吉祥寺JazzSyndicate

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Gary_Peacock

【Disc Review】“When Will The Blues Leave” (1999) Paul Bley, Gary Peacock, Paul Motian

“When Will The Blues Leave” (1999) Paul Bley, Gary Peacock, Paul Motian

Paul Bley (piano) Gary Peacock (double bass) Paul Motian (drums)

When Will the Blues Leave
Paul Bley
Ecm
2019-05-31


 マスターたちのピアノトリオ、未発表ライブ音源、2019年発表。
 鬼のような“Not Two, Not One”(1998)制作後のステージ。
 そちらとは少々違って、ダークネスとアバンギャルドな色合いはほどほどに抑制されたジャズ。
 楽曲はPaul Bleyを中心に、Gary Peacock、Ornette Coleman、ジャズスタンダードなど。
 冒頭は意外にも明るい色合い、Ornette Colemanが見え隠れする、ぶっ飛んだフリーが入り混じるジャズ。
 自由です。
 オモチャ箱をひっくり返したような音の洪水、それでいてグチャグチャな感じはなく、スッキリとまとまった、さすがの名人芸。
 続くはPaul Bleyのトレードマーク、全編ルバートでの美バラード。
 タメにタメにタメて置かれていく美しい音、センチメンタルなメロディ。
 感傷を纏いながら突然崩れていく儚さと狂気。
 そのピアノどう合わせるのか思案のベースとドラム、危ういバランスの美しさ。
 同様の演奏は、上掲アルバムから”Dialogue Amour”、さらにソロピアノの演奏も。
 どこかで聞いた超美メロの断片が、まるで記憶を想い起こすように現れ、そして崩れていきます。
 「耽美」ってな言葉が一番似合う、いかにもPaul Bleyさんの音。
 そんな感傷と自由が変幻自在に交錯するピアノに、動きまくるベース、虚空に響くシンバル。
 ぶっ飛びながらもスッキリしたアヴァンギャルドとベタベタの感傷が交錯、錯綜するステージ。
 同じく超名人たちのKeith Jarrett Standardsよりも明暗、動静の落差、変化が大きく、その分ぶっ飛んだ感じがするのかもしれません。
 未発表だった理由はジャズな成分が少々強めなことぐらい?・・・ってなのも変ですが、普通にジャズとして「も」聞ける名演奏集。
 なお、お三方のうち、既に二人が鬼籍に入ってしまっているのが何とも・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Guamba” (1987) Gary Peacock

“Guamba” (1987) Gary Peacock

Gary Peacock (bass)
Peter Erskine (drums) Jan Garbarek (tenor, soprano sax) Palle Mikkelborg (trumpet, flugelhorn)

Guamba -Reissue/Digi-
Gary Peacock
Ecm
2019-05-17


 Gary Peacockの1987年作。
  先の“Voice from the Past – Paradigm” (1981)と同様の編成のピアノレス二管カルテットですが、Jan Garbarekを残してメンバーを変更。
 素直なドラムにスッキリ系のトランペット、全体のサウンドも焼けた金属片が混ざるようなオイル臭さが抜けた感じでしょうか。
 軽快なドラムにクールでスタイリッシュなトランペット、やはりドロドロなサックス。
 もちろん全体を支配するのは、あの男臭いベースの音の動きと哀し気なメロディ。
 交錯する疾走と浮遊、ときおり表出する狂気。
 やはり前作と同様、ハードボイルドでやるせないGary Peacockワールド。
 前作はジャケットも夜なイメージでしたが、本作は不穏な雲に覆われた昼のポートレート、そのままの音。
 闇をベースとした陰影の前作に対して、薄暗い日中のような陰影の本作。
 いずれも気難しいのですが、ECMのアートを感じるには、とてもいい感じのバランスの二作のようにも思います。

※別のアルバムから。


posted by H.A.


【Disc Review】“Voice from the Past – Paradigm” (1981) Gary Peacock

“Voice from the Past – Paradigm” (1981) Gary Peacock

Gary Peacock (bass)
Jack DeJohnette (drums) Jan Garbarek (tenor, soprano sax) Tomasz Stańko (trumpet)



 Gary Peacockの1981年作。
 超名作“Tales Of Another” (1977)、“Standards, Vol. 1” (1983)の間の制作。
 この時点で今も続く相棒となっていたのであろうJack DeJohnetteに加えて、Jan Garbarek, Tomasz Stańkoの鬼のような二管、ピアノレス。
 激しく、ハイテンション、甘味なし、気難し気で沈痛、ハードボイルドな音が聞こえてきそうなメンツですが、そのまんま。
 激しく動くベース、自由に飛び交うシンバル、哀し気なメロディを奏でるアンサンブルと抑制的ながらときおり狂気が表出するインプロビゼーション。
 強烈な疾走と浮遊の交錯、ダークネスに包まれた時間。
 冒頭のタイトル曲”Voice from the Past”、同じくつわもののMarilyn Crispell, “Amaryllis” (2000)での再演がとても優しく聞こえてくるのは、女性ゆえでしょうか。
 こちらは男臭い悲哀に糊塗されたされた音。
 が、スピードを上げ、あるいは混沌に陥り狂気にとらわれているようでも、なぜかどこかで抑制されているストイックなムード。
 あくまで静かで沈み込むような、やるせない悲哀。
 つわものたちが絞り出す、苦み走った音。
 決して怖くはありません。
 たぶん。

※同タイトル曲、別アーティストのカバー。こちらはスッキリ系。


posted by H.A.


【Disc Review】“December Poems” (1977) Gary Peacock

“December Poems” (1977) Gary Peacock

Gary Peacock (bass)
Jan Garbarek (saxphones)



 Gary Peacock、ベースソロを中心としたアルバム。
 ベースをオーバーダビングし、二曲ほどでサックスが加わる構成。
 古今東西ピアノトリオ名作中の名作“Tales Of Another” (1977)と同年の録音。
 ピアノもギターも鳴らないゆえに、武骨で不愛想な印象ですが、上掲と同じ空気感が流れています。
 やるせないメロディ、ダークなムードと強烈な緊張感。
 疾走と浮遊、激しい音の動きの中に突然顔を出す美しいメロディ。
 と書いてしまうと、Keith Jarrettの音楽と似た感じの形容になってしまうのですが、だから長く共演が続いているのでしょう。
 彼の音楽との違いはロマンチシズムや甘さが前面に出る場面があるか否かでしょうか。
 こちらは武骨で不愛想、そしてやるせない哀愁。
 男臭いハードボイルドネスの塊のようなアルバム。
 だから上掲含めてあのトリオの音楽がカッコいいのかも。




posted by H.A.


【Disc Review】“Partners” (1989) Paul Bley, Gary Peacock

“Partners” (1989) Paul Bley, Gary Peacock

Paul Bley (piano) Gary Peacock (bass) 


Partner
Paul Bley
Sunny Side
2003-07-29


 Paul Bley, Gary PeacockのDuo作品。
 イタリアSoul Note、あるいはドイツECMからではなく、フランスのOwlレーベルから。
 同じくDuo、Soul Noteの“Mindset” (1992)と同様に、Duo、各々のソロを概ね三分の一ずつ。
 構成は似ているものの、そちらと比べると激しく動く音。
 Gary Peacockはどちらも激しい演奏ですが、こちらはPaul Bleyも激しい演奏。
 この人にしては珍しくしっかりと空間が埋まったRichie BeirachSteve Kuhnのようなピアノ。
 二人あわせてKeith Jarrett Standardsな場面もしばしば。
 いつものたっぷりのタメを効かせた美しいバラード演奏も何曲かあります。
 理不尽なまでのスケールアウトもいつも通りなのだと思いますが、音数が多い分、それが目立ちません。
 録音もなんだかきらびやか。
 太い音で音量も大きいベースと、たっぷりのエコーが効いた高音が強い派手な音のピアノ。
 ECMの音に慣れてしまった耳には新鮮に聞こえます。
 が、こちらの方が普通なのかな?
 クールでアーティスチックなPaul Bleyではなく、Gary Peacockの名人芸と、その熱に合わせるような何でも弾けるジャズピアニストPaul Bley。
 ま、普通のジャズピアノではないのですが・・・
 やはり名人は何をやってもカッコいい。




posted by H.A.


【Disc Review】“Paul Bley with Gary Peacock” (1963, 1968) Paul Bley

“Paul Bley with Gary Peacock” (1963, 1968) Paul Bley

Paul Bley (Piano) Gary Peacock (Bass) 
Paul Motian, Billy Elgart (Drums)

Paul Bley With Gary Peacock
Paul Bley
Ecm Import
2000-08-15


 Paul MotianGary Peacockを中心とした、あの時代の少し変わったジャズ。
 ECMの制作ですが、録音は別の時代なのだと思います。
 Paul Motian 参加のピアノトリオの聖典“Waltz for Debby” (1961)、そしてGary Peacockも参加した”Trio '64” (1964) Bill Evansから遠くない時期の録音。
 ベースはScott LaFaroを想わせるような激しい動き。
 普通のジャズのようで、モダンジャズとは何か異質な美しさを散りばめながら、さらに微妙にズレていくようなピアノ。
 二人の動きを意識していないようにも聞こえる、淡々と静かにビートを刻むクールなドラム。
 アコースティック4ビートのモダンジャズですが、なんだか変わっています。
 美しいようでザラついていて、変なようでやはり美しい不思議なバランスは、後のKeith Jarrettのバンドにつながっていくような音。
 Ornette Coleman二曲にPaul Bley二曲、因縁のAnnette Peacock二曲にその他何曲か。
 フリーな場面は多くはありませんが、何か三者が微妙にズレていくような、不思議なバランス。
 普通なようで何か違う、稀代のスタイリストお三方のクリエイティビティとクールネス。
 1960年代と1970年代、モダンジャズとフリージャズ、さらに後のジャズを繋ぐような一作。

※近い時期の演奏から。


posted by H.A.

【Disc Review】”A Closer View” (Dec.1995) Ralph Towner, Gary Peacock

”A Closer View” (Dec.1995) Ralph Towner, Gary Peacock
Gary Peacock (bass) Ralph Towner (classical guitar, 12 string guitar)

Closer View
Ralph Towner
Ecm Records
ラルフ タウナー
ゲイリー ピーコック


 ”Oracle” (May.1993)に続くGary Peacock, Ralph TownerのDuo。
 そちらはGary Peacockの楽曲中心でしたが、本作はRalph Townerの楽曲中心。
 前作に比べてビート感が弱め、穏やかで淡い色合い。
 Gary Peacockが少々遠慮気味・・・といったことでもないのでしょうが、抑え目で落ち着いた印象。
 控えめに土台を作るベース。
 メランコリックなメロディを紡ぐ瑞々しいギター。
 静かに淡々と進む時間。
 どこか懐かし気な郷愁感を誘うムード。
 以降のRalph Townerのアルバムはそんな音楽が多くなります。
 とても穏やかで素敵な時間。




posted by H.A.

【Disc Review】”Oracle” (May.1993) Gary Peacock, Ralph Towner

”Oracle” (May.1993) Gary Peacock, Ralph Towner
Gary Peacock (bass) Ralph Towner (classical guitar, 12 string guitar)

Oracle
Gary Peacock
Ecm Import
ゲイリー ピーコック
ラルフ タウナー


 Gary Peacock, Ralph Towner大御所二人のDuo。
 もう一作”A Closer View” (Dec.1995)がありますが、楽曲提供からするとそちらはRalph Towner、本作はGary Peacockがイニシアティブをとっていたのでしょう。
 メランコリックな不思議系のメロディは二人とも共通、どちらがリーダーであっても違和感のない内容。
 Ralph Towner、DuoであれTrioであれ、ドラムであれベースであれ、しっかり背景を作ってくれるミュージシャンとの共演であれば、シングルトーンでのカッコいいソロを展開してくれます。
 ソロギターのような縦横無尽な自由さはありませんが、その分キッチリまとまったわかりやすい展開。
 推進力が強くよく動くベースの沈んだ胴鳴りと、いつもながらに瑞々しいギターの音のコンビネーションは絶妙。
 ビート感が明快で、ジャズファンからすれば聞きやすくなっているかもしれません。
 メロディは不思議系、抽象度高い系中心。
 愛想はない演奏なのかもしれませんし、強烈な興奮はありませんが、穏やかで上質な匠のインタープレーを楽しみましょう。 




posted by H.A.

【Disc Review】"Azure" (2013) Gary Peacock, Marilyn Crispell

”Azure”  (2013) Gary Peacock, Marilyn Crispell
Gary Peacock (bass) Marilyn Crispell (piano)

The Lea
Universal Music LLC
2014-01-06
ゲイリー ピーコック
マリリン クリスペル


 先に聞いた“Amaryllis”(2000) Marilyn Crispell、暗く美しい音楽です。
 このピアニストがどんな人かすら知りませんでした。
 正直、女性だとも思いませんでした。
 角が立っていながら、流れるような美しさ、どこまでも広がる色合い、例えるならば瑠璃色、とても印象的なピアニストです。
 本作のリーダーは大御所Gary Peacock。
 ロマン色の強い曲を書かせるとお見事です。
 そんな二人の演奏が入り混じる中、アルバムの中間あたりの"the lea"。
 ハワイ語で「喜び」を表す言葉とか。
 keyはBm、管楽器類が参加しにくいスケール、物悲しいスケールで喜びを表そうとしているようです。
 ベースソロに続いて、ピアノが自然に加わるわずかな時間の演奏。
 それでも吸い込まれるように楽しめます。
 呼吸をするかのように、自然に、そして必然的に入って来る最初のピアノの音。
 そのまま続く、短い単純な曲の構成。
 久々に音楽を聴いただけで、目蓋の裏に熱さを感じました。
 胸に響く名曲です。


※アルバムタイトル曲


posted by N.A.

【Disc Review】“Tales Of Another” (1977) Gary Peacock

“Tales Of Another” (1977) Gary Peacock
Gary Peacock (bass)
Keith Jarrett (piano) Jack DeJohnette (drums)

Tales Of Another
Universal Music LLC
1986-01-20
キース ジャレット
ゲイリー ピーコック


 某Jazz Barのマスター曰く、古今東西、ピアノトリオで最高の作品はコレ。
 確かにそうかもしれません。
 後のスタンダーズの魅力が極めてテンションの高いスタンダード演奏だとすれば、このアルバムは曲がオリジナルの分だけさらにテンションが高い。
 メンバー各人とも絶頂期なのでしょう、もの凄い演奏。
 例によって、美しく、もの悲しく、そして激しい。
 “Sun Bear Concerts”(Nov.1976) 聞いた勢いで、同時期のKeith Jarrettの演奏を諸々聞いてみましたが、やっぱりちょっと違うわ。
 凄いミュージシャンのピークはとてつも無く凄い。
 そんな音楽。

(※本投稿は2015/08/22より移動しました。)
 

posted by H.A.
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