吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Rainer_Bruninghaus

【Disc Review】“Dresden” (2007) Jan Garbarek

“Dresden” (2007) Jan Garbarek
Jan Garbarek (tenor, soprano sax, selje flute)
Rainer Brüninghaus (piano, keyboards) Yuri Daniel (electric bass) Manu Katché (drums)

Dresden: In Concert (Ocrd)
Jan Garbarek
Ecm Records
2009-09-22
ヤン ガルバレク

 Jan Gabarek、当時のバンドの集大成的なライブアルバム。
 激しいジャズ、北欧民族系音楽などを経て、それらがフュージョンしたような、少し落ち着いた音楽を展開していた時期。
 音楽自体はいつものハイテンションなJan Garbarekの世界。
 サックスは相変わらずの触ると切れてしまいそうなとても厳しい音。
 一方、このバンドのポイントはドラムのManu Katcheの軽快な音。
 激しいサックスのテンションを、軽く響く乾いたスネアの音、ビートが緩やかに中和するイメージ。
 結果、かつての彼の音楽よりもマイルド、聞きやすくなっているように。
 さらにファンキーな色も出す、よく動くエレキベース。
 ピアノは透明度の高い美しい音、強烈な疾走感のRainer Brüninghaus。
 サックスが抜けた場面では違うバンドの様な印象。
 素晴らしいピアニストながら、素直なピアノトリオはやらない人だけに、その意味でも貴重。
 Jan Gabarekの書く曲はいつも緊張感が漂う深刻系。
 普通のジャズとはかなり距離のある冷たい質感。
 このアルバムでもそれは同じ。
 見えてくるのは北欧の凍てついた森。
 それでもこのアルバムではその冷たさが少し柔らいだように・・・
 いつものJan Garbarekなのに、何か新しい彼に出会ったような・・・
 まずまず和めるこの時期のJan Garbarek。




posted by H.A.

【Disc Review】 “Little Movements” (1980) Eberhard Weber

“Little Movements” (1980) Eberhard Weber
Eberhard Weber (bass)
Charlie Mariano (soprano saxophone, flute) Rainer Brüninghaus (piano, synthesizer) John Marshall (drums, percussion)

Little Moments
Eberhard Weber
Ecm Import

エバーハルト ウェーバー

 Eberhard Weber、1980年作。
 ほぼ同メンバーのワンホーンカルテットでの3作目、最終作。
 前作に比べて構成が複雑化。
 クラシカルな感じ、さらに緊張感、妖しさも増した感じ。
 いろいろな景色が次々と変わっていきます。
 そんな中を柔らかなベース、美しいピアノ、アグレッシブなサックスが絡み合い、そしてときおり電子音を交えつつの幻想的な演奏が並びます。
 複雑なゆえか、前作までに比べて少し翳りが感じられる質感。
 と思っていたら、最後に激しい前向き系のポップな曲が置かれていたり・・・
 なんだかんだで諸作と同様の色合いですが、全体を通じれば、少し明度が抑えられてしっとりした感じ、センチメンタル度も強。
 しなやかさはそのまま、より幻想的、かつドラマチック。
 いずれにしても、同カルテットの作品群、“Yellow Fields” (1975)、“Silent Feet” (1977)、本作、いずれ劣らぬ名作揃い。
 弾みまくるこの期のアメリカンなジャズフュージョンの代表選手Weather Reportに対して、柔らかでしなやか、上品な1970年代ヨーロピアンジャズフュージョンを代表する音。




これまた単独では廃盤、3枚セットの中の一枚。

Colours (Spkg)
Eberhard Weber
Ecm Records
2010-01-19





posted by H.A.

【Disc Review】“Silent Feet” (1977) Eberhard Weber

“Silent Feet” (1977) Eberhard Weber
Eberhard Weber (bass)
Rainer Brüninghaus (piano, synthesizer) Charlie Mariano (soprano saxophone, flutes) John Marshall (drums)

エバーハルト ウェーバー





 Eberhard Weber、1977年作。
 “Yellow Fields” (1975)に続く、サックス入りカルテット。
 穏やか、かつ、ほどよくエキサイティングなコンテンポラリージャズ。
 アメリカ系フュージョンのようにロック、ソウル色はなく、あくまでヨーロッパの香りがする柔らかいヨーロピアンフュージョン。
 かといってクラシック色が強いわけではもない、現代的で上品なサウンド。
 抜群の完成度。
 長尺な大曲ばかりですが、いずれも美しいメロディ、柔らかなリズムの名曲揃い。
 あくまで明るいのだけどもちょっとだけ怪しい、ドラマチックなのだけども深刻さは薄い微妙な雰囲気。
 Rainer Brüninghausのきらびやかでドラマチックなピアノ、リーダーの言わずもがなのスペーシーな音はいつも通り、Charlie Marianoのアグレッシブなサックスがカッコいい。
 全体を貫くあくまで上品なグルーブ感、時折現れる強烈なスピード感。
 これまた1970年代ヨーロピアンコンテンポラリージャズの代表作、でよろしいかと。 




これまた単独では廃盤でしょうか?これが一番人気なのでしょうかね。
今は素晴らしいアルバムが揃った3枚セット。

Colours (Spkg)
Eberhard Weber
Ecm Records
2010-01-19





posted by H.A.

【Disc Review】“The Following Morning” (1976) Eberhard Weber

“The Following Morning” (1976) Eberhard Weber
Eberhard Weber (bass)
Rainer Brüninghaus (piano) Members of Oslo Philharmonic Orchestra (celli, French horns, oboe)

Following Morning
Eberhard Weber
Ecm Import

エバーハルト ウェーバー




 Eberhard Weber、1976年作。
 本アルバムはドラムを排して全編漂うような質感の音楽。
 ベースとピアノのDuoを管楽器が優しく包み込む構成。
 ジャズと呼ぶにはあまりにも優しく柔らかく、クラシックと呼ぶにはあまりにもモダン、妖しくも少々ポップ。
 洗練されたフュージョンミュージック。
 空間を包み込むようなスペーシーな音。
 妖しく美しいメロディ満載。
 ひたすら心地よし。
 このあたりのEberhard Weber作品にハズレなし。
 居並ぶ名作群の中、静かな分だけ特別にカッコいい、かもしれません。




posted by H.A.

【Disc Review】“Yellow Fields” (1975) Eberhard Weber

“Yellow Fields” (1975) Eberhard Weber
Eberhard Weber (bass) Charlie Mariano (soprano saxophone, shenai, nagaswaram) Rainer Brüninghaus (keyboards) Jon Christensen (drums)

Yellow Fields
Universal Music LLC

エバーハルト ウェーバー





 Eberhard Weber、ECMでの第二作。
 “Silent Feet” (1977)、“Little Movements” (1980)と名作が続くバンドの初作。
 ベースとシンセサイザーのスペーシーな響きが彩る、柔らかなフュージョンミュージック。
 ゆったりとした幻想的な音。
 前作“The Colours Of Chloë” (1973)と比べると、ちょっとポップ色、あるいはフュージョン色が強くなった感じでしょうか。
 Rainer Brüninghausはピアノだけでなくシンセサイザーとエレピをたっぷり。
 あのCharlie Marianoがぶっ飛んだサックス。
 同世代のフュージョン、Weather Reportに近い感じもしますが、カチッとしたイメージ、あるいは弾むそちらに対して、とても柔らかく漂うようなEberhard Weber Band。
 さまざまな実験的な要素が組み込まれているのだと思いますが、気難しさはなく、わかりやすい音楽。
 が、21世紀に聞いても、あの時代のフュージョン・・・ってな感じは微塵もない、むしろ未来的なサウンド。
 柔らかなビート、空間を包み込むような響き、繰り返されるリフ。
 そして、そんな中をかっ飛んでいくアグレッシヴなサックス、ピアノ。
 陶酔へと誘うトリップミュージック。




 素敵なジャケットの原盤が廃盤なのは何ともさびしい。3枚セットでお得ではありますが。

Colours (Spkg)
Eberhard Weber
Ecm Records
2010-01-19





posted by H.A.

【Disc Review】“The Colours Of Chloë” (1973) Eberhard Weber

“The Colours Of Chloë” (1973) Eberhard Weber
Eberhard Weber (bass, cello, ocarina)
Rainer Brüninghaus (piano, synthesizer) Peter Giger (drums, percussion) Ralf Hübner (drums) Ack van Rooyen (fluegelhorn) Cellos of the Südfunk Symphony Orchestra Stuttgart

エバーハルト ウェーバー

 ヨーロピアンコンテンポラリージャズの雄、ドイツ人ベーシストEberhard Weber、ECM第一弾(?)。
 初っぱなからすごいアルバム。
 重厚なストリングスとスペーシーで饒舌なベース、キラキラとしたピアノ。
 柔らかなリズム。
 スローテンポでは漂うような浮遊感、アップテンポでは強烈なグルーヴ、その上を美しいピアノ、柔らかな音のベースが駆け巡る。
 こりゃ気持ちいいや。
 リーダーもさることながら、Rainer Brüninghausのピアノが只者ではない感120%。
 音やフレーズがキレイなことはもちろん、スローでは漂いつつも高速フレーズを連発、アップテンポでは突っ走る万華鏡のような演奏。
 おまけに上品で明るい質感。
 凄いピアニスト。
 アコースティック4ビートのジャズとは全く異なりますが、フュージョン、プログレッシブロックと言うには柔らかすぎる感じ。
 新しいタイプのジャズフュージョンだったんでしょう。
 後の”Watercolors” (1977)で共演するPat Methenyにも通じる音。
 楽曲は若干の妖しさを漂わせつつも、基本的には明るくて、ドラマチックな構成。
 さらにとても素敵なジャケット。
 全部含めて1970年代ヨーロピアンジャズフュージョンの代表作その1、でよろしいかと。




posted by H.A.

【Disc Review】“Continuum” (1983) Rainer Brüninghaus

“Continuum” (1983) Rainer Brüninghaus
Rainer Brüninghaus (piano, synthesizer)
Markus Stockhausen (trumpets, fluegelhorn) Fredy Studer (drums)

Continuum
Rainer Bruninghaus
Ecm Records
2001-02-27


 前作“Freigeweht” (1980)では宇宙的浮遊感の音楽だったRainer Brüninghaus。
 同じような編成ですが、本作の空気感は地上です。
 不思議なもので、ビートが微妙にはっきりしているから?
 構成が複雑だから?
 ピアノがはっきりとフィーチャーされているから?
 何故かはわかりませんが、これまた心地よい音楽であることは変わりません。
 緊張感があるけども、美しく優しいピアノ。
 浮遊感のある、しなやかな音楽。




posted by H.A.

【Disc Review】“Freigeweht” (1980) Rainer Brüninghaus

“Freigeweht” (1980) Rainer Brüninghaus
Rainer Brüninghaus (piano, synthesizer)
Kenny Wheeler (flugelhorn) Jon Christensen (drums) Brynjar Hoff (oboe, English horn)
 
Freigeweht
Rainer Bruninghaus
ECM Records
2000-04-04





 ベーシストEberhard WeberやサックスJan Garbarekの諸作品でカッコいいピアノを弾いていた人。
 ベースレス、ホーン入りの変則トリオ。
 近未来の香りとクラシックの香りが混在する、クールな質感のコンテンポラリージャズ。
 シンセサイザーが作る未来的、宇宙的空気の中を、ピアノ、ドラム、ホーンが泳ぐ。
 なるほど、ベースレスならではの浮遊感。
 あの凄いピアノを派手に弾く場面は少なく、ホーン、ドラムと均等なバランス。
 でも、やはりこの人のピアノは只者では無い。
 低速時のタメと、高速時の加速感のバランスがいいのでしょうか。
 クラシックの香りも併せて、上品かつ疾走感、情緒感のある演奏。
 サラリとしていて、ベタつかない美しさ。
 緊張感は低くないけども、厳しくはなく、あくまで優しいピアノ。
 サポートメンバーの好演奏も手伝って、終始、上品なグルーブ感、昂揚感がある音楽。
 スペースシャトル、もう一回地球を周回しましょうか、ってな感じの、静かで美しく平穏、だけども昂揚感、微妙な緊張感がある音。
 心地いいピアノ、心地いい音楽。


※ピアノだけでもカッコいい・・・

posted by H.A.
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