吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Richard_Tee

【Disc Review】“Natural Ingredients” (1980) Richard Tee

“Natural Ingredients” (1980) Richard Tee 

Richard Tee (Keyboards, Vocals)
Eric Gale (Guitar, Bass) Matthew Bragg (Bass) Steve Gadd (Drums) Ralph MacDonald (Percussion)
Hugh McCracken (Harmonica) Tom Scott (Saxophone) Barry Rogers, Jon Faddis, Randy Brecker, Seldon Powell, Tom Scott (Horns) Lani Groves, Richard Tee, Ullanda McCullough, Valerie Simpson (Vocals) and Strings

ナチュラル・イングレディエンツ
リチャード・ティー
ビクターエンタテインメント
2002-08-21


 ソウルなピアニストRichard Teeのリーダー作。
 Stuff諸作はもちろん、あの時代のソウルやら、AORやら、“Winelight” (1980) Grover Washington Jr.やら、いろんなところで彼の音は聞こえているのですが、アルバム一枚全編そのまま、あの幸せな音が鳴り続ける一作。
 1970年代のソフトなソウルから洗練されたフュージョンミュージックへの移行、あるいはAORなんて言葉が定着した時期でしょうか。
 Stuffの渋さやら淡々としたところやらが薄くなって、全編ハッピーでおシャレなサウンド。
 フワフワとしたフェイザーたっぷり、たぷんたぷんなローズの音にくるまれた空間の中で鳴る訥々とした胸キュンギター、渋いボーカル、その他諸々のくすぐり合い。
 心地よさ最高。
 アコースティックピアノになると叩きまくれる鍵盤、ノリノリのグルーヴ。
 さらにご本人のボーカルは、ちょっとしたきっかけさえあれば、シンガーとしても大成したんじゃない?と思うぐらい、カッコよかったのですが・・・泣。
 フュージョン、ソフトソウル、AORの隠れ名作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Stuff” (1975-1976) Stuff

“Stuff” (1975-1976) Stuff

Gordon Edwards (Bass, percussion) Richard Tee (Hammond B-3 Organ, acoustic & electric piano) Cornell Dupree, Eric Gale (Acoustic & electric guitars) Chris Parker, Steve Gadd (Drums, percussion)

Stuff
Rhino/Warner Records
2010-04-07


 スーパーグループStuffのフュージョンというか、歌の無い1970年代ソウルというか。
 ブンブンボコボコなベースにタイトなドラム。
 Gordon Edwardsのジャストなのかズレているんだか、やっぱりキッチリ合っているブンブンボコボコがカッコいいなあ。
 Richard Teeのトレードマーク、フェイザーたっぷりのローズは楽園サウンド。
 そしてクククキュインとくる胸キュン(死語!)ギター。
 愛想があるような無いような、洗練されているような泥臭いような、ポップなようなマニアックなような・・・
 1960年代ソウルのザラザラした感じが時代に磨かれ、ツルツルになった感じ。
 が、極度にオシャレでもキャッチーでもないのは、なんだかんだで血沸き肉躍る系のブラックミュージックがベースに流れているのでしょう。
 これをもっともっとオシャレな方向に振ると“Winelight” (1980) Grover Washington Jr.、というか、この面々がいないとあんなにカッコよくはならなかったのでしょうねえ。
 それでも歌が欲しい向きには、隠れ名盤“My Love” (1981) Salena Jones, あるいはハッピーな“Natural Ingredients” (1980) Richard Tee、激渋な“Stingray” (1976) Joe Cockerあたりをどうぞ。 
 モダンジャズ、ロック時代を抜けた、1970年代の粋。




posted by H.A.


【Disc Review】“My Love” (1981) Salena Jones

“My Love” (1981) Salena Jones
Salena Jones (vocal)
Eric Gale (guitar) Cornell Dupree (guitar) Richard Tee (keybord) Gordon Edwards (bass) Steve Gadd (drum)

My Love
Salena Jones
Jvc / Xrcd
2003-05-27
サリナ ジョーンズ



 さらにもう少し前の懐かしいソウル系の音。
 さて、このアルバムを知ってて懐かしいと思う人はどのくらいいるのでしょうか。
 ジャズボーカリスト、サリナ・ジョーンズがあの時代のスーパーバンド、スタッフをバックに従えたジャズ~フュージョン~ソウル~ポップ仕立てのバラードアルバム。
 来日時に半ばやっつけで録音したのかもしれないけども(違ったら失礼!)、いい意味で肩の力が抜けた素晴らしい音。
 この時代のフュージョン、ともすれば豪華なホーンセクションやシンセサイザーが入って過剰にゴージャスなものが少なくないのだけども、このアルバムは至ってシンプル。
 自然なリズムと自然なアンサンブル、多くない音数、手練れた渋い演奏。贅肉はなし。
 フェイザーをたっぷり効かしたローズピアノ、渋いギター、不思議なグルーブのベース、タイトなドラムの完璧なバンド。その上にさらりとしたボーカル。
 選曲はポール・マッカートニーの表題曲をはじめとして、スタンダード、スティービー・ワンダー、渋いソウル曲などなど、ロマンチックなムードの佳曲揃い。
 さて、曲名だけ見るとベタベタで、これをフュージョンアレンジするとどうなんでしょ?、とも思ってしまいますが、どころがどっこい、飾り気のないシンプルなアレンジ、演奏が最高にいい感じ。
 スタッフのアルバムとしてみても、このアルバムがいい意味で一番緩く感じられ、一番好み。
 リチャード・ティーのふわふわしたローズの上でエリック・ゲイルの訥々とした激渋ギターが鳴ると胸がキュンとするのはあの時代を知っているからなのか、普遍的なものなのか?
 何はともあれ、とても緩やかで幸せな音。
 名盤だと思うのだけどね。



posted by H.A.
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