吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Kurt_Rosenwinkel

【Disc Review】“Intuit” (1998) Kurt Rosenwinkel

“Intuit” (1998) Kurt Rosenwinkel
Kurt Rosenwinkel (guitar)
Michael Kanan (piano) Joe Martin (bass) Tim Pleasant (drums)

Intuit
Kurt Rosenwinkel
Criss Cross
カート・ローゼンウィンケル


 現代のカリスマギタリストKurt Rosenwinkelのオーソドックスジャズ。
 激しく新しいスタイルの“The Enemies of Energy” (1996)の後の録音とは気づいていませんでした。
 お世話になったモダンジャズなCriss Crossレーベルからのリクエストなのか、実はモダンジャズが好きなのか・・・
 後の作品“Reflections” (2009)などを聞くと両方なのでしょうね。
 ビックリするぐらい平和なモダンジャズ。
 “East Coast Love Affair” (Jul.1996)は少々変わったジャズスタンダードでしたが、こちらはジャストなジャズ。
 オーソドックスなピアノトリオと全曲ジャズスタンダード。
 もちろんギターのフレーズはちょっと普通とは違うKurt Rosenwinkel節ですが、ここまで背景がオーソドックスだと何だか平和に聞こえてしまいます。
 バース交換まであるもんなあ・・・
 どこまでも続いていくような感覚のフレージングはここでも健在。
 ピアノが入っているので、コードワークを挟まずに、素直なシングルトーンで流麗なフレージング。
 いや素直ではないか・・・
 誰に似ているのかもいまだによくわからない彼独特の節回し。
 ちょっと聞きでは彼の作品とはとても思えないのですが、よく聞くと彼以外にはありそうにないモダンジャズ。
 リラックスして聞けるスーパージャズギタリストKurt Rosenwinkelの一作。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Enemies of Energy” (Nov.1996) Kurt Rosenwinkel

“The Enemies of Energy” (Nov.1996) Kurt Rosenwinkel
Kurt Rosenwinkel (Electric, Acoustic Guitar)
Mark Turner (Tenor Saxophone) Scott Kinsey (Piano, Keyboards) Ben Street (Bass) Jeff Ballard (Drums)

Enemies of Energy
Kurt Rosenwinkel
Polygram Records
カート・ローゼンウィンケル


 Kurt Rosenwinkelの初期の作品。
 発表は前後するようですが、リーダーでの録音としては第二作目になるのでしょう。
 後のスタイルが確立したようなアルバム。
 変拍子にメカニカルなメロディライン、圧倒的な演奏力。
 いかにもニューヨーク系コンテンポラリージャズな音。
 ギタートリオ+サックスの流行りの編成もこのアルバムあたりが端緒なのでしょう。
 もう20年が経つようですが、今の耳で聞いても新しいサウンド。
 ジャズに加えてロックも混ざり、フュージョンを通過し、諸々の要素を吸収し、試行錯誤しながらできてのであろう独特の音。
 結果としての音は、複雑で不思議系。
 ロックっぽくもあるし、なんだかんだでジャズっぽくもあるし。
 すべてオリジナル曲、すべて不思議系、メカニカル系なメロディ。
 複雑なようでスルッと入ってきてしまう不思議な音。
 ビートの作り方の影響が大きいのだと思うのだけども、独特の浮遊感。
 そんな音を背景にして、ナチュラルなディストーションギターのソロが始まると止まりません。
 どこまで続くのかわからないような凄まじいソロ。
 ピアノもサックスも同じ。
 このどこまでも続いていく感じは、演奏力もさることながら、背景のサウンドとの関係も大きいのでしょう。
 その意味でも新しいサウンドが出来た、と思うアルバム。
 確かに聞き慣れないし、先も読みづらいし、寛げる音ではないのでしょう。
 が、決して難しくも気色悪くもないし、何がどうなっているのか考えてしまう頭の体操になりそうな音でもあります。
 ここからさらにたたき上げたのが、よりシンプルで音の洪水のような “The Remedy” (2006) あたりなのでしょう。
 同時期、Pat Methenyは“We Live Here” (1995)、“Quartet” (1996)あたり。
 まだまだ普通のジャズ、フュージョンをやっている時期。
 それらとは全く違う流れ、21世紀型コンテンポラリージャズのその典型の一つ。
 その端緒のような作品。




posted by H.A.

【Disc Review】“East Coast Love Affair” (Jul.1996) Kurt Rosenwinkel

“East Coast Love Affair” (Jul.1996) Kurt Rosenwinkel
Kurt Rosenwinkel (Guitar)
Avishai Cohen (Bass) Jorge Rossy (Drums)

East Coast Love Affair
Kurt Rosenwinkel
New Talent Spain
カート・ローゼンウィンケル


 現代のカリスマギタリストなのでしょう、Kurt Rosenwinkelのファーストアルバムになるのだと思います。
 オリジナル曲は少々で他はジャズスタンダード。
 ちょっと聞いただけでは普通のジャズギタートリオに聞こえますが、なんだか変わっています。
 ギターはちょっとディストーションが掛かり気味ではあるものの、ナチュラルな範疇。
 ビートも4ビート中心だし、ゆったりとした演奏揃い。
 それでもアクセントの置き方が普通じゃない感じがするし、フレージングもあまり聞いたことがないスタイル。
 コードの中で収まっているのかはみ出しているのかよくわからない、不思議感のあるフレージング。
 あっちに行ったりこっちに行ったりしながら、バラバラととっちらかっているようで、なぜか終わり際にはまとまってくる不思議な起承転結感。
 アップテンポでは強烈な加速感と、どこまでも続いていくようなフレージング。
 第一印象はなんだかぶっきらぼう、そんな感じ。
 その感じは今に至るまでの彼のスタイル。
 ベースはこれまた今を時めくAvishai Cohen。
 この人も圧倒的な演奏力ながら、なんだか変わっています。
 とても変わったモダンジャズと呼ぶか、とてもクリエイティブなモダンジャズと呼ぶか。
 おそらく伝統的なスタイル大好きなのに、その枠組みの中に素直に納まりきらない人たちの登場。




posted by H.A.
 
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