吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Kenny_Burrell

【Disc Review】“Togethering” (1984) Kenny Burrell, Grover Washington Jr.

“Togethering” (1984) Kenny Burrell, Grover Washington Jr.

Kenny Burrell (guitars) Grover Washington Jr. (soprano, tenor sax)
Ron Carter (bass) Jack DeJohnette (drums) Ralph MacDonald (percussion)

Togethering
Kenny Burrell
Blue Note Records
1990-10-25


 1980年代、Blue Noteに戻ったKenny Burrell、Grover Washington Jr.との共同リーダー作。
 “Winelight” (1980)の後、Grover Washington Jr.は既にスーパースターなのでしょう。
 メンバーはアグレッシブなジャズとフュージョンの混成バンド。
 全体のサウンドもモダンジャズには寄らず、フュージョンにも寄り過ぎないバランス。
 攻めるベースとドラム。
 スムースな感じながら鋭く切り込むソプラノサックス。
 が、なんだかんだでギターはいつものKenny Burrell節。
 四者のインタープレー炸裂の場面もいつものKenny Burrell節。
 やはりハードボイルド。
 軟弱なフュージョンやら、うるさいハードジャズなんて演んないよ・・・ってな感じ。
 頑固なまでに少し沈んだブルージーなジャズギター。
 それがカッコいいなあ。
 アコースティックギターでのボサノバは・・・さてどうでしょう。
 誰と何を演っても、やはりKennyさんはBurrellさん。
 フュージョンにもボサノバにもハードなジャズにもならない、ジャズ&ブルースがよろしいのでは。




posted by H.A.

【Disc Review】“Moon And Sand” (1979) Kenny Burrell

“Moon And Sand” (1979) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitars)
John Heard (Bass) Roy McCurdy (drums) Kenneth Nash (Percussion)

Moon & Sand
Kenny Burrell
Concord Records
1992-05-26


 Kenny Burrell、アコースティックギターたっぷりのアルバム、Concordから。
 ギタートリオ+パーカッション、この人の王道の編成。
 が、“Midnight Blue” (1963)などの1960年代諸作とは様相が異なります。
 冒頭の“Moon and Sand”はアコースティックギターでのボサノバ。
 続く二曲もアコースティックギター。
 四曲目でようやくいつものエレキギターが登場。
 さらにLPレコードB面も”Blue Bossa”が来て、その後エレキギター三連発。
 ボサノバが流行っていた時期でもなさそうですが、その狙いやいかに?
 さておき全体の音の加減は、同じくConcordの“Tin Tin Deo” (1977)と同様、美しく艶やか、フュージョンではなくジャズな感じ。
 これまた上品。
 居並ぶスタンダード曲、ボサノバ曲の洒落たメロディとあわせて、とてもオシャレで美しいジャズ。
 さて、ギターが何であれ、少し沈んだジャズな感じなのではありますが、アコースティックギターは似合っているのでしょうか?
 私の好みはハードボイルドネスが滲み出るエレキギターなのですが、さて?




posted by H.A.

【Disc Review】“Tin Tin Deo” (1977) Kenny Burrell

“Tin Tin Deo” (1977) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitar)
Reggie Johnson (bass) Carl Burnett (drums)

Tin Tin Deo
Kenny Burrell
Concord


 Kenny Burrell、1977年作、 Concordから。
 シンプルなギタートリオ。
 時代はフュージョン隆盛期ですが、どこ吹く風のジャズ&ブルース。
 が、音のイメージは変わっています。
 明瞭になって艶が出て、ほどほどのリバーブが掛かった心地よいギターの音。
 1950-60年代だったら血沸き肉躍る系になっていたんだろうなあ、ってな楽曲がとても穏やかでオシャレな感じに聞こえてきます。
 新時代のジャズ、なんて感じでは全くありませんが、少し沈んだムード、突っ走るところでは突っ走る相変わらずの演奏、聞き慣れたスタンダード、ブルースが何か新しいモノのよう。
 落ち着き払った余裕たっぷりの美しいジャズ。
 ご本人は何も変わっていないのかもしれません。
 やはりブルージーでハードボイルドなジャズギター。
 “Circles” (1981) Jim Hallなど含めて、Concordのジャズギター作品にハズレなし。




posted by H.A.

【Disc Review】“'Round Midnight” (1972) Kenny Burrell

“'Round Midnight” (1972) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitar)
Richard Wyands, Joe Sample (Electric Piano) Reggie Johnson (Bass) Lenny McBrowne, Paul Humphrey (Drums)

Round Midnight
Kenny Burrell
Ojc
1998-08-18


 Kenny Burrell、1972年作、Fantasyから。
 とても穏やかなジャズ。
 サポートはエレピのピアノトリオ。
  “God Bless The Child” (1971)の豪華な彩りが取れたシンプルな編成ですが、音は1970年代仕様に様変わり。
 なぜか背景の主役のはずのエレピの音数が絞られた、静かな演奏。
 狙ったか、たまたまなのかよくわかりませんが、これがとてもいい味。
 上品です。
 そんな音を背景にした、ブルージーさはそのまま、音が明るく明瞭になったジャズギター。
 もちろんあのハードボイルドなフレージングも変わりません。
 この組み合わせが、なぜかピッタリ。
 全部含めて、あのクールでハードボイルド、沈んだ空気感がカッコいい。
 1970年代初頭のあの時代、MilesさんHerbieさんとは全く違う、とても心地いい電化ジャズ。
 地味なジャケットやタイトルも伴ってか、あまりプッシュされないアルバムのようにも思いますが、“Midnight Blue” (1963)や“God Bless The Child” (1971)に並ぶ名作だと思うのだけどなあ。
 これまた、いや、こちらの方がより静かで落ち着いたトリップミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】“God Bless The Child” (1971) Kenny Burrell

“God Bless The Child” (1971) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitar)
Richard Wyands (piano, electric piano) Hugh Lawson (electric piano) Ron Carter (bass) Billy Cobham (drums) Ray Barretto, Airto Moreira (percussion) Freddie Hubbard (trumpet) Hubert Laws (flute)
Don Sebesky (arranger, conductor) & Strings

God Bless the Child
Kenny Burrell
Masterworks
2010-10-05


 CTIのKenny Burrell。
 オーケストラ編成ではなく、ジャズコンボと何人かのチェロのみのストリングス。
 “Road Song” (1968) などポップジャズ全開だったWes Montgomeryに対して、こちらはまだまだジャズ。
 10分近い演奏もいくつか配され、インプロビゼーションのスペースたっぷりのジャズ仕様。
 が、エレピが鳴って、電気っぽい音のウッドベース、要所にストリングスが配され、モダンジャズとはムードが全く異なります。
 1970年代初頭、時代の流れの中の音。
 そんな中でもギターの音、フレーズはかつてのまま。
 少し沈んだムード、ジャズとブルースのハードボイルドな音。
 元々の流麗な音使いが周囲のスムースな音に溶け込んでいるように聞こえるし、逆にギターだけ別の世界から聞こえてくるようにも思えます。
 さらに今の耳で聞くと、背景がノスタルジックでギターだけが新しいようにも聞こえます。
 とにもかくにも、クールな質感がカッコいいジャズ。
 これが流れると喧騒が消え、どこか静かで上品で落ち着いた場所に周囲の景色が変わります。
 これまたトリップミュージック。
 洗練されたハードボイルネスの一作、ってな感じでよろしいのでは。


 

posted by H.A.

【Disc Review】“Soul Call” (1964) Kenny Burrell

“Soul Call” (1964) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitar)
Will Davis (piano) Martin Rivera (bass) Bill English (drums) Ray Barretto (congas)

Soul Call
Kenny Burrell
Ojc
1995-06-20


 Kenny Burrell、1964年作、Prestigeから。
 “Midnight Blue” (1963)の少し後、ピアノが入ったギターカルテット+コンガ。
 そちらは沈んだ感じが特別なのですが、こちらはピアノが入った分、華やいで普通な感じ、何の奇も衒わないジャズ。
 冒頭のスローバラードから、あのブルージーなジャズギター全開。
 テンポが上がると気沸き肉躍る系、Art Blakey御大が叩いていたとしてもよさそうな賑やかしいハードバップ、そしていつものブルース。
 コンガが入って攻めたようで、やっぱり普通にハードバップ。
 その普通っぽさがカッコいい。
 クールでハードボルイルド、ブルージーなジャズギターが聞こえているからでしょう。
 この人の音が聞こえるだけで周囲の温度、湿度が少し下がる気がします。
 が、爽やかって感じでもない、微妙な色合い。
 少し先の私的お気に入り、爽快な“A Generation Ago Today” (1967)よりも少しアーシーですかね。
 やはりクールでハードボルイルド。




posted by H.A.


【Disc Review】“Bluesy Burrell” (1962) Kenny Burrell

“Bluesy Burrell” (1962) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitar)
Tommy Flanagan (piano) Major Holley (bass) Eddie Locke (drums) Ray Barretto (congas)
Coleman Hawkins (tenor saxophone)

ブルージー・バレル
ケニー・バレル
ビクターエンタテインメント
1999-09-22


 Kenny Burrell、1960年代初頭、大御所Coleman Hawkinsを迎えたアルバム。
 ボサノバを一曲に、残りはジャズ。
 冒頭は哀愁たっぷりのボサノバ。
 美しいジャズピアノと野太いテナーサックス、コードで攻めるギター。
 近い時期に“Getz/Gilberto” (18,19,Mar.1963)、“Soul Samba” (Oct.1962) Ike Quebec などもあり、そんな時代だったのでしょう。
 ピアノもサックスも凄い存在感。
 ちょっと音を出すだけで、タダモノではない感、出まくり。
 ソロギターでのインタールードから抑制されたギタートリオときて、こってりしたテナーが参加してのジャズロック。
 続く“I Thought About You”は、サブトーンたっぷり、ゾクゾクするようなテナーとギターの絡み合い、これは絶品。
 コンガを加えたカルテットに、なぜか途中からの参加のピアノ、最後は全員でブルース大会。
 ってな感じで、かなり不思議な構成のアルバム。
 結局、ボサノバは一曲のみ、Coleman Hawkins、Tommy Flanaganの参加は半数ほど。
 看板に偽りあり、ジャケットに強調されたコピーは何なんでしょ・・・
 とかなんとか、中身がカッコいいのでよろしいのでは。
 次作、名作“Midnight Blue” (1963)へと続きます。




posted by H.A.


【Disc Review】“A Night At The Vanguard” (Sep.1959) Kenny Burrell

“A Night At The Vanguard” (Sep.1959) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitar)
Richard Davis (bass) Roy Haynes (drums)



 Kenny Burrell、1950年代末、ギタートリオでのライブ、Argoから。
 Blue Noteの人気作“At The Five Spot Café” (Aug.1959) のわずか一か月後のステージのようです。
 ノリノリな感じはそのままに、人数が少ない分、少し熱が落ちて落ち着いた印象。
 後の“Midnight Blue” (1963)の沈んだムードとまではいかずとも、バウンドするビートに乗って淡々とブルース、スタンダードが奏でられていきます。
 落ち着いたベースと、たくさんの技を繰り出しつつもなぜか静かに聞こえるドラム。
 ピアノがいないだけ、全編でギターが鳴りまくり。
 ハイテンションで疾走する場面がたっぷりなのですが、なぜかクール。
 スロー~ミディアムでは沈み込むような内省的な感じ、流麗なようで所々で引っ掛かりながらやっぱり流麗な感じ、イケイケで行っているようでなぜか沈んだ感じ。
 そんな微妙な色合いがカッコいいんだろうなあ。
  “At The Five Spot Café” (Aug.1959)も周りのメンバーの熱が高いだけで、この人の音自体はいつも通りにクールだったのかもしれません。
 コンガなど加わるとさらにいいなあ・・・って、それは“Midnight Blue” (1963)ですね。




posted by H.A.

【Disc Review】“At The Five Spot Café” (Aug.1959) Kenny Burrell

“At The Five Spot Café” (Aug.1959) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitar)
Bobby Timmons, Roland Hanna (piano) Ben Tucker (bass) Art Blakey (drums)
Tina Brooks (tenor sax)



 Kenny Burrell、1950年代末、カルテット+αでのライブ、Blue Noteから。
 “Blue Lights (Volume1, 2)” (1958)に続いて、ドラムに御大Art Blakeyを迎えた、いかにも黒々としたBlue Noteな音。
 コブシがグリグリ回るピアノと、例のンチャンチャとおめでたいことこの上ないドラムロール。
 テーマ一発、ブルージーなコードに乗ってこれでもかこれでもかと続くアドリブ大会。
 テーマを奏で先発のソロを執るギターが前面に出ると少しだけ熱が下がる気もしますが、バックの黒くて熱い音に煽られて、やはり汗ダラダラ。
 冒頭のミディアムテンポ “Birk's Works”は、“Moanin’” (1958)のタイトル曲と同じに聞こえてくるし、アップテンポでは転げまわり疾走しまくるバンド。
 バラードと抑制されたブルースでクールダウンする他は、うりゃー、ってなハイテンションな演奏がこれでもかこれでもかと続きます。
 それに対して、ジャケットはクールでカッコいいポートレート。
 スーツを着込んで、汗ダラダラになりながら攻めまくるのがカッコいい時代だったんだろうなあ。
 その絵が浮かんでくるような生々しい音の洪水。




posted by H.A.


【Disc Review】“Blue Lights (Volume1, 2)” (1958) Kenny Burrell

“Blue Lights (Volume1, 2)” (1958) Kenny Burrell

Kenny Burrell (guitar)
Duke Jordan, Bobby Timmons (piano) Sam Jones (bass) Art Blakey (drums)
Louis Smith (trumpet) Tina Brooks, Junior Cook (tenor saxophone)

Blue Lights 1 & 2
Kenny Burrell
Blue Note Records
1997-07-07


 Kenny Burrell、1950年代、Blue Noteから。
 ジャケットはAndy Warhol。
 これまた1950年代ヒップな音。
 御大のありがたいンチャンチャとおめでたいドラムロールが鳴り響き、手練れが繰り広げるいかにもBlue Noteな少し粘りのあるビート。
 “Kenny Burrell (Volume 2)” (1956)に比べると、黒くソウルフルなホーン陣がたっぷりフィーチャーされ、その分豪華で分厚い音。
 そんな華やかな音の流れの中、少し沈んだクールな音で全体の熱を抑えるような流麗なギター。
 これまた1950年代マンハッタンの音。




posted by H.A.

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