吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

John_Abercrombie

【Disc Review】“39 Steps” (2013) John Abercrombie

“39 Steps” (2013) John Abercrombie
John Abercrombie (Guitar)
Marc Copland (piano) Drew Gress (bass) Joey Baron (drums)

39 Steps
John Quartet Abercrombie
Ecm Records
2013-09-30
ジョン アバクロンビー

 John Abercrombie、目下のところ最新作。
 前作“Within a Song” (2011)のテナーがピアノに交代。
 こちらもオーソドックスなジャズ、但し、オリジナル曲中心。
 かつての鬼気迫るようなテンション、強烈なインプロビゼーションはありません。
 しっとりとした質感ながら、優しく前向きなイメージの音。
 ギター自体は前作同様に少し沈んだ抑制された音ですが、暗くはありません。
 枯れたといった表現が適当かどうかはわかりませんが、そんなイメージの静かな音。
 Marc Coplandのピアノが作る音のイメージも大きいのでしょう。
 スウィングする推進力のある4ビート。
 静かに淡々と進む音楽。
 ECM作品でこんなに穏やかでお行儀のいいAbercrombieには面喰ってしまいますが、それはかつての過激さを知っているものの悲しさ。
 ジャズギターカルテットとして、クールな質感の佳作。





 1990年代のJohn Abercrombieはハードな演奏が目立ちます。
 ギターの音が刃物のように鋭くなり、ディストーションの使用も多め、ハイテンション。
 が、1990年終盤には何故か一転して静かなイメージ、Mark Feldmanとの共演作中心に抽象度の高い音楽も。
 さらに2000年代終盤から静謐な音使い、ECMでもオーソドックスなジャズに戻って今に至る・・・ってな感じでしょうか。
 以前から ECM以外のレーベルではそんな作品も多かったので、自然な姿に戻ったのかも・・・

(Mar, 1974) “Timeless”  
(Mar, 1975) “Gateway” 
(Mar, 1975) “Cloud Dance” Collin Walcott 
(Jun, 1975) “The Pilgrim and the Stars” Enrico Rava 
(Feb, 1976) “Untitled” “Pictures” Jack DeJohnette 
(May, 1976) “Sargasso Sea” with Ralph Towner 
(Aug, 1976) ”The Plot” Enrico Rava 
(Feb, 1977) “Grazing Dreams” Collin Walcott 
(May, 1977) “New Rags” Jack DeJohnette 
(July, 1977) “Gateway 2” 
(July, 1977) “Deer Wan”  
(Nov, 1977) “Characters”  
(Jun, 1978) “New Directions” Jack DeJohnette 
(Dec, 1978) “Arcade” 
(Jun, 1979) “New Directions in Europe” Jack DeJohnette 
(Nov, 1979) “John Abercrombie Quartet” 
(Nov, 1980) “M” 
(Dec, 1980) “Eventyr” Jan Garbarek 
(1981)    “Five Years Later” with Ralph Towner
     :
(1984)    “Night” 
(1985)    “Current Events” 
(1987)    “Getting There” 
(1988)    “John Abercrombie / Marc Johnson / Peter Erskine
(1989)    “Animato” 
     :
(1990)   “Music For Large & Small Ensembles” Kenny Wheeler" 
(Feb.1990) “The Widow In The Window” Kenny Wheeler
     :
(Jun.1992) “While We're Young
(Nov.1992) “November
(Apl.1993) “Farewell
(Jun.1993) “Afro Blue” The Lonnie Smith Trio
(Jul.1993)  “Speak of the Devil
(Mar.1994) ”Purple Haze”、”Foxy Lady” The Lonnie Smith Trio
(Dec.1994) “Homecoming” Gateway 
(Dec.1995) “In The Moment” Gateway 
(1996)   “Tactics
(Sep.1998) “Open Land
(May.1998) “Voice in the Night” Charles Lloyd
(Oct.1998) “The Hudson Project” John Abercrombie/ Peter Erskine/ Bob Mintzer/ John Patitucci ‎
(Dec.1999) “The Water is Wide”, “Hyperion With Higgins” Charles Lloyd
(Dec.2000) “Cat 'N' Mouse
(2002)   “Lift Every Voice” Charles Lloyd
(2003)   “Class Trip
(Mar.2006) “Structures
(Jun.2006) “The Third Quartet
(Sep.2007) “Brewster's Rooster” John Surman
(2008)   “Wait Till You See Her
(2011)   “Within a Song
(2013)   “39 Steps

posted by H.A.

【Disc Review】“Within a Song” (2011) John Abercrombie

“Within a Song” (2011) John Abercrombie
John Abercrombie (Guitar)
Joe Lovano (tenor sax) Drew Gress (bass) Joey Baron (ds)

Within a Song
John Quartet Abercrombie
Ecm Records
ジョン アバクロンビー 


 John Abercrombie、“Wait Till You See Her” (2008)がMark Feldmanとの最終作、3年開けての次作品。
 本作はJoe Lovanoとのコラボレーション。
 不思議なぐらいに落ち着いた静謐でオーソドックスなジャズ。
 楽曲もECMでは珍しくスタンダード、ジャズメンオリジナル中心。
 先の共演作“Open Land” (Sep.1998)のような尖ったムードはありません。
 このメンバー、しかもECMでJohn Coltraneの”Wise One”が聞けるとは・・・
 ギターは極めて抑制された音。
 エフェクターはほとんど使っていないかもしれません。ほぼ全編素直なクリーントーン。
 元々沈んだ雰囲気での演奏が持ち味だったと思いますが、さらに後ろに下がった感じで淡々とフレーズを紡いでいくイメージ。
 前作でもその雰囲気はありましたが、内容がオーソドックスなジャズなだけに不思議なムード。
 もちろんフレーズはAbercrombie節、スペーシーな独特の音。
 Joe Lovanomoは少し枯れたイメージですが、かなり音数多く吹いています。
 ECMのJohn Abercrombie作品では一番落ち着いたアルバムかもしれません。
 オーソドックスなジャズ、でも静謐で不思議なジャズ。

※メンバーは違いますが・・・

posted by H.A.

【Disc Review】“Wait Till You See Her” (2008) John Abercrombie

“Wait Till You See Her” (2008) John Abercrombie
John Abercrombie (Guitar)
Mark Feldman (Violin) Thomas Morgan (Double Bass) Joey Baron (Drums)

Wait Till You See Her (Ocrd)
John Abercrombie
Ecm Records
ジョン アバクロンビー 
マーク フェルドマン 


 John Abercrombie / Mark Feldman Quartet最終作。
 前作“The Third Quartet” (2006)までから少しテンションが落ち、静謐で穏やかな印象のカルテット。
 Mark Feldmanの色合いが薄くなっているようにも感じます。
 そうではなくて音楽が穏やかになっただけなのかもしれません。
 John Abercrombieも終始抑制された演奏、強烈な弾き方はしていません。
 違和感、非日常感が小さい自然な音。
 スタンダード一曲にいつもの抽象度の高い印象のオリジナル曲を題材に、静かに流れていく弦の音。
 落ち着いた演奏が多い分、このバンドでは一番取っつきやすいアルバムかもしれません。
 この人たちらしくないのかもしれませんが、大人な雰囲気。
 穏やかなエピローグ。

 “Class Trip” (2003)から5年、“Open Land” (1998)から10年。
 このコラボレーションが何をやりたかったのか、何を残したのか・・・
 さまざまな要素はあるにせよ、稀代のバイオリン奏者Mark Feldmanがジャズをやるとどうなるのか、それをジャズの王道から離れたことができる、高テンションかつ幽玄な音を作れるJohn Abercrombieを土台にやってみる。
 絶好調の1990年代前半に比べて2000年前後からテンションが落ち気味だったJohn Abercrombieにも刺激になるだろう・・・
 ってな感じと勝手に推察しました。
 ECM総帥Manfred Eicherではなく、Abercrombieが考えたことなのかもしれません。
 さて真相は?
 また、その結果はいかに?・・・。




posted by H.A.

【Disc Review】“Brewster's Rooster” (Sep.2007) John Surman

“Brewster's Rooster” (Sep.2007) John Surman
John Surman (soprano saxophone, baritone saxophone)
John Abercrombie (guitar) Drew Gress (double bass) Jack DeJohnette (drums)

Brewsters Rooster (Ocrd)
John Surman
Ecm Records
ジョン サーマン


 John Surman、John Abercrombieのトリオを迎えた作品。
 かつて“November” (Nov.1992)での強烈でハイテンションな共演がありますが、本作は静かなジャズ。
 ここにはあの地の底から這い出てくるような恐ろしいサックスはありません。
 クールで淡々とした色合いの穏やかなサックス。
 John Abercrombieは少し攻撃的ですが、それでも抑えたイメージ。
 1990年代の触ると切れてしまいそうな激烈さ、緊張感はありません。
 そういった中でJack DeJohnetteは相変わらずの推進力。
 一部で昔ながらの激烈なインタープレーもありますが、それでも全体としてみれば穏やかなムード。
 クールで淡々とした色合いの穏やかなジャズ。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Third Quartet” (Jun.2006) John Abercrombie

“The Third Quartet” (Jun.2006) John Abercrombie
John Abercrombie (Guitar)
Mark Feldman (Violin) Marc Johnson (Double Bass) Joey Baron (Drums)

Third Quartet (Slip)
John Abercrombie
Ecm Records
ジョン アバクロンビー 
マーク フェルドマン 


 少し間を空けたJohn Abercrombie / Mark Feldman Quartet第三作。
 激しさと穏やかさが交錯するQuartet。
 激烈な冒頭曲から一転、二曲目からは漂うようなバラードからオーソドックス寄りの演奏まで、バリエーションに富んだ内容。
 ロマンチックまでとはいかずともそんな曲もちらほら。
 Mark Feldmanもいつになくジャズっぽい演奏。
 テーマ提示では自身の分担をこなし、自身のソロをキチンとまとめて、他のメンバーに渡す・・・
 おまけにスイングする定常な4ビート、さらにはBill Evansのバラードまで。
 うーん、ジャズっぽいなあ。
 でも無理してるようなむず痒さ・・・
 冒頭のこのバンドで最も激烈な演奏はその照れ隠しかな?
 ・・・なんて邪推してしまう、ジャズにもっとも近づいたJohn Abercrombie / Mark Feldman Quartet。




posted by H.A.
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