吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Mike_Moreno

【Disc Review】“Three For Three” (2016) Mike Moreno

“Three For Three” (2016) Mike Moreno

Mike Moreno (Guitar)
Doug Weiss (Bass) Kendrick Scott (Drums)

Three for Three
Mike Moreno
Criss Cross
2017-10-20


 現代の歪む時空系の人Mike Morenoの最近作、歪まない爽やかなジャズ。
 オーソドックッスなギタートリオ編成、Criss Crossレーベルから。
 前作はひねったコンテンポラリージャズの"Lotus" (2015)。
 それら別のレーベルの作品は不思議感たっぷりですが、本作はレーベルカラーもあるのでしょう、ジャズスタンダード、オーソドックスなジャズに馴染みのある曲が並びます。
 同レーベルの"Third Wish" (2008)、"First In Mind" (2011)からピアノを除いた感じ。
 クリーントーンながらちょっとファットで張り詰めた感じの艶々した音もいつも通り。
 オーソドックスなのですが、この人、このメンバーなので、今風感はたっぷり。
 普通の4ビートのようで、実際にそれが多いのだけども、あっちに行ったりこっちに行ったり、なんだかちょっと変わったスリリングな展開。
 Wayne Shorterから始まり、Charlie Parker、ブラジル曲その他、渋めの選曲。
 有名どころでは、スウィンギーに処理した“You Must Believe in Spring”、現代風な複雑なビートの”April in Paris”、その他諸々。
 モダンジャズとすれば、いかにも今風で少々トリッキーだし、先端的コンテンポラリージャズが好きな向きには普通に過ぎるのかな?
 そんな感じが、いかにもCriss Crossといえばその通り。
 いずれにしても、この人のギターが奏でるジャズは最高。
 この人のホームグラウンドであろう先端系コンテンポラリージャズなアルバムがカッコいいのですが、モダンジャズをほとんど聞かなくなった立場としては、たまにはこんなアルバムも逆に新鮮だったり・・・
 奇を衒い過ぎず、普通になり過ぎず、ちょうどいいバランスのように思います。


※別のバンドでの演奏から。


posted by H.A.


【Disc Review】"Lotus" (2015) Mike Moreno

"Lotus" (2015) Mike Moreno
Mike Moreno (electric and acoustic guitars)
Aaron Parks (piano, Rhodes) Doug Weiss (bass) Eric Harland (drums)

Lotus
World Culture Music
2015-12-01
マイク モレーノ

 ニュヨーク・コンテンポラリージャズのギタリストMike Moreno、“Another Way”(2012)に続く最新作。
 メンバーを眺めるとあの名作“Invisible Cinema”(2008)Aaron Parksとはベーシストが違うだけ。
 この人、ギター自体は近年の若手の中ではオーソドックス寄り。
 浮遊感はGilad Hekselmanと同様、Kurt Rosenwinkelみたいにゴリゴリとはやらないし、一番普通に聞きやすいポジションのはず。
 が、アコースティックギターで静かに始まる本作も変拍子の連続。
 ドラムを強調気味の録音、うるさくはないけども、どこに入るのかわかるようなわからないような、乾いたスネアの音が相当効いています。ピアノよりも目立っていたりして。
 そんな音を背景にして、ギターはいつもながらの艶やかなクリーントーンでスムースなフレージング。
 複雑怪奇なビート上で優雅に音を繋いでいくイメージも今までの作品そのまま。
 ビート感強め、ドラムとギター、あるいはバンドが終始バトルっているイメージもあって、それが新鮮かもしれません。
 曲は全てオリジナル。甘いムードの曲はありませんが、少々の哀感、クールな質感がいかにも今のニューヨーカー風。
 ってな感じで、全体的には軽快でキレイ、洗練されたムード。
 が、やってることはかなり複雑。
 これまた、最近のニューヨーク系のクリエイティブな人たちの音の典型、なのでしょう。




posted by H.A.

【Disc Review】“Another Way” (2012) Mike Moreno

“Another Way”(2012)Mike Moreno
Mike Moreno (guitars)
Aaron Parks (piano) Warren Wolf, Chris Dingman (vibraphone) Matt Brewer (bass) Ted Poor, Jochen Rueckert (drums)

Another Way
World Culture Music
2012-03-06
マイク モレーノ

 今をときめく人気ギタリストMike Moreno。
 近年、多くのコンテンポラリー系Jazzギタリストが活躍していますが、私的な好みはこの人が一番。
 音は艶やかでスペーシー、ロックテイストは少々のみ。フレージングはちょっと複雑だけと難解ではない範疇、これ見よがしな派手さもなし。
 あくまでクールな質感。
 アルバムはいかにも現代のアメリカ的Jazz。
 何拍子かよくわからない複雑なビートにメカニカルな楽曲、あくまでアコースティックな音。
 数曲でフィーチャーされるvibraphoneがクールさを増し、名手Aaron Parksを中心とするピアノトリオがこれまたクールなサポート。
 その背景の中での柔らかなインプロビゼーション。
 グルーブ感は強いのだけども、汗の飛び散るようなといったエネルギー感は薄め。
 それがクールさを醸し出して、今風なのかもね。
 薄暗くて埃っぽい感じのライブハウスよりも、エアコンがキリッと効いたモダンなインテリアの空間に似合いそうな音。

(※この投稿は2014/07/03より移動しました。)





posted by H.A.

【Disc Review】"First In Mind" (2011) Mike Moreno

"First In Mind" (2011) Mike Moreno
Mike Moreno (guitar)
Aaron Parks (piano, Fender Rhodes) Matt Brewer (bass) Kendrick Scott (drums)

First in Mind
Criss Cross Jazz
2011-06-06
マイク モレーノ

 Mike Moreno、サードアルバム、前作"Third Wish" (2008)に続いてCrissCrossから。
 こちらも半数がカバー曲ですが、Joshua Redman2曲などちょっと新しめの曲が中心。
 それらもよいのですが、冒頭のオリジナル曲にカッコいいところが凝縮されています。
 複雑なビートながら浮遊感のあるメロディ、ミディアムのゆったりしたテンポ、シャープな演奏。
 それらを背景にゆったりとした、艶やかなクリーントーンのギター。バックが煽っても、速いフレーズになっても何故かゆったりとした堂々とした雰囲気、優雅なムード。
 このあたりがこの人の真骨頂、さりげないようで凄みを感じます。
 緩やかだけど複雑な変拍子の上で、ビートを無視して淡々と弾き切るようにも聞こえるので、そんな風に感じるのかな?それがクールだったりもするのでしょう。
 スタンダードや強烈な変拍子もいいですが、そんな感じの演奏が一番よいですねえ。
 本作も前作と同様に4ビートな演奏と、変拍子な演奏が入り混じる構成。
 そんなCrissCrossからの作品はここまで。
 スタンダードではなく、また複雑なビートのオリジナル曲中心、ファーストアルバム"Between The Lines" (2007)のMike Morenoに戻り、クールな”Another Way”(2012)、さらにビートが強めの最新作"Lotus" (2015)へと繋がっていきます。

※収録曲の映像はあのAireginしかないか・・・


posted by H.A.

【Disc Review】"Third Wish" (2008) Mike Moreno

"Third Wish" (2008) Mike Moreno
Mike Moreno (guitar)
Kevin Hays (piano, Fender Rhodes) Doug Weiss (bass) Kendrick Scott (drums)

Third Wish
Criss Cross Jazz
2009-01-01
マイク モレーノ

 Mike Moreno、セカンドアルバム、オランダのCrissCrossから。
 モダンジャズなイメージが強いレーベルですが、近年はコンテンポラリー系の佳作が多く、これもそんな一作。
 が、スタンダードやジャズメンの楽曲が半数、それらの素直なビート感はレーベルの意向なのかな?変拍子なオリジナル曲は終盤に集められています。
 結果的にはとても聞きやすくて、カッコいいギターを素直に聞けるアルバム。
 ビートが普通であってもこの人のギターだけで十分に強い浮遊感。
 艶やかなクリーントーン、ゆったりとした優雅なフレーズに加えて、一音一音が明確な速弾きにクールな凄みを感じます。
 思えば初めて聞いて凄いギターと思った”Invisible Cinema” (2008) Aaron Parksでのギターもそんな感じでしたかね?軽めでも変拍子だったかな。
 さておき、この素直なビート感とオーソドックスに聞こえるギターが良いか、別のレーベルでの変拍子中心の音楽が良いかはお好み次第。
 私は普通のビートでやっても十分に個性的でカッコいいと思うクチです。
 これだけのメンバーであれば何をどうやってもカッコよくなりそうだし。
 でもそれを許さないのがアーティストの矜持なんでしょうね。




posted by H.A.

【Disc Review】"Between The Lines" (2007) Mike Moreno

"Between The Lines" (2007) Mike Moreno
Mike Moreno (guitars)
John Ellis (tenor, soprano sax) Marcus Strickland (tenor sax) Aaron Parks (piano) Doug Weiss (bass) Kendrick Scott, Tyshawn Sorey (drums)

Between The Lines
World Culture Music
2007-01-01
マイク モレーノ

 Mike Moreno、デビューアルバム。
 複雑なビート感、クールで浮遊感のある音使い。いかにも近年のコンテンテンポラリージャズ。
 艶のあるクリーントーン、ゆったりとした印象、浮遊感の強いのフレージング。でも加速し出すと不思議なくらいの推進力、疾走感。
 Pat Methenyのイメージが近そうだけども、もっと落ち着いたイメージ。
 決して気をてらったようなフレージングではないのだけども、全体を漂う不思議感。
 ビートとオリジナル曲のメロディが不思議系、複雑系だからでしょうかね。
 さらに徐々に盛り上がるドラマチックな展開も今風のコンテンポラリージャズ。サックス含めて起承転結が見え、終盤でキッチリ盛り上がるカッコいいインプロビゼーション。
 たまに出てくる4ビートが逆に新鮮に感じられてしまうのもこれまた不思議。
 複雑そうだけども決して重苦しくはない、クールな最新型ジャズ。
 随分時間が経っていますが、2016年の今聞き直しても最新型のカッコいいジャズだなあ。
 最新作と比べるとかなり柔らかな質感。
 やはりビートをもっと強くしてみようってことが、最新作"Lotus" (2015)の挑戦だったのでしょうね。




posted by H.A.

【Disc Review】“Invisible Cinema” (2008) Aaron Parks

“Invisible Cinema” (2008) Aaron Parks
Aaron Parks(Piano)
Matt Penman (bass) Eric Harland (drums) Mike Moreno (guitar)

Invisible Cinema
Aaron Parks
Blue Note Records
2008-07-24
アーロン パークス

 私的に近年のアメリカ系コンテンポラリージャズの代表作と思っているアルバム。
 特徴は「浮遊感」、あるいは「軽さ」(悪い意味ではありません)。
 何拍子かわからない複雑なビート、やたら手数が多いドラム。だけども個々の音は妙に硬質で軽く、うるさくない。
 微妙なタメがあるうえに強烈な疾走感のあるピアノ。
 が、強烈に打鍵する場面はあまりなく、あくまで流麗で柔らかな音の組み立て方。
 ヨーロピアン、クラシック、あるいはKeith Jarrettあたりの影響が強いのかなとか思いつつも、そうでもなさそうな新しいタイプ。
 さらに、Mike Morenoのギター。
 Pat Metheny的な艶のある丸い音の輪郭を明確にした感じの音色。
 早く弾きまくるのではなく、あくまでゆったりとフレージングを中心としながら、なぜか時折強烈な疾走感。
 これまた流麗でしなやか。
 曲はメロディアスなんだけども、どこか不思議系。
 かといってシリアスではなく、暗くもありません。
 中には妙にプログレッシブロックっぽかったり、フォークロックっぽかったり、いろんな要素が入り混じります。
 ロック世代だったり、デジタル世代だったりするゆえの音使い、音作りなのかな。
 結果、全体では浮遊感が強く軽快で、さりげない印象の音楽。
 これが心地いいし、新しい。



posted by H.A.

【Disc Review】“Jazz Side of the Moon: Music of Pink Floyd” (2008) Sam Yahel

“Jazz Side of the Moon: Music of Pink Floyd” (2008) Sam Yahel
Sam Yahel (organ)
Mike Moreno(guitar) Ari Hoenig(drums) Seamus Blake (tenor saxophone)

Jazz Side of the Moon: Music of Pink Floyd
Sam Yahel
Chesky Records
2008-02-26
サム ヤヘル

 2014/10/8皆既月食にちなんで。
 これは名企画か、珍企画か?
 あのピンクフロイドの「The Dark Side of the Moon(狂気(:邦題)」をコンテンポラリージャズのオールスターで再現。
 曲順も概ね同じ。
 オリジナルがもともと完璧な曲、構成、演奏で、アレンジしようがないぐらいの完成度だっただけに、どうなることやら。
 さて、中途半端にオリジナルのアレンジを再現しようとしていたり、名曲揃いのメロディを十分に生かし切れていなかったり、Mike Morenoのファンとしては彼のスペースが小さかったり、諸々注文はあります。
 が、先入観なしで聞けば、なかなか変化に富んだ面白いコンテンポラリージャズなのでは。
 企画の成否の判断は聞く人それぞれだとして、私はこの手の企画、結構好きです。
 昔のアルバムを聞き直すきっかけにもなるしね。




posted by H.A.
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