吉祥寺JazzSyndicate

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Gary_Burton

【Disc Review】“Dreams So Real” (Dec.1975) Gary Burton

“Dreams So Real” (Dec.1975) Gary Burton
Gary Burton (vibraphone)
Mick Goodrick (guitar) Pat Metheny (12-string-guitar) Steve Swallow (electric bass) Bob Moses (drums)

Dreams So Real
Universal Music LLC
ゲイリー バートン


 Gary Burton、前作“Ring” (Jul.1974) からEberhard Weber が抜け、レギュラーバンドでの録音。
 Carla Bleyの作品集。
 Pat Methenyのデビュー作“Bright Size Life” (Dec.1975)と同月での録音。
 ドイツの同じスタジオ、ドラマーも同じ、連続するセッションなのかもしれません。
 冒頭のタイトル曲は強い浮遊感、幻想的なバラード。
 Gary Burtonの真骨頂。
 全編リーダーの独壇場ですが、最高の演奏。
 この線かと思いきや、続くはベースが強烈なOrnette的4ビート曲。
 Steve Swallow ってこんな攻撃的な演奏していましたっけ?
 超高速なビートを背景に展開されるヴィブラフォンの凄まじいソロ。
 少しビートを落として(曲が変わって)、続くはPat Metheny。
 もちろんこの時点で完全に今に通じるフレージング。
 さらにGary Burton を挟んで、師匠Mick Goodrick の少々ロックでサイケなソロ。
 そんな感じで3者のフロント陣の対比も面白いのですが、基本的にはリーダーのスペースが大きく、Gary Burtonの華やかで浮遊感の強い音を楽しむべき作品。
 スローでは幻想的な浮遊感、アップテンポでは強烈な疾走感。
 残響音が心地よいことこの上なし。
 Pat Methenyの大活躍は次作“Passengers” (1976)以降。
 それにしてもCarla Bleyのわかりやすいようで不思議系のメロディとGary Burtonは合いますねえ。 




posted by H.A.

【Disc Review】“Ring” (Jul.1974) Gary Burton

“Ring” (Jul.1974) Gary Burton
Gary Burton (vibraharp)
Eberhard Weber (bass) Michael Goodrick (guitar) Pat Metheny (guitar, electric 12-string-guitar) Steve Swallow (bass) Bob Moses (percussion)

Ring
Universal Music LLC
ゲイリー バートン


 Pat Metheny、ゲスト参加作品、未紹介アルバムから、私が知る限り。
 Pat Metheny Groupの作品はこちら
 Pat Methenyのソロ名義、共同名義の作品はこちら
 Gary Burtonバンドから、Michael Brecker他への客演、現時点の最新作“Cuong Vu Trio Meets Pat Metheny” (2016)まで。


 Gary Burton、2人のベース、2人のギターを迎えた変則バンドでのコンテンポラリージャズ。
 クレジットからするとGary Burton のバンドにEberhard Weberが客演した扱い。
 Eberhard WeberはECMでの初作“The Colours Of Chloë” (1973)を作ったばかり。
 ECM総帥Manfred Eicherとしても諸々の可能性を試そうとしていた時期なのでしょう。
 ”The Colours Of Chloe”のカバーも収録されています。
 Pat MethenyはこれがECMでの初録音。
 但し大きくフィーチャーされるわけではありません。
 ギターの2人は背景を作る役割。
 少々1970年代を感じさせる音使いで妖しいムードを醸し出しています。
 後から聞いた立場としては、Gary Burtonの華やかな浮遊感と、Eberhard Weberのスペーシーな浮遊感が融合して、さらにPat Methenyの浮遊感の強いギターが加わると・・・
 などと想像してしまいますが、残念ながらそんな印象の場面はわずか。
 Eberhard Weberの居場所が曖昧な印象。
 また、前面に出るギターは師匠?のMichael Goodrick。
 まだ各人ともに手の内の探り合い、ってな感じでしょうか。
 メランコリックな曲、ジャズロック、などなど、さまざまなテイスト。
 ギターが作る妖しい音を背景にして、ビブラフォン、ベース、ギターがメランコリックなソロを奏でていく形。
 ジャズっぽさは強くありませんが、ジャズ、ロック、フォークあたりが混ぜ合わさった独特の色合いのコンテンポラリージャズ、あるいはジャズロック。
 オリジナルよりもソリッドでフュージョン色が強い、ドラマチックな”The Colours Of Chloe”で締め。
 この後、Pat Methenyは”Bright Size Life” (Dec.1975)を制作、彼を含めたGary Burton Quintetは“Dreams So Real” (Dec.1975)へと続いていきます。




posted by H.A.

【Disc Review】“Hommage A Eberhard Weber” (2015)

“Hommage A Eberhard Weber” (2015)
Pat Metheny (guitar) Jan Garbarek (sax) Gary Burton (vibes) Scott Colley (bass) Danny Gottlieb (drums) Paul McCandless (oboe,ss) Eberhard Weber (bass) SWR Big Band

Hommage a Eberhard Weber
Various Artists
ECM
2015-09-11


 ECMの看板ベーシストEberhard Weberへのオマージュ・コンサート。
 Pat Methenyを含めた懐かしいメンバー、ECMオールスター。
 ヨーロピアン・コンテンポラリー・ジャズのサウンドを作った代表者のひとり。
 ブルージーでごつごつしたアメリカンジャズや、カチッとしたアメリカンフュージョンとは全く別の柔らかい質感の音。
 上品なクラシックの香りや、柔らかいリズム。
 難解で気難しいものも少なくないヨーロッパものの中で、この人の場合は、緊張感があっても明るい雰囲気、といったところが特徴でしたかね。
 ふわっとした空間が広がる音。
 絵画的な音。
 深い森の中、あるいは草原だったり、時には水の中、はたまたしんとした夜の雰囲気だったり。
 Pat Metheny Groupにも相当強い影響を与えたのは間違いない所。
 そんな御大の名曲群をこのメンバーでやるとどうなるか?
 まあ、想像通りと言えばその通り。
 ゴージャスなビッグバンドの上の匠たちのインプロビゼーション。
 いまだ絶好調、張り詰めた音のJan Garbarekが登場すると緊張感が走るし、Gary Burtonが叩くと華やいだ雰囲気に。
 Paul McCandless が吹くとなんだかのどかで懐かしい雰囲気。
 Pat Methenyは少々抑え気味、神妙に弾いている感じですかね。
 全体の雰囲気はEberhard Weberオリジナルの音に比べるとどことなく暗くて重々しい感じ?
 音が厚いからでしょうかね?
 ポジティブに言えば、オリジナルのスペーシーな感じはそのままに、より重厚な演奏、ってな感じ。
 ところが一部で本人の演奏(録音)が流れると雰囲気が変わります。
 やはり、あの空気感、緊張感は高いのだけど明るい、なんとも微妙な雰囲気を作っていたのはEberhard Weber本人のベースの音そのものだったのでしょうね。




posted by H.A.

【Disc Review】“Right Time, Right Place” (1990) Gary Burton , Paul Bley

“Right Time, Right Place” (1990) Gary Burton , Paul Bley
Gary Burton (vibraphone) Paul Bley (piano)
 
Right Time Right Place
Gary Burton
Gnp Crescendo
1992-01-21
ゲイリー バートン
ポール ブレイ

 いかにもな組み合わせのECMなお二人。
 共演盤はたくさんあるのでしょうか?
 Paul Bleyさん次第では難解でぶっ飛んでしまいそうな可能性、無きにしもあらずの組み合わせですが、美しいバラードを中心とする佳曲の素直な演奏。
 ビブラフォンとピアノのデュオといえば、Gary Burton、Chick Coreaの共演盤が有名ですが、それらと比べて抑制された演奏。
 パーカシッブなイメージが強かったそれらに比べて、このアルバムはあくまでメロディアス、終始ゆったりとしたリズム。
 ちょっと刺激的が足らないといえばそうなのかもしれないけども、穏やかで心地よいバランス。
 Paul Bleyのピアノは独特の後ろ髪を引かれるようなタメと、徐々に拡散していくような音使いが相変わらずカッコいい。
 素直な音の流れから外れそうで外れてなくて、やっぱり外れて、でも気がつくともの凄く美しいフレーズが連発される・・・といったなんともいえない不安定さというか、安定というか・・・。
 やり過ぎると難解になるのでしょうけど、このアルバムでは全曲いい感じで収まった感じ。
 Gary Burtonの華やかさと安定感はいつも通り。
 全編通じてECM的な気難しさはなく、ゆったりと落ち着いて聞ける音楽。
 いわゆる名盤ではないのかもしれないけども、気楽に聞けるいいアルバムです。




posted by H.A.
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