“Hummingbird” (2017) Knut Hem, Helge Lien
ノルウェーのギタリストKnut Hem、ピアニストHelge LienのDuo作品。
ピアノはヨーロピアンコンテンポラリージャズの第一人者、ギターはなぜかドブロギター。
なんだかよくわからない組み合わせですが、ミスマッチの予感は全くの杞憂の穏やかで心地よいサウンド。
冒頭はゆったりとしたフォーキーなバラード。
漂うドブロギターの響きと、控え目なピアノ。
限られた音数、少しルーズな感じの寂寥感の強いサウンドは、“Paris, Texas” (1985) Ry Cooderの世界。
が、ピアノが前面に出ると、あのクラシックの香りも濃厚、美しく疾走するHelge Lien。
全く違う質感がとてもいい感じのバランス、いい感じの混ざり具合。
曲が進んでビートが上がるとアメリカンな感じが強くなるのは、Knut Hemの書くメロディ、ギターの響きゆえでしょう。
Knut Hemの曲を中心にHelge Lienが二曲に、やはりアメリカンのその筋の人Jerry Douglasが一曲。
北欧っぽいなあと思うと、やはりHelge Lienの曲だったりするのですが・・・
高い透明度と低めの温度感、カラッとした質感、あるいはルーズさと端正さが交錯する音は、アメリカンっぽいのかノルウェーっぽいのか判然としませんが、全編どこか懐かし気な音。
さて、はたしてノルウェーではドブロギターが流行っているんでしょうかね?
ま、とにもかくにも心地よさ最高。
posted by H.A.