吉祥寺JazzSyndicate

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Rock

【Disc Review】“Crossroads 2 (Live In The Seventies)” (1974-1978) Eric Clapton

“Crossroads 2 (Live In The Seventies)” (1974-1978) Eric Clapton

Eric Clapton (Guitar, Vocals)
George Terry, Graham Lyle, Carlos Santana (Guitar) Dick Sims (Keyboards) Carl Radle, Dave Markee (Bass) Henry Spinetti, Jamie Oldaker (Drums) Armando Peraza, Leon Chandler, Sergio Pastora (Percussion)
Marcy Levy (Harmonica, Vocals) Yvonne Elliman (Backing Vocals)

Crossroads 2: Live In The Seventies
Eric Clapton
Polydor / Umgd
1996-04-02


 Eric Clapton、1970年代のライブ録音集。
 "461 Ocean Boulevard" (1974), "There's One in Every Crowd" (1974,1975), “E. C. Was Here” (1974-1975), "No Reason to Cry" (1975, 1976), “Slowhand” (1977)あたり。
 ハードロックとは違う、後のAOR的ヒットメーカー時代とも違う、いわゆるレイドバックしたアメリカ南部風味たっぷりのロック、一番好きな時期。
 1996年頃リリースの未発表音源集ですが、ブートレッグではなく公式盤、音質も良好。
 たっぷりCD4枚組、楽曲の重複はなく、代表曲のベストテイク的な演奏を選んだのだろうと思います。
 “E. C. Was Here” (1974-1975)と同じ音源、"461 Ocean Boulevard" (1974)、“Slowhand” (1977)のデラックス版?に収められていたライブとの重複は3-4曲づつ。
 それらの方が同じステージの分だけにまとまっているのかもしれませんが、そのあたりはお好み次第。
 あるいは少し沈んだ感じもあるスタジオ録音よりも、ハイテンションでワイルドな感じ、ブルースもたっぷり。
 "There's One in Every Crowd"のゆるーい感じが一番好きだったジャズオヤジには少々キツめ、ロック色強かもしれませんが、その分ギターソロもたっぷり、もちろんスライドギターやオルガンが鳴って、Marcy Levy, Yvonne Ellimanの声が聞こえりゃ贅沢は言えませんか。
 一曲のみですがSantanaさんとのロックなバトルもご愛敬。
 生粋のアメリカンロックと比べると繊細な感じがするのは、ブリティッシュ故なのか、Ericさんだからなのか?
 いずれにしても、この種の音を聞くと1970年代にタイムスリップできるなあ。
 懐かしいような、面はゆいような、カッコいい音。




posted by H.A.

【Disc Review】“LIVE 1975” (1975) Jeff Beck

“LIVE 1975” (1975) Jeff Beck

Jeff Beck (Guitar)
Max Middleton (Keyboards) Wilber Bascomb (Bass) Bernard Purdie (Drums) 
John McLaughlin (Guitar)

Live 1975
Jeff Beck
Alive The Live
2019-11-30


 Jeff Beck、“Blow by Blow” (1975)発表後のライブ音源。
 こちらもブートレッグで出回っていたものなのでしょうか。
 中身はファンキーでソウルなフュージョンミュージック。
 “Blow by Blow”からベースとドラムが交代し、ハードで重めのビート。
 ギターもディストーションがしっかり効いた太くてド派手な音、音数もたっぷり、攻撃的。
 あの手この手を駆使した変わった音も使いながら、あちこちにぶっ飛んでいくフレーズ。
 どの曲もやたらド派手でドラマチック。
 洗練された“Blow by Blow”に対して、少々荒い録音も手伝ってワイルドでざらざらした質感。
 ロックです。
 “Blow by Blow”からの楽曲に加えて、“Superstition”、” Got The Feeling”の歌なしバージョンがあったり、メローだった“Definitely Maybe”、“'Cause We've Ended As Lovers”が攻撃的激情バラードになり、とびきりファンキーだった”You Know What I Mean”は何だかよくわからないひねくれた感じになってみたり。
 あのアドリブまで暗記してしまったあの曲この曲が、スタジオ録音のフレーズの断片を散りばめながら、テイストも少し変わって大音量で演奏されていく様には、何とも言えない感慨が。
 ボーナステイクではJohn McLaughlinが一曲に参加、さらに別ステージから“'Cause We've Ended As Lovers”, ”You Know What I Mean”を選んでもう一回、なんて涙ちょちょぎれ。
 さすが、わかっていらっしゃる。




posted by H.A.


【Disc Review】“Live On Air 1972 London & Bremen” (1972) Jeff Beck Group

“Live On Air 1972 London & Bremen” (1972) Jeff Beck Group

Jeff Beck (Guitar)
Max Middleton (Piano) Clive Chaman (Bass) Cozy Powell (Drums)
Bob Tench (Vocals)

Live On Air 1972 London & Bremen
The Jeff Beck Group
Alive The Live
2019-11-30


 Jeff Beck、いわゆる二期Jeff Beck Groupのライブ音源。
  “Jeff Beck Group” (1971)の発表の後のラジオ番組の音源のようです。
 ブートレッグで出回っていたものなのだと思いますが、リマスターされ再発。
 ファンキーでソウルなロック。
 黒っぽくてかつ繊細なボーカル、弾みまくるソウルなベース。
 スタジオ録音諸作よりもちょっとビートが重めで、ギターはド派手で攻撃的、全部合わせてハードな感じですかね。
 生の姿はやはりブリティッシュロックかあ・・・って感じもするのですが、エレピが聞こえてくるとちょっと軽快に、さらに沈んだムードになって、後の“Blow by Blow” (1975)に繋がっていく感じ。
 後のアシッドジャズやブリティッシュファンクにも繋がる、なんて強弁する気はありませんが、イギリスのソウル~ファンクってどこか繊細な感じがして、それがカッコいい。
 新作“Jeff Beck Group” (1971)の曲を中心に前作“Rough and Ready” (1971)からも何曲か。
 “Ice Cream Cakes”で始まり、涙ちょちょ切れ “Definitely Maybe”などなど、ボーナステイクで“Situation”、“Got the Feeling”・・・、なんと懐かしい。
 このバンドが長く続けばよかったのに、と思うのではありますが、ま、後にさらに軽快でファンキーな名作“Blow by Blow” (1975)があるので贅沢は言えませんか。




posted by H.A.

【Disc Review】“Stingray” (1976) Joe Cocker

“Stingray” (1976) Joe Cocker

Joe Cocker (vocals)
Richard Tee (keyboards) Eric Gale, Cornell Dupree, Eric Clapton, Albert Lee (guitar) Gordon Edwards (bass) Steve Gadd (drums, percussion) Felix "Flaco" Falcon (congas) Sam Rivers (soprano sax) Lani Groves, Phylliss Lindsey, Maxine Willard Waters, Deniece Williams, Patti Austin, Brenda White, Bonnie Bramlett, Gwen Guthrie (vocals)

Stingray
Joe Cocker
MUSIC ON CD
2016-01-15


 ロッカーJoe CockerとStuffの共演作。
 全編沈んだムードで渋さ全開、激渋ソウル。
 Stuffの面々だけでなく、Eric Clapton, Patti Austin, なぜかSam Riversなどのビッグネームも並び、Bob Dylan, Leon Russellといった有名曲が採り上げられていますが、とにもかくにも鬼のように激渋。
 ゆったりとしたビートに肩の力が抜けた空気感、シャウトしないしゃがれ声。
 あのRichard Teeのふわふわしたエレピが鳴っていますが、なぜかハッピーな感じにはならず、どこかうらぶれたようなムード。
 バーの片隅で下を向いてブツブツブツ・・・ってな感じ。
 他の諸作はシャウトとゴージャスなサウンドでお化粧していて、こちらが本当の姿なのかもしれませんねえ。
 それがJoeさんのカッコよさといえばその通り。
 一聴ではビックリするぐらい地味なのですが、はまるとこれが心地よくて病みつき。
 しみるねえ・・・ってな静かなアメリカンな男の演歌。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sticky Fingers” (1969,1970) The Rolling Stones

“Sticky Fingers” (1969,1970,1971) The Rolling Stones

Mick Jagger (vocal, guitars, percussion) Keith Richards (guitars, vocals)  Mick Taylor (guitars) Bill Wyman (bass, electric piano) Charlie Watts (drums)
Ry Cooder (guitar) Jim Dickinson, Nicky Hopkins, Jack Nitzsche, Jim Price, Ian Stewart (piano) Billy Preston (organ) Rocky Dijon, Jimmy Miller (percussion) Bobby Keys (tenor saxophone)

STICKY FINGERS-2009 RE
ROLLING STONES
Universal
2009-05-08


 泣く子も黙るRolling Stonesのエバーグリーン。
 ジャケットはAndy Warhol。
 1960年代を締めくくる、あるいは1970年代の始まりを告げるヒップな音。
 冒頭を飾る超超超超定番“Brown Sugar”から、これまたエバーグリーンが立ち並ぶ怒涛の楽曲群。
 ワイルドで粗っぽくて強烈なこの期のStones。
 どこを切り取ってもカッコよさ120%。
 たまにはこうゆうの、聞かないとね。




posted by H.A.


【Disc Review】“Love You Live” (1975,1976) The Rolling Stones

“Love You Live” (1975,1976) The Rolling Stones

Mick Jagger (vocals, guitar, harmonica) Keith Richards (guitars, vocals) Ronnie Wood (guitars, vocals, bass) Bill Wyman (bass guitar, synthesizer) Charlie Watts (drums)
Billy Preston (piano, organ, clavinet, vocals) Ian Stewart (piano, organ) Ollie Brown (percussion, vocals)

Love You Live (Reis)
Rolling Stones
Umvd Labels
2009-11-10


 泣く子も黙る、いや、踊り出す、Rolling Stones1970年代のライブ。
 ジャケットはAndy Warhol。
 中身についてはもはや説明無用、それは野暮。
 いなせな“Honky Tonk Women”から、カッコいいR&Bセッション、そして頭がクラクラしてくる“Symphaty For The Devil”まで、最高にカッコいいジャケットを眺めながら、大音量で聞くしかありませんねえ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Paris, Texas” (1985) Ry Cooder

“Paris, Texas” (1985) Ry Cooder
Ry Cooder, David Lindley, Jim Dickinson (Performer)



 Ry Cooderの映画音楽。
 もちろん全編で例のスライドギターが鳴っているのですが、いつもの諸作とはイメージが異なります。
 とても静かでゆったりとした音の流れ。
 寂し気で悲し気な音。
 スぺクタルでも、深刻な悲劇でもなさそうな、極めて日常的な何気ないやるせなさ。
 そんな空気感を醸し出す、遠くで響いているような、ギター+αの余白の多い、薄い音、少ない音数の空間。
 ソロ、少人数での演奏が中心ゆえの、定まるような定まらないような、漂うような音の流れ。
 いつもよりシンプルな構成の楽曲、コードの繰り返しゆえの穏やかな高揚感と陶酔感。
 ルーズでレイドバックして聞こえるはずのスライドギターが、寂し気に幻想的に弾きます。
 極めて何気ないのだけども、なぜか別世界へのトリップミュージック。
 とても素敵な音楽です。

 このアルバムがECM的だ、と強弁するつもりはありませんが、とても静かな“Silent Light” (2016) Dominic Millerを聞いてこのアルバム、その他Ry Cooder諸作をなぜか思い出してしまいました。
 きっとどこか繋がっているんでしょうね・・・?

 なお、映画『パリ、テキサス』(1984)を近年になってようやく観ましたが、予想の何倍も素晴らしい、この音楽そのもの、上記のコメントがそのまま当てはまる、素敵な作品でした。




posted by H.A.




【Disc Review】“Bop Till You Drop” (1979) Ry Cooder

“Bop Till You Drop” (1979) Ry Cooder
Ry Cooder (guitars, mandolin, vocals)
Ronnie Barron (organ, guitar, keyboards) Patrick Henderson (organ, keyboards) David Lindley (guitar, mandolin) Tim Drummond (bass) Milt Holland (percussion, drums) Jim Keltner (drums)
Bill Johnson, Herman E. Johnson, Jimmy Adams, Cliff Givens, Chaka Khan, Bobby King, Randy Lorenzo, George "Biggie" McFadden, Simon Pico Payne, Greg Prestopino (vocals)

Bop till you drop
Ry Cooder
Import
2000-01-01


 Ry Cooder、大名作“Paradise and Lunch” (1974)、“Chicken Skin Music” (1976)、“Jazz” (1978)に続くヒットアルバム。
 ポップス~AORなRy Cooder。
 ・・・っても、音が小綺麗に整理され、洗練され、上記の作品のルーズでレイドバックしたムードが薄くなっただけなのだと思うのですが、空気感が全く違って聞こえます。
 お洒落なTV-CMで使われて、大人気だったように記憶していますが、そんな音。
 ここまでの作品の埃っぽさが一掃され、あのギターも、何のことはないお兄さんが口ずさんでいるようなボーカルもシャープに響きます。
 もちろんアレンジも、楽器、コーラスのアンサンブルも完璧。
 透明度の高い録音、個々の楽器やボイスの粒立ちも完璧。
 何か特別なものが無くなってしまったようにも感じるのですが、そんなことはオヤジのたわごと。
 ジャケットのように、カウボーイスタイルからスーツに着替えたRy Cooder。
 とてもとてもいい感じのポップス~アメリカンロックポップス。
 “Lonesome CarBoy”ってな、音にピッタリなネーミングのカーオーディオのCMで流れていたと思っていたのだけども、それは別のアルバムからのようですね。
 いずれにしても、とても懐かしい素敵な音。




posted by H.A.

【Disc Review】“Showtime” (1977) Ry Cooder

“Showtime” (1977) Ry Cooder
Ry Cooder (guitars, voice)
Jesse Ponce (bajo sexton) Flaco Jiménez (Accordion) Henry Ojeda (bass) Isaac Garcia (drums)
Frank Villareal (alto sax) Terry Evans, Eldrige King, Bobby King (voice)

ショー・タイム(ライヴ)<紙ジャケット仕様>
ライ・クーダー
WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M)
2007-08-08


 Ry Cooder、大名作の二作“Chicken Skin Music”(1976)と“Jazz” (1978)の間のライブ録音。
 “Paradise and Lunch” (1974)、“Chicken Skin Music” (1976)的な音と、それまでのアルバムをミックスしたような、テックス・メックスとサザンロックが交錯するステージ。
 カントリーとソウルとブルースとニューオリンズファンクとメキシコ音楽、その他諸々がフュージョンする音。
 ライブということもあり、“Paradise and Lunch” (1974)のように、神がかった感じでいろんな楽器、何本ものギターが複雑に絡み合う感じではないのですが、その分シンプルでスッキリ。
 ギタートリオとボーカル、コーラスを中心として、アコーディオンやサックスその他が加わるシンプルな音作りは、諸作とはまた別種の優雅でのどかな音。
 まわりになーんにもないハイウエイにポツンとあるバーで、ワイワイやってるようなお気楽で楽し気な空気感。
 ちょっと前のアメリカ映画によく出てきた雰囲気ですねえ。
 元気で、明るくて、楽し気で、ゆるくて、少々の哀感。
 こりゃ気持ちいいや。




posted by H.A.


【Disc Review】“Paradise and Lunch” (1974) Ry Cooder

“Paradise and Lunch” (1974) Ry Cooder
Ry Cooder (guitars, mandolin, vocals)
Ronnie Barron (piano, organ) Russ Titelman, Chris Ethridge (electric bass) Red Callender, John Duke (bass) Milt Holland (drums, percussion) Jim Keltner (drums)
Plas Johnson (alto sax) Oscar Brashear (cornet)
Bobby King, Gene Mumford, Bill Johnson, George McCurn, Walter Cook, Richard Jones, Russ Titelman, Karl Russell (voices)
Earl Hines (piano)

Paradise and Lunch
Ry Cooder
Mobile Fidelity
2017-03-24


 夏の終わったころに聞きたくなる音、Ry Cooderの大傑作。
 アメリカンロックのベストアルバムは"No Reason to Cry" (1975, 1976) Eric Claptonだと勝手に思っているのですが、もっとアメリカ南部な感じなのはこちら。
 ま、Ericさんはイギリスの人ですし・・・
 ストレートなアメリカンロック色が強かったここまでの作品に対して、本作、あるいはこの前の”Boomer's Story” (1972)あたりから音が変わってきているようにように思います。
 ロックというよりも、ブルース、ソウル、ニューオリンズファンク、カントリー、アメリカ南部とメキシコが混ざり合う、いわゆるテックス・メックス、レイドバックしまくった音。
 音の密度と音圧が下がった感じで、ディストーションが掛かったギターもあまり出てきません。
 アメリカオンリーから、その周辺国の音へと広がっていく端緒でしょうか?
 ゆるーいようで完璧な組み立て。
 前後左右、いろんなところからいろんなギターやコーラスが飛び出してくる、とても素敵な音作り。
 小さな音で聞いているとサラリと流れてしまうのかもしれないけども、大きな音、あるいはヘッドホンで聞くと、気持ちよさ最高。
 計算づくでやったのか、自然体でこうなってしまうのか、完璧なアンサンブル。
 ジャズピアノやサックスなども入り乱れてジャジーなムードも醸し出しつつ、あの時代の大らかでのんびりしたアメリカ南部な空気感が最初から最後まで。
 ちょっとした埃っぽさも、それがいい感じですねえ。
 Eric ClaptonLittle FeatThe BandThe Allman Brothers Bandも神様のような人たちだけど、こんな感じのゆるくて心地よい演奏は少なかったと思うなあ・・・
 まさにParadise。
 次も大傑作“Chicken Skin Music” (1976)。
 この期のRy Cooderは最高。




posted by H.A.


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