吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Michael_Brecker

【Disc Review】“Pilgrimage” (Aug.2006) Michael Brecker

“Pilgrimage” (Aug.2006) Michael Brecker
Michael Brecker (tenor saxophone, EWI)
Pat Metheny (guitars, guitar synth) Herbie Hancock, Brad Mehldau (piano) John Patitucci (double bass) Jack DeJohnette (drums)

Pilgrimage
Michael Brecker
Heads Up
マイケル ブレッカー


 Michael Brecker、遺作。
 本作も豪華メンバーでハイテンションなハードジャズ。
 本作の楽曲は全て本人のオリジナル、例によって複雑怪奇、メカニカルなライン。
 今まではメンバーの楽曲で少しほっとする場合もあったのですが、本作はバラード以外では休ませてくれません。
 テーマのメロディを追いかけるだけでもぐったりしそうなハイテンション。
 ずーっとドラムソロやっているような感じのJack DeJohnetteに、手数多い系、動きまくるベース。
 ファンクから4ビートまで、全てアコースティックですが、ずーーっと激しいビート。
 サックスもいつもにも増してのブチ切れブロー。
 Pat Methenyはこの人の客演ではいつもの抑えた感じのジャズギターが中心。
 ディストーションやギターシンセサイザーでゴリゴリやってもよさそうな音楽ですが、あまりやりません。
 本作でも一曲だけ、それはとても激しいですが・・・
 ピアノがこれまでのバンドよりもスッキリしているのでしょうかね。
 Herbie Hancockもリーダー同様に、ブチ切れながらも端正というか端正にブチ切れるタイプですね。
 といったところで本作も全力投球、完全燃焼の超ハードジャズ。
 間違いなく現代サックスのスタイリスト筆頭だけに、若くしての逝去は残念です。 





posted by H.A.

【Disc Review】“Nearness of You: The Ballad Book” (2000) Michael Brecker

“Nearness of You: The Ballad Book” (2000) Michael Brecker
Michael Brecker (Tenor Saxophone)
Pat Metheny (Guitars) Herbie Hancock (Piano) Charlie Haden (Bass) Jack DeJohnette (Drums) James Taylor (Vocal)

Nearness of You-the Ballad Boo
Michael Brecker
Imports
マイケル ブレッカー


 Michael Brecker のバラードアルバム。
 “Time Is of the Essence” (1999) まですっと激烈系でしたので一休み、チェンジオブペース。
 メンバーは変わって、初単独リーダー作“Michael Brecker” (1987)のメンバーからピアノが変わっただけですね。
 やはりバラードにはCharlie Hadenのタメを効かせたベース、Herbie Hancockの繊細なピアノが合いますねえ。
 スタンダード含めて名曲揃い。
 “Chan's Song"はHerbie Hancock、"Don't Let Me Be Lonely Tonight"にはJames Taylor本人が参加。
 Michael Breckerのサックスは吹き方が変わっています。
 バラードでもなんでも力で押し切るイメージが強かったのですが、タメが入って、ビブラート強め、吹き切ってないというか、抑え気味というか・・・
 Michael Breckerっぽくないのですが、諸々試していたのかもしれません。
 本作のProducerはPat Metheny。
 でも、Pat Metheny っぽい曲はブラジル曲”Nascente”だけでしょうか。 
 これがカッコいいので、この線をたくさんやって欲しかったなあ。
 いずれにしても最高のメンバーで余裕の演奏。
 聞く方も余裕をもって楽しむのが吉。




posted by H.A.

【Disc Review】“Time Is of the Essence” (1999) Michael Brecker

“Time Is of the Essence” (1999) Michael Brecker
Michael Brecker (tenor saxophone)
Pat Metheny (guitar) Larry Goldings (organ) Elvin Jones, Jeff "Tain" Watts (drums) Bill Stewart (drums)

Time Is of the Essence
Brecker Brothers
Polygram Records
マイケル ブレッカー


 Michael Brecker、オルガントリオを従えた作品。
 そのギターがPat Metheny、一部のドラムがElvin Jonesといった、いつもながらに超豪華メンバー。
 本来、オルガンが入るとスペーシーでスムースな音楽になりそうですが、この作品もハイテンションなハードジャズ。
 もちろんモダンジャズなオルガン作品ではなく、コンテンポラリージャズ。
 相変わらず楽曲のメロディラインは複雑で愛想はありませんが、テーマの提示が終わると突然動き出す音楽、 ぐんぐん前に進む推進力。
 グルーヴと呼ぶにはあまりにも激しいビート。
 これでもかこれでもかと吹き続ける激しいサックス。
 ここでもPat Methenyは弾き負けているというか、サポートに徹しているというか、そんな感じ。
 Pat Methenyの穏やかなギターが前面に出てくると落ち着きます。
 Patが提供したモダンジャズなタイトル曲になるとホッとしたりして。
 オルガンジャスと聞いてこのブルージーな曲を準備したのかも。
 でも全体としては・・・
 まあ、並みのオルガンジャズではありません。
 それを激しすぎて寛げないととらえるか、痛快でスカッとするととらえるか、人それぞれ。
 体調を選んで聞いた方がいいのかな?
 そんな感じの凄まじいオルガンジャズ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Tales from the Hudson” (1996) Michael Brecker

“Tales from the Hudson” (1996) Michael Brecker
Michael Brecker (tenor saxophone)
Pat Metheny (guitar, guitar synth) Joey Calderazzo (piano) Dave Holland (bass) Jack DeJohnette (drums) McCoy Tyner (piano) Don Alias (percussion)

Tales from the Hudson
Brecker Brothers
Impulse
マイケル ブレッカー


 Michael Breckerのジャズ作品。
 エレクトリック・マイルス所縁のドラムとベースに、スーパーピアニスト、さらにPat Metheny。
 Pat Methenyとの共演は“Michael Brecker” (1987)以来?
 以後もMichael Breckerのアルバムには準レギュラー的にPatが参加します。
 メンバーの顔触れまんまのハイテンション、エキサイティング系ジャズ。
 基本的にはアコースティック4ビート。 ある意味、待ってました、のジャズ作品。
 冒頭からの全力疾走。
 背景を作るドラムとベースは言わずもがなのつわものたち。
 叩きまくりのドラムと強烈な推進力のベース。
 終始ハイテンションな激しいビート。
 そんな音を背景にPat Methenyのソロから始まりますが、後続のサックスソロの凄まじいこと。
 ここまで吹ける人はいないでしょう。 この人の持ち味、端正なブチ切れソロ。
 さらにはJoey Calderazzoの凄まじい疾走感のピアノ。
 続くは名作曲家Joey Calderazzoの哀愁漂うミディアムチューン。
 ブルーノートなムードも漂うカッコいいジャズ・・・・・・
 Pat Methenyは好調、ギターシンセサイザーは一曲のみ、基本、流麗なジャズギター。
 が、Michael Breckerの勢いに太刀打ちできる音はなかなか・・・
 そんな激しく強烈な演奏が次から次へと続きます。
 みんなが手数多過ぎでしょうし、情緒に欠ける質感、複雑でメカニカルな楽曲はモダンジャズファンから評判がよろしくないのかもしれません。
 が、現代的なアコースティック4ビートで、これだけ激しいリズム、これだけ激しいインプロビゼーションを聞けるアルバムはなかなかありません。
 その意味で唯一無二のアルバムかな、と思います。




posted by H.A.

【Disc Review】“Michael Brecker” (1987) Michael Brecker

“Michael Brecker” (1987) Michael Brecker
Michael Brecker (tenor sax, EWI)
Pat Metheny (guitar) Kenny Kirkland (keyboards) Charlie Haden (bass) Jack DeJohnette (drums)

Michael Brecker
Michael Brecker
Mca
マイケル ブレッカー


 Michael Brecker、初リーダー作、ジャズ・フュージョン、大ヒットアルバム。
 4ビートばかりではありませんし、電子楽器の登場場面も多いのですが、全体の質感はアコースティックな印象。
 フュージョンと呼ぶにはジャズ寄り、今の耳で“Tales from the Hudson” (1996)あたりと比べると、温度感が低くてスッキリとした印象のジャズ・フュージョン。  
 もちろんサックスは凄い音圧、凄いスピード感。
 冒頭のバラードから強烈な音圧の激しいソロ。
 さらにはJack DeJohnetteとの激しいDuo~Weather Reportっぽい4ビートでのフュージョンチューン。
 最初から最後までずーーーっと吹きっぱなし。
 複雑でメカニカルな楽曲と、強烈なインプロビゼーションのオンパレード。
 半数はバラード系ですが、やはりブリブリ吹いています。
 Pat Methenyとの共演は、“Shadows and Light” (Sep.1979) Joni Mitchell、“80/81” (May.1980)以来でしょうか。
 本作での参加は数曲のみですが、よほど相性が良かったのでしょう。
 以降もMichael Breckerの作品の多くにはPat Methenyが参加しています。
 Pat Methenyは意外にも抑制的にも聞こえる演奏。
 この後の共演作品でもそんな演奏が多く、リーダーのサックスの激しさを中和する役回りかな?
 さらにKenny Kirklandの疾走するピアノがカッコいい。
 名作“Black Codes” (1985)Wynton Marsalisが近い時期、絶好調期。
 強烈な音圧、複雑でメカニカルな楽曲、さらに今は誰も使わないEWI、シンセサイザー、などなど、好みは分かれるのかもしれません。
 1980年代の香りのする激烈アコースティック(的)フュージョンとしてカッコいいなあ、と私は思います。




posted by H.A.
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