吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Ketil_Bjørnstad

【Disc Review】“La Notte” (2010) Ketil Bjørnstad

“La Notte” (2010) Ketil Bjørnstad

Ketil Bjørnstad (piano)
Eivind Aarset (guitars, electronics) Arild Andersen (bass) Marilyn Mazur (drums, percussion) Anja Lechner (cello) Andy Sheppard (tenor, soprano sax)

La Notte
Ketil Bjornstad
Ecm Records
2013-06-11


 ノルウェーのピアニストKetil Bjørnstadのライブ録音。
 リーダーはクラシック色が強い人、メンバーはいろんな世代のECMオールスターズ。
 チェロのAnja Lechnerのイメージが合いますが、他は少し前に“Movements in Colour” (2008)を制作したゴリゴリのジャズの人に音響系の先端ギタリストといったメンバー。
 なんだかミスマッチな感じもするのですが、予想に違わず、チェロとピアノが前面にでたクラシック色と、Andy Sheppardのサックスが前面に出るジャズ色が交錯するステージ。
 “夜”?と題された組曲、全8編。
 例の跳ねないビートと沈痛で深刻なメロディ、チェロとピアノのDuoでのクラシカルな雰囲気からスタート。
 ベースが入るとジャズなサックスにズルズルギターの激しい系コンテンポラリージャズに、妖しくフリーなパーカッション。
 硬、軟、ジャズ、クラシックを織り交ぜつつ、メンバーの色合いそのままがフュージョンするアンサンブル。
 妖し気な音響系ギターがさり気ない背景を作りつつのチェロとクラシカルなピアノの絡み合い、あるいは激烈Arild Andersenと優雅なAnja Lechnerの低音Duo、なんて他ではなかなか聞けないのでしょう。
 全編わかりやすくてキャッチ―なメロディ、さまざまなシーンを織り込んだ映画のようにドラマチックな構成。
 哀し気ですが、他の諸作よりも沈痛は低め、どこかあっけらかんとした、優しい色合い。
 最後のルバートでのスローバラードも、妖しく幻想的ながら前向きなメジャーコード締め。
 この人の作品にしては深刻度低め、ジャズ度強めのクラシカルコンテポラリージャズ。
 気難しくなくていいなあ・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Epigraphs” (1998) Ketil Bjørnstad, David Darling

“Epigraphs” (1998) Ketil Bjørnstad
Ketil Bjørnstad (piano) David Darling (cello)

Epigraphs
Ketil Bjornstad
Ecm Records
ケティル・ビヨルンスタ
デヴィッド ダーリング


 “The River” (Jun.1996)の続編のDuo作品。
 これまたチェロとピアノが紡ぎだす上品、上質な音。
 本作のテーマは「碑文」。
 何の「碑」なのかは想像するしかありませんが、確かにどこかしら遠くを眺めているような、あるいは何かを懐かしむような音。
 穏やかで優し気、前向きなメロディ。
 背景に低く響くチェロの音はベルベットのようなしっとりとした質感。
 メロディを紡ぐ音が醸し出す哀感。
 テンポも前作にも増してゆったりとして穏やか。
 今にも止まりそうな場面も多々。
 わずかに遅れ気味に立ち上がってくるピアノに、さらに遅れて遠くで鳴り響くようなチェロ。
 例によってドラマチックですが、本作はあくまで穏やか、淡い色合い。
 ここまで心地よいと眠気が・・・
 とてもいい感じの眠気です。




posted by H.A.

【Disc Review】“The River” (Jun.1996) Ketil Bjørnstad, David Darling

“The River” (Jun.1996) Ketil Bjørnstad
Ketil Bjørnstad (piano) David Darling (cello)

The River
Ecm Records
ケティル・ビヨルンスタ
デヴィッド ダーリング

 ノルウェーのピアニストKetil BjørnstadとアメリカのチェリストDavid DarlingのDuo。
 クラシックには疎く、チェロとピアノのDuoが一般的な組み合わせなのかどうか、この種の音が一般的かどうかはわかりませんが、この上もなく上品、かつクリエイティブな音。
 “The Sea” (1994)に次いだ「河」なのかもしれませんが、“The Sea II” (Dec.1996)もありますので、どの流れなのかは分かりません。
 いずれにしても“The Sea”と同様にドラマチックな作品。
 ドラムとギターがいない分、ビート感がさらに堕ちて、クラシックの色合いが強くなっている音。
 また、「海」よりもこちらの「河」の方がさらに静かで穏やか。
 メロディも優しくて明るいムード。
 激しい流れではなくあくまでゆったりとした流れ。
 タメが入って遅れ気味に動き出す独特の音使いのピアノ。
 その周りをフワフワと漂うような哀感を湛えたチェロの響き。
 この手の音楽がカフェで低く流れているととても素敵なんだろうなあ。
 とても静かなので大きな声での会話が出来そうにありませんが・・・




posted by H.A.

【Disc Review】“The Sea II” (Dec.1996) Ketil Bjørnstad

“The Sea II” (1996) Ketil Bjørnstad
Ketil Bjørnstad (piano)
Terje Rypdal (guitar) David Darling (cello) Jon Christensen (drums)

Sea 2
Ketil Bjornstad
Ecm Import
ケティル・ビヨルンスタ
ヴィッド ダーリング

 ノルウェーのピアニストKetil Bjørnstad、「海」をテーマにした“The Sea” (1994)の続編。
 メンバーはそのまま、質感もそのまま、ドラマチックな仕立て。
 とても悲し気なオリジナル曲。
 淡々と微妙にタメを効かせてメロディ、背景を紡いでいくピアノ。
 その上を漂う沈痛なチェロの響き。
 音楽が高揚したところで登場する、強いディストーション、尋常ではない激情のロックギター。
 胸が締め詰められるようなチェロの響きに対して、心をかき乱されるような、凄まじいまでにドラマチックなギター。
 歪んだギターは苦手ですが、ここまでくるとこれしか無いように思います。
 私が知る限り、バラードでの激しい系ギターソロではこのシリーズが一番カッコいいかも・・・
 そんな感じの凄まじい弦のコンビ。
 といったところまでは前作と同じイメージですが、本作ではJon Christensenのドラムが活躍する場面が多いように感じます。
 逆にリーダーのピアノは一歩引いて背景を作る役割に徹している印象。
 フリー、ヒタヒタと迫ってくる系、激しく煽る系・・・、Jon Christensenの持ち味全開のビート。 
 何曲かあるルバートでのバラードでも、フリーなビートが効いて強烈な浮遊感、とてもドラマチック。
 個々の楽曲のメロディ、全体の統一感、ストーリー性、緊張感など含めて、前作の方が人気なのかもしれません。
 が、ドラムが強く、ビート感が強調されている分、躍動感は本作の方があるように思います。
 といったことも含めて、私は本作の方がお気に入り。
 ジャズとして・・・?
 さて?聞いてみてください。
 素晴らしい音楽であることは間違いありません。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Sea” (1994) Ketil Bjørnstad

“The Sea” (1994) Ketil Bjørnstad
Ketil Bjørnstad (piano)
Terje Rypdal (guitar) David Darling (cello) Jon Christensen (drums)

Sea
Ketil Bjornstad
Ecm Import
ケティル・ビヨルンスタ
ヴィッド ダーリング

 ノルウェーのピアニストKetil Bjørnstad、ECMでのコンボ作品。
 「海」をテーマにしたドラマチックな組曲。
 淡々とした端正なピアノを背景として、哀感を湛えた、でも慈しむようなチェロと過激に歪んだ妖しいギターがメロディを紡いでいく構成。
 描こうとしたのは海の景色なのか、海の中で繰り広げられる生物たちのドラマなのかはわかりません。
 いずれの解釈もできそうな大らかでゆったりとした展開。
 悲しげでもあり、優しげでもあり、穏やかでもあり、過激でもある、そんな音。
 全体の穏やかなイメージの中に時折現れる過激なロックギターの響きがアクセントとなり、また穏やかな表情に戻っていく・・・
 あるいはチェロが奏でる悲哀に満ちた音、さらに時折の激情をはさみながら、また穏やかな表情に戻っていく・・・
 そんな展開。
 どの曲も穏やかながら悲しみを湛えたメロディ。
 妖しく激しい冒頭からさまざまな展開を経て、超スローテンポで穏やかなエピローグで締め。
 後半にさりげなく置かれた”The Sea,IX”など、いくつかはとんでもない美曲。
 何かが生まれてくるようなドラマチックな展開、何かを慈しんでいるような表情。
 いろんなイメージ、想像力を掻き立てる音。 
 全体を通じたストーリー性、映画のサントラ的なモノをイメージして作ったのかもしれません。
 なお、Ketil Bjørnstadのピアノにジャズ度は全くありません。
 ここまでグルーヴを抑えたクラシック然としたピアノは、さすがのECMでも少数でしょう。
 また、Jon Christensenのドラムも得意のヒタヒタと迫ってくる感じでビートを作るスタイルではなく、アクセントつける役回り。
 あるいは、他のメンバーとはバンドとは別のビートを淡々と小さな音で刻んでいく、そんな変わったスタイル。
 結果、全体を通じてビート感は薄目、少々重々しい印象。
 そのあたりで好みは分かれるのかもしれません。 
 が、そうでなければこのドラマチックさ、終始漂うような、穏やかなようで悲し気ような表現はできないのかもしれません。
 名作です。
 但し、ジャズのビート感は期待しないでください。 




posted by H.A.
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