吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Latin_Jazz

【Disc Review】“Guris” (2016) Jovino Santos Neto, Andre Mehmari

“Guris” (2016) Jovino Santos Neto, Andre Mehmari
Jovino Santos Neto (piano, melodica, flute) Andre Mehmari (piano, harmonium, rhodes, bandolim)
Hermeto Pascoal (teakettle, melodica)

Guris
Jovino Santos Neto
Adventure Music
2017-07-21


 ブラジル人ピアニストJovino Santos Netoと、同じくAndre MehmariのDuo。
 Hermeto Pascoalの作品集。
 ブラジル系のアーティストにとって、Jobim、Joao Gilbertは言わずもがな、Egberto GismontiHermeto Pascoalも神のような人なのでしょう。
 ピアノ二台の音を基本として、フルート、メロディアなどで彩りを加える形。
 Hermetoさん本人も三曲ほどに参加し、得意の不思議な音を出してます。
 意外なのが二人のピアノの色合いが似ていること。
 大先輩方に敬意を払ってかどうか、Andre Mehmariが抑え気味なこともあるのでしょうが、随分落ち着いた演奏。
 実はJovino Santos Netoからの影響も小さくないのでしょうかね?
 子弟か兄弟のような、ぶつかることのない、自然な二台のピアノの絡み合い。
 でも、たまに高音でぶっ飛んだ音が聞こえるのは、いつものMehmariさんなのでしょうね・・・?
 ん・・・?
 基本的にはHermeto Pascoalの色合いのブラジリアンフュージョンというか、インスツルメンタルMPBなのだけども、全編を通じたジャジーなムード、要所でのクラシック香りは、Jovino Santos Neto、Andre Mehmariそれぞれの得意な色合いが出ている演奏、場面なのでしょう。
 Hermeto Pascoalのメロディの中でそれらが交錯する音の流れ。
 端正で上品、いろんな要素が交錯するピアノミュージック。
 ボッサやサンバとは違うけども、全体を漂う郷愁感。
 もちろんブラジル風味120%。





 Andre Mehmari参加作品、私が今知る限り。
 他にもたくさんあるのでしょう。
 ジャズだろうがクラシックだろうが、何でも凄いピアノを弾いてしまう人。
 当然、駄作なし。
 徐々にジャズ色が薄くなり、クラシックっぽさ、またタッチが強くなってきているようにも聞こえます。
 私的にはオムニバス盤“Veredas”あたりまでの柔らかい音楽、ピアノが一番好み。
 もちろん近作も格調高くて素晴らしいのですが。

edição comemorativa: 10 anos de lançamento” (1998) with Celio Barros
Forcas D'Alma” (1999) Tutty Moreno 
nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso
“Canto” (2002)
Áfrico” (2002) Sérgio Santos
Lachrimae” (2003) 
Piano e Voz” (2004) with Ná Ozzetti
“Ia Ia” (2004) Monica Salmaso
Sergio Santos” (2004) Sergio Santos
Continuous Friendship” (2007) with Hamilton de Holanda
Io So” (2007) Sergio Santos
de arvores e Valsas” (2008)
Veredas” (2006-2008) Omnibus
Miramari” (2008) with Gabriele Mirabassi 
“Nonada” (2008) with Rodolfo Stoeter, Tutty Moreno, Nailor Proveta, Teco Cardoso
Litoral e interior” (2009) Sérgio Santos
Gimontipascoal” (2009, 2010) with Hamilton de Holanda
Antonio Loureiro” (2010) Antonio Loureiro (一曲のみ)
Canteiro” (2010, 2011)
Naissance” (2012) François Morin
Afetuoso” (2011)
Triz” (2012) with Chico Pinheiro, Sérgio Santos 
“Orquestra A Base De Sopro De Curitiba e André Mehmari” (2012)
"Macaxeira Fields" (2012)  Alexandre Andrés
Arapora” (2013) with Francois Morin
Tokyo Solo” (2013)
“Angelus” (2013)
“Ao Vivo No Auditorio” (2013) with Mario Laginha
Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014)
”Caprichos" (2014) Hamilton de Holanda (一曲のみ)
As Estacoes Na Cantareira” (2015)
Partir” (2015) Fabiana Cozza (一曲のみ)
"MehmariLoureiro duo" (2016) with Antonio Loureiro
Três no Samba” (2016) with Eliane Faria, Gordinho do Surdo
Guris” (2017) with Jovino Santos Neto

posted by H.A.




【Disc Review】“University of Calypso” (2009) Andy Narell & Relator

“University of Calypso” (2009) Andy Narell & Relator
Andy Narell (Steel Drums, Other) Relator (Vocals, Guitar)
Dario Eskenazi (Piano) Gregory Jones (Bass) Mark Walker (Drums) Inor Sotolongo (Percussion) Pedro Martinez (Congas, Timbales, Bongos) Marcos Araya Correa (Cuatro)
Paquito D'Rivera (Clarinet, Alto Saxophone)



 この季節になると引っ張り出してくるスチールパン作品。
 本作は大御所カリプソアーティストであろうRelatorと、アメリカのAndy Narellによるカリプソ+ジャズフュージョン作品。
 この種のアルバムについて、その道に詳しくない人が解説しても野暮の極みなのですが・・・
 とにもかくにものどかで平和。
 さらに、ノスタルジックでとても優雅。
 音楽は全く違えど、同じカリブ海周辺、“Buena Vista Social Club” (1996)に近い空気感を感じるのは私だけでしょうか?
 Andy Narellの諸作のエアコンがよく効いた感じの心地よさではないのですが、カリブの陽光が見えてくるような音。
 これぞ南国、別種の心地よさ。
 Relatorさんの出す音、声は、そんなカリビアンネイティブな感じの圧倒的な存在感ですが、もちろんAndy Narellのバンドの音は、同じくカリブでもマイアミあたりの都会的、現代的な空気感。
 それらがフュージョンした、いい感じのバランス。
 楽曲は、トリニダード・トバゴ のカリスマなのであろうAldwyn Robertsの作品を中心とした、全てカリビアンクラシックなのでしょう。
 なんだか懐かしいようなムードを漂わせつつも、とても小粋で優雅なメロディの連続。
 Andy Narellの音はとても優雅な音なのですが、いつもの洗練されたカリビアンフュージョンのAndy Narellの作品としては異色、別種の優雅さ。
 いや、Relatorさんが音を出していない時間は、いつも通りなのかもしれません。
 Relatorさんの存在感、カッコよさに脱帽。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Passage” (2004) Andy Narell

“The Passage” (2004) Andy Narell
Andy Narell (Steel Drums)
Mathieu Borgne (Drums, Percussion) Paquito D'Rivera (Alto Sax) Michael Brecker (Tenor Sax) Hugh Masekela (Flugelhorn) 
and Calypsociation Steel Orchestra

Passage
Andy Narell
Heads Up
2004-03-23


 ジャズフュージョン系スチールパン奏者Andy Narell、スチールパンのオーケストラを中心としたアルバム。
 ここまでの作品は、基本的にはジャズ、フュージョン系の編成でしたが、本作では本場のパンの集団演奏スタイルに近づけてみた、といったところでしょうか。
 後に少人数のパンの集団演奏を中心とした次作にあたる”Tatoom”(2006)がありますが、現在のところ、パンのオーケストラの形態ではそれと本作のみ。
 音楽のムードは、1970年代フュージョンな感じではありませんが、直球なカリビアンネイティブな感じでもなく、Andy Narellのそれ。
 都会的で洗練された哀愁が漂うメロディに、タイトなフュージョンドラム。
 が、他の音はパンのオーケストラなので、少人数のフュージョンコンボのタイトさとは一線を画す、ゆらぎというか、ゆるさのある音。
 これがいい感じのバランス。
 パン一台とパーカッションだけだとフュージョンっぽさが勝っていたのが、都会的に洗練されたムードを維持しながら、カリブっぽさが強くなっている感じでしょう。
 タイトさよりもゆらぎが勝り、クールだった音が楽し気になった感じ。
 最初から最後までフワフワしまくり。
 何曲かで登場するゲストの豪華ホーン陣が音を出すと、ちょっとだけ空気感が締まる感じもしますが、彼らもバンドのゆらぎに引っ張られているようで、心地よさげなインプロビゼーション。
 パン一台の方が、あるいは背景の音も薄めの方が、響きのニュアンスがきっちり感じられて、儚げで悲し気なムードも強くなるように思うのですが、ま、これはこれでとても楽し気でいい感じでしょう。
 カリビアン・フュージョンってな語感にはこっちの方が合っているんだろうなあ。
 南国ムードたっぷり。
 コンボ作品のようなエアコンが効いたリゾートホテルのラウンジな感じではなく、”Tatoom”と同様、リゾートホテルのラウンジでもオープンエアー。
 ちょっと温めの湿り気を帯びた風。
 エアコンに慣れてしまった体には、かえって心地よいのではないのかな?
 この手の音は野暮なことなど考えないで、ボケーっと聞くのが吉、なのでしょうね。




posted by H.A.

【Disc Review】“Live in South Africa” (2001) Andy Narell

“Live in South Africa” (2001) Andy Narell
Andy Narell (Steel Pans)
Louis Mhlanga (Guitar) Andile Yenana (Keyboards)
Denny Lalouette (Bass) Rob Watson (Drums) Basi Mahlasela (Percussion)

Live in South Africa
Andy Narell
Heads Up
2001-04-24


 ジャズフュージョン系スチールパン奏者Andy Narellのライブアルバム。
 ここまでの作品から人気曲?、キャッチーな楽曲を集めて、サポートはオーソドックスなジャズフュージョン編成でのコンボでの演奏。
 ギタリストは前作“Fire in the Engine Room” (2000)と同様ですが、他のメンバーは“Sakésho” (2002)とは違う面々。
 サウンド的には前作と似た感じでシンプルなのですが、楽曲のムード含めて、結果的には“The Long Time Band” (1995)ぐらいまでのアメリカンフュージョンなAndy Narellと、それ以降のナチュラルなカリビアンジャズフュージョンが交錯する作品。
 キャッチーなメロディの楽曲を揃え、タイトなバンドの完璧な演奏。
 ライブながらスッキリした演奏が揃っています。
 バンドはオーソドックスなラテンフュージョンバンドですが、哀愁のメロディと、憂いを含んだパンの音もライブでもそのまま。
 ライブでの冒険のような場面はありませんが、各曲ともスタジオ録音よりも長尺、充実したインプロビゼーションあり、終盤に向けて盛り上がっていくドラマチックな構成もあり。
 都会的で洗練されたフュージョンあり、ナチュラルなフュージョンあり、いかにもカリビアンな陽気な演奏あり。
 ここまでの集大成、たっぷり二枚組。
 ここまでのAndy Narellのさまざまな音、代表的な楽曲がまとめて聞けるという意味ではちょうどいい作品なのかな?




posted by H.A.


【Disc Review】“Fire in the Engine Room” (2000) Andy Narell

“Fire in the Engine Room” (2000) Andy Narell
Andy Narell (Steel Drums)
Dario Eskenazi, Mario Canonge (Piano) Louis Mhlanga (Guitar) Michel Alibo, Oscar Stagnaro (Bass) Jean-Philippe Fanfant (Drums)
Jesús Diaz, Luis Conte (Congas) Luis Conte (Percussion) Luis Conte (Timbales)

Fire in the Engine Room
Andy Narell
Heads Up
2000-04-25


 スチールパン奏者Andy Narellのカリビアン・フュージョン。
 ピアノとのDuo+パーカッションを中心としたナチュラルな前作“Behind The Bridge” (1998)から一転、再びフュージョンバンドでの作品。
 が、前々作“The Long Time Band” (1995)と比べるとナチュラルな感じでしょうか。
 楽曲も全曲オリジナルに戻りましたが、都会的な哀愁感はそのままに、これまたナチュラルなカリビアンな感じのメロディライン、いい曲が揃っています。
 いずれにしても、よりシンプルになったサウンド。
 ま、単に録音の具合なのかもしれませんし、聞く側の勝手な思い込みなのかもしれませんが・・・
 さておき、楽し気な現代的カリビアンフュージョンミュージック。
 後の元気いっぱいアコースティックフュージョンバンド作品“Sakésho” (2002)のメンバーも集結し、その予告編といえば、そうなのかもしれません。
 動き回るエレキベースといかにもラテンジャズな楽し気なピアノ、ドラム。
 “Sakésho”ではパーカッションが抜けてしまいますが、本作ではいい感じで効いています。
 デビュー時からのメンバーと交代したギターはロック系の人でしょうか?
 少々やんちゃ系な感じですが、クリーントーン中心なので、ほどよくバンドに溶け込んでいますかね。
 一番憂いを含んだ音がスチールパンかもしれません。
 微妙に立ち上がりが遅れきて、さらに微妙に消えゆくのが早い感じのパンの響きが、後ろ髪を引かれるようで、少々寂し気で、しかも優雅。
 パンの音は静かな泣き声のようにも聞こえます。
 ともあれ、そんなパンの音と、シンプルかつ強烈な推進力の元気なバンドとの対比が、何ともいい感じ。
 “Sakésho”は炎天下な感じ・・・と書いていたようですが、本作はそれとかつてのエアコンの効いたリゾートホテルな感じの中間的なイメージ。
 タイトルのイメージほど熱い感じでもはなく、ほどよく憂いを含んだ音。
 作品が進むにつれ少しずつ作風が変わっていっているのだと思いますが、よくできていますね。
 ま、それも聞く側の思い込みのせいなのかもしれませんが・・・
 とにもかくにも、とても心地いい、21世紀、現代的なカリビアンジャズフュージョン作品。



posted by H.A.


Profile
記事検索
タグ絞り込み検索
最新記事
  • ライブドアブログ