吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Latin_Jazz

【Disc Review】“Como Dibujo Agua” (2009) Mario Gusso

“Como Dibujo Agua” (2009) Mario Gusso
Mario Gusso (percussion, kalimba)
Sebastian Macchi (piano) Javier Lozano (piano, rhodes) Maria Elia (piano, voice) 
Diego Penelas, Joaquín Errandonea (Guitar, Voice) Sebastian Esposito, Cesar Silva, Pepe Luna (guitar) 
Willy González, Carlos Marmo, Guillermo Delgado (bass)
Micaela Vita (Voice) Franco Luciani (harmonica) 

COMO DIBUJO DEL AGUA
MARIO GUSSO(マリオ・グッソ)
PAI
2010-08-15


 アルゼンチンジャズ、現代フォルクローレのパーカッショニストのリーダー作。
 Carlos Aguirre 閥の人なのかどうかはわからないのですが、Carlos Aguirre的大名作の“Luz de agua: Poemas de Juan L. Ortiz - Canciones” (2005)のピアノ、Sebastian Macchiの参加に惹かれて聞いてみた一作。
 フォルクローレ、ジャズ、ソウル、ポップス・・・などなど、いろんな色合いがフュージョンする、アルゼンチン・ジャズ・フュージョン。
 楽曲の提供者によって音のイメージは異なります。
 何曲かのSebastian Macchiの楽曲は、Carlos Aguirre的、繊細な現代フォルクローレ。
 その他諸々、スパニッシュ風ギターが前面に出たり、女性ボーカルがフィーチャーされたり、アメリカ南部ロック風だったり、やはり繊細なピアノが全体を支配したり・・・
 ってな感じで、定番の繊細なガラス細工のような現代フォルクローレではなく、元気なジャズフュージョン。
 あるいはそれらがフュージョンし、交錯するアルバム。
 目立つのはリーダーの激しいドラムと、Willy Gonzálezの前面に出て動きまくるエレキベース。
 ちょっと強めの音ですが、なんだかんだで、優し気で懐かし気な空気感は南米の人特有の色合い。
 ブラジリアンなジャズは最高ですが、アルゼンチンなジャズもとてもカッコいい。
 その現代的な若者の音。


※Willy Gonzálezのバンドから。
 

posted by H.A.


【Disc Review】“Guris” (2016) Jovino Santos Neto, Andre Mehmari

“Guris” (2016) Jovino Santos Neto, Andre Mehmari
Jovino Santos Neto (piano, melodica, flute) Andre Mehmari (piano, harmonium, rhodes, bandolim)
Hermeto Pascoal (teakettle, melodica)

Guris
Jovino Santos Neto
Adventure Music
2017-07-21


 ブラジル人ピアニストJovino Santos Netoと、同じくAndre MehmariのDuo。
 Hermeto Pascoalの作品集。
 ブラジル系のアーティストにとって、Jobim、Joao Gilbertは言わずもがな、Egberto GismontiHermeto Pascoalも神のような人なのでしょう。
 ピアノ二台の音を基本として、フルート、メロディアなどで彩りを加える形。
 Hermetoさん本人も三曲ほどに参加し、得意の不思議な音を出してます。
 意外なのが二人のピアノの色合いが似ていること。
 大先輩方に敬意を払ってかどうか、Andre Mehmariが抑え気味なこともあるのでしょうが、随分落ち着いた演奏。
 実はJovino Santos Netoからの影響も小さくないのでしょうかね?
 子弟か兄弟のような、ぶつかることのない、自然な二台のピアノの絡み合い。
 でも、たまに高音でぶっ飛んだ音が聞こえるのは、いつものMehmariさんなのでしょうね・・・?
 ん・・・?
 基本的にはHermeto Pascoalの色合いのブラジリアンフュージョンというか、インスツルメンタルMPBなのだけども、全編を通じたジャジーなムード、要所でのクラシック香りは、Jovino Santos Neto、Andre Mehmariそれぞれの得意な色合いが出ている演奏、場面なのでしょう。
 Hermeto Pascoalのメロディの中でそれらが交錯する音の流れ。
 端正で上品、いろんな要素が交錯するピアノミュージック。
 ボッサやサンバとは違うけども、全体を漂う郷愁感。
 もちろんブラジル風味120%。





 Andre Mehmari参加作品、私が今知る限り。
 他にもたくさんあるのでしょう。
 ジャズだろうがクラシックだろうが、何でも凄いピアノを弾いてしまう人。
 当然、駄作なし。
 徐々にジャズ色が薄くなり、クラシックっぽさ、またタッチが強くなってきているようにも聞こえます。
 私的にはオムニバス盤“Veredas”あたりまでの柔らかい音楽、ピアノが一番好み。
 もちろん近作も格調高くて素晴らしいのですが。

edição comemorativa: 10 anos de lançamento” (1998) with Celio Barros
 “Forcas D'Alma” (1999) Tutty Moreno 
nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso
“Canto” (2002)
 “Áfrico” (2002) Sérgio Santos
Lachrimae” (2003) 
Piano e Voz” (2004) with Ná Ozzetti
 “Ia Ia” (2004) Monica Salmaso
 “Sergio Santos” (2004) Sergio Santos
Continuous Friendship” (2007) with Hamilton de Holanda
 “Io So” (2007) Sergio Santos
de arvores e Valsas” (2008)
Veredas” (2006-2008) Omnibus
Miramari” (2008) with Gabriele Mirabassi 
 “Nonada” (2008) with Rodolfo Stoeter, Tutty Moreno, Nailor Proveta, Teco Cardoso
 “Litoral e interior” (2009) Sérgio Santos
Gimontipascoal” (2009, 2010) with Hamilton de Holanda
 “Antonio Loureiro” (2010) Antonio Loureiro (一曲のみ)
Canteiro” (2010, 2011)
Afetuoso” (2011)
 “Naissance” (2012) François Morin
Triz” (2012) with Chico Pinheiro, Sérgio Santos 
“Orquestra A Base De Sopro De Curitiba e André Mehmari” (2012)
"Macaxeira Fields" (2012)  Alexandre Andrés
 "Sunni-E" (2012) Renato Motha & Patricia Lobato (一曲のみ)
Arapora” (2013) with Francois Morin
Tokyo Solo” (2013)
“Angelus” (2013)
Ao Vivo No Auditorio” (2013) with Mario Laginha
Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014)
 ”Caprichos" (2014) Hamilton de Holanda (一曲のみ)
As Estacoes Na Cantareira” (2015)
 “Partir” (2015) Fabiana Cozza (一曲のみ)
"MehmariLoureiro duo" (2016) with Antonio Loureiro
Três no Samba” (2016) with Eliane Faria, Gordinho do Surdo
Guris” (2017) with Jovino Santos Neto
Am60 Am40” (2017) with Antonio Meneses
Serpentina” (2017) with Juan Quintero, Carlos Aguirre
Dorival” (2017) with Tutty Moreno, Rodolfo Stroeter, Nailor Proveta
"Macieiras” (2017) Alexandre Andrés


posted by H.A.




【Disc Review】“University of Calypso” (2009) Andy Narell & Relator

“University of Calypso” (2009) Andy Narell & Relator
Andy Narell (Steel Drums, Other) Relator (Vocals, Guitar)
Dario Eskenazi (Piano) Gregory Jones (Bass) Mark Walker (Drums) Inor Sotolongo (Percussion) Pedro Martinez (Congas, Timbales, Bongos) Marcos Araya Correa (Cuatro)
Paquito D'Rivera (Clarinet, Alto Saxophone)



 この季節になると引っ張り出してくるスチールパン作品。
 本作は大御所カリプソアーティストであろうRelatorと、アメリカのAndy Narellによるカリプソ+ジャズフュージョン作品。
 この種のアルバムについて、その道に詳しくない人が解説しても野暮の極みなのですが・・・
 とにもかくにものどかで平和。
 さらに、ノスタルジックでとても優雅。
 音楽は全く違えど、同じカリブ海周辺、“Buena Vista Social Club” (1996)に近い空気感を感じるのは私だけでしょうか?
 Andy Narellの諸作のエアコンがよく効いた感じの心地よさではないのですが、カリブの陽光が見えてくるような音。
 これぞ南国、別種の心地よさ。
 Relatorさんの出す音、声は、そんなカリビアンネイティブな感じの圧倒的な存在感ですが、もちろんAndy Narellのバンドの音は、同じくカリブでもマイアミあたりの都会的、現代的な空気感。
 それらがフュージョンした、いい感じのバランス。
 楽曲は、トリニダード・トバゴ のカリスマなのであろうAldwyn Robertsの作品を中心とした、全てカリビアンクラシックなのでしょう。
 なんだか懐かしいようなムードを漂わせつつも、とても小粋で優雅なメロディの連続。
 Andy Narellの音はとても優雅な音なのですが、いつもの洗練されたカリビアンフュージョンのAndy Narellの作品としては異色、別種の優雅さ。
 いや、Relatorさんが音を出していない時間は、いつも通りなのかもしれません。
 Relatorさんの存在感、カッコよさに脱帽。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Passage” (2004) Andy Narell

“The Passage” (2004) Andy Narell
Andy Narell (Steel Drums)
Mathieu Borgne (Drums, Percussion) Paquito D'Rivera (Alto Sax) Michael Brecker (Tenor Sax) Hugh Masekela (Flugelhorn) 
and Calypsociation Steel Orchestra

Passage
Andy Narell
Heads Up
2004-03-23


 ジャズフュージョン系スチールパン奏者Andy Narell、スチールパンのオーケストラを中心としたアルバム。
 ここまでの作品は、基本的にはジャズ、フュージョン系の編成でしたが、本作では本場のパンの集団演奏スタイルに近づけてみた、といったところでしょうか。
 後に少人数のパンの集団演奏を中心とした次作にあたる”Tatoom”(2006)がありますが、現在のところ、パンのオーケストラの形態ではそれと本作のみ。
 音楽のムードは、1970年代フュージョンな感じではありませんが、直球なカリビアンネイティブな感じでもなく、Andy Narellのそれ。
 都会的で洗練された哀愁が漂うメロディに、タイトなフュージョンドラム。
 が、他の音はパンのオーケストラなので、少人数のフュージョンコンボのタイトさとは一線を画す、ゆらぎというか、ゆるさのある音。
 これがいい感じのバランス。
 パン一台とパーカッションだけだとフュージョンっぽさが勝っていたのが、都会的に洗練されたムードを維持しながら、カリブっぽさが強くなっている感じでしょう。
 タイトさよりもゆらぎが勝り、クールだった音が楽し気になった感じ。
 最初から最後までフワフワしまくり。
 何曲かで登場するゲストの豪華ホーン陣が音を出すと、ちょっとだけ空気感が締まる感じもしますが、彼らもバンドのゆらぎに引っ張られているようで、心地よさげなインプロビゼーション。
 パン一台の方が、あるいは背景の音も薄めの方が、響きのニュアンスがきっちり感じられて、儚げで悲し気なムードも強くなるように思うのですが、ま、これはこれでとても楽し気でいい感じでしょう。
 カリビアン・フュージョンってな語感にはこっちの方が合っているんだろうなあ。
 南国ムードたっぷり。
 コンボ作品のようなエアコンが効いたリゾートホテルのラウンジな感じではなく、”Tatoom”と同様、リゾートホテルのラウンジでもオープンエアー。
 ちょっと温めの湿り気を帯びた風。
 エアコンに慣れてしまった体には、かえって心地よいのではないのかな?
 この手の音は野暮なことなど考えないで、ボケーっと聞くのが吉、なのでしょうね。




posted by H.A.

【Disc Review】“Live in South Africa” (2001) Andy Narell

“Live in South Africa” (2001) Andy Narell
Andy Narell (Steel Pans)
Louis Mhlanga (Guitar) Andile Yenana (Keyboards)
Denny Lalouette (Bass) Rob Watson (Drums) Basi Mahlasela (Percussion)

Live in South Africa
Andy Narell
Heads Up
2001-04-24


 ジャズフュージョン系スチールパン奏者Andy Narellのライブアルバム。
 ここまでの作品から人気曲?、キャッチーな楽曲を集めて、サポートはオーソドックスなジャズフュージョン編成でのコンボでの演奏。
 ギタリストは前作“Fire in the Engine Room” (2000)と同様ですが、他のメンバーは“Sakésho” (2002)とは違う面々。
 サウンド的には前作と似た感じでシンプルなのですが、楽曲のムード含めて、結果的には“The Long Time Band” (1995)ぐらいまでのアメリカンフュージョンなAndy Narellと、それ以降のナチュラルなカリビアンジャズフュージョンが交錯する作品。
 キャッチーなメロディの楽曲を揃え、タイトなバンドの完璧な演奏。
 ライブながらスッキリした演奏が揃っています。
 バンドはオーソドックスなラテンフュージョンバンドですが、哀愁のメロディと、憂いを含んだパンの音もライブでもそのまま。
 ライブでの冒険のような場面はありませんが、各曲ともスタジオ録音よりも長尺、充実したインプロビゼーションあり、終盤に向けて盛り上がっていくドラマチックな構成もあり。
 都会的で洗練されたフュージョンあり、ナチュラルなフュージョンあり、いかにもカリビアンな陽気な演奏あり。
 ここまでの集大成、たっぷり二枚組。
 ここまでのAndy Narellのさまざまな音、代表的な楽曲がまとめて聞けるという意味ではちょうどいい作品なのかな?




posted by H.A.


【Disc Review】“Fire in the Engine Room” (2000) Andy Narell

“Fire in the Engine Room” (2000) Andy Narell
Andy Narell (Steel Drums)
Dario Eskenazi, Mario Canonge (Piano) Louis Mhlanga (Guitar) Michel Alibo, Oscar Stagnaro (Bass) Jean-Philippe Fanfant (Drums)
Jesús Diaz, Luis Conte (Congas) Luis Conte (Percussion) Luis Conte (Timbales)

Fire in the Engine Room
Andy Narell
Heads Up
2000-04-25


 スチールパン奏者Andy Narellのカリビアン・フュージョン。
 ピアノとのDuo+パーカッションを中心としたナチュラルな前作“Behind The Bridge” (1998)から一転、再びフュージョンバンドでの作品。
 が、前々作“The Long Time Band” (1995)と比べるとナチュラルな感じでしょうか。
 楽曲も全曲オリジナルに戻りましたが、都会的な哀愁感はそのままに、これまたナチュラルなカリビアンな感じのメロディライン、いい曲が揃っています。
 いずれにしても、よりシンプルになったサウンド。
 ま、単に録音の具合なのかもしれませんし、聞く側の勝手な思い込みなのかもしれませんが・・・
 さておき、楽し気な現代的カリビアンフュージョンミュージック。
 後の元気いっぱいアコースティックフュージョンバンド作品“Sakésho” (2002)のメンバーも集結し、その予告編といえば、そうなのかもしれません。
 動き回るエレキベースといかにもラテンジャズな楽し気なピアノ、ドラム。
 “Sakésho”ではパーカッションが抜けてしまいますが、本作ではいい感じで効いています。
 デビュー時からのメンバーと交代したギターはロック系の人でしょうか?
 少々やんちゃ系な感じですが、クリーントーン中心なので、ほどよくバンドに溶け込んでいますかね。
 一番憂いを含んだ音がスチールパンかもしれません。
 微妙に立ち上がりが遅れきて、さらに微妙に消えゆくのが早い感じのパンの響きが、後ろ髪を引かれるようで、少々寂し気で、しかも優雅。
 パンの音は静かな泣き声のようにも聞こえます。
 ともあれ、そんなパンの音と、シンプルかつ強烈な推進力の元気なバンドとの対比が、何ともいい感じ。
 “Sakésho”は炎天下な感じ・・・と書いていたようですが、本作はそれとかつてのエアコンの効いたリゾートホテルな感じの中間的なイメージ。
 タイトルのイメージほど熱い感じでもはなく、ほどよく憂いを含んだ音。
 作品が進むにつれ少しずつ作風が変わっていっているのだと思いますが、よくできていますね。
 ま、それも聞く側の思い込みのせいなのかもしれませんが・・・
 とにもかくにも、とても心地いい、21世紀、現代的なカリビアンジャズフュージョン作品。



posted by H.A.


【Disc Review】“Behind The Bridge” (1998) Andy Narell ‎

“Behind The Bridge” (1998) Andy Narell ‎
Andy Narell (Steel Drums)
Dario Eskenazi (Piano) Kleber Jorge, Steve Erquiaga (Guitar) Kleber Jorge (Cavaquinho) Paul Van Wageningen (Drums) Luis Conte, Paulinho Da Costa (Percussion)

Behind the Bridge
Andy Narell
Heads Up
1998-08-25


 スチールパン奏者Andy Narellのカリビアン・フュージョン。
 “The Long Time Band” (1995)に次ぐ作品ですが、前作まで使われていた電子楽器が無くなり、全編アコースティックなサウンド。
 キッチリ作りこまれたアメリカンなフュージョンではなく、ナチュラルなサウンド。
 ちょうど1970年代からのフュージョン時代が終わった時期なのかもしれません。
 基本的にはピアノとのDuoを中心として、楽曲によって他の楽器が彩りを付けていく構成。
 ベースレスな事も含めて、終始柔らかなラテンビート。
 楽曲も本人オリジナルは一曲のみで、他はおそらくカリブ~南米のカバーが中心。
 ってな感じで、ここまでの作品とは少しイメージは異なります。
 といっても、カリビアンネイティブな感じまではいかず、洗練された現代のフュージョンの色合いはあるし、本人のオリジナル曲はいつもの都会的な哀感のメロディなのですが、それら含めて、自然さと洗練のほどよいバランス。
 フワフワしたパンの響きが、ほどよい感じで漂う浮遊感の強い演奏。
 キッチリしたフュージョンビートだと浮遊感が出にくかったもんね。
 終始明るく陽気なようで、その実、微かに感じる影のような哀感、あるいは郷愁感。
 メキシコ~カリブ以南の音楽には常にそんなものを感じるのだけども、私が知る限りのこの人のアルバムの中では、それが一番感じられるアルバムのように思います。
 そんな感じで明るく陽気な演奏と郷愁感が交錯するような音の流れ。
 最後にさり気なく収められたピアノとのDuoでのフワフワしたバラードなんて最高の心地よさ。
 ここまでのアメリカンなフュージョン作品、後の元気いっぱいのピアノトリオとの“Sakésho” (2002)、パンのオーケストラ中心の“The Passage” (2004)、“Tatoom” (2006) などもいいのですが、これぐらいナチュラルで音数が絞られている方が、私的には一番好み。
 20年近く前の作品ですが、逆に古くなっておらず、今の時代にもフィットするように思います。
 スチールパン入りのジャズ的アルバムとしては、この作品あたりが一番自然に聞けるのかな?
 そんなこんなで、このアルバムもこの季節の必需品。




posted by H.A.


【Disc Review】 “Down the Road” (1992) Andy Narell

“Down the Road” (1992) Andy Narell
Andy Narell (Steel Pan, Guitar, Bass, Keyboards, Percussion, Piano) 
Steve Erquiaga (Guitar) Keith Jones (Bass) Paul van Wageningen (Drums) Luis Conte (Congas, Drums, Percussion, Timbales) Karl Perazzo (Claves, Congas, Guiro, Percussion, Timbales) Judd Miller (Synthesizer Programming) 

Down the Road
Andy Narell
Windham Hill Records
1992-05-12


 スチールパン奏者Andy Narellのカリビアン・フュージョン。
 前作“Little Secrets” (1989)とメンバーも同様、安定のサウンド。
 例によって、哀愁漂うメロディ、都会的なジャズフュージョンサウンドと、ゆらめくパンの音の組み合わせ。
 少々抑制気味のムードも“Little Secrets”と変わりません。
 それが時代の音だったのかもしれませんし、響きが悲しげな表情にも聞こえるスチールパンが前面に出るフュージョンの場合、そう聞こえるのかもしれません。
 アルバムの前半はそんな相変わらずのフュージョンサウンドですが、後半はベース、ギター、ドラムなしで、現代的フュージョンとは一線を画した色合いが中心。
 パンとパーカッションだけでの演奏はフワフワした空気感がとてもいい感じ。
 淡いメロディと、少し遅れて立ち上がり、予想よりもわずかに早く消えゆく儚げなパンの音が映える構成。
 跳ねるベースでビートを決めて、複雑なブレイクを多用してアクセントをつけて、シンセサイザーで彩りを加えて・・・なんて現代的なフュージョンとパンとの組み合わせもいいのですが、このくらいナチュラルな方が、私的には好みでしょうかね。
 次作はフュージョン然としたサウンドとAOR的な色が入り混じる“The Long Time Band” (1995)。
 フュージョン然としたサウンドが好みに合わない方は、本作の後半か、次次作“Behind The Bridge” (1998)をどうぞ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Little Secrets” (1989) Andy Narell

“Little Secrets” (1989) Andy Narell
Andy Narell (Steel Pan, Steel Drums, Bass, Congas, Guitar, Keyboards, Piano)
Steve Erquiaga (Guitar) Keith Jones (Bass) Paul van Wageningen (Drums) Luis Conte, Karl Perazzo (Congas, Percussion)
Marc Baum (Alto, Tenor Sax) Bill Ortiz (Flugelhorn, Trumpet) Dan Reagan (Trombone) Kit Walker (Programming, Synthesizer)

Little Secrets
Andy Narell
Windham Hill Records
1989-09-25


 この季節の必需品、スチールパン奏者Andy Narellのカリビアン・フュージョン。
 このアルバムはスッキリ整ったフュージョンサウンド。
 タイトなドラムに、跳ねるベース、ギターのカッティングは、展開的な1980年代のフュージョンサウンドなのかもしれませんが、ちょっと沈んだ感じの落ち着いたムード。
 いつものギタートリオにリーダーのパンとキーボード。
 ラテンなパーカッションの控えめなサポートに、お洒落なホーン陣のアンサンブルが彩りを加える構成。
 ソウル~AOR華やかかかりし時代の音作りでしょうかね。
 デジタル臭はほとんどありませんが、オシャレなあの時代の香りはたっぷり。
 全体的な抑制された空気感も、あの時代の雰囲気なのかもしれませんが、よく思い出しません。
 “Winelight” (1980) Grover Washington Jr.、“Night-Birds” (1982) Shakatak、“Diamond Life” (1984) Sade とかが流行ったのは少々前だし、日本はバブルに絶頂期・・・
 ま、レーベルがあのWindham Hill Recordsだったりしますし、もちろん上記の諸作ほどまで売れ筋を狙っていたわけでもないでしょうし、それらとは全く雰囲気が違うのですが、さて・・・?
 とにもかくにも落ち着いたフュージョンサウンドと揺れるパンの音の組み合わせ。
 最後はパンのみの演奏での静かな音で消え入るようにエンディング、しかも長尺。
 これがとても心地よくて、いいなあ・・・
 次作は半分ぐらいがそんな感じの“Down the Road” (1992)。
 時代も少しづつ変わっていっているのでしょうが、よく思い出せないのが悲しいというか、何というか・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Já Tô Te Esperando” (2005) Edu Ribeiro

“Já Tô Te Esperando” (2005) Edu Ribeiro
Edu Ribeiro (drums)
Chico Pinheiro (guitar) Fábio Torres (piano) Thiago Espírio Santo, Paulo Paulelli (bass)
Toninho Ferragutti (accordeon) Daniel D'Alcântara (trumpet, Flugelhorn)



 ブラジリアンジャズ?のドラマーEdu Ribeiroのリーダー作。
 Chico PinheiroRosa Passosなど、ブラジル系のジャズ、フュージョン、MPBのアルバムでよく見かける人。
 その界隈ではファーストコールな人なのでしょう。
 本作はプロデューサーに現代最高?のブラジリアンジャズギタリストChico Pinheiroも名を連ね、いかにもそんな感じの現代的ブラジリアンジャズ。
 何曲かでエレキベース、エレピは入りますが、基本的にはアコースティックなジャズ。
 Chico Pinheiroが入ると都会的な色合い、クールなジャズ色が強くなるのだけども、もちろんブラジリアンジャズの独特のフワフワした感じは出ていて、心地いいバランス。
 ピアノトリオ+ギターを背景に、アコーディオンの柔らかい音がフワフワと漂い、キリッとしたトランペットとギターが全体を締める、そんな構成。
 ドラム、ギターはもちろんの事、ベースのグルーヴが凄いし、ピアノも、トランペットも、超一線級の演奏。
 さらに、これまた凄い演奏力のアコーディオンが、普通のジャズとは違う空気感を醸し出しています。
 もちろん普通のジャズフュージョンとして聞いても最高にカッコいい演奏だし、CD終盤に向けてドカーンと盛り上がっていく構成もお見事。
 全曲、リーダー、Chico Pinheiroのオリジナル曲。
 キリッとしたジャズ曲、エレキベースがうなるフュージョン曲、さらに南米エキゾチックな曲が交錯しつつ進む、元気いっぱいの演奏。
 アメリカ産のジャズ、フュージョンと比べると、なぜかしなやかで柔らかに感じるリズムと音の流れ。
 ノってくるとなぜかサンバに聞こえてしまうのは気のせいでしょうか?
 その要因はビート感なのか、コードの流れなのか、いまだによくわかりません。
 アメリカンなジャズ、フュージョンに食傷した時、でもヨーロッパ系や重かったり暗かったりする音、さらには直球な南米系もピンとこない時には、こんな感じのジャズが一番気持ちいいですかね。
 明るくて爽やかだしね。




posted by H.A.
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