吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Modern_Jazz

【Disc Review】“City Of Dreams” (2019) Chico Pinheiro

“City Of Dreams” (2019) Chico Pinheiro

Chico Pinheiro (Guitars, Vocals)
Tiago Costa (Piano, Keyboards) Bruno Migotto (Bass) Edu Ribeiro (Drums) Chris Potter (Tenor Sax)

CITY OF DREAMS
CHICO PINHEIRO
Rip Curl Recordings
2020-07-24


 ブラジルのギタリストChico Pinheiroのコンテンポラリージャズ。
 リーダー作は共作では“Triz”(2012)André Mehmari, Chico Pinheiro, Sérgio Santos以来?、単独では“There's a Storm Inside” (2010)以来?でしょうか?
 サポートはファーストコールなブラジリアンピアノトリオに、数曲で大御所Chris Potterを加えたオーソドックスなジャズフォーマット。
 面々から予想される通りの今風コンテンポラリージャズ。
 奇数系のビートがちらほら、もちろんフワフワとしたブラジル風味も漂っていますが、都会的ニューヨーク的なムード。
 それっぽい複雑な動きのビート、メロディ、構成。
 テクニカルでメカニカル。
 が、奇をてらったところや実験色もない、いかにもこの人らしい音。
 そんな音を背景にして突っ走るクリーントーンのジャズギター。
 これでもかこれでもかと音数たっぷり。
 でもあくまで上品なジャズギター。
 ガットギターが鳴ってスキャットボイス乗ってくるブラジルっぽい幻想的な感じ、直球センチメンタルな場面もありますが、あくまでハイテンション。
 さらにChris Potterが入ってくるといかにもな超ハイテンションジャズになりますが、突っ走りつつもドカーン、グシャーンとはこない、あくまで抑制されたノーブルさ。
 同じような編成であっちの世界までぶっ飛んでいくPat MethenyKurt Rosenwinkelとはまた違ったカッコよさ。
 そんな感じと、微かなブラジル風味がほどよいバランスのコンテンポラリージャズ、とにもかくにも古今東西、疾走するジャズギターの心地よさ最高、ってな感じでよろしいのでは。




posted by H.A.


【Disc Review】“Remember: A Tribute to Wes Montgomery” (2006) Pat Martino

“Remember: A Tribute to Wes Montgomery” (2006) Pat Martino

Pat Martino (Guitar)
David Kikoski (Piano) John Patitucci (Bass) Scott Robinson (Drums) Daniel Sadownick (Percussion)



 Pat Martino、Wes Montgomeryへのオマージュ作品。
 ピアノトリオを迎えた正統ギターカルテットにパーカッションの編成。
 “Four On Six”, “Full House”, “Road Song”の名曲御三家はもちろん、“Groove Yard”, “Twisted Blues”などのブルース、Milt Jackson絡みの“Heartstrings”, “S.K.J.”から、 バラード“If I Should Lose You”まで、所縁の人気曲の選曲。
 絵にかいたような企画ですが仕方ありません。
 演奏もいたってオーソドックス。
 手練れのメンバーも奇をてらったことをしようとはせず、あくまで1960年代のジャズをやってみよう、ってな感じ。
 テーマ一発、後は突っ走るのみ。
 Patさん、齢おいくつの時の演奏なのかはわかりませんが、本当に突っ走っています。
 Wesさんとはまた違った感じのフレーズを散りばめながら、どこまでもどこまでも続いていきそうなギター。
 続くピアノもまた然り。
 Tommy Flanaganほどノーブルではなく、 Wynton Kellyほど黒くはない、でも突っ走り転げまくる現代のモダンジャズピアノ。
 皆、1960年代ジャズ、Wesさんの音楽が好きなのでしょう。
 カッコいい現代の1960年代ジャズ、Wes Montgomeryミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】“Live at Yoshi's” (2001) Pat Martino

“Live at Yoshi's” (2001) Pat Martino

Pat Martino (guitar)
Joey DeFrancesco (organ) Billy Hart (drums)

Live at Yoshi's
Pat Martino
Blue Note Records
2001-06-01


 21世紀に入ったPat Martino。
 オルガン入りトリオでのライブ録音。
 サポートは名手のお二人。
 ドラムは名作“Exit” (1976) のBilly Hart。
 あのタイトル曲とまではいかずとも、攻めまくるドラム、そしてオルガン。
 その上で、さらに攻めるギター。
 オーソドックスなジャズの少人数での演奏ながら、徹底的に攻撃的。
 火の出るような”Oleo”から始まって、Miles Davis所縁が二曲にオリジナル。
 静かに始まる演奏も、気がつけば怒涛の弾きまくり、叩きまくり。
 いくら興が乗っても、そこまでやらなくても・・・なんて演奏がてんこ盛り。
 というか、最初から最後までそれ。
 なんだか昔の徹底的に音を並べていく怒涛のジャズ路線に戻った感じもするし、特に新しいアプローチがあるわけではありません。
 それでいてビックリ仰天な演奏揃い。
 21世紀になっても攻撃的なジャズはカッコいい。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Maker” (1994) Pat Martino

“The Maker” (1994) Pat Martino

Pat Martino (guitar)
James Ridl (piano) Marc Johnson (bass) Joe Bonadio (drums)

The Maker
Pat Martino
Evidence
1995-04-20


 Pat Martino、1994年作。
 大病の療養から復帰して10年弱。
 ピアノトリオを迎えたオーソドックな編成でのオリジナル曲の演奏集。
 摩訶不思議な展開のメロディたち。
 そんなテーマの提示が終わったら、落ち着いたジャズ演奏。
 かつての怒涛のような激しい演奏とはイメージが違う、スッキリとした音。
 10分を超える演奏が何曲か並び、たくさんの音を高速に繰り出していくギターのスタイルは変わりません。
 が、音の流れに合い間が出来ていて、それがいい感じ。
 あわせて、音のイメージがすっかり現代的になり、ほどよいリバーブ、艶のあるギター、きらびやかなピアノ。
 空間に響くギターの残響音が心地よい場面もしばしば。
 これでメロディに愛想があってキャッチーだったらなあ・・・
 オーソドックスながらちょっとここまでとは違った感じの新時代のジャズ、でもそこはかとなく漂う不思議感がいかにもPatさんといえばその通りなのかもしれません。




posted by H.A.


【Disc Review】“Exit” (1976) Pat Martino

“Exit” (1976) Pat Martino

Pat Martino (guitar)
Gil Goldstein (piano) Richard Davis (bass) Jabali Billy Hart (drums)

イグジット
パット・マルティーノ
ポニーキャニオン
2001-08-10


 Pat Martino、1976年、カルテットでのアルバム、人気作、代表作なのでしょう。
 冒頭のタイトル曲“Exit”。
 伸び縮みするような漂うような複雑なビート繰り広げるベースとドラム。
 少しよじれたような不思議なメロディ、さらに複雑な構成。
 ギターは相変わらずジャズなフレーズを発しながら突っ走っていますが、ベース、ドラムとのインタープレーがそこかしこにちりばめられ、変幻自在。
 さらに遅ればせながら登場するピアノの激しいソロ。
 一時期のMiles DavisにOrnette Colemanをブレンドして、もっと現代的にしたような感じでしょうか。
 全部含めてジェットコースターのような演奏。
 攻めまくっています。
 一転、スタンダードのバラード”Come Sunday”。
 オーソドックスかと思いきや、崩れそうで崩れない複雑なビート感、これまた攻めた演奏。
 以降、Wes的なオリジナル曲に、スタンダード“Days of Wine and Roses”, ”Blue Bossa”, “I Remember Clifford”三連発。
 ほどほどオーソドックスにまとまっていますが、グングン前に進みつつときおり意外な方向に動くベース、攻めまくるドラム、ただ事ではないムードがちらほら。
 他で見たことがあるようなないような、Richard Davis, Billy Hartコンビがカッコいいなあ。
 新しい事が始まりそうな予感たっぷりながら、この後、重病で長期療養。
 好事魔多し。




posted by H.A.


【Disc Review】“We'll Be Together Again” (1976) Pat Martino

“We'll Be Together Again” (1976) Pat Martino

Pat Martino (guitar)
Gil Goldstein (electric piano)



 Pat Martino、エレピとのDuo。
 冒頭は15分を超える組曲風のオリジナル曲。
 悲し気な淡い色合いのメロディをモチーフに、浮遊と疾走が交錯する構成。
 インタープレー云々が中心ではなく、あらかじめ決められたのであろう構成、片方が背景を作り、あるいは独奏も挿みながら、さまざまな表情に変わっていきます。
 人数が少ない分、音量は絞られていますが、相変わらず音数はたくさん、疾走するギター。
 その複雑な音の流れは、何か新しいモノを求めて試行していたのでしょう。
 それが近作の“Exit” (1976)だったのか、あるいは、まさか大ヒットの“Concierto” (1975) Jim Hallだったのか、他の何かだったのか、わかりません。
 以降はジャズスタンダードが並びます。
 こちらは抑制された演奏。
 オルガンのように音を伸ばしつつ静かに背景を作るエレピの音に、いつものように疾走しながらも一定の空間を取った演奏。
 オーソドックなようで、エレピのフワフワした音が醸し出す妖しいムード、これまた不思議感たっぷり。
 静かなPat Martino。




posted by H.A.


【Disc Review】“Pat Martino/Live!” (1972) Pat Martino

“Pat Martino/Live!” (1972) Pat Martino

Pat Martino (guitar)
Ron Thomas (electric piano) Tyrone Brown (electric bass) Sherman Ferguson (drums)

ライブ!
パット・マルティーノ
ポニーキャニオン
2001-06-20


 Pat Martino、エレピのトリオを迎えたライブ録音。
 各曲10分を超える演奏、全三曲。
 LPレコードA面を締める”Special Door”、テーマを提示した後に方向を探るような妖しい動き。
 フリーな方向に行きそうな音の流れがちらほらしつつも、ビートが定まれば、うりゃーってな感じの怒涛のジャズ、弾きまくり。
 一段落つけば、妖しく混沌とした溜まりを経て、再び怒涛の4ビートジャズ。
 そんな混沌と超絶4ビートジャズが交錯する構成。
 二曲目は後のフュージョンを想わせるようなメカニカルなテーマ。
 が、その提示が終わると端正な4ビートジャズ。
 締めはジャズスタンダード。
 これまたたくさんの音符がこれでもかこれでもかと並べられていきます。
 怒涛のような演奏が続きますが、エレピの響きがクールな分、極端に熱くはなりません。
 そして弾むエレキベースが主導するグルーヴ。
 “Bitches Brew”(1969) Miles Davisを経て、“Return to Forever” (Feb.1972) Chick Coreaに近い時期。
 それらの空気感に近い場面もちらほらしますが、本作はやはりジャズ。
 それら含めて、普通の1970年代ジャズとはまた違った新感覚なジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“East!” (1968) Pat Martino

“East!” (1968) Pat Martino

Pat Martino (guitar)
Eddie Green (piano) Ben Tucker (bass, tambourine) Tyrone Brown (bass) Lenny McBrowne (drums)

East
Pat Martino
Ojc
1991-07-01


 Pat Martino、1968年、ギターカルテット編成でのアルバム。
 オーソドックスな編成ながら、冒頭、10分を超える”East”は、旋回するただ事ではない雰囲気のピアノのイントロからスタート。
 アジアンエスニックなムード。
 何か新しいことが始まりそうな空気が充満します。
 が、ビートが定まりギターのソロが始まるとやはりジャズ。
 ノリノリのグルーヴに音数たっぷり、突っ走るいつものジャズギター。
 ピアノソロになると妖し気なムードに変わり、攻めていますが、やはりモード~ファンクなジャズ。
 テーマに戻ると再びピアノのつむじ風が吹きますが、前段のジャズの残り香が付き纏い、ほどほどの“East”具合。
 続くオリジナル曲はBlue Noteっぽい哀愁漂うミディアムテンポのジャズ。
 ブルージーなコードに乗って、憑かれたように音符を並べていくギター。
 さらに続くはジャズスタンダードにBenny Golson、John Coltrane。
 ってな感じで、本作で東洋なのは冒頭一曲のみ。
 それがなかなか変わった感じでいいのですが、やはりPat Martinoはジャズの人です。




posted by H.A.


【Disc Review】“Strings!” (1968) Pat Martino

“Strings!” (1968) Pat Martino

Pat Martino (guitar)
Cedar Walton (piano) Ben Tucker (bass) Walter Perkins (drums) Ray Appleton, Dave Levin (percussion) Joe Farrell (tenor saxophone, flute)

Strings
Pat Martino
Ojc
1991-07-01


 Pat Martino、1968年作。
 ピアノトリオにパーカッション、管をサポートに迎えたジャズ~ジャズロック。
 あれよあれよ、これでもかこれでもかと続くギター。
 ジャズの塊のような演奏ですが、テクニカルでメカニカル、音符の洪水。
 サックス、ピアノもそれにつられるかのような怒涛のソロ。
 全編極めて端正なジャズながら、各曲とも全員が全力疾走、凄まじいスピード感。
 憑かれたようなハイテンションな演奏が続きます。
 リズム隊とフロントがキッチリ分けられ、絡み合う場面も少なく、オーダーに合わせて律儀にキッチリした印象の演奏が、かえって緊張感と凄みを醸し出しているようにも感じます。
 テンションを落とすこと許すまじ、さあイケーって、鞭打たれているような感じ。
 聞いている方もお口あんぐりというか、何と申しましょうか。
 1960年年代もそろそろ終わり頃。
 フリーにはいかず、電化もロック化もしない。
 でも1950年代ジャズとは何か違う、違ってしまう、モダンジャズ黄金期の次の世代のジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“El Hombre” (1967) Pat Martino

“El Hombre” (1967) Pat Martino

Pat Martino (guitar)
Trudy Pitts (Hmmond organ) Mitch Fine (drums) Vance Anderson (bongos) Abdu Johnson (congas) Danny Turner (flute)



 Pat Martino、1967年作。
 オルガンと打楽器群をサポートに迎えたジャズ。
 まだまだWes Montgomery, Joe Pass, Jim Hall, Kenny Burrellといった人たち全盛期、その次の世代の初期作品。
 充分に正統派ジャズなのではありますが、あの時代の空気感たっぷり、ロックな感じが混ざりつつの、グチャラグチャラしたちょっとヤクザな感じ。
 そんな中を突っ走るギター。
 何の迷いもなくこれでもかこれでもかと繰り出されていく高速なフレーズ。
 あくまでジャズな雰囲気でジャズなフレーズを奏でるギター。
 上記の中ではWes Montgomeryな感じなようにも聞こえますが、ちょっと硬質な感じのフレージングの違いはもちろん、突っている時間が長いというか、奥ゆかしくないというか、元気いっぱいというか、Joe Passに負けないぐらいに音数多過ぎというか・・・
 ジャズ、ボサノバ、ブルース、なんでもござれ。
 テーマ一発、後は突っ走るのみ、ってな感じ。
 サポートの皆さんもノリノリ、イケイケ。
 クリーントーンのエレキギターの音も含めて、クールで醒めた感じがしないでもないのですが、内省的、あるいは沈んだ感じではなく、あくまで元気いっぱい。
 ジャズギターは少し沈んだムードがカッコいい、なんて思ってしまうのは古い時代の感覚なのでしょうかね。
 って、本作、まだ1967年だなあ。
 とかなんとか、気分爽快、突っ走る怒涛のジャズギターの一作。




posted by H.A.



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