“Hummingbird” (2017) Knut Hem, Helge Lien

Knut Hem (Dobro, Weissenborn) Helge Lien (piano)

Hummingbird
Helge Lien
Ozella Music
2018-02-23


 ノルウェーのギタリストKnut Hem、ピアニストHelge LienのDuo作品。
 ピアノはヨーロピアンコンテンポラリージャズの第一人者、ギターはなぜかドブロギター。
 なんだかよくわからない組み合わせですが、ミスマッチの予感は全くの杞憂の穏やかで心地よいサウンド。
 冒頭はゆったりとしたフォーキーなバラード。
 漂うドブロギターの響きと、控え目なピアノ。
 限られた音数、少しルーズな感じの寂寥感の強いサウンドは、“Paris, Texas” (1985) Ry Cooderの世界。
 が、ピアノが前面に出ると、あのクラシックの香りも濃厚、美しく疾走するHelge Lien。
 全く違う質感がとてもいい感じのバランス、いい感じの混ざり具合。
 もしRy CooderKeith Jarrettが共演したら・・・ってな全くあり得ない感じも、当たらずとも遠からず・・・でもないか・・・?
 ま、いずれにしても私的な好みにはピッタリの音。
 曲が進んでビートが上がるとアメリカンな感じが強くなるのは、Knut Hemの書くメロディ、ギターの響きゆえでしょう。
 Knut Hemの曲を中心にHelge Lienが二曲に、やはりアメリカンのその筋の人Jerry Douglasが一曲。
 北欧っぽいなあと思うと、やはりHelge Lienの曲だったりするのですが・・・
 高い透明度と低めの温度感、カラッとした質感、あるいはルーズさと端正さが交錯する音は、アメリカンっぽいのかノルウェーっぽいのか判然としませんが、全編どこか懐かし気な音。
 さて、はたしてノルウェーではドブロギターが流行っているんでしょうかね?
 ま、とにもかくにも心地よさ最高。




posted by H.A.