吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Kenny_Wheeler

【Disc Review】“Live At Roccella Jonica” (1984) Norma Winstone, Kenny Wheeler, Paolo Fresu, John Taylor, Paolo Damiani, Tony Oxley

“Live At Roccella Jonica” (1984) Norma Winstone, Kenny Wheeler, Paolo Fresu, John Taylor, Paolo Damiani, Tony Oxley
Norma Winstone (Voice)
Kenny Wheeler (Trumpet/ Flugelhorn) Paolo Fresu (Trumpet/ Flugelhorn) John Taylor (Piano) Paolo Damiani (Bass) Tony Oxley (Percussion)
 
LIVE AT ROCCELLA JONICA
PAOLO FRESU/JOHN TAYLOR/KENNY WHEEL
SPLASC(H)
2009-04-01


 John Taylor 率いるイギリスの名トリオAzimuth にドラムとベースが入り、若き日のPaolo Fresuが加わる豪華メンバーでのライブ録音。
 “Double, Double You” (1983) Kenny Wheeler、“Azimuth '85” (1985)、に近い時期のステージでしょう。
 Paolo Fresuの参加がちょっと場違いな感じもするのですが、イタリアのフェスティバルでの録音のようで、同じくイタリアのPaolo Damianiと二人でイギリス勢をお迎えするホスト役といったところでしょうか。
 Paolo Fresuは、まだリーダー作を出していない時期のようですが、現在まで続く端正なトランペット。
 が、激しい連中に囲まれると・・・
 楽曲はPaolo Damianiが二曲にKenny Wheelerが二曲。
 楽曲の選択、ベースドラムを交えたハイテンションなインプロビゼーションなど、Azimuthというよりも、Kenny Wheelerのアルバムのイメージが強い感じでしょう。
 Kenny Wheelerの勇壮でビヒャヒャーなトランペットと、John Taylorの激しくハイテンションなジャズピアノが目立ちます。
 Paolo Damianiはアバンギャルド系もやる人のようで、それ混じりの楽曲も。
 そんな色合いにはNorma Winstoneの妖しいスキャットがピッタリはまります。
 あの時代のハイテンションで激しく妖しいヨーロピアンジャズの一場面。
 これでバンドを作っていれば結構な名バンドになったんだろうなあ。
 おっと、Paolo Fresuの居場所が・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Where Do We Go From Here?” (2004) Kenny Wheeler & John Taylor

“Where Do We Go From Here?” (2004) Kenny Wheeler & John Taylor
John Taylor (Piano) Kenny Wheeler (Trumpet, Flugelhorn)

Where Do We Go From Here
Kenny Wheeler
Camjazz

ケニー ホイーラー 
ジョン テイラー 


 イギリスの盟友のDuo。イタリアのレーベルから。
 Azimuth以外、ECM以外にもたくさんの共演作があるようですが、その一枚。
 落ち着いた大人の音楽、バラード集。
 二人ともかつての激しさはありません。
 かつての勇壮なKenny Wheeler のイメージではなく、枯れた味わい。
 たまに得意の激情が乗る瞬間があるぐらい。
 John Taylorも上品でオーソドックスなサポート。
 Azimuthでの妖しさや緊張感のある静謐さでもありません。
 リラックスした静謐さ。
 “How It Was Then... Never Again” (1995) Azimuthよりもさらに穏やか、近辺の作品、“Rosslyn” (2002) John Taylor、”It Takes Two!” (2005) Kenny Wheelerと同様、静かで落ち着いた大人の音楽。




posted by H.A.

【Disc Review】”Angel Song” (1996) Kenny Wheeler

”Angel Song” (1996) Kenny Wheeler
Kenny Wheeler (Trumpet, Flugelhorn)
Lee Konitz (Alto Saxophone) Dave Holland (Double Bass) Bill Frisell (Electric Guitar)

Angel Song
Universal Music LLC
ケニー ホイーラー


 大名人四人が揃った異色アルバム。
 全曲Kenny Wheeler作なので、彼がリーダーなのでしょう。
 基本的にバラード集、端正で静謐なジャズ。
 Bill Frisellは過激な彼ではなく、終始スペーシーな背景作り。
 Dave Hollandも推進力はそのまま、落ち着いたサポート。
 ピアノ、ドラムがいない分、ベースの音が際立ち、妖しげなギターの音と合わせてなかなか他では聞けない音。
 本作はLee Konitzの参加が目玉なのでしょうね。美しい音でしっかりした吹きっぷり。
 縁も所縁もさなさそうな?メンバーですが、完全にバンドに溶け込んで素晴らしい音作り。
 もちろんKenny Wheelerはまだまだ好調。
 いかにも彼らしい勇壮な曲を朗々と、例の時折の激情を交えながら吹き切っています。
 Azimuth諸作と静謐さは共通ですが、こちらはあくまで端正なジャズ。
 饒舌ながら決してうるさくはならないホーン陣。
 少し妖しげな味付けをするギター。
 静謐で上質、素晴らしい音楽。




posted by H.A.

【Disc Review】“How It Was Then... Never Again” (1995) Azimuth

“How It Was Then... Never Again” (1995) Azimuth
John Taylor (piano) Kenny Wheeler (trumpet, flugelhorn) Norma Winstone (vocals)

How It Was Then Never Again
Azimuth
Ecm Import
アジムス 
ケニー ホイーラー 
ジョン テイラー 
ノーマ ウインストン 


 前作“Azimuth '85” (1985)から10年間空いた作品。
 世界観は10年前と変わらず。
 静謐でクール。
 少し様子が変わったのが、半数がJohn Taylorの曲ではないこと。
 おまけにスタンダード曲まで。
 それでも音のイメージは昔のまま。
 個々のインタープレーもほどほどの緊張感、ほどほどの穏やかさ。 
 不思議なぐらい10年前と同じ音ですが、それでもちょっと落ちついた感じでしょうかね?
 歳を重ね大人になった悪そうな仲間で作る、クールでスタイリッシュなジャズ、ってな感じ。
 静かで落ち着いた、でも少々妖しい、大人のコンテンポラリージャズ。
 ジャケットの写真のイメージがピッタリ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Azimuth '85” (1985) Azimuth

“Azimuth '85” (1985) Azimuth
John Taylor (piano, organ) Kenny Wheeler (trumpet, flugelhorn) Norma Winstone (vocals)

Azimuth '85
Universal Music LLC
アジムス 
ケニー ホイーラー 
ジョン テイラー 
ノーマ ウインストン 


 イギリスのユニットAzimuth、前作“Départ” (1980)から5年ぶりの作品。
 ホーン奏者が異なる名作“Somewhere Called Home” (1986) Norma Winstoneの少し前の制作。
 本作もJohn Taylorの曲中心。
 これまでのクールなメロディに加えて、少し甘めの曲もいくつか。
 アコースティックで静謐な音空間。
 こぼれ落ちるピアノの音と漂うvoice、彩りをつけるトランペット。
 心なしかいつもよりピアノの時間が長く、John Taylorの色合いが最も強い作品かも。
 クラシックの香り、美しく、そしてひんやりとした質感のピアノ。
 強めのタッチ、硬質で輪郭が明確な音ながら、なぜか強烈な浮遊感。
 全体的には相変わらずのAzimuth、静謐で少々妖しい世界。 
 これまたECMサウンドの典型のひとつ。
 クールです。




posted by H.A.

【Disc Review】“Azimuth” (Mar.1977), “The Touchstone” (1979), “Départ” (1980) Azimuth

“Azimuth” (Mar.1977), “The Touchstone” (1979), “Départ” (1980) Azimuth
John Taylor (piano, synthesizer, organ) Kenny Wheeler (trumpet, flugelhorn) Norma Winstone (vocals) Ralph Towner (guitar)

Azimuth / The Touchstone / Depart
Azimuth
Ecm Import
アジムス 
ケニー ホイーラー 
ジョン テイラー 
ノーマ ウインストン 

 イギリスのスタイリスト三人組、初期の三作。
 “Départ”(1980)にはRalph Townerが客演しています。
 Kenny Wheelerっぽい曲も少なくないのですが、全てJohn Taylor、Norma Winstoneのクレジット。
 “Deer Wan” (Jul.1977) Kenny Wheelerの直前、全く質感であることも含めて、実質的なリーダーはJohn Taylorなのでしょうね。 
 ピアノ、シンセサイザーが作る静謐で不思議な背景の上を漂うvoice、彩りをつけるトランペット。
 タメを効かせたこぼれ落ちるようなピアノがとても美しく、優雅。そして妖し気。
 フリージャズっぽさはありませんし、今の耳で聞くと自然なのですが、当時は相当クリエイティブな音だったのでしょう。
 幻想的なムードと、あまりスウィングしないビート感、無機質な電子音、妖し気なスキャットvoice・・・、ジャズというよりも、静かなプログレッシブロック、あるいはエレクトロニカ。
 この頃からJohn TaylorはECMで大活躍。
 Azimuthに加えて、盟友Kenny Wheeler の作品はもちろん、Jan Garbarekやら、Peter Erskine、John Surmanやら、サポートは多数。
 が、ECMでのリーダー作は”Rosslyn”(2003)までなし。
 契約云々の事はわかりませんが、不思議といえばそう。
 ピアノのカッコよさ文句なしなので、上手くすればSteve KuhnやRichie Beirach、あるいはKeith Jarrettに並ぶスタイリストになったかも・・・
 それともイギリス、ヨーロッパでは十分に大スターだったのかな?
 この三作、いずれも近いテイストですが、新しくなるにつれ電子の色合いが無くなり、“Départ”ではアコースティック。
 構成も“Départ”が一番ドラマチック、もちろん静謐さはそのまま。
 John Taylorのピアノのカッコよさも三作同様ですが、やはり“Départ”が一番いいかな。
 Ralph Townerとの絡みもカッコいいしね。
 エレクトロニカ系が好みの人にとっては“Azimuth”でしょう。
 “The Touchstone”がその中間。
 各作品それぞれ少しづつ異なりますが、いずれも静謐で妖しく美しい、いかにもECMな作品集。




posted by H.A.

【Disc Review】“Double, Double You” (1983) Kenny Wheeler

“Double, Double You” (1983) Kenny Wheeler
Kenny Wheeler (Trumpet, Flugelhorn)
David Holland (Bass) Jack DeJohnette (Drums) John Taylor (Piano) Mike Brecker (Tenor Sax)

Double Double You
Kenny Wheeler
Ecm Import

ケニー ホイーラー

 Kenny Wheeler、オールスターメンバーでの1983年作。
 勇壮で格調高げ、ドラマチックなKenny Wheelerの世界。
 エレクトリック・マイルス所縁のリズム陣は相変わらずの強烈な推進力。
 Kenny Wheeler、盟友John Taylorはキレまくり。
 勇壮なトランペットと、美しい音、疾走感の強いピアノの組み合わせは極上。
 Michael Brecker に着目すれば、”80/81”(1980)Pat Methenyの後、“Night” (1984) John Abercrombieに先立つECMへの録音。
 安定感とブチ切れ具合のバランスが取れたカッコいい演奏。
 この人のサックス、ブチ切れているようでも基本的にはスムースだし、オーソドックスなようで普通の人とは全く異なる凄み。
 音色もそうだし、リズムへの乗り方、音のつなぎ方が抜群にいいんだろうなあ。
 天才だと思います。
 が、“Gnu High” (Jun.1975)でのKeith Jarrett然り、誰が来ようが自身の世界観に取り込んでしまうKenny Wheelerの支配力の強力さ。
 音楽自体は端正でエキサイティングなKenny Wheelerのヨーロピアン・ジャズ。
 勇壮ゆえに甘さに欠け、取っつきやすくはないのでしょうが、人気の“Gnu High”に勝るとも劣らないカッコいい作品。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Widow In The Window” (Feb.1990) Kenny Wheeler Quintet

“The Widow In The Window” (Feb.1990) Kenny Wheeler Quintet
Kenny Wheeler (Flugelhorn, Trumpet)
Dave Holland (Bass) Peter Erskine (Drums) John Abercrombie (Guitar) John Taylor (Piano)

Widow in the Window
Kenny Wheeler
Ecm Import

ケニー ホイーラー

 Kenny Wheeler の大人なジャズ。
 アバンギャルド風味もなければ極度の緊張感もない、しっとりとしたジャズ。
 バラード中心、メランコリックなオリジナル曲を淡々と演奏。
 メンバーは超一流の人たち。
 決して派手なことはしない、むしろ静かな質感なのに、一つ一つの音、そして全体の空気に只者ではない感が漂う凄み。
 美しいピアノ、浮遊感の強いギター、強い推進力、静かなグルーヴを作る、でも決して出しゃばらないリズム陣。
 寂寥感の強いメロディ。
 そんな音空間の中で、饒舌過ぎないトランペットが時折の激情を交えながら何かを語る・・・
 大人数のホーン隊を加えた力作“Music For Large & Small Ensembles”(1990)のセッションのついでに録音した作品なのかもしれません。
 それ、あるいは名作“Gnu High” (Jun.1975)、“Deer Wan” (1977)はもちろん素晴らしいのだけども、このアルバムの何気ない上質感も勝るとも劣らず。
 クールなヨーロピアンジャズの好アルバム。
 John Abercrombie視点で見れば、転機とも思える“Deer Wan” (1977)以来の共演。
 ここでは強いエフェクティングも変わったフレーズも全くなし。すっかり落ち着いたジャズギター。
 でも普通のジャズギターとは一味違う浮遊感、逆に沈み込むような雰囲気はそのまま。
 次はジャズっぽくないギターの“While We're Young” (Jun.1992)へと続きます。




posted by H.A.

【Disc Review】“Music For Large & Small Ensembles” (Feb.1990) Kenny Wheeler

“Music For Large & Small Ensembles” (Feb.1990) Kenny Wheeler
Kenny Wheeler (Flugelhorn, Trumpet)
Dave Holland (Bass) Peter Erskine (Drums) John Abercrombie (Guitar) John Taylor (Piano) Norma Winstone (vocals) Evan Parker (Soprano & Tenor saxophone) Ray Warleigh (Alto sax) Stan Sulzmann (Tenor sax, Flute) Duncan Lamont (Tenor sax) Julian Arguelles (Baritone sax) Derek Watkins (Trumpet) Alan Downey (Trumpet) Ian Hamer (Trumpet) Dave Horler (Trombone) Chris Pyne (Trombone) Paul Rutherford (Trombone) Hugh Fraser (Trombone)

ケニー ホイーラー

 Kenny Wheeler、ビッグバンドが7割、さらにコアメンバーによるフリーインプロビゼーションなど。
 “The Widow In The Window” (Feb.1990) と同セッション、もちろんこちらを作ることがメインだったのでしょう。
 いつもの勇壮な、また、律儀できちんとした感じのKenny Wheelerの楽曲。
 コンテンポラリーな雰囲気のビッグバンドでも、これまた勇壮できちんとした、さらにドラマチックなアレンジ。
 Kenny Wheelerはビッグバンドに合いますねえ。
 フリーもできそうなメンバーですが、ビッグバンドではその場面はありません。
 堂々としたコンテンポラリージャズ。
 Norma WinstoneのVoiceがいい感じで効いていて、あの名作”Return to Forever”(1972) Chick Coreaの雰囲気がしないでもない・・・ちょっと違うか。
 それでもそんな少々妖し気で、あるいは優雅な場面が多々。
 ドラマチックな楽曲とアレンジ、ぐんぐん前に進む強力なリズム隊と手練れたホーン陣、オーソドックスで端正ながら強烈なソロ。
 ぐっと下がったところで、終始妖しげなジャズギターを弾いているJohn Abercrombie。らしいなあ。
 皆にもっともっと暴れてほしい気もしますが、あくまで端正な音楽。
 などなど含めて、とても素晴らしいコンテンポラリージャズ、ビッグバンド作品。
 少人数の演奏はアナログのD面を埋めようとしたのかな?
 それでもコアメンバーの音が映える悪くない演奏です。




posted by H.A.

【Disc Review】“Gnu High” (Jun.1975) Kenny Wheeler

“Gnu High” (Jun.1975) Kenny Wheeler
Kenny Wheeler (Flugelhorn)
Dave Holland (Bass) Jack DeJohnette (Drums) Keith Jarrett (Piano)

ヌー・ハイ
ECM
ケニー ホイーラー



 Kenny Wheeler、Keith Jarrettが客演した人気アルバム。
 メンバーをみるとエレクトリックMilesバンドができてしまいそうなのですが、全く違います。当たり前か。
 本アルバムはあくまでKenny Wheelerの端正なジャズ。
 “The Köln Concert” (Jan.1975)の半年後、何をやっても凄い時期に入ったKeith Jarrett、さらには何でもできてしまう超絶リズムの二人を迎えても、Kenny Wheelerは全く動じるところなし。
 ピアノトリオ、さらにはソロピアノのスペースまでたっぷりあります。そこはKeithの世界。絶好調期だけに最高のインプロビゼーション。
 が、全体を眺めると、意外なほどにKenny Wheelerの端正なジャズの世界。
 Kenny WheelerはECMの初作なのでしょうが、堂々とした吹きっぷりと支配力。 
 ゆったりとした曲を、長尺ながら様々な変化をつけながら、ドラマチックな演奏。
 リズム隊は言わずもがなの超高レベル。
 超絶リズムの二人もあまり煽りは入れず、これまた端正なサポート。
 スウィンギーなジャズで律儀なコンピングをするKeithに違和感をもってしまうのは、Keithファンならではの悲しさなのでしょう。
 普通にヨーロピアン・ジャズとして聞けば、最高レベルのアルバムであることは間違いありません。 




posted by H.A.
Profile

jazzsyndicate

【吉祥寺JazzSyndicate】
吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。
コンテンポラリー ジャズを中心に、音楽、映画、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

記事検索
タグ絞り込み検索
最新記事
  • ライブドアブログ