吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

MPB

【Disc Review】 “Terras” (2016) Duo Taufic, Barbara Casini

“Terras” (2016) Duo Taufic, Barbara Casini
Barbara Casini (Voice) Roberto Taufic (Guitar) Eduardo Taufic (Piano)

Terras
Duo Taufic
Via Veneto Jazz
2016-04-01


 イタリア在住のブラジリアンボーカリストBarbara Casini、ブラジルの兄弟Duoとのトリオ作品。
 Barbara Casini、同じくトリオでのハードなサンバ”Outro Lado” (1990)、あるいは 大御所Enrico Rava との“Vento” (1999)ではしっとり系のボサノバ。
 本作はその中間ぐらい、硬軟織り交ぜつつも抑制されたボサノバ~サンバ~ブラジリアンミュージック。 
 Taufic 兄弟はベテラン?の実力派なのでしょう、Robertoさんがイタリア在住のようですね。
 Edu Lobo, Dori Caymmiなどのブラジルの名曲が中心。
 キラキラと静かに煌めくようなピアノと静かなギターを背景に、美しくてほんの少しスモーキー、いかにもブラジリアンな優しい声でサラリと歌うBarbara Casini。
 躍動感は強いのですが、ドラム、ベース、パーカッションがいない分だけ、静かで穏やかな音の流れ。
 繊細で三者の出す音の細部が見えるような音作り。
 Andre Mehmariを穏やかに抑制的にしたようなピアノ。
 というか、クラシック寄りのブラジリアンピアノの典型的な音使いなのかもしれません。
 激しく動きまくり跳ねまくりますが、クラシックの色合いも混ざる上品な音の流れ、スローテンポではたっぷりのタメを効かせ、時に突っ走る、タダモノではない感が漂う音使い。
 ギターはジャズ畑、ポップス畑でももまれたのであろう、ソツのない洗練された音。
 派手な動きはピアノに譲って、静かで穏やかな土台を作るような演奏。
 そんな音を背景にして、硬軟、緩急、激穏、さまざまな表情、貫禄十分の歌。
 聞き慣れてしまった有名曲ではなく、どこかで聞いたことがあるのだけども曲名も作者も思い出せない、そんなさり気なくて上質なメロディを奏でる上品な演奏。
 現代的ながらもなぜか懐かし気な音の流れ。
 イタリアン&ブラジリアンな一作。




posted by H.A.

【Disc Review】“Avenida Atlântica” (2017) Guinga + Quarteto Carlos Gomes

“Avenida Atlântica” (2017) Guinga + Quarteto Carlos Gomes
Guinga (guitar, voice)
Quarteto Carlos Gomes:
Claudio Cruz, Adonhiran Reis (violin) Gabriel Marin (Viola) Alceu Reis (cello)




 ブラジルのベテランギタリスト&ボーカリストGuingaのストリングスカルテットとの共演作品。
 直近のピアノとのDuo作品“Intimidade” (2017) Guinga, Stefania Talliniのような静謐でムーディーなバラード集を期待してしまうのですが、少々面持ちは異なります。
 基本的には本作もバラード集、漂うような音ではありながら、少しハイテンションなストリングスカルテットが前面に出るイメージ。
 折り重なるストリングスの音の合間からのぞくような、漂うギターとあの激渋スキャットボイス。
 楽曲はいつもの沈痛で悲し気なメロディのオリジナル曲。
 とても優美ながら、悲し気でセンチメンタル。
 ストリングスの色合い、静かなギターと囁くような哀し気なボイスも含めて、21世紀とは思えないようなノスタルジックな雰囲気。
 まるで1940年代のストリングス入りジャズボーカル、あるいは、フランスあたりのモノクロームな映画のサントラのよう。
 さらにとても素敵なジャケットのアートワーク。
 やはりこのチョイ悪風オヤジのアルバムはオシャレです。




posted by H.A.


【Disc Review】“Fronteira” (2017) Rafa Castro

“Fronteira” (2017) Rafa Castro
Rafa Castro (piano, voice)
Igor Pimenta (bass) Gabriel Alterio (drums)
Vana Bock (cello) Ricardo Taka, Marcos Scheffel (violin) Daniel Pires (Viola)
Vinicius Gomes (Guitar) Lea Freire (Flute) Teco Cardoso (Sax)
Monica Salmaso (Voice)



 ブラジル、サンパウロのシンガーソングライター、ピアニストRafa CastroのMPB、あるいはミナス~フォルクローレ的なブラジリアンコンテンポラリージャズ。
 “Lachrimae” (2003) Andre Mehmari, “Naissance” (2012) François Morin,“Dos ríos” (2008) Andrés Beeuwsaertなど、新しいところでは“Macieiras” (2017) Alexandre Andrésなどに近いムード、フォルクローレの香りがする南米ジャズフュージョンの系。
 ピアノトリオ+自身のボイスをベースとして、楽曲ごとにストリングスカルテット、ギター、管楽器が入れ替わり加わっていく形。
 冒頭から幻想的なECM的ルバートのイントロ、ピアノトリオとソプラノサックスの絡み合い。
 さらにストリングスカルテットにスキャットボイスが入るとAndré Mehmari風に・・・、ビートが強くなるとあの時期のPat Metheny風に・・・
 二曲目のピアノトリオ+ボイスでのバラードになってもその空気感は変わりません。
 強烈な浮遊感、哀し気で、寂し気で、幻想的で・・・
 そんな線でまとめてくるのかな?と思いきや、そうはならないのが隠せない元気なのか、先に進むにつれて音量が上がりエネルギーも強くなっていきます。
 ギターが映えるちょっとハードなジャズテイストやら、ドラマチックで派手な演出やら、スモーキーなミステリアスボイスMonica Salmasoが参加した幻想的な音やら、その他諸々いろんな色合い。
 いずれも少々寂し気で悲しげだけど前向きな雰囲気、いわゆるサウダージなオリジナル曲のメロディがとてもいい感じ。
 リーダーの少々素っ頓狂系のハイトーンボイスが、若き日のEgberto Gismonti風に聞こえるのもご愛敬。
 少々ハードな演奏などは音楽自体もEgberto Gismontiっぽいというか、神のごとき彼の強い影響は多くの若手にあるのでしょうね。
 などなど含めて、いろんな要素がてんこ盛りのブラジリアンミュージック。
 André Mehmari的あるいはCarlos Aguirre的な色合いに、ちょっとハードなジャズ、あるいはEgberto Gismonti色合い、現代のポップス、ジャズが複雑に交差する、なんて感じでしょうか、
 いずれにしても今後どう化けるか楽しみな人。




posted by H.A.

【Disc Review】“Agua e Vinho” (1972) Egberto Gismonti

“Agua e Vinho” (1972) Egberto Gismonti
Egberto Gismonti (Piano, Organ, Guitar, Bass, Harmonica, Voice, Percussion)
Novelli (Bass, Percussion) João Palma, Robertinho (Drums, Percussion)
Piri (Acoustic Guitar) Peter Dauelsberg (Cello) Paulo Moura (Saxophone, Clarinet) Dulce (Voice) Associação Brasiliera De Violoncelo

水とワイン(BOM24188)
エグベルト・ジスモンチ
ボンバ・レコード
2011-12-17


 Egberto Gismonti、1970年代、ブラジルのレーベルOdeonから。
 このレーベルのEgberto Gismonti作品は過激で激しいモノが少なくないのですが、このアルバムまでは、初期の“Egberto Gismonti” (1969)の流れを引くマイルドな色合い。
 ストリングスをたっぷりとフィーチャーした歌物中心。
 この人の音楽のイメージとは対照的な線が細い自身のボーカルを中心とした、優し気、あるいは悲しげな表情。
 コンテンポラリージャズというよりもMPB。
 ド派手な電気サウンドは導入前ですが、少々妖し気なムードに少々サイケなムード。
 ガットギターでの弾き語りボサノバもあるのですが、少々強めのロックなビートもたくさん。
 どことなくBeatlesのアバンギャルド系な感じもあるのは、この期のMPBの色合い、ブラジルの空気感でもあるのでしょう。
 次作“Egberto Gismonti (Arvore)” (1973)からは凄まじい怒涛のようなGismontiミュージックが始まります。
 嵐の前の静けさか、その予告編か・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Sunni-E” (2012) Renato Motha, Patricia Lobato

“Sunni-E” (2012) Renato Motha, Patricia Lobato
Renato Motha (guitars, instrumentos vocalizados, assovio, kalimba, kântele, marimba de vidro, tigela tibetana, tabla, gongô, orquestra, baixo sintetizados) Patricia Lobato (vocal, ganzás, tablas)
Ronaldo Gino (elctronics) Jyoji Sawada (contrabass) Yoshida Daikiti (sitar) André Mehmari (piano) Chico Amaral (soprano sax) Edson Fernando (percussion) Felipe José (cello) Mauro Rodrigues (flute) Paulo Thomas (violin) Pedro Jácome (ukulele) Rafael Martini (escaleta) Victor Mazarelo (harmonium, taclados)
Leonora Weissmann, Rafael Martini, Leopoldina, Sergio Pererê, Ana Denise, Ana Trivellato, Alzira Maria Lima, Jorge Lima, Beatriz Orsini, Claudia Mol, Cristina Saliba, Gurujeet Kaur, Mahan Atma Kaur, Maria Angela Lobato, Paula Cury, Prem Lella, Rosana Monteiro, Rosângela Mota, Rukmini (voice)

スニエ
ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート
SPACE SHOWER MUSIC
2012-06-27


 ブラジルMinasの男女Duo、”Shahds” (2007)、“In Mantra” (2009)に続く、マントラ(≒真言、讃歌、祭詞、呪文、祈祷の言葉?)にメロディを付けて演奏した、とてもとても穏やかな音楽。
 ボッサなビートの登場場面はほとんどなく、Minasなのか、インドなのか、はたまた南の島なのか、国籍不明な楽園~瞑想ミュージック。
 たっぷりなボリュームの二枚組。
 とても穏やかな”Bhakti”、躍動感の強い”Shakti”の二部構成。
 たくさんのメンバーが参加していますが、もちろん中心はギター+二人のボイスの静かな音。
 各種打楽器、管楽器、コーラス、などなど要所で加わりながら進む音。
 CD一枚目”Bhakti”はゆったりとした漂うようにゆらぐビート。
 ゆったりとしたビートと、短いフレーズの繰り返しが陶酔を誘う、穏やかな瞑想ミュージックが続きます。
 静かに爪弾かれるギターの音、Patricia Lobatoの美しい漂うような声は、“Antigas Cantigas” (1999)と同様、南の島~ハワイな感じまで漂う楽園ムード。
 CD二枚目”Shakti”に移っても空気感は変わりません。
 少しテンポが上がり、爪弾かれていたギターがストローク中心になった感じ、よりフォーキーさが強くなった感じでしょうか?
 いずれにしても、これまた短いフレーズを繰り返す瞑想ミュージック。
 もちろん静かさ、穏やかさは変わりません。
 続けて聞いていると、感覚が麻痺してくるというか、どこか遠い所に連れて行ってくれるというか・・・
 心が解放され、気持ちが穏やかになる・・・かな?




posted by H.A.
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