吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Jim_Hall

【Disc Review】“Jim Hall Live!” (1975) Jim Hall

“Jim Hall Live!” (1975) Jim Hall

Jim Hall (guitar)
Don Thompson (bass) Terry Clarke (drums)

Live!
Jim Hall
Verve
2003-03-25


 Jim Hall、1975年のライブ録音。
 “Concierto” (1975)に近い時期なのだと思いますが、ムードは異なります。
 シンプルなギタートリオ、ジャズスタンダードの選曲。
 が、普通のモダンジャズね、で終わらない質感。
 1960年代型でも1970年代型でもない、それ以降、現代にも通じそうなジャズ。
 メロディはそれそのもの、妙なひねりもありません。
 複雑なビート感を醸し出すドラム、アグレッシブに動くベース。
 ギターは、いつもの靄がかかったようにふわりとしたクリーントーン、あの繊細で儚い音の動きを散りばめつつも、いくぶん攻撃的なフレージング。
 全部あわせて少し沈んだムードのギタートリオ、静かでハードボイルドなジャズ・・・
 それだけなのですが、なぜか現代的なカッコよさ。
 新しいこと、変わったことをしようといった意識はなかったのかもしれません。
 時代の音から余分なモノがそぎ落とされ、それが今風に響く、なんて感じなのかもしれません。
 あるいは、Jim Hallさんのギターには時代を超えたモダンさがあるのかもしれません。
 などなど、録音年月をながめながら、不思議な気持ちで無用なことを考えてしまうのは私だけでしょうか。
 何はともあれ、フワフワしたギターとシャキッとしたバンドが作るクールな空気感。
 1975年のカナダで記録されたカッコいいジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Concierto” (1975) Jim Hall

“Concierto” (1975) Jim Hall

Jim Hall (guitar, acoustic guitar)
Roland Hanna (piano) Ron Carter (bass) Steve Gadd (drums)
Paul Desmond (alto sax) Chet Baker (trumpet)

アランフェス協奏曲
ジム・ホール
キングレコード
2013-12-11


 Jim Hallといえばこれ、の人気作なのでしょう。
 1970年代ビートを繰り出すリズム隊と最高の管楽器コンビ。
 LPレコードB面を占める"Concierto de Aranjuez"。
 哀愁のメロディと手練れた演奏、インプロビゼーション。
 後ろ髪を引かれるようにタメを効かせてメロディを置いていくギター、トランペット、それに絡みつくようなアルトサックス、ピアノ。
 ギターとトランペットが発する強い哀愁を、艶やかなアルトと明るいピアノが包み隠していくようなバランス。
 漂うような第一部から、ビートが入るとジャズ度が上がり、哀し気なコードの動きの中、たっぷり長尺なギター、アルトサックス、トランペット、ピアノ、再びギターと続くインプロビゼーション。
 重く哀しいドラマ。
 沈痛・・・
 が、本作、それだけでなく、LPレコードA面"You'd Be So Nice to Come Home To"から始まるジャズがカッコいい。
 タイトなビートに電気っぽい音のウッドベース、くぐもらない明るい音のピアノ、そして、消え入るような儚さ、繊細さはそのままに、丸くなり艶が出たギター。
 1970年代のスタンダードなジャズ、西海岸仕様。
 1960年代までの熱、汗、埃が落ち、クールでとてもスムース。
 その軽妙な音は、悲痛な"Concierto de Aranjuez"を聞いた後だと立ち直り効果てきめん。
 CDだと面倒ですが、"Concierto de Aranjuez"、先頭から、の順に聞くのもよろしいかと。




posted by H.A.


【Disc Review】“Alone Together” (1972) Jim Hall, Ron Carter

“Alone Together” (1972) Jim Hall, Ron Carter

Jim Hall (guitar) Ron Carter (bass)

Alone Together
Jim Hall / Ron Carter
Ojc
1991-07-01


 名手たちのDuo、ライブ録音。
 居並ぶ有名スタンダードにオリジナル曲を少々。
 ギターのコードワークのアドリブで攻めた“St. Thomas”からスタート。
 とてもリラックスしたムード。
 が、 “Alone Together”のメロディがベースで奏でられた後のギターソロで目が覚めます。
 決して長くはないインプロビゼーションながら、静かな空間に消え入っっていくような繊細で美しいギター。
 とても儚い音。
 聞き流していると印象に残らないかもしれない奥ゆかしさ。
 艶やかなクリーントーンのギターが紡ぐとても美しい綾。
 もののあはれ・・・、なんて言葉が頭をよぎる音。
 それが気になってしまうと、他にもどこかにあるんじゃない、とギターに留意して聞くと、何のことはありません。
 全編それ。
 その美しさに気が付いてしまうと、何気なく奏でられたような “Prelude to a Kiss”, “Autumn Leaves”などの旋律が何か特別なモノに聞こえてきます。
 オーソドックスな演奏、“Undercurrent”(1963)のような強烈なインタープレーの場面は少なく、強い音もない、地味な印象のアルバムなのでしょう。
 が、繊細な美しさが病みつきになるかも、の演奏集。




posted by H.A.



【Disc Review】“Where Would I Be?” (1971) Jim Hall

“Where Would I Be?” (1971) Jim Hall

Jim Hall (guitar)
Benny Aronov (piano, electric piano) Malcolm Cecil (bass) Airto Moreira (drums, percussion)

Where Would I Be
Jim Hall
Ojc
1991-07-01


 Jim Hall、1971年作。
 サポートはブラジリアンAirto Moreiraを迎えたピアノトリオ、オーソドックスなギターカルテット編成。
 “Bossa Antigua” (1963-1964) Paul Desmondなど、とてもクールなボサノバを演奏する人。
 本作にもそんな演奏がありますが、ボサノバとジャズだけではない不思議なアルバム。
 変わった感じのジャズロックあり、ブラジルっぽいロックフュージョンあり、オリジナル曲はエレピが唸る攻めた感じの不思議系。
 ギターはあのふわりとした音、淡い陰影、所々で消え入っていくような繊細なあの音、少し沈んだムードがとてもカッコいいジャズギター。
 が、バンド、全体のサウンドはいろんな方向に動いていく不思議感満載。
 時代は“Bitches Brew” (1969) Miles Davis経た転換期。
 ボサノバ、ジャズスタンダード、あるいはMilton Nascimentoナンバーなどのオーソドックスな演奏さておき、頭の中では新しい音が鳴っていたのでしょうね。
 それにしてもAirto Moreiraのドラム、パーカッションがカッコいいなあ。
 なるほど、“Return to Forever” (Feb.1972) Chick Coreaの少し前ですか、そうですか。




posted by H.A.



【Disc Review】“It's Nice to Be with You: Jim Hall in Berlin” (1969) Jim Hall

“It's Nice to Be with You: Jim Hall in Berlin” (1969) Jim Hall

Jim Hall (guitar)
Jimmy Woode (bass) Daniel Humair (drums)

イン・ベルリン
ジム・ホール
ユニバーサル ミュージック クラシック
2003-05-21


 Jim Hall、ベルリン録音。
 シンプルなトリオ編成に加えて、ギターのオーバーダビングが何曲か。
 オーソドックスなモダンジャズですが、ちょっと浮世離れした雰囲気は、この人の特別なギターの仕業なのか、何なのか。
 ふわりとしていて、それでいて張り詰めたような、美しいギターの音。
 そして、その音がどこか遠い所に消え入るような瞬間がしばしば訪れます。
 美しく、儚く、繊細な音。
 ギターのオーバーダビングが何曲か。
 ギターだけで演奏されるワルツ“Young One (For Debra)”は絶品バラード、同じく”In a Sentimental Mood”もまた然り。
 一聴地味ながら、ギターの美しい音、繊細で儚い音の動きに気付いていしまうと、ありきたりのジャズではない、何か別物のように聞こえてきます。
 また、Pat Methenyを想起する場面がしばしば。
 Patさん、音色もさることながら、このアルバムのような感じを意識していたんだろうなあ、と勝手に想像しています。
 静かで美しく繊細、そしてモダンなジャズ。




posted by H.A.



【Disc Review】“Intermodulation” (1966) Bill Evans, Jim Hall

“Intermodulation” (1966) Bill Evans, Jim Hall

Bill Evans (piano) Jim Hall (guitar)

インターモデュレーション
ビル・エヴァンス&ジム・ホール
ユニバーサル ミュージック クラシック
2011-06-22


 カリスマたちのDuo、“Undercurrent” (1963)の続編。
 もちろん同様の色合い。
 が、少しだけその空気感が違うように聞こえます。
 おそらく、バックがフロントの動きを執拗には追わないから。
 意識したかどうかはさておき、バックに回った一人は音数を抑制し、定常な音楽を作ることを重視しているように聞こえます。
 その分、“Undercurrent”のような極端な緊張感ではなく、穏やかで安心して聴ける音の流れ。
 また、結果的に各人のインプロビゼーションの妙が映え、ギターの高音の消え入るような繊細な動きまでが明確に見えてくるように思います。
 いずれにしても、“Undercurrent”、本作ともに、ガラス細工のように繊細で儚い音。
 怖いまでの緊張感の“Undercurrent”に対して、角が取れて丸くなったような本作。
 いずれも不朽の名演。




posted by H.A.


【Disc Review】“Undercurrent” (1963) Bill Evans, Jim Hall

“Undercurrent” (1963) Bill Evans, Jim Hall

Bill Evans (piano) Jim Hall (guitar)

アンダーカレント
ビル・エヴァンス
ユニバーサル ミュージック
2016-10-26


 稀代のカリスマたちのDuo。
 インタープレー。
 フロントの音の動きに鋭く反応するもう一人。
 速度、音量、音の流れ、空気感・・・、それらの変化に合わせて、二人が絡み合いながら一体となって動き、音が描く景色は微妙に、大胆に変わっていきます。
 そしてフロントが入れ替わるタイミングの緊張感。
 フロントへ浮上することを待ちわびていたかのような急展開。
 高い緊張の糸が緩むことはありません。
 聞き飽きたはずの“My Funny Valentine”のメロディ、コードが全く別のモノのように聞こえてきます。
 そして、”Romain”の中盤、二人がフロントに立つわずかな瞬間、その緊張感はピークに。
 二人のインプロビゼーションが絡み合い、いつその緊張が緩むのか、崩壊するのか・・・
 もちろんこの二人なので、極端に熱くはなりません。
 少し沈んだ空気感。
 静かで穏やかな分だけかえって怖い。
 さながら青く静かに燃える冷たい炎、その煌めき。
 諸々含めて、このジャケットの意味が少しだけわかったような気がします。




posted by H.A.



【Disc Review】“Jazz Guitar” (1957) Jim Hall

“Jazz Guitar” (1957) Jim Hall
Jim Hall (guitar)
Carl Perkins (piano) Red Mitchell (double bass)

ジャズ・ギター
ジム・ホール
ユニバーサル ミュージック
2016-10-26


 Jim Hall、おそらくデビュー作。
 ドラムレスのトリオ編成。
 タイトルに偽りなし、紛うことなきジャズギター作品。
 ジャズの教科書のようなスウィンギーなリズム、心地よくバウンドするバックビート。
 ドラムがいない分、とても穏やか。
 そんな音を背景にした、後に比べれば少々堅め、鉄線弾いてます系の音、オーソドックスなジャズギター。
 多すぎず少なすぎない音数の流麗で落ち着いたフレージング。
 後の遠くに消えていくような儚い音がないかなあ、などと聞いていると、それそのものではないもの、力が抜けたアタック、語尾のふわりとした感じが見えてくる、やはりとても繊細な音。
 よーく聞くとそんな感じがカッコいいのですが、聞き流しても涼しげな音がサラサラと流れていく心地いいジャズ。
 東海岸の血沸き肉躍る系とはほど遠く、瀟洒で軽快な西海岸王道系とはまた違った、まったり系。
 1950年代の粋。
 これまたパラダイス。




posted by H.A.


【Disc Review】”Jim Hall & Pat Metheny” (Jul,Aug.1998) Jim Hall, Pat Metheny

”Jim Hall & Pat Metheny” (Jul,Aug.1998) Jim Hall, Pat Metheny
Jim Hall (electric guitar) Pat Metheny (electric, fretless acoustic, Pikasso guitar)

Jim Hall & Pat Metheny
Jim Hall
Telarc
ジム ホール 
パット メセニー

 Pat Metheny、John Scofield、Charlie Hadenの次のコラボレーションはJim hall。
 スタジオ録音とライブを織り交ぜた穏やかなギターミュージック。
 Pat Methenyからすればアイドルとの共演なのでしょう。
 確かに二人の区別はつけにくく、フレージングはともかく、音色やタッチはそっくり。
 そんな2人の柔らかなエレキギターを中心として、アコースティックギター、ピカソギター、フレットレスギターの使用が数曲。
 少し靄が掛かったような感じの音がJim Hall、明度が高い音がPat Methenyなのでしょう。
 二人のオリジナル曲にジャズ曲、フリー?インプロビゼーションを少々。
 ジャズを中心として、フォークロックあり、少々のアバンギャルドあり。
 淡々と進む柔らかな音のギターの絡み合い。 
 聞き流すとサラサラと心地よい音が流れていく感じなのですが、個々の音の動きに留意して聞くと緊張感の塊。
 フロント、バック、それぞれが次にどう動くのか、どんなフレーズが飛び出すのか、どう展開するのか、ドキドキもの。
 Pat MethenyはいつものPat節、Jim Hallもこの時御歳おいくつなのかわからない若々しい演奏。
 モダンさ、瞬発力など含めて、ホントに区別がつきません。
 師弟というより双子の兄弟のよう。
 そして最後は、あの名作Duo“Intermodulation” (1966) Bill Evans, Jim Hallの最後に収められた"All across the City"、なんて粋な演出。
 寛いで聞き流しても心地よし、その名人芸と緊張感をじっくり聞くのもよし。




posted by H.A.

【Disc Review】“Glad To Be Unhappy” (1963-1964) Paul Desmond

“Glad To Be Unhappy” (1963-1964) Paul Desmond
Paul Desmond (alto saxophone)
Jim Hall (guitar) Gebe Wright, MiGene Cherico (bass) Connie Kay (drums)

グラッド・トゥ・ビー・アンハッピー
ポール デスモンド
SMJ
2014-02-26


 前掲“Bossa Antigua” (1963-1964)と同時期、同メンバー、こちらはジャズ。
 とても静かで素敵なジャズ。
 西海岸のジャズ、でもWest Coast Jazzと書いてしまうと違和感のある音。特別なPaul Desmondの音楽。
 穏やかで愁いを湛えたアルトサックス、楚々としたギター、淡々と刻まれるリズム。
 低い音圧、薄い音のバンドサウンド。
 誰一人として決して熱くはならない。
 でも、とても豊か。
 優しいPaul Desmondの音楽。




posted by H.A.
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