吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Pops

【Disc Review】“Everyday Everynight” (1978) Flora Purim

“Everyday Everynight” (1978) Flora Purim

Flora Purim (Vocals)
Michel Colombier (Electric Piano, Piano, Synthesizer) George Duke (Electric Piano, Vocals) Herbie Hancock (Piano, Electric Piano) David Foster (Piano) Michael Boddicker (Synthesizer)
Al Ciner, George Sopuch, Jay Graydon, Lee Ritenour (Guitar) Oscar Neves (Acoustic Guitar)
Alphonso Johnson, Byron Miller, Jaco Pastorius (Bass) 
Chester Thompson, Harvey Mason (Drums) Airto Moreira (Drums, Percussion) Laudir de Oliveira (Percussion)
David Sanborn, Michael Brecker (Saxophone) Raul De Souza (Trombone) Randy Brecker (Trumpet) 

エヴリデイ、エヴリナイト
フローラ・プリン
ビクターエンタテインメント



 Flora Purim、アメリカンソウルフュージョン~AORの色合いが強いアルバム。
 人気曲”Samba Michel”、Jaco Pastoriusの参加含めて、一番の人気アルバムなのだと思います。
 哀愁が漂うポップス然としたキャッチーなメロディに、キッチリとしたビート感と音作り。
 多くの楽曲を提供したMichel Colombierの色合いが強いのでしょう。
 徹底的洗練されているのですが、Flora Purimの作品としては違和感があるというか、何というか。
 捨て曲なしのキャッチーなメロディ。
 ファンキーながら洗練された完璧なアレンジ、スキのない演奏。
 時折のスキャットは相変わらずアバンギャルドだし、ブラジル風味も少々・・・
 でも、スキャットにしてもサンバにしても、アメリカンな音の流れに飲み込まれてしまって・・・気が付けばメローなソウル~AOR風コーラス。
 締めは泣きのバラードにDavid Sanbornの泣きのサックス・・・
 オシャレです。
 洗練の極みです。
 でもこのサウンドだと歌のアクの強さが前面に出てしまって・・・
 そう感じるのは、“Return to Forever” (Feb.1972)含めて、かつてのマニアックなジャズ、ジャジーMPBのFlora Purimファンゆえの悲しさなのでしょうか?
 うーん?
 アメリカンソウルフュージョン~AORとして名作であることは間違いありません。
 ジャケットもいかにもAORっぽくてとても素敵です。

 


posted by H.A.  


【Disc Review】“Nothing Will Be as It Was... Tomorrow” (1977) Flora Purim

“Nothing Will Be as It Was... Tomorrow” (1977) Flora Purim

Flora Purim (Vocals)
Larry Nash, Patrice Rushen, Hugo Fattoruso, Wagner Tiso, Dawili Gonga:George Duke (Keyboards)
Reggie Lucas, Jay Graydon, Al McKay, Toninho Horta (Guitar)
Byron Miller (Electric Bass) Ringo Thielmann (Bass)
George Fattoruso (Drums) Leon Ndugu Chancler (Drums, Tom Tom, Congas, Bongos, Bells) Dennis Moody, Eric McClinton, Greg Walker (Handclaps) Airto (Percussion)
Dorothy Ashby (Harp) Raul De Souza (Trombone) Ernie Watts, Fred Jackson (Reeds) George Bohanon, Oscar Brashear (Brass)
Ivory Stone, Julia Tillman Waters, Maxine Willard Waters, OPA, Josie James (Vocals)
 
ナッシング・ウィル・ビー・アズ・イット・ワズ...トゥモロウ+2
フローラ・プリン
ビクターエンタテインメント



 Flora Purim、AOR色が強い人気作“Everyday Everynight” (1978)の前のアルバム、本作もAORな音。
 George Dukeは引き続き参加していますが、長年サポートに入っていたAlphonso Johnson, Ron Carterが抜け、ブラジル系の人がサポート、加えてReggie Lucas, Jay Graydon, Al McKay, Toninho Horta, Ernie Watts, Fred Jacksonなどのちょっとレアな感じのメンバー。
 キャッチーなメロディに、シンセサイザーストリングスとファンキーなビート、コーラスとシンセサイザーが彩りを加える、いかにもこの時代のAOR、ソウル系。
 プロデューサーは一時Miles Davisハンド、Weather Report、SantanaのドラマーのLeon ChanclerとFlora夫妻。
 Milton Nasimentoナンバーなどブラジル曲も取り上げていますが、ここまでくると完全にアメリカンAORでしょう。
 Soft&Mellowというほどではないにせよ、そんな感じに近づいてきました。
 所々にかつての柔らかなブラジリアンフュージョン、強烈なファンクフュージョンの色合いがあったり、Floraさんもサイケに叫んだりはしていますが、洗練されたアメリカンフュージョン〜AORの色合いが勝ります。
 一曲にゲスト参加するToninho Hortaもブラジルっぽくは弾いていません。
 Wether ReportっぽさもReturn to Foreverっぽさも今は昔、この人の作品でよくあった何だこりゃ?の部分はなくなり、ポップな音のオンパレード。
 アメリカンに、オシャレになったFloraさんの一作。

 


posted by H.A.  


【Disc Review】“That's What She Said” (1976) Flora Purim

“That's What She Said” (1976) Flora Purim

Flora Purim (Vocals)
George Duke (Electric Piano) Hugo Fatuoroso, George Duke (Synthesizer)
Jay Graydon, David T. Walker (Guitar)
Alphonso Johnson, Byron Miller (Electric Bass)
Leon Ndugu Chancler (Drums) Airto (Percussion, Bongos, Congas)
Ernie Watts (Flute) Joe Henderson (Tenor Saxophone) George Bohanon (Trombone) Oscar Brashear (Trumpet)
 
THAT'S WHAT SHE SAID
FLORA PURIM
フローラ・プリム




 Flora Purim、強烈なファンクの“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)、ジャジーな“Encounter” (1976、1977)と同時期の録音。
 強烈なベースが目立つファンキーな作品。
 リリースは後の人気作“Everyday Everynight” (1978)と同時期のようです。
 制作、リリースの経緯についてはわかりませんが、同時期、参加メンバーも近い“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)、さらに“Encounter” (1976、1977)と合わせて三部作と捉えるのが適当なのかもしれません。
 強烈なファンクの“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)、
 ファンキーな本作“That's What She Said” (1976)、
 ジャジーな“Encounter” (1976、1977)、
といったところ。
 全編ノリのいいファンクですが、“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)のように終始ド派手に押し寄せてくる感じではなく、粘って跳ねるファンキーな音中心、少々軽快な感じ。
 ギターのカッティングと、タメと疾走が交錯するベースの絡み、数曲のホーンアンサンブルも含めてファンキーなソウルっぽさが濃厚。
 一方でパーカッションの薄さも含めて、ブラジル~ラテンの色は薄いかもしれません。
 楽曲はGeorge Duke中心、ブラジル系の楽曲はAirtoの一曲のみ。
 もちろんこの人のバンドならではの強烈なグルーヴ、疾走感は健在。
 ファンキーながらエキサイティングな演奏が並びます。
 激しいビートとホーン、スキャットボイスが絡みつつ、強烈な疾走感でドカーンと押し寄せてくる演奏も何曲か。
 それにしても、本作も凄いベースラインの連続。
 Wether Reportよりももっともっともっと激しいAlphonso Johnsonが聞ける作品。
 いつもサポートに入っているByron Millerも凄いベーシストだなあ。


 

posted by H.A.  


【Disc Review】“Encounter” (1976、1977) Flora Purim

“Encounter” (1976、1977) Flora Purim

Flora Purim (Vocals)
George Duke (Piano, Electric Piano, Synthesizer) Hermeto Pascoal (Electric Piano, Clavinet, Vocals) McCoy Tyner (Piano) Hugo Fattoruso (Synthesizer)
Alphonso Johnson, Byron Miller (Electric Bass) Ron Carter (Acoustic Bass)
Airto (Drums, Congas, Percussion) Leon Ndugu Chancler (Drums)
Joe Henderson (Tenor Saxophone) Raul De Souza (Trombone)
 
Encounter
Flora Purim
フローラ・プリム



 Flora Purim、どれだけ有名な作品なのかはわかりませんが、私的大名作。
 Chick CoreaもStaley Clarkも参加していませんが、“Return to Forever” (Feb.1972)、 “Light as a Feather” (Oct.1972)に続くReturn to Foreverの作品はこれ、ってな感じが似合うサウンド。
 それらに並ぶような・・・は少々大げさなのかもしれませんが、そんな大名作だと思います。

 この期のファンクな音は抑えられ、いかにもブラジリアンなとても柔らかでしなやかなビート、幻想的なムードとほどほどの洗練が絡み合うブラジリアンコンテンポラリージャズってな面持ち。 
 同時期のド強烈なファンクアルバム“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)、“That's What She Said” (1976)がGeorge Duke+Alphonso Johnsonの色合いだとすれば、こちらはHermeto Pascoal+Ron Carter。
 穏やかで柔らか。
 ジャズ、ファンク、ポップスのバランスの取れた前々作“Stories to Tell” (1974)よりもさらに穏やかなイメージ。
 ここまでの作品、質感に大きな幅はあれど、MPBにカテゴライズすると落ち着きそうな内容でしたが、本作は「コンテンポラリージャズ」の色合い。
 全編しっとりとしたイメージに加えて、4ビートの場面もしばしば、少しながら初期Return to Foreverのムードもあり、ジャジーなFlora Purimが戻ってきています。
 多くの楽曲を提供したブラジリアンHermeto Pascoal、さらにRon Carterの柔らかなベースの色合いが強いのでしょう。
 ファンクナンバー、サイケな色もありますが、それらもマイルドな質感。

 冒頭のChic Coreaの”Windows”から、柔らかなビート、サックスが醸し出すジャジーなムード。
 続くは、優しいHermeto Pascoalのブラジリアンメロディ、スキャットが交錯する幻想的なバラード。 
 さらに美しいエレピに導かれる漂うようなバラードから、高速な4ビートでのインプロビゼーション。
 Hermeto Pascoalのエレピのフワフワとした感じと、自身のいかにもブラジリアンな柔らかで切ないメロディの組み合わせは最高。
 さらにRon Carterはジャズっぽさ、柔らかさに加えて、Miles Davis黄金のクインテット時を想い起こさせる伸び縮みするビートもしばしば。 
 これだけ穏やかな音だと、さすがのFloraさんもあまり頻繁に奇声を上げることが出来なくて・・・
 それでも常時感じられる強烈なグルーヴは、ブラジリアンフュージョン最高のリズム隊ならでは、と言っておきましょう。
 4ビートかと思っていると思うとサンバになったり、その他諸々カッコいいビートの曲が並びます。
 
 LPレコードB面に移ると重厚なMcCoy Tynerのピアノとスキャットとの幻想的な絡み合い等々、素晴らしい演奏が続きます。
 時折の4ビート、さらにエレクトリックマイルス的な激しさと狂気が入り混じるような音。
 最後も漂うような定まりそうで定まらないルバート的な展開から、強烈なJoe Hendersonのサックスと幻想的なスキャットとの絡みで締め。

 Flora Purim の私的ベストを上げるとすれば、本作か、“Stories to Tell” (1974)。
 ジャズの人は本作、ファンクが好きな人は“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)、諸々のバランスが取れていて洗練されているのは“Stories to Tell” (1974)、洗練されたAORがよければ“Everyday Everynight” (1978)、といったところでしょうか。
 いずれにしても作品の色合いの幅が広い人ですが、柔らかな音、ジャズ寄りならば、本作で決まりでしょう。


 

posted by H.A.  


【Disc Review】“Open Your Eyes You Can Fly” (1976) Flora Purim

“Open Your Eyes You Can Fly” (1976) Flora Purim

Flora Purim (Vocals)
George Duke (Electric Piano, Synthesizer) Hermeto Pascoal (Electric Piano, Flute)
David Amaro (Acoustic, Electric Guitar) Egberto Gismonti (Acoustic Guitar)
Alphonso Johnson, Ron Carter (Bass) 
Leon Ndugu Chancler, Roberto Silva (Drums)
Airto Moreira, Roberto Silva (Percussion) Roberto Silva (Berimbau) Laudir de Oliveira (Congas)

Open Your Eyes You Can Fly
Flora Purim
フローラ・プリム


 Flora Purim、完成度の高い“Stories to Tell” (1974)から続くアルバム。
 激烈ファンク・・・と書いてしまうと違和感もあるのですが、そんな感じの音。
 ベースはWeather ReportのAlphonso Johnson中心。
 Weather Reportの時よりも激しい動き・・・というか、ここまでやらなくてもいいんじゃないの・・・というような凄まじい演奏。
 さらにドラムにSantana、Weather ReportのLeon Ndugu Chancler。
 名作“Tale Spinnin'” (1975) Weather Reportと同じコンビ。
 さらに、ぶ厚いパーカッションが鳴り響く、強烈なビート、ド派手なブラジリアンファンクフュージョン。
 楽曲はChic Coreaが三曲にHermeto Pascoal、オリジナル曲。
 “Return to Forever” (Feb.1972)から名曲”Sometime Ago”がカバーされています。
 それを含めて強烈なファンクモード。
 初期Return to Foreverの清廉なムード、ジャズの香りはすっかり無くなりました。
 中期Return to ForeverとWeather Reportが合体した音、とも言えなくもない、そんな質感。
 冒頭から激しいファンクビートとChick Coreaの書いたキャッチーでロックなメロディ、歪ませたキーボード。
 二曲目は優雅に始まりますが、ビートが入ると強烈な疾走感を伴う激しい音。
 そんな演奏が続きます。
 強力なパーカッションの響き、ラテン~ブラジルテイストが混ざる強烈なグルーヴと疾走感、強烈なインタープレー。
 混沌はありませんが、ベースが動きまくり、打楽器と多重録音されたスキャットボイス、その他が塊となって押し寄せ来るようなド迫力。
 ここまで激烈なジャズ系のボーカルアルバムってあったかなあ?
 それでいてロック系にはない、しなやかなグルーヴ感。
 それにしても変わった、というか、激しいなあ・・・
 Return to Foreverっぽい清廉なジャケットに騙されないで、いや騙されて聞いてみてください。
 私はぶっ飛びました。
 なお、同時期の録音として、ちょっと本作とは違った色合いのファンク“That's What She Said” (1976)、しっとりとジャジーな“Encounter” (1976、1977)があり、比べると面白かったりします。




posted by H.A.  


【Disc Review】“Mingus” (1978-1979) Joni Mitchell

“Mingus” (1978-1979) Joni Mitchell
Joni Mitchell (guitar, vocals)
Jaco Pastorius (bass) Wayne Shorter (soprano saxophone) Herbie Hancock (electric piano) Peter Erskine (drums) Don Alias (congas) Emil Richards (percussion)
 
ミンガス
ジョニ・ミッチェル
ワーナーミュージック・ジャパン
2013-07-24

 Joni Mitchell、大名作”Don Juan's Reckless Daughter” (1977)に続く、スーパーフュージョンミュージシャンを従えたCharles Mingusトリビュートアルバム。
 バンドの軸はもちろん Jaco Pastoriusですが、キーボードがJoe Zawinulに変わるとWeather Reportになってしまう凄いメンバー。
 “Mr. Gone” (May.1978)、“8:30” (Nov.1978-1979) Weather Reportと同時期ですので、ちょうどJaco、Weather Reportともに絶頂期。
 と、興味は尽きないのですが、もちろん内容はWeather Report的ではないJoni Mitchellの世界、ジャズ寄りの音。
 ”Don Juan's Reckless Daughte”と比べると、淡い色合いで、少しビート感が弱い感じもします。
 しっとりとした曲、ジャズ寄りの曲が中心で、あの恐ろしくカッコいいJoni MitchellのギターのカッティングとJaco Pastoriusのベースとの絡みの場面が短いから、さらにミキシングの違いなのかもしれません。
 その分、最高のジャズ、フュージョンバンドの最高の演奏がたっぷり聞けるので贅沢は言えません。
 Jaco Pastoriusはもちろん、Herbie HancockもWayne Shorterも説明無用のカッコいい演奏。 
 ちょっと普通の人とは違う音と存在感。 
 Mingus53歳の誕生祝いの音源から始まり、途中Mingusの肉声をはさみながら、Mingusの曲に歌詞を付けた演奏を中心にオリジナル曲を数曲、”Goodbye Pork Pie Hat” で締める泣かせる構成。
 発表以来概ね40年、フュージョン系のボーカルアルバムの最高峰は、いまだに”Don Juan's Reckless Daughte”と本作だと思っています。
 他に何かいいのがあったかなあ・・・と考えながら行きつくのはいつもこのシリーズ。
 早く新しい何かに出てきてほしいのだけど・・・
 この一連の作品、さらにPat Metheny、Lyle Mays、Michael Breckerまで迎えたライブ作品”Shadows and Light” (Sep.1979)へと続きます。




 
 posted by H.A.

【Disc Review】“Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognito

“Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognito
Bluey (Guitar, Keyboards) Randy Hope-Taylor (Bass) Andy Gangadeen (Drums) Richard Bull (Drums, Percussion, Keyboards, Guitar) Graham Harvey, Peter Hinds (Keyboards) Thomas Dyani-Akuru (Percussion) Patrick 'Bebop' Clahar (Saxophone) Fayyaz Virji (Trombone) Kevin Robinson (Trumpet, Flugelhorn) Maysa Leak (Vocals) and others



 懐かしのBritish Soul。
 ノリが良くてファンキー。
 でも、全体の空気はクールでオシャレ。
 とてもカッコいいギターのカッティング。
 シンプルながらものすごいベースライン。
 ブンブンうなりながらのグルーヴが最初から最後まで続きます。
 でも下品にはならない絶妙な音使い。
 さりげないタイミングで入ってくる、これまた絶妙なホーンアンサンブル。
 ベタつかない哀愁感の漂うメロディライン。
 軽さを押さえるちょっとコッテリ気味のボイス・・・・・・
 全編通じて、アメリカ系のソウル、フュージョンにはあまりない、軽快でスッキリした音作り。
 ノリノリなようで、穏やかにジワジワと、ヒタヒタと迫ってくるようなグルーヴ。
 それでいてしっとり感も十分。
 洗練の極みですねえ。
 聞き慣れたStevie Wonderナンバーまでもとても斬新に聞こえます。
 これは懐かしい・・・になってしまうのでしょうか?
 今の耳で聞いてもカッコいいなあ。
 最高のブリティッシュ・ファンク、ソウル、フュージョン、・・・だと思います。




.posted by H.A.

【Disc Review】“Jazz” (1978) Ry Cooder

“Jazz” (1978) Ry Cooder
Ry Cooder (guitar, dobro, vocals, mandolin, tiple, harp)
John Rodby, Earl Hines (piano) Barbara Starkey (pump organ) David Lindley (mandobanjo, mandolin) Tom Pedrini, Chuck Domanico, Chuck Berghofer (bass) Mark Stevens (drums) Harvey Pittel (alto sax, clarinet) Tom Collier (marimba, vibraphone) George Bohanon (baritone horn) Oscar Brashear (cornet) Stuart Brotman (cimbalom) Red Callender (tuba) David Sherr (bass clarinet) Randy Aldcroft (trombone) Pat Rizzo (alto sax) Mario Guarneri (cornet) Bill Hood (bass sax) Willie Schwartz (clarinet) Jimmy Adams, Cliff Givens, Bill Johnson, Simon Pico Payne (backing vocals)

Jazz
Ry Cooder
Imports
ライ・クーダー


 Ry Cooderのこれまたパラダイスミュージック。
 本作のテーマはジャズ。
 ジャズと言ってもモダンジャズではなく、オールドスタイル。
 1920年代?のコルネット奏者“Bix Beiderbecke”をメインテーマとした構成のようです。
 そんなノスタルジックな音。
 さらにオールドジャズだけでなく、テックス・メックスやら、ハワイやら、その他諸々の色合いも混ぜ合わせたような質感。
 本人は失敗作と思っているように聞いたことがあるけども、何でだろう?
 中途半端にノスタルジックに作りすぎたこと?
 きれいにまとめ過ぎたこと?
 もしそうだとしても、私からすれば大傑作、完璧な作品に聞こえます。
 たくさんのメンバーが参加していますが、分厚い音ではありません。
 むしろ薄めで涼しげ、あくまでスッキリとしたのどかな音。
 リズムもハイテンションな2ビート、4ビートではなくて、あくまでゆったり。
 とても優雅。
 ゆるゆるなようで、ちょっと洗練された感じ、締まった感じでしょうかね。
 中心楽器はアコースティックギター。
 ホーンのアンサンブル、ドブロ、ピアノ、ビブラフォンなどが彩を添える構成。
 ボーカル入りは数曲のみ。
 一曲一曲がコンパクトなので、次から次へと景色が変わって退屈なし。
 セピア色の心地よい時間。
 好みからすると、スラックキーギターがフィーチャーされてハワイ的なパラダイス感も強い“Chicken Skin Music” (1976)がいいような気もするし、インスト中心のこちらの方がいいような気もするし・・・
 ま、気分次第で・・・
 どちらも最高のパラダイスミュージック、だと思います。
 晩夏に似合うなあ。
 まだとても暑いけど・・・




posted by H.A.

【Disc Review】“Chicken Skin Music” (1976) Ry Cooder

“Chicken Skin Music” (1976) Ry Cooder
Ry Cooder (Bajo Sexto, mandola, bottleneck guitar, French accordion, electric guitar, slack-key guitar, tiple, Hawaiian guitar, vocals)
Red Callender (upright bass, tuba) Chris Ethridge, Henry Ojeda (bass) Atta Isaacs (slack-key, acoustic guitar) Gabby Pahinui (steel guitar, vocals) Hugo Gonzales (banjo) Russ Titelman (banjo, bass, vocals) Milt Holland (percussion, drums) Jim Keltner (drums) Flaco Jiménez (accordion) Oscar Brashear (cornet) Pat Rizzo (alto sax) Fred Jackson, Jr. (tenor sax) Benny Powell (trombone) Terry Evans, Cliff Givens, Laurence Fishburne, Herman E. Johnson, Bobby King (vocals)

Chicken Skin Music
Ry Cooder
Reprise / Wea
ライ・クーダー


 夏の終わりに似合いそうなこのアルバム。
 アメリカンロックのRy Cooder、テックス・メックス(テキサス系メキシコ系音楽?)とハワイ系音楽をフュージョンした作品・・・なのだと思います。
 私の想うパラダイスミュージックの代表選手。
 普段はジャズが南米系しか聞かないのですが、これ、あるいは“Jazz” (1978) Ry Cooderは、何年かに一度、思い出しては取り出して極楽気分に浸る・・・そんなアルバム。
 スラックキーギターにスライドギターにアコーディオン。
 メキシコなのか、アメリカ南部なのか、ハワイなのか、それらが交錯する不思議な質感。
 楽曲の出自には詳しくありませんが、どの曲もどの演奏もフワフワしていて心地よいこと、この上なし。
 ゆるゆるな音。
 聞いていると気持ちが弛緩して軽ーくなる、そんな感じ。
 脈略がなさそうな組み合わせが、なぜか最初から最後まで一貫した質感の音。
 あのソウルの名曲”Stand By Me”までがゆるくて、アコーディオンの響きが切なくて・・・
 ハワイ、あるいはアメリカ南部~メキシコあたりの人気が少ない田舎町ののほほんとした景色、ゆったりとした空気。
 全編、柔らかくて温い風が吹いてくるような音。
 とても穏やかで幸せ。
 ロック全盛期にこれをシレっとやってしまうRy Cooderのセンスに脱帽。

 この前後のRy Cooder作品はカッコいい作品ばかり。
 どれもアメリカ南部中心に、あちこちのエッセンスを加えてルーズなムード、ノスタルジックなムードがいい感じ。
 “Paradise And Lunch” (1974)、“Chicken Skin Music” (1976)、 “Jazz” (1978)、“Bop Till You Drop” (1979)・・・
 最後のアルバムが大ヒットして、その後はあまり聞かなくなったような記憶があります。
 ちょっと普通のポップス、ロック側に強く振れてきたからかな? なぜだかよく覚えていません。
 次にRyさんに再会するのは、おおよそ20年後、あの”Buena Vista Social Club”。
 とりあえず思い出したので全部聞いてみることにしましょう。
 どれもパラダイスだったような・・・




posted by H.A.

【Disc Review】“Supreme Collection” (2005-2014) Gretchen Parlato

“Supreme Collection” (2005-2014) Gretchen Parlato
Gretchen Parlato (vocal) and others
 

 ボーカリストGretchen Parlatoのオムニバス・アルバム。
 ウイスパー・ボイスと、ジャズ、ポップ、ブラジル、その他ものもろが混ざり合うクールな質感の今風のサウンド。声はもちろん、バックのサウンドも強烈な浮遊感の音空間。
 決してうるさくならないし、複雑なことをやっていてもわかりやすい。もの凄く高度、複雑怪奇っぽいことをさらっとやっている感じ。
 また、この人が歌うと多少メンバーや雰囲気が変わろうとも、あるいは人のアルバムであろうともこの人の世界。これだけ線の細いボイスなのに存在感は圧倒的。
 逆に線が細いからそうなのかな?思い入れ、思い込みを差し引いても、凄いボーカリストだなあ、と思います。
 さて、選曲、曲順は?
 ジャズ・ファンのサイドから見ると、へーこうなるんだ、といった内容。
 クラブ~ラウンジっぽいアレンジのポップ曲のカバーから始まり、ポップ寄りの曲が続き、中盤からはブラジル曲、スタンダード曲も交えつつジャズ、ボッサ色が強くなる編集。これが今の人、若い人たちにも受け入れらやすい音の優先順位なのかな?なるほどねえ。
 おっと、Nilson Mattaの”Valsa de Eurídice”が入っていないじゃん。
 ま、いずれにしても、新録音に勝るとも劣らない魅力のコンピレーション。お洒落なオシャレなカフェで流れていてピッタリの質感、BGMにしても決して会話や仕事の邪魔にならないさらっとした質感。でも中身は相当マニアック。落ち着いているようでリズムも結構強いしね。
 そんな音が私の近年のお気に入りの音なのでしょう。
 ジャズやらポップやらボッサやらアフリカやら、ざまざまテイストが入り混じる21世紀型のフュージョン・ミュージック、複雑で強烈だけどもあくまで軽快なリズム、熱くなっているようでどこか醒めた感じのクールな質感。
 私の思う21世紀型ジャズの典型のひとつ。

(※この投稿は2015/11/22から移動しました。)


posted by H.A.
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