“Remember me, my dear” (2014) Jan Garbarek, The Hilliard Ensemble
Jan Garbarek (soprano saxophone)
The Hilliard Ensemble:
David James (countertenor) Rogers Covey-Crump, Steven Harrold (tenor) Gordon Jones (baritone)
Jan Garbarek、The Hilliard Ensembleとの共演、2019年発表。
“Officium Novum” (2010)後、“Officium Farewell”なるツアーの際のライブ録音、2014年。
本作、先の三作に比べて、音がさらに広い空間に広がっていくイメージ。
それも強烈に。
リバーヴを伴いどこまで広がっていくソプラノサックス。
気が付けば低く鳴っている静かなストリングスのようなコーラス。
コーラスの音量が上がり、スキャットが言葉に代わる頃には周囲は別世界。
ここまで美しいソプラノサックスの音は、他にあるのでしょうか。コーラスを含めてたっぷりのリバーブを残しながらゆっくりと動いていく柔らかな音。
前三作ではスッキリとまとめられていた極めて完成度の高い音が、強い生気を伴ってゆっくりと動き出し、拡散し、周囲を包み込んでいく感じ。
澄み渡った空気感は諸作と同様ですが、少し温度、湿度が上がった感じ、広大に広がる音は、ここまでの三作とは印象が異なります。
澄み渡った空気感は諸作と同様ですが、少し温度、湿度が上がった感じ、広大に広がる音は、ここまでの三作とは印象が異なります。
コーラスとサックスは溶け合ったり、対峙したり、さまざまな表情、素晴らしいバランス。
自然の成り行きで出来上がったモノなのか、そこまで含めてコントロールされたものなのかはわかりません。
それら含めて生の音そのままなのか、一定の加工がなされたのかもわかりません。
いずれにしてもおそろしいまでに豊かで、柔らかで、敬虔で、美しく、穏やかな世界。
強烈な非日常感、別世界からの音。
強烈な非日常感、別世界からの音。
極めつけ。
posted by H.A.