“Scattering Poems” (2001,2002) Julia Hülsmann Trio/Rebekka Bakken
Julia Hülsmann (Piano)
Marc Muellbauer (Bass) Heinrich Köbberling, Rainer Winch (Drums)
Rebekka Bakken (Vocals)
ドイツのピアニストJulia Hülsmann、ノルウェーのボーカリストを迎えたコンテンポラリージャズ作品。
Julia Hülsmann、今はECM所属ですが本作は同じくドイツのACTから。
後のECMでの諸作“The End Of A Summer” (Mar.2008)などでは抑制された穏やかなピアノ、ひねったコード展開の楽曲が特徴的なように思うのですが、ここでは躍動感が勝る演奏。
上品で流麗な感じはこのからの色合いですが、ジャンピーなナンバー、エキサイティング系のソロまでカッコよく決めています。
クラシックの香りと時折これまた上品にスケールアウトするヨーロピアンコンテンポラリージャズの教科書のようなピアノ。
強烈な癖が無い分、スムース、さらにはしなやかなグルーヴ感と疾走感。
考えてみれば完璧なピアニスト、欠点は癖や妖しさが無いことぐらい。
ボーカルのRebekka Bakkenはジャズっぽくありませんが、極めて透明度の高い声と、上品でサラリしているようで、強いビブラートのインパクトの強い歌。
さらに上品なグルーヴを出すドラム、ベースと相まって、とても洗練された明るいヨーロピアンジャズ。
楽曲はJulia Hülsmannのオリジナル曲が中心、後のひねった感じはあまりなく、キャッチーでポップささえも感じるメロディ、音作り。
基本的にはアコースティックなジャズですが、オーバーダビングされたコーラスの場面などとてもポップでいい感じ。
さわやかだし、グルーヴはあるし、明るいし、上品だし、とてもいい感じのヨーロピアンコンテンポラリージャズ、ボーカル作品。
この人、こっちのレーベルの方が合っていたんじゃないのかなあ・・・?
・・・と、思ったり、思わなかったり。
posted by H.A.