“Return From The Stars” (2021) Mark Turner
Mark Turner (Tenor Saxophone)
Joe Martin (Double Bass) Jonathan Pinson (Drums)
Jason Palmer (Trumpet)
もはやベテランなのでしょう、すっかりECMレコードの人になった感もあるアメリカンコンテンポラリージャズの雄Mark Turner、二管ピアノレスカルテット。
同レーベルで同編成での“Lathe of Heaven”(2014)がありますが、トランペッターがバリバリのアメリカンジャズの人(なのだと思う) に交代。
前カルテット作と変わらない、摩訶不思議なハイテンションジャズ。
テーマの提示~インプロビゼーションといったジャズな構成は維持されているものの、複雑なビートと複雑なメロディ。
クールなムードを含めてWayne Shorterがいた頃のMiles Davisクインテットな感じがしないでもないけども、もっともっともっと複雑。
テーマを決めたらビート以外は自由になって突っ走る感じは、Ornette Colemanっぽいのかもしれないのだけども、それも違う。
テーマはひたすら長尺で複雑、計算し尽くしたのであろう二管アンサンブル。
アップテンポな4ビートがベースなのだと思うのだけども、複雑な展開と相まってどんな拍子割なのかよくわかりません。
それだけで不思議感たっぷり。
それを決めた後は、ハイテンションなインプロビゼーション。
ビート感は定常なのですが、どこに跳んでいくのか予測できない流れで強烈に疾走するサックス、トランペット。
それらを煽りまくるベース、ドラム。
まさに手に汗握るエキサイティングな演奏。
そんな”ジャズ”の心地よさ。
が、不思議感たっぷり。
ジャズの流儀に乗っ取っているような、そうでもないような・・・
きっと新しい感覚のジャズなのでしょう。
紛れもなくアコースティックなジャズなのに、異次元から聞こえてくるようなというか、宇宙から聞こえてくるというか、そんな違和感。
と思っていたら、アルバムタイトル、各曲のタイトルもそんな感じが多いようですね。
なるほど。