不思議。
 じっくり聞いてしまうと何をしていても手が止まってしまいそう。
 気持ちが浄化されてくるような感覚も決して大げさではない。
 雰囲気は夕暮れ時。
 郷愁。

(※この投稿は2014/02/20から移動しました。)



posted by H.A.
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