“Gisele De Santi” (2011) Gisele De Santi
Gisele De Santi (voice)
Alexandre Vianna (piano) Leonardo Boff (Rhodes) Fabricio Gambogi (Guitars) Gilberto Ribeiro Jr. (Guitar, Sampler, Percussion) Ianes Coelho (guitar)
Carlos D’Elia, Ever Velaz, Clovis Boca Freire (bass) Diego Silveira (drums, Percussion) Fernando Sesse (percussion)
Huberto “Boquinha” (trombone) Rodrigo Siervo (Tenor sax) Tuzinho Trompete (trumpet) Mateus Mapa (flute, voice)
Vagner Cunha (Violin, Viola) Alexandre Diel, Milene Aliverti (cello)
Matheus Kleber (Accordion) Marcelo Delacroix (voice)
現代サンバのGisele De Santiのデビュー作。
サンバ寄りのMPB、かなりポップス寄り。
次作“Vermelhos e Demais Matizes” (2013)は名作ですが、本作も同じテイスト。
透明度の高い美しいボイスと、微妙に裏声と表声が行き来するとても素敵なボイスコントロール。
もちろん肩に力が入っていない(ように聞こえてしまう)フワフワとした典型的なブラジリアンテイスト。
現代ブラジル最高のボーカリスト・・・と書いてしまうと最高が何人にもなってしまって困るのだけども、何度聞いてもそう思えてしまう素晴らしい声と歌。
私的にはRosa Passosとこの人がツートップ。
さらに素晴らしいのが、本人が書いたオリジナル曲。
根底にはサンバ、ブラジリアンテイストが流れているのでしょうが、フレンチポップスのようだったり、歌謡曲のようだったりする、少々センチメンタルで小粋なメロディ。
アレンジは、穏やかながらタイトなビートに、ストリングスやら、エレキギターやら、ホーンやらが交錯する、いかにも今風のポップス然とした作り。
もちろん、時にはいかにもサンバなパーカッションや、アコーディオン、さらにはジャジーなピアノやギターも交錯します。
現代的なようで、ちょっとノスタルジック感もあったり。
少々前のJ-Pop風だったり、オーガニック系のポップスだったりする場面もあるので、それに耳慣れた日本人にとってもとても心地よいのではないのかな?
トラディショナル系のサンバとは距離のある、また、ナチュラル系とも少々違う感じのポップテイスト。
ポップス色の強いMPBは苦手ですが、本作、この人の作品は別。
この声とメロディには勝てません。
次作“Vermelhos e Demais Matizes” (2013)、しっとり系に大きく振った次次作“Casa” (2016)、いずれも名作です。