吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Gisele_De_Santi

【Disc Review】“Gisele De Santi” (2011) Gisele De Santi

“Gisele De Santi” (2011) Gisele De Santi
Gisele De Santi (voice) 
Alexandre Vianna (piano) Leonardo Boff (Rhodes) Fabricio Gambogi (Guitars) Gilberto Ribeiro Jr. (Guitar, Sampler, Percussion) Ianes Coelho (guitar)
Carlos D’Elia, Ever Velaz, Clovis Boca Freire (bass) Diego Silveira (drums, Percussion) Fernando Sesse (percussion)
Huberto “Boquinha” (trombone) Rodrigo Siervo (Tenor sax) Tuzinho Trompete (trumpet) Mateus Mapa (flute, voice)
Vagner Cunha (Violin, Viola) Alexandre Diel, Milene Aliverti (cello)
Matheus Kleber (Accordion) Marcelo Delacroix (voice)

Gisele De Santi
Gisele De Santi
Tratore Music Brasil
2006-09-30


 現代サンバのGisele De Santiのデビュー作。
 サンバ寄りのMPB、かなりポップス寄り。
 次作“Vermelhos e Demais Matizes” (2013)は名作ですが、本作も同じテイスト。
 透明度の高い美しいボイスと、微妙に裏声と表声が行き来するとても素敵なボイスコントロール。
 もちろん肩に力が入っていない(ように聞こえてしまう)フワフワとした典型的なブラジリアンテイスト。
 現代ブラジル最高のボーカリスト・・・と書いてしまうと最高が何人にもなってしまって困るのだけども、何度聞いてもそう思えてしまう素晴らしい声と歌。
 私的にはRosa Passosとこの人がツートップ。
 さらに素晴らしいのが、本人が書いたオリジナル曲。
 根底にはサンバ、ブラジリアンテイストが流れているのでしょうが、フレンチポップスのようだったり、歌謡曲のようだったりする、少々センチメンタルで小粋なメロディ。
 アレンジは、穏やかながらタイトなビートに、ストリングスやら、エレキギターやら、ホーンやらが交錯する、いかにも今風のポップス然とした作り。
 もちろん、時にはいかにもサンバなパーカッションや、アコーディオン、さらにはジャジーなピアノやギターも交錯します。
 現代的なようで、ちょっとノスタルジック感もあったり。
 少々前のJ-Pop風だったり、オーガニック系のポップスだったりする場面もあるので、それに耳慣れた日本人にとってもとても心地よいのではないのかな?
 トラディショナル系のサンバとは距離のある、また、ナチュラル系とも少々違う感じのポップテイスト。
 ポップス色の強いMPBは苦手ですが、本作、この人の作品は別。
 この声とメロディには勝てません。
 次作“Vermelhos e Demais Matizes” (2013)、しっとり系に大きく振った次次作“Casa” (2016)、いずれも名作です。



【Disc Review】“Casa” (2016) Gisele De Santi

“Casa” (2016) Gisele De Santi
Gisele De Santi (voice)
Luiz Mauro Filho (piano) Vangner Cunha (strings)

カーザ
ジゼリ・ヂ・サンチ
プロダクション・デシネ
2016-08-10


 ブラジルのボーカリストGisele De Santi、ピアノとのDuoを中心としたアルバム。
 現代サンバの人、またポップス寄りの人だと思っていましたが、今回はブラジリアンビート抜きのしっとりとしたバラード集。
 ピアノのみを背景にして、時折バイオリンorビオラ?が音を加える形。
 ピアノは音数を絞り込んでいて、残響音のみが響く時間が多い音作り。
 透明度の高いこの上もなく美しい声がそんな空間に響きます。
 コンボでの“Vermelhos e Demais Matizes” (2013)も驚きの美しい声でしたが、その美しさがさらに際立つ作品。
 高い音が微妙に自然に裏返る、なんとも言えない雰囲気を持った歌。
 この質感に浮遊感といった言葉が適当かどうかはどうかわかりませんが、しっとりとしていながらも、要所々で軽く浮き上がる、そんな感じです。
 ピアノはあくまで薄目の背景を作るのみ。
 インプロビゼーションも控えめ。
 ストリングスも思い出したように上品なアクセントを入れるのみ。
 オーディオ的にも楽器の配置は奥。
 少し遠くから聞こえてくるような、余剰なものを徹底的にそぎ落とした音。
 その前面に出て、その上をフワフワと舞うような美しいvoice。
 楽曲はオリジナルが半数、Djavan, Chico Buarque, Caetano Veloso, Beatles。
 MPBを中心としたポップス曲が中心ですが、クラシック、あるいはフォルクローレのような優雅な響き。
 淡い色合いの切ないメロディ揃い。
 それでもこの声、歌い方でなければこの淡くて切ない色合いは出ないでしょう。
 とても美しく穏やか、とても上品。
 タイトル、ジャケットのイメージ通り、室内楽的でインティメートな音。
 ちょっとした緊張感はあるのかな?
 ここまで美しくて穏やかで上品な作品は他にあったかなあ?
 2016年のイチオシはこれかな? 




posted by H.A.

【Disc Review】“Vermelhos e Demais Matizes” (2013) Gisele De Santi

“Vermelhos e Demais Matizes” (2013) Gisele De Santi
Gisele De Santi (voice)
Gilberto Ribeiro Jr. (Keyboards, Guitar, Drums, Bass, Percussion, etc.) Gionanni Basbieri, Luciano Leaes (Keyboards) Fabricio Gambogi (Guitars) Wagner Lagemann, Ana Paula Freire (Bass) Cassiano Barreto Miranda, Marcos Suzano, Gustavo Rosa, Bruno Coelho, Tuti Sagui, Tuti Sagui (Percussion) Jorginho Do Trompete (Flugel horn) Ianes Gil Coelo (Flute) Vitor Ramil (Voice) and Others

ヴェルメーリョス・イ・ヂマイス・マティゼス
ジゼリ・ヂ・サンチ
プロダクション・デシネ
2013-11-13


 現代サンバにカテゴライズされるのでしょうか?ブラジルのGisele De Santi、セカンドアルバム。
 これはすごいボーカリスト。
 とてつもなく美しいvoice。
 少々ハスキーなシルキーボイスと書くと矛盾しているような気もしますが、そんな微妙な声。
 透明度高い系、かわいらしい系ですが、ここまで美しい声、なんとも説明し難い微妙な声は久々に聴いたような気がします。
 高い音がわずかに裏返り気味で、それでも全くぶれない安定感。
 力が入りそうなところでなぜかスルッと抜けていくようなイメージ。
 それらがなんとも微妙なニュアンス、優雅さ、優しさを醸し出しいるように思います。
 同じくブラジルのRoberta Sáに近い感じ。
 Roberta Sáもとてつもなく美しい声ですが、さらに濾過したような感じ?
 凄まじい美しさ、ってのも妙な表現ですが、素晴らしいvoice。
 全編に哀愁が漂うオリジナル曲中心。
 Roberta SáAna CostaMaria Ritaあたりのトラディショナルなサンバ系MPBとは違った色合い。
 終始緩やかなビート感、サンバ特有の高揚感を作るアレンジもありません。
 もっと穏やかで洗練された色合い。
 全体的にはポップステイストでしょう。
 歌謡曲っぽい、とまで思えるようなキャッチーさ。
 それでもアコースティックな質感、過剰に作り込まれているわけでもないので、あくまでナチュラル。
 考え抜かれた思われるアレンジ、あくまで静かで薄目の音がボーカルのカッコよさを際立たせているようにも思います。
 少々ポップス寄りの曲は少し好みとはズレるけども、この声の凄みには勝てません。
 ・・・にしても、ブラジルにはどれだけすごいボーカリストがいるんでしょうね?
 恐るべし。 




posted by H.A.
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