吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Modern_Jazz

【Disc Review】“Things Have Got to Change” (1971) Archie Shepp

“Things Have Got to Change” (1971) Archie Shepp 

Archie Shepp (tenor, soprano sax)
Dave Burrell (electric piano) Billy Butler, David Spinozza (guitar) Roland Wilson (electric bass) Beaver Harris (drums) Ollie Anderson, Hetty "Bunchy" Fox, Calo Scott, Juma Sultan (percussion)
James Spaulding (alto sax, piccolo) Roy Burrows, Ted Daniel (trumpet) Charles Greenlee, Grachan Moncur III (trombone) Howard Johnson (baritone sax)
Joe Lee Wilson, Anita Branham, Claudette Brown, Barbara Parsons, Ernestina Parsons, Jody Shayne, Anita Shepp, Johnny Shepp, Sharon Shepp (vocals)

変転の時
アーチー・シェップ
ユニバーサル ミュージック クラシック
2001-12-21


 Archie Shepp、1970年代初頭のぶっ飛んだファンクジャズ、というよりもアバンギャルドソウル、あるいはこの種もスピリチュアルジャズになるのでしょうか。
 さておき、冒頭のアカペラコーラスからおどろおどろしい感十分、ビートは徐々に強くなり、気がつけば分厚いホーンのアンサンブルとヴォイスの饗宴。
 LPレコード片面全一曲18分強、ひたすら一つのリフ。
 端正な4ビートなんてのは今は昔、重く激しいビートに魂の叫び系のヴォイス。
 強いメッセージが込められた、ただ事ではない緊張感。
 裏返して、短く優しいエレピの音とサックスのDuo、オアシス的なインタールドは束の間、さらにド激しい長尺ファンク。
 リフ一発、怒涛のパーカッションの中、狂気を纏ったバイオリン、ピッコロ、そしてコーラスがたっぷりフィーチャーされるアフロなファンク。
 陶酔感ってな言葉は生易しい、クラクラしてくる音の洪水。
 もちろんあの強烈なサックスがたっぷりフィーチャーされているのですが、周りの激しさに呑み込まれ、何処に行ったんでしょう・・・?ってな具合の激しさが最後まで続きます。
 怖いまでに押し寄せてくる音の洪水は、聞いてるだけでヘロヘロ、汗ダラダラ・・・
 このムードを引きずりつつ、洗練されたド激しいソウル"Attica Blues" (1972)へと続きます。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Way Ahead” (1968) Archie Shepp

“The Way Ahead” (1968) Archie Shepp

Archie Shepp (tenor sax) 
Walter Davis Jr., Dave Burrell (piano) Ron Carter, Walter Booker (bass) Roy Haynes, Beaver Harris (drums)
Charles Davis (baritone sax) Jimmy Owens (trumpet) Grachan Moncur III (trombone)

The Way Ahead
Universal Music LLC
2007-03-22


 Archie Shepp、1960年代末期、ぶっ飛んだジャズ。
 激しい系ジャズ“The Magic of Ju-Ju” (1967)と、激烈ファンクな“Things Have Got to Change” (1971)の間。
 楽曲はブルースに新主流派(懐かしい!)にフリーなオリジナル曲にEllington、各曲長尺な全四曲+ボーナストラック。
 ジャズの歴史をトレースするような選曲・・・ではありますが、演奏はぶっ飛んでいます。
 冒頭のスローブルースは、オーソドックスな演奏とブヒブヒグチョグチョなテナー。
 そこまではまだ普通、以降はあちこちに跳びまくるフリー混じりの先端系。
 離散的な曲、フリーな曲はもちろん、Ellingtonナンバーもメロディは見え隠れするものの、あっちに行ったりこっちに行ったり、変幻自在。
 ビートが定常な分だけクールにも感じられますが、フロント陣はぶっ飛んだりクダを巻いたり、やっぱり普通に吹いてみたり。
 ”Out To Lunch” (1964) Eric Dolphyの少し遅れてきたShepp版・・・ちょっと違うかな?
 重くて沈痛、あの時代のドロドロな感じがうかがえる濃い一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Magic of Ju-Ju” (1967) Archie Shepp

“The Magic of Ju-Ju” (1967) Archie Shepp

Archie Shepp (tenor sax)
Reggie Workman (bass) Norman Connors, Beaver Harris (drums) 
Frank Charles (talking drum) Dennis Charles (percussion) Ed Blackwell (rhythm logs) Martin Banks (trumpet, flugelhorn) Mike Zwerin (bass trombone, trombone)

ザ・マジック・オブ・ジュジュ
アーチー・シェップ
UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)
2008-11-25


 Archie Shepp、激しい系ジャズ。
 師匠John Coltraneが亡くなる少し前の録音。
 ジャケット、この時期のColtraneのイメージから考えると、凄まじい演奏を想像してしいます。
 アフリカンなパーカッションが怒涛のように鳴り響き、もちろんフリー混じり、武骨でとても激しい音です。
 が、常軌を逸した感じにはなりません。
 意外にも普通に聞けてしまうジャズ。
 ぶっ飛び、グシャグシャと崩れつつも、魂の叫び的にはならないArchie Sheppさんのサックス。
 ゴリゴリのジャズサックスながら、ブルース~R&Bの香りをたっぷり漂わせ、どこか醒めた感じ。
 同じ様にブヒブヒブギャーってやっても、師匠の鬼気迫る気高さに比べると、ちょっとヤクザでやさぐれた感じ。
 それがカッコいいんだろうなあ。
 怒涛の18分超、独壇場の “The Magic of Ju-Ju”が終わって複数の管が加わると、後は普通にジャズ。
 ピアノレスのクールな佇まい。
 ま、クールっても十二分に暑苦しいのではありますが・・・
 暑気払いの肝試しかサウナ効果があるかな?・・・さてどうでしょう?




posted by H.A.


【Disc Review】“Four for Trane” (1964) Archie Shepp

“Four for Trane” (1964) Archie Shepp

Archie Shepp (tenor sax)
Reggie Workman (double bass) Charles Moffett (drums)
Alan Shorter (flugelhorn) John Tchicai (alto sax) Roswell Rudd (trombone)

Four for Trane
Archie Shepp
Impulse
2000-07-04


 真夏の暑苦しいフリージャズシリーズ、Archie Shepp編。
 Archie Shepp、師匠に捧げた演奏集。
 ”A Love Supreme” (1964) John Coltrane の数カ月前の時期。
 Coltraneの楽曲中心ながら、そのオリジナルはもとより、”A Love Supreme” (1964)ともムードは異なります。
 むしろ、数カ月前の録音の“Out To Lunch” (1964) Eric Dolphyをオーソドックスにした感じでしょうか。
 ピアノレスならではのクールなムードに、あちこちに飛び散る素っ頓狂なホーン陣のアンサンブル。
 が、インプロビゼーションに突入すると端正な4ビートジャズ。
 黒々、ザラザラとした音、この人ならではテナーサックス。
 他のホーン陣もなんだかんだでオーソドックスなジャズ。
 なお、御大Miles Davis は”Miles in Berlin” (Sep.1964)の時期。
 そういえばこのバンドのビートも伸び縮みしているなあ・・・
 ぶっ飛びそうでぶっ飛ばない、危ういようでそうでもない、でもここまでとは何かが違う、そんな時代のそんな音。
 いろんな人がいろんなチャレンジをしている時期ですが、この期のぶっ飛び大賞は“Out To Lunch” (1964)でしょうかね、有名どころでは。
 いずれにしてもSheppさんのヤクザなテナーは、何をやってもカッコいい。




posted by H.A.



【Disc Review】“Pure Desmond” (1974) Paul Desmond

“Pure Desmond” (1974) Paul Desmond

Paul Desmond (alto saxophone)
Ed Bickert (guitar) Ron Carter (bass) Connie Kay (drums)

Pure Desmond
Paul Desmond
Sony Jazz
2003-09-15


 Paul Desmond、久々のギタートリオとの共演集。
 ギターはJim Hallではなくて、彼よりも少し粘りのあるフレージングのEd Bickert。
 かつてと同様にクールに刻まれるビートに優し気なアルトサックス。
 次々と演奏されるジャズスタンダード。
 が、時代は1970年代、録音を含めて少し質感は異なります。
 ベースが弾みながらぐんぐんとハンドを引っ張り、少し太くなったギターの音。
 アルトも少しきらびやかになり、その上でリバーブが増えた感じでしょうか。
 シンプルな1950-60年代型のモダンジャズの音からゴージャズなオーケストラ入りフュージョンを経て、落ち着いた1970年代型ジャズな音。
 これはこれでまた別の味わい。
 それでもやはり、アルトの音は全身が弛緩していくような素敵な響き。
 Paul Desmondに外れなし。




posted by H.A.


【Disc Review】“Skylark” (1973) Paul Desmond

“Skylark” (1973) Paul Desmond

Paul Desmond (alto saxophone)
Bob James (piano, electric piano) Gábor Szabó, Gene Bertoncini (guitar) George Ricci (cello) Ron Carter (bass) Jack DeJohnette (drums) Ralph MacDonald (percussion)

Skylark
Paul Desmond
Epic Europe
2003-10-28


 Paul Desmond、ジャズフュージョン寄りのコンボ作品。
 エレピの音が浮遊感を加え、エレキっぽいウッドベースがグルーヴを作り、ハイテンションなジャズドラム、ちょっとソウル、サイケが混ざるエレキギター。
 全部合わせて1970年代の音。
 何も変わらないのがアルトサックス。
 ベースがぐんぐん前に進もうが、ドラムが煽り立てようが、あくまでクールで優しい音。
 あるいは静々とガットギターで”禁じられた遊び”が奏でられようが、アルトが鳴ればあの時代のジャズ。
 さらにバックが煽れば1960年代のモードを経た1970年代のジャズフュージョンのハイテンションな音。
 エレクトリックMilesの影響がここまでも・・・なんて野暮ことが頭をよぎる場面も・・・
 “She Was Too Good to Me” (1974) Chet Bakerとも同じ時代かあ・・・
 背景の音は変われど、Chet BakerさんもここでのPaul Desmondも何も変わらないクールネス。
 大御大Milesさんとはまた違ったハードボイルドネスがカッコいいなあ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Bridge over Troubled Water” (1969) Paul Desmond

“Bridge over Troubled Water” (1969) Paul Desmond

Paul Desmond (alto saxophone)
Herbie Hancock (electric piano) Gene Bertoncini, Sam Brown (guitar) Ron Carter (double bass) Jerry Jemmott (Fender bass) Airto Moreira, Bill Lavorgna, João Palma (drums) and Orchestra

明日に架ける橋(紙ジャケット仕様)
ポール・デスモンド
ユニバーサル ミュージック クラシック
2005-12-14


 Paul Desmond、エレキサウンドを前に出したポップなジャズフュージョンな一作、Simon & Garfunkelの楽曲集。
 “Summertime” (1968)に続くアルバム、ボサノバの“From the Hot Afternoon” (1969)と同年の制作。
 企画自体はなんだかなあ・・・と思ってしまいますが、楽曲は折り紙付きの名曲揃いだし、気鋭のジャズメンを集め、豪華なホーンにストリングス。
 "El Condor Pasa" で幕を開け、"Mrs. Robinson","Scarborough Fair"を挿みつつ、 涙々の"Bridge over Troubled Water"で締める、絵にかいたようにコマーシャリズムに溢れた構成。
 それでも、Milesバンドを脱した頃であろうHerbie Hancockのエレピが浮遊感を醸し出し、Ron Carter含めたモダンジャズをはみ出した手練れな演奏のジャズにボサノバ。
 その上に乗ってくる、いつもながらにクールなアルト。
 1970年代の一歩手前、時代の波に乗ろうとするポップで洗練されたなサウンドと、優しく頑固なアルトサックス。
 ポップ寄りなサウンドですが、これはこれで結構かと。




posted by H.A.


【Disc Review】“Summertime” (1968) Paul Desmond

“Summertime” (1968) Paul Desmond

Paul Desmond (alto saxophone)
Herbie Hancock (piano) Jay Berliner, Joe Beck, Eumir Deodato, Bucky Pizzarelli (guitar) Frank Bruno, Ron Carter (bass) Leo Morris (drums)
Mike Mainieri (vibraphone) Joe Venuto (marimba) Jack Jennings, Airto Moreira (percussion)
Wayne Andre, Paul Faulise, Urbie Green, J. J. Johnson, Bill Watrous, Kai Winding (trombone) Burt Collins, John Eckert, Joe Shepley, Marvin Stamm (trumpet, flugelhorn) Ray Alonge, Jimmy Buffington, Tony Miranda (French horn) George Marge (flute, oboe) Bob Tricarico (flute, bassoon)


 Paul Desmond、ジャズオーケストラを従えたCTIでの制作、その第一弾。
 モダンジャズから一歩はみ出した旬な人たちを集めた豪華な編成。
 全体の音はハイテンションになり、ジャズの定番曲、得意のボサノバからBeatlesナンバーまで含めたポップな選曲、Don Sebesky仕切りのアレンジに、コンパクトに納められたCTIサウンド。
 が、ホーン陣の入り方はあくまで上品で控え目、うるさくなくてスッキリしたいつもの上品なPaul Desmondサウンド。
 Herbie Hancockのピアノがフューチャーされ、ギタートリオを背景にした諸作の少し沈んだ感じはなくなり、きらびやかにはなりました。
 それでも、アルトサックスの紡ぐ音は、何事もなかったようにいつも通りの優しくて穏やかな音。
 軽やかなサンバ”Samba With Some Barbecue”に、Don Sebeskyの"Olvidar"ときて、これやるの?な"Ob-La-Di, Ob-La-Da"と続き、後はジャズスタンダードやらボサノバやら。
 いろんな色合いですが、普通にメロディが吹かれるだけで優しく穏やかなPaul Desmondワールド。
 全部合わせてしっとりさはほどほど、軽快なPaul Desmondの一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Easy Living” (1963,1964,1965) Paul Desmond

“Easy Living” (1963,1964,1965) Paul Desmond

Paul Desmond (alto saxophone)
Jim Hall (guitar) Gene Cherico, Percy Heath, Eugene Wright (bass) Connie Kay (drums)

EASY LIVING
PAUL DESMOND
RCAVI
2016-07-22


 Paul Desmond、本作はジャズスタンダード集。
 人気作“Take Ten” (1963)、ジャズな“Glad To Be Unhappy” (1963-1964)、ボサノバの“Bossa Antigua” (1963-1964)と同時期。
 この期の定番、Jim Hall をはじめとするギタートリオを従えた静かで優しい音。
 冒頭の”When Joanna Loved Me”からトロトロ状態。
 これまた全身が弛緩するような柔らかで甘い音の流れ。
 ビートが上がっても、聞き飽きたスタンダードのメロディが流れても、何ら気をてらうことの無いオーソドックスな演奏でも、なぜか特別な柔らかな空気が静かに穏やかに流れていきます。
 優しいアルトの後は、これまた静かに、でも転げまわるようなギター。
 あくまで淡々とビート刻むベースとドラム。
 全部含めて少し沈んだ空気感。
 薄目の音の隙間に響く各楽器のエコーまでがカッコいいなあ。
 静かで落ち着いたジャズの時間。
 静かでオーソドックスなジャズだと、これか“Glad To Be Unhappy” (1963-1964)が古今東西のベストではないかな?




posted by H.A.


【Disc Review】“Take Ten” (1963) Paul Desmond

“Take Ten” (1963) Paul Desmond

Paul Desmond (alto saxophone)
Jim Hall (guitar) Gene Cherico, Eugene Wright (bass) Connie Kay (drums)

Take Ten
Paul Desmond
Colum
2010-07-16


 Paul Desmond の人気作。
 同時期の制作、同じメンバー、ボサノバの“Bossa Antigua” (1963-1964)、ジャズな“Glad To Be Unhappy” (1963-1964)を合わせた感じ。
 さらに変則ジャズを交えつつのPaul Desmondさんのショーケース的な構成。
 "Take Five”の変型版“Take Ten”で始まり、続くはラテンな“El Prince”、ジャズな “Alone Together”ときて、”Nancy “を挿みつつボサノバが続いて、最後はジャズ。
 何を演奏してもこの人しか吹けない優しいアルトサックスの音。
 その音が鳴った瞬間に、全身の力が抜けて、ふにゃーっと弛緩してしまうような心地よい空気が流れます。
 後ろは軽やかなリズムにとても涼し気なJim Hallのギター。
 とても優しい音ですが、クールで少し沈んだ感じがハードボイルドでカッコいい。
 この人のアルバムに外れなしですが、これが代表作に異論なし。




posted by H.A.


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