“Till We Have Faces” (1992) Gary Thomas
Gary Thomas (tenor, soprano sax, flute)
Pat Metheny (electric guitar) Tim Murphy (piano) Anthony Cox, Ed Howard (bass) Terri Lyne Carrington (drums) Steve Moss (percussion)

Till We Have Faces
Gary Thomas
Polygram Records
ゲイリー トーマス


 当時一世を風靡したM-Baseなるムーブメントの立役者の一人Gary Thomas、Pat Methenyを迎えたアルバム。
 これは結構すごいアルバム。
 深刻系変拍子ファンクジャズがM-Baseの真骨頂なのでしょうが、このアルバムはスタンダード集。
 スタンダードを妙にアレンジするとカッコよくならないイメージがあるのですが、これはちょっと違います。
 白眉は冒頭の”Angel Eyes”。
 4ビートですが、飛ばしまくり、ある意味開き直ったとも思える激烈さ。
 特にTerri Lyne Carringtonのドラムが凄い。
 叩く叩く。
 彼女一世一代の大名演かも。
 ベースも凄まじい動き。
 壮絶なサックスとドラムのDuoから始まり、ベース、ギターがエキサイティングなインプロビゼーション。
 Gary Thomasはもちろん得意のゴリゴリとこれでもかこれでもかとねじ込む音使い。
 それでもスタンダードなのでいつもよりは幾分マイルド。
 サックス自体が音圧高い系、激しい系の人なので、深刻系変拍子ファンクよりも、このくらいの激しさがちょうどいい感じのような気もします。
 Pat Methenyも少々の激しい系。
 過激ことをやるつもりで参加したのにスタンダード集であれれ?・・・なんてことをどこかで読んだ気がします。
 そんな演奏。
 こちらもこのくらいがちょうどいいと思うんですがね。
 といったところで、みんなハイテンション。
 スタンダードの優雅なコードとメロディがほどほどにテンションを中和。
 ほどほど過激なスタンダード演奏を聞きたくなったら、このアルバム。 




posted by H.A.