“Nightfall” (2015) Quercus
June Tabor (voice) Iain Ballamy (tenor, soprano saxophones) Huw Warren (piano)
イギリスのボーカリストJune Tabor率いるQuercusのECM作品。
前作は“Quercus” (2006)。
その作品名をバンド名とし、他のレーベルはチェックしていませんが、ECMでは10年ぶりの制作。
メンバーも音の雰囲気も変わりません。
静謐に、透明に、ジャジーに、ECMコーティングされたブリティッシュフォーク。
美しいピアノと、“Ballads”(Dec.1961,Sep.1962,Nov.1962)なColtrane、あるいはCharles Lloydなサックス。
淡々と語るクールで乾いたボイス。
全編スローなテンポ、おそらくブリティッシュ周辺の曲であろうトラディショナル曲が半数。
遠い所を眺めるような、どこか懐かし気な音・・・・
ってな感じで、”Quercus” (2006)と同じ形容になってしまう、一貫性のある音。
さり気なく収められたジャズスタンダード”You Don't Know What Love Is”, “Somewhere”、あるいはBob Dylanナンバーも、すっかりその空気感の中に取り込まれ、全編通じて遠い所を眺めるような音。
前作と比べると、少々勇まし気な音の流れのトラディショナル曲が目立つかもしれません。
ブリティッシュエスニックなんてのがあるとすれば、そんな感じなのかもしれません。
そんな曲は映画” Braveheart”な雰囲気。
ま、不勉強な私は、スコットランド、イングランド、ブリティッシュの関係がきちんと整理ができていないのですが・・・
ともかくにも、全編淡々としている分、気持ち穏か、じわじわときます。
タイトル通りに”夕暮れ時”な空気感。
タイトル通りに”夕暮れ時”な空気感。
これを聞きながら、静かに歴史のお勉強でもしてみましょうかね・・・
※別アルバム収録のBob Dylanナンバー。
本アルバム収録バージョンはサックスが載ってくる分、もう少しジャジー。
それもECMマジックですかね?
posted by H.A.