吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Modern_Jazz

【Disc Review】“The Real Quiet Storm” (1995) James Carter

“The Real Quiet Storm” (1995) James Carter
James Carter (tenor, alto, baritone, soprano saxophone, bass flute, bass clarinet)
Craig Taborn (piano) Dave Holland, Jaribu Shahid (bass) Leon Parker, Tani Tabbal (drums)
 
Real Quietstorm
James Carter
Atlantic / Wea
1995-03-08
ジェームス カーター

 James Carterのアメリカでのデビュー作(?)。
 “JC on the Set” (1993)があまりにもカッコよかったので、否が応でも大期待して聞いたアルバム。
 タイトル、から“Lovers” (1988) David Murrayを超えるバラード集か・・・?
 が、ちょっと想像とは違っていました。
 意外にもオーソドックス。
 タイトルなどから想像されるバラード集ではなくて、アップテンポ、ミディアムテンポが半数ぐらいなのはこちらの勘違いですが、“JC on the Set”、 “Jurassic Classics” (1994)のようなぶっ飛んだ演奏はありません。
 各曲ともにコンパクトにスッキリとまとめられたジャズ。
 上記二作では少々ながらあった激しいフリーの時間もありません。
 このくらい普通の方が一般受けするんでしょうね。
 冒頭の"'Round Midnight"のバリトンサックスとピアノとのDuo、最後のバリトンとベースとのDuoなんて、身震いするような迫力。
 張り詰めて破裂しそうな音とビブラートのドスの効いた音と何の迷いも感じられない堂々としたフレージングなど、他の人には出せない音。
 ちょっと音を出すだけで周囲を威圧できる人はなかなかいません。
 ぶっ飛ぶJames Carterを知ってしまうと寂しい感じもしますが、David Murrayとは違って、バラード系ではそれはしない主義なのかもしれません。
 いずれにしてもスッキリしたオーソドックスなバンドサウンドのジャズ、サックスはちょっとすごい現代的なモダンジャズの一作。
 
 


posted by H.A.


【Disc Review】“JC on the Set” (1993)、“Jurassic Classics” (1994) James Carter

“JC on the Set” (1993)、“Jurassic Classics” (1994) James Carter
James Carter (tenor, alto, baritone saxophone)
Craig Taborn (piano) Jaribu Shahid (bass) Tani Tabbal (drums)
 
Jc on the Set
James Carter
Sony
1994-08-23
ジェームス カーター




Jurassic Classics
James Carter
Sony
1995-03-28


 ゴリゴリサックスJames Carterのデビュー作。たぶん。
 ぶっ飛んだ現代的モダンジャズ。
 確かJoshua Redmanと同じ時期に出てきたのだと思うのですが、当時からArchie Shepp、David Murray大好きな当方としては、James Carterの方が好み。
 というか、彼らに続く人がやっといたか・・・と思った記憶。
 ゴリゴリベース、ビシバシゴラム、ガンガンゴンゴンピアノ。
 そんな音を背景にして突っ走るサックス。
 Archie Sheppに似た感じの少し歪んだような、それでいてなぜかとてもキレイな音。
 艶やかさではDavid Murrayの方が勝るかもしれないけども、Ben Websterのサブトーンを大幅に減らして軽くしたような、これこそジャズのサックスな素晴らしい音。
 フリーキーな音も使いながらも、ビートやコード、ジャズの枠組みからは大きくは逸脱しない安心感。
 音がいいし、リズムへのノリは抜群だし、表現力は変幻自在。
 ヤクザな感じで上品さには欠けるのかもしれないけども、その方がジャズっぽくてカッコいい、というか、ジャズのサックスはこうでなくっちゃね。
 バンドが一体となってどこまでも突っ走っていくような心地よさ。
 アグレッシブで激しいけども、どこを切ってもジャズが好きで仕方ないことが伝わってくる音。
 ファンキーでブルージーなオリジナル曲に加えて、Don ByasにElligton、さらにSun Raなんて選曲はちょっとなかなか・・・
 これ以上やり過ぎるとモダンジャズの枠組みからは外れてしまいそうなギリギリのサジ加減。
 本作、最高の現代的モダンジャズだと思います。
 本作から二十余年、他にもっといいのあったかなあ・・・?

 同じメンバーでの一年後のセッション、続編“Jurassic Classics”はジャズ曲のカバー中心。
 耳に馴染んだ楽曲からすればモダンジャズ度はさらに高いのですが、演奏はぶっ飛んでいます。
 “Take the "A" Train”なんてもうグチャグチャ・・・というか、暴走列車。
 これでもかこれでもかの最高の疾走ジャズ。
 これがECM静音ジャズのCraig Taborn・・・?
 ビートやコードを崩すわけではないので、基本的には整った演奏なのですが、その制約の中でどこまで暴れることが出来るか限界に挑戦するようなインプロビゼーション。
 スタジオ録音ってな感じよりもライブそのままな感じ。
 疾走感、ハチャメチャ感は“JC on the Set”よりもこちらの方が上でしょう。
 もうこのくらいで勘弁してください・・・ってな感じ。
 これはちょっとやり過ぎでしょう・・・と眉を顰めるか、もっとイケーっとワクワクするかは人それぞれでしょう。
 私はもちろん後者のクチです。
 あの時代の音として片づけてしまうにはあまりにも素晴らしい、ハイテンションなぶっ飛び現代的モダンジャズ。
 こりゃ気持ちいいや。
 
 


posted by H.A.

【Disc Review】“Craig Taborn Trio” (1994) Craig Taborn

“Craig Taborn Trio” (1994) Craig Taborn
Craig Taborn (piano)
Jaribu Shahid (bass) Tani Tabbal (drums)
 
Craig Taborn Trio
Craig Taborn
Diw Records
1998-08-18
クレイグ・タボーン

 今や静謐なECMアーティストのCraig Tabornの初期作品、日本制作アルバム。
 “Jurassic Classics” (1994) James Carterの次日、サポートのピアノトリオそのままのセッション。
 “Avenging Angel” (2011)などの一連のECM作品とは全く別人としか思えない、現代的ぶっ飛びモダンジャズ+少々フリージャズ。
 久々に引っ張り出してきましたが、20年以上経過した今の耳で聞いても凄い演奏。
 確かに今のコンテンポラリージャズと比べるとビートもシンプルだし、モダンジャズの香りも濃厚、クールな感じもありません。
 が、その分凄い熱量。
 ゴリゴリベースとビシバシドラムが繰り出す強烈な推進力。
 その上を突っ走り、飛び跳ねるピアノ。
 ド迫力のピアノトリオ。 
 Herbie Hancockっぽい背景に、Monk的、Ellington的、Cecil Taylor的のエッセンスを散りばめたような感じ。
 さらに何かもう一歩二歩進んだような、しかも整った音。
 これでもかこれでもかとたたみかけてくるような激しさ、爽快感。
 “WOW”大西順子が1993年のリリースですか。
 なるほど、そんな時代だったようです。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Gentle Side Of John Coltrane” (1962-1965) John Coltrane

“The Gentle Side Of John Coltrane” (1962-1965) John Coltrane 
John Coltrane (Tenor Saxophone)
McCoy Tyner, Duke Ellington (Piano) Jimmy Garrison, Aaron Bell (Bass) Elvin Jones, Sam Woodyard, Roy Haynes (Drums)
Johnny Hartman (Vocals)
 
Gentle Side of John Coltrane by John Coltrane (2012-06-20)
John Coltrane
Universal Japan
ジョン・コルトレーン


 John Coltrane、Impulse時代のバラード集。
 春の清々しい時期にこの人のアルバムシリーズはミスマッチでしたが、これならいけるか? 
 ほとんどの人が納得しそうなベストな選曲。
 オムニバスは印象がバラけるので好んでは聞かないけども、これはいけます。
 全部テナーサックスなのもいいなあ。
 この人のバラード、「優しい系」、「ハードボイルド系」、「妖しい系」の三種でしょうか。
 「優しい系」の代表は“Ballads” (Dec.1961,Sep.1962,Nov.1962)。
 「ハードボイルド系」は“Crescent” (Apl.Jun.1964)。
 「妖しい系」は激しい系のアルバムの中にさり気なく置かれています。
 “A Love Supreme” (Dec.1964)の”Part 4: Psalm"や、本作では“Welcome”など。
 Sonny Rollinsあたりのバラードはマッチョな感じであくまで男性的ですが、対してColtraneの「優しい系」は女性的。
 高めの音を中心にスッと軽く吹くからでしょう。
 Johnny Hartmanとの競演なんてテナーではなく、まさにテノール(男性の声ですが・・・)の方が言葉としてはピッタリくるクルーナー同士の双子の兄弟のよう。
 トレードマークのシーツオブサウンドもバラードではなし。
 ビブラートもサブトーンもあまり使わず、あくまでスッキリした音。
 これがなんとも上品でカッコいいんだろうなあ。
 と思っていると、“Crescent”あたりになると「ハードボイルド系」。
 悲壮なムードも強くなり、音数も増えてくる感じ。
 それが力強さにもつながり、ダンディズムの極めつけのようなカッコよさ。
 さらにフリー期が近づくと、全編ルバートの「妖しい系」がちらほらと出てきます。
 ドラムとベースはフリー、ピアノがなんとかビートをキープしつつ、崩れそうで崩れないColtraneバンドにしかできないような全編ルバートのスローバラード。
 強烈な浮遊感、なんとも言い難い哀感の強い音。
 鬼気迫るような、胸に迫るような、とてつもなく素晴らしい音。
 全編ルバートのスローバラードの元祖はColtraneで、これがECM諸作で最近の作品までよく聞かれる音に繋がっている、って思っているのは少数派でしょうか?
 私の好みは「妖しい系」、“Welcome”。
 本アルバム「優しい系」が多めでその方が一般的な人気はあるんだろうけど、どうせなら「優しい系」を少々減らして、「ハードボイルド系」「妖しい系」を増やしてほしかったなあ。
 “The John Coltrane Quartet Plays” (Feb.May.1965)からこれまた全編ルバートの”Song of Praise”なんていいんですがね。冒頭のベースソロが長すぎますか・・・
 あるいは最終作“Expression” (Feb.Mar.1967)のタイトル曲とか、“Jupiter Variation” (Feb.2.1966)収録の” Peace on Earth”とか・・・ 
 さておき、Coltraneのバラード集、何種かあったように思いますが、「優しい系」「ハードボイルド系」「妖しい系」がバランスよく揃ったこのアルバムがベストな選曲でしょうね。

 “Soul Eyes”・・・ “Coltrane” (Apl.Jun.1962)
 “What's New”・・・ “Ballads” (Dec.1961,Sep.1962,Nov.1962)
 “Welcome”・・・ “Kulu Sé Mama” (Jun.Oct.1965)
 “Nancy”・・・ “Ballads” (Dec.1961,Sep.1962,Nov.1962)
 “My Little Brown Book” ・・・ “Duke Ellington & John Coltrane” (Sep.1962)
 “Wise One” ・・・ “Crescent” (Apl.Jun.1964)
 “Lush Life” ・・・ “John Coltrane and Johnny Hartman” (Mar.1963)
 “Alabama” ・・・ “Live at Birdland” (Oct.Nov.1963)
 “My One And Only Love” ・・・ “John Coltrane and Johnny Hartman” (Mar.1963)
 “After The Rain” ・・・ “Impressions” (Nov.1961,Sep.1962,Apl.1963)
 “In A Sentimental Mood” ・・・ “Duke Ellington & John Coltrane” (Sep.1962)
 “Dear Lord” ・・・ “Transition” (May.Jun.1965)
 “I Want To Talk About You” ・・・ “Live at Birdland” (Oct.Nov.1963)





 John Coltrane On Impulse+α。
 モードジャズと激烈フリージャズの二期に分かれそうです。
 好みはさておき、前者のピークはやはり“Live at Birdland” (Oct.Nov.1963)、“Crescent” (Apl.Jun.1964)、“A Love Supreme” (Dec.1964)の三作でしょうか。
 公式盤では“Ascension” (Jun.28.1965)以降が激烈フリー。
 が、その後にもお蔵入りしていた普通の激しいジャズの素晴らしい録音がいくつもあります。
 試行錯誤もあったのでしょうが、Pharoah Sandersの影響が大きかったのかなあ・・・が個人的な見解。 
 “Interstellar Space” (Feb.22.1967)あたりだといい感じで聞けるんだけど・・・ 
 Pharoah入り激烈フリー期を楽しんで聞けるようになればいいんだけども、まだ修行が足りません。
 私は。


※Coltrane逝去前に発表された公式アルバム。<>発表年。

●モードジャズ
※“Africa/Brass Vol.1,Vol.2” (May.Jun.1961)
※“Olé Coltrane” (May.1961)
※“Live! at the Village Vanguard” (Nov.1961)
※“Impressions” (Nov.1961,Sep.1962,Apl.1963)
※“Coltrane” (Apl.Jun.1962)

●バラード
※“Ballads” (Dec.1961,Sep.1962,Nov.1962)
※“Duke Ellington & John Coltrane” (Sep.1962)
※“John Coltrane and Johnny Hartman” (Mar.1963) 

●激しいモードジャズ
 “Newport '63” (Nov.1961,Jul.1963) <1993>
※“Live at Birdland” (Oct.Nov.1963)
※“Crescent” (Apl.Jun.1964)
※“A Love Supreme” (Dec.1964)
※“Live at the Half Note: One Down, One Up” (Mar.26.May.7.1965)
※“The John Coltrane Quartet Plays” (Feb.17-18, (Mar.28.),May.17.1965)
 “Transition” (May26.Jun.10.1965) <1970>
 “Living Space” (Jun.10,16.1965) <1998>
※“Ascension” (Jun.28.1965)
※“New Thing at Newport” (Jul.2,1965)
 “Sun Ship” (Aug.1965) <1971>
 “First Meditations” (Sep.2.1965) <1977>

●激烈フリー
 “Live in Seattle” (Sep.30.1965) <1971>
 “Om” (Oct.1.1965) <1968>
※“Kulu Sé Mama” (Jun.10.16,Oct.14.1965)
 “Selflessness: Featuring My Favorite Things” (Jul.1963,Oct.14.1965) <1969>
※“Meditations” (Nov.1965)
※“Live at the Village Vanguard Again!” (May.1966)
 “Live in Japan” (Jul.1966) <1973>
 “Offering: Live at Temple University” (Nov.1966) <2014>
 “Stellar Regions” (Feb.15.1967) <1995>
 “Jupiter Variation” (Feb.2.1966, Feb.22.1967, Mar.7.1967) <1978>
 “Interstellar Space” (Feb.22.1967) <1974>
 “Expression” (Feb.15,Mar.7.1967) <1967>
 “The Olatunji Concert: The Last Live Recording” (Apl.23.1967) <2001>

 
posted by H.A.


【Disc Review】“Selflessness: Featuring My Favorite Things” (Jul.1963,Oct.1965) John Coltrane

“Selflessness: Featuring My Favorite Things” (Jul.1963,Oct.1965) John Coltrane
<Jul.1963>
John Coltrane (tenor saxophone)
McCoy Tyner (piano) Jimmy Garrison (bass) Roy Haynes (drums)
<Oct.14.1965>
John Coltrane (tenor saxophone)
Pharoah Sanders (tenor saxophone) Donald Garrett (bass clarinet, double bass) McCoy Tyner (piano) Jimmy Garrison (bass) Elvin Jones, Frank Butler (drums) Juno Lewis (vocals, percussion)
 
Selflessness Featuring My Favorite Things
John Coltrane
Impulse Records
ジョン・コルトレーン


 John Coltrane、大人気の“My Favorite Things”バージョンを含むライブアルバム
 いろんなバージョンがありますがやはりこれがベストに異論ありません。
 よく言われるようにRoy Haynesの軽快なドラムが効いていて、重量級のメンバーの重量級の音をいい感じで緩和しているからでしょうかね。
 パタパタと断続的に鳴るスネアが心地よく聞こえます。
 Elvin Jonesだとちょっと重く、もっと激しくなって、Coltraneカルテットらしいのですが、これはお好み次第。
 激しさはほどほどの方が一般受けはする、といったところでしょうか。
 確かにいつもの演奏よりもベースがしっかり聞き取れるし、サックスのソロもスッキリした感じ、ひたすら続くピアノの同じリフが誘う陶酔感もこのバージョンが一番強いかもしれません。
 とても激しい演奏ですが、聞いていると心地よく眠れそう・・・
 “I Want to Talk About You”も決定的な“Live at Birdland” (Oct.Nov.1963)のバージョンに劣ることのない文句なしの名演。

 それらは安心して聞ける名演ですが、さらに興味深いのがOct.14.1965の激烈フリーの入り口の時期の演奏"Selflessness"。
 “First Meditations” (Sep.2.1965)は激烈ながら普通にジャズ、その同月末からの“Live in Seattle” (Sep.30.1965)、“Om” (Oct.1.1965)は激烈フリージャズ。
 そこを通過したタイミング、“Kulu Sé Mama” (Oct.14.1965)の同セッション。
 確かに“Kulu Sé Mama”していますが、それよりも穏やかなムード、心地よくバウンドする4ビートでよりジャズ的な雰囲気。
 サックスは激しく、途中からグシャグシャになり絶叫系の激烈フリーになりますが、その時間は長くなく、その後の軽快に疾走するMcCoy Tynerがカッコいい演奏。
 サックスが戻るとまた絶叫になりますが・・・
 混沌と調性のバランスが取れた結構な名演、“Kulu Sé Mama”のB面にカップリングして出せばよかったように思うのだけども、その期では没になったのは何故?が気になります。
 レコード会社としてはLP両面が激烈だと売れないと判断したのか、さて・・・?
 この演奏くらいの”一部”絶叫系激烈フリーなら楽に楽しめるんだけどなあ・・・




posted by H.A.



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