吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Fusion

【Disc Review】“Breezin'” (1976) George Benson

“Breezin'” (1976) George Benson

George Benson (guitar, vocals)
Jorge Dalto (acoustic piano, clavinet) Ronnie Foster (electric piano, Minimoog synthesizer) Phil Upchurch (guitar, bass) Stanley Banks (bass) Harvey Mason (drums) Ralph MacDonald (percussion)
Claus Ogerman (arranger, conductor)

Breezin'
George Benson
Warner Bros / Wea
1994-08-22


 George Benson、言わずと知れたソフトでソウルテイストなジャズフュージョンの定番。
 同時期の”Stuff” (1975-1976)には少しマニアックな感じもありますが、こちらはさらに洗練され、サラサラと流れていくような音。
 “Bad Benson” (1974)、前作“Good King Bad” (1975)よりももっと柔らかでソフトな音。
 冒頭のストリングスが聞こえただけで、あの楽園な世界。
 ちょっとタメて始まるイントロからメロウさ爆発。
 キメキメフュージョンとは一線を画したしなやかなビート。
 フュージョンってよりも、クロスオーバー、あるいはソフトソウルインスツルメンタルってな言葉の方がしっくりきますかね。
 ここまでタイトルと音が一致する演奏もなかなかない感じの爽やかさ。
 後のAORな感じやらディスコな感じやらと比べれば、とてもソフトでジャズテイスト。
 あの“This Masquerade”でも、ジャズなギター、ピアノのインプロビゼーションのスペースもたっぷり。
 ギターとスキャットのユニゾンはこれあたりが元祖なのでしょうかね?
 ピアノが南米系のJorge Daltoってなことも、きっと柔らかさの隠し味になっているのでしょう。
 定番的ジャズフュージョン、哀愁のラテン、スムースなソウルっぽい楽曲を含めてギターが弾きまくられていますが、上品なストリングスに彩られ、その全てがソフトな楽園サウンド。
 ソフト&メロウの横綱アルバム、ってことでよろしいのでは。



posted by H.A.

【Disc Review】“Benson & Farrell” (1976) George Benson, Joe Farrell

“Benson & Farrell” (1976) George Benson, Joe Farrell

George Benson (guitar) Joe Farrell (flute, bass flute, soprano saxophone)
Don Grolnick (electric piano) Sonny Bravo (piano) Eric Gale, Steve Khan (guitar) Will Lee, Gary King (bass) Andy Newmark (drums) Nicky Marrero (percussion) Jose Madera (congas) Michael Collaza (timbales) 
Eddie Daniels, David Tofani (alto flute)

ベンソン&ファレル
ジョージ・ベンソン
キングレコード
2017-12-06


 George Benson、1976年作、CTIから。
 レーベルのスター?二人を冠したジャズフュージョンですが、これがCTIからの最終作?
 録音は “Breezin'” (1976)の後のようです。
 前作“Good King Bad” (1975)と同様に、David Matthewsの楽曲がたっぷりのポップなサウンド。
 エレピを中心としたジャズフュージョンコンボに、ゴリゴリのテナーサックスやトランペットではなく、フルート、ソプラノサックスの柔らかな彩り。
 前作以上にシンプルで軽快、ソフトなジャズフュージョン。
 が、ギターは少々ハードなインプロビゼーション。
 前作のようにちょっとひねった感じではなく、あの超高速ジャズギター弾きまくりのGeorge Bensonさんが戻っています。
 Joe Farrellもたっぷりとは吹いていますが、こちらは意外にもソフトな感じでしょうか。
 契約消化云々・・・だったのかもしれませんが、かえって妙な仕掛けが無くてスッキリした印象。
 全部合わせて不思議なバランス。
 サラサラと淡々と流れていくソフトでポップなジャズフュージョンなような、ギターだけを聞いてみるとハードなジャズなような。
 そんな不思議な感じを残しつつ、ソフトソウルジャズフュージョンの決定盤、ソフト&メロウな”Breezin'” (1976)へと時代は移っていきます。




posted by H.A.


【Disc Review】“Good King Bad” (1975) George Benson

“Good King Bad” (1975) George Benson

George Benson (guitar, vocals)
Eric Gale (guitar) Don Grolnick (clavinet) Bobby Lyle, Roland Hanna, Ronnie Foster (keyboards) David Friedman (vibraphone) Gary King (bass) Andy Newmark, Steve Gadd, Dennis Davis (drums) Sue Evans (percussion)
Joe Farrell, Romeo Penque, David Tofani (flute) Randy Brecker (trumpet) Fred Wesley (trombone) David Sanborn (alto saxophone) Michael Brecker, Frank Vicari (tenor saxophone) Ronnie Cuber (baritone saxophone) and Strings



 George Benson、1975年作、ジャズフュージョン作品、CTIから。
 モダンジャズはもとより、1970年代ジャズな感じもなくなり、すっかりジャズフュージョン、あるいはクロスオーバーなサウンド。
 David Matthewsを中心としたポップでメロウなメロディに、バウンドする8あるいは16ビート。
 エレピはもちろん、ホーン、ストリングスのアンサンブルに彩られたゴージャズなサウンド、キッチリと計算し尽くされたのであろう凝った編曲。
 前作“Bad Benson” (1974)よりも抑えられたオーケストラ、次作あの“Breezin'” (1976)よりもちょっと強めのビートと音。
 洗練されています。
 そんな中で、ギターのインプロビゼーションのスペースもたっぷり。
 従来の高速弾きまくりジャズギターだけではなくて、オクターブ奏法をひねったような不思議な音使いの場面がたっぷり。
 ここまでくると、あの“Breezin'” (1976)に入っていても違和感のない演奏、AORインスツルメンタルな感じの演奏が並びます。
 それでもまだアーシーな感じも少しだけ残っていますかね?
 そんなバランスがいい感じ。
 なお、ボーナストラックとしてSam & Daveの“Hold On, I'm Coming”なんて収められていて、しっかり歌っていらっしゃいます。
 これまたクロスオーバーなソウル。
 全部含めて、クロスオーバー黎明期を抜けたかな?、な洗練されたサウンド。




posted by H.A.


【Disc Review】“Bad Benson” (1974) George Benson

“Bad Benson” (1974) George Benson

George Benson (guitar)
Phil Upchurch (guitar, electric bass, percussion) Kenny Barron (piano) Ron Carter (bass) Steve Gadd (drums)
Garnett Brown, Warren Covington, Wayne Andre (trombone) Paul Faulise (bass trombone) Alan Rubin, Joe Shepley, John Frosk (trumpet) Phil Bodner (English horn, clarinet, alto flute) George Marge (English horn, flute, piccolo flute) Ray Beckenstein (flute) Al Regni (flute, clarinet) Brooks Tillotson, Jim Buffington (French horn) Margaret Ross (harp) Alan Shulman, Charles McCracken, Frank Levy, Jesse Levy, Paul Tobias, Seymour Barab (cello)

バッド・ベンソン
ジョージ・ベンソン
キングレコード
2016-09-07


 George Benson、1974年作、CTIから。
 シンプルなソウル~ファンクフュージョン“Body Talk” (1973)に対して、後のキッチリしたビートのフュージョンな感じ、派手で凝りまくったオーケストラのゴージャスなサウンドを含む一作。
 冒頭”Take Five”は、背景は控え目なものの、凝ったリズムパターンで徹底的に弾きまくり。
 続くは一転、ストリングスを背景にした漂うようなバラード、さらには攻めたストリングスが彩るラテンなフュージョン、ソフトなフュージョンときて、ド派手なホーンのオーケストラの激しキツメな演奏。
 締めはエレピとストリングスが背景を彩る、静かで綿々としたバラード。
 いろんな色合いを詰め込みつつの、ポップなようで凝ったジャズフュージョンサウンド。
 CDではボーナストラックとして、ジャズ、ブルース、ソロギターでのバラードが加わります。
 シンプルなところから抜け出そうと試行錯誤しつつ、選ばれたのが攻めた6曲だったんだなあ、と感心しきり。
 余分なものをそぎ落として、あの洗練の極み“Breezin'” (1976)に昇華?していく過程が見えるような演奏集。




posted by H.A.


【Disc Review】“Body Talk” (1973) George Benson

“Body Talk” (1973) George Benson

George Benson (guitar)
Earl Klugh (guitar) Harold Mabern (electric piano) Ron Carter (bass) Gary King (electric bass) Jack DeJohnette (drums) Mobutu (congas)
Gerald Chamberlain, Dick Griffin (trombone) Jon Faddis, John Gatchell, Waymon Reed (trumpet) Frank Foster (tenor saxophone)

ボディ・トーク
ジョージ・ベンソン
キングレコード
2016-09-07


 George Benson、1973年作のジャズフュージョン、CTIから。
 前作“White Rabbit” (1972)から一転、再びコンボを中心とした編成。
 そちらとはまた違った形で脱ジャズした音。
 4ビートではない、8、16ビートのファンクで弾むリズム。
 Donny Hathaway一曲、他はリフ一発、とまではいかないものの、シンプルでソウルなテイスト。
 前々作“Beyond the Blue Horizon” (1971)に管楽器が加わる形ですが、それらはあくまで彩りとしての音。
 本作の方がシンプル、ジャズではなくソフトソウルな音。
 図らずとも身体が揺れる軽快に弾むビート。
 そんな音に乗って疾走しまくるジャズギター。
 強烈なインプロビゼーションを中心とした演奏ですが、汗が飛び散らないソフトなソウルのジャズファンク。
 このあたりの一連のCTI作品、少しずつ色合いが違っていて、それが面白い。
 本作は、1970年代ジャズ以上、フュージョン未満、軽快なソウル~ファンクで弾きまくるGeorge Bensonの一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“White Rabbit” (1972) George Benson

“White Rabbit” (1972) George Benson

George Benson (guitar)
Herbie Hancock (electric piano) Jay Berliner (Spanish guitar) Earl Klugh (acoustic guitar) Ron Carter (double bass, electric bass) Billy Cobham (drums) Airto Moreira (percussion, vocals) Phil Kraus (vibes, percussion) Gloria Agostini (harp)
Phil Bodner (flute, alto flute, oboe, English horn) Hubert Laws (flute, alto flute, piccolo) George Marge (flute, alto flute, clarinet, oboe, English horn) Romeo Penque (English horn, oboe, alto flute, clarinet, bass clarinet) Jane Taylor (bassoon) Wayne Andre (trombone, baritone horn) Jim Buffington (French horn) John Frosk, Alan Rubin (trumpet, flugelhorn)

White Rabbit
George Benson
Music on CD
2019-07-26


 George Benson、1972年作、CTIから。
 Don Sebeskyアレンジのオーケストラを従えたドラマチックな演奏集。
 スパニッシュな感じ、あるいはラテンな感じの過剰までにドラマチックな様は、“Concierto” (1975) Jim Hallの予告編というか、そのGeorge Benson版というか。
 タイトル曲はロックのJefferson Airplaneの楽曲。
 ギターは少々控え目、Herbie Hancockのエレピが突っ走る場面も目立ちますが、まわりの派手な演出に押されて、全体の中に溶け込んでいます。
 さらにはオーケストラサウンドに包まれたバサノバでのバラード”Summer Knows”、柔らかなブラジルの古い曲で軽快に突っ走り、これまたドラマチックにアレンジされたな”California Dreamin'”。
 それらに合わせてかどうか、最後に収められたオリジナル曲も哀し気な表情、とてもドラマチックな演出。
 たっぷり十分強、ギターとエレピが疾走しつつ、最後にラテン、あるいはスパニッシュな感じで盛り上がるキャッチーな演奏。
 ここまでくるとモダンジャズの影はありません。
 ほどほどポップでドラマチック、ラテンやクラシカルな雰囲気も混ざり合うジャズフュージョン、あるいは、軽くて洗練された感じを含めて、いかにもクロスオーバーミュージックってな感じ。
 “Road Song” (1968) Wes Montgomeryなどとはちょっと違った感じは、時代の流れでしょうか。
 本作、前作“Beyond the Blue Horizon” (1971)あたりがクロスオーバーミュージックの端緒でしょうかね。




posted by H.A.


【Disc Review】“Beyond the Blue Horizon” (1971) George Benson

“Beyond the Blue Horizon” (1971) George Benson

George Benson (guitar)
Clarence Palmer (Hammond organ) Ron Carter (double bass, electric cello) Jack DeJohnette (drums) Michael Cameron, Albert Nicholson (percussion)

Beyond the Blue Horizon
George Benson
Cti
2002-02-18


 George Benson、1971年作、CTIから。
 オルガン入りのコンボでのジャズ。
 オーケストラは入っていませんが、新しい質感のスムースなジャズ。
 フュージョンまではいかずとも、そんな感じも漂っていて、1960年代までのモダンジャズとは明らかにムードが違います。
 冒頭、ビートが伸び縮みする”So What”から全開の疾走。
 どこまでも突っ走りまくるジャズなギター。
 Ron Carter, Jack DeJohnetteと役者が揃い、もしあのMilesバンドともう少し共演していたら、などと想像してみたりもしますが、この期のMilesさんからすれば、スムースなジャズに寄り過ぎなのでしょうねえ。
 続くボサノバ“The Gentle Rain”も、これまた血管切れそうな怒涛の弾きまくり。
 他は“Breezin'” (1976)的ソフトソウルなジャズ、静かで幻想的なバラード演奏、ラテン風味とサイケが混ざり合う、あるいはJohn McLaughlinっぽい不思議な演奏。
 1970年代ジャズ、フュージョン、ボサノバ、ソウルな感じ、攻撃的ジャズなど、バラバラなようで不思議な統一感。
 文字通りクロスオーバーな感じ、モダンジャズとは異なる疾走感。
 時代は変わったようですねえ。
 カッコいいんじゃないでしょうか。




posted by H.A.


【Disc Review】“Rubberband” (1985,1986) Miles Davis

“Rubberband” (1985,1986) Miles Davis

Miles Davis (trumpet, keyboards)
Randy Hall (guitar, voice, keyboards) Attala Zone Giles(guitar, voice, bass, keyboards) Adam Holzman, Wayne Linsey, Robert Irving, III, Anthony "Mac Nass" Loffman, Neil Larsen (keyboards) Javier Linares (piano) Isiah Sharkey, Mike Stern (guitar) Arthur Haynes, Felton Cruz, Angus Thomas (bass) Vince Wilburn, Jr. (drums, percussion, programing) King Errisson, Steve Reid, Munyungo Jackson, Steve Thornton, Marilyn Mazur (percussion) Michael Paulo (sax, flute) Bob Berg, Glenn Burris (sax) Rick Braun (trumpet, trombone) Ledisi, Medina Johnson, Lalah Hathaway (voice) Kevin Santos (edit, sound design)

Rubberband -Digi-
Miles Davis
Rhino
2019-09-06


 大御大Miles Davisの未発表音源、2019年発表なのでしょう。
 元の音源の録音は“You're Under Arrest” (1984,1985), “Tutu” (1986)の間。
 ベースのサウンドはちょうどその真ん中あたりの感じ、それを甥っ子Vince Wilburn, Jr.はじめとした人たちが、今の音でコーティング。
 あの時代、デジタル色が強いファンクビート、ゴージャスで分厚い感じではあるのですが、ラップやコーラスも絡めつつ、柔らか、かつクールな現代HipHopな感じに色づけられた楽曲もいくらか。
 ディスコ(懐かしい)ってよりもクラブな感じになっていますでしょうかね?
 硬質に弾むビートに、いろんなところから顔を出すギュインギュインなロックギター、グニャグニャした感じのシンセサイザー、。
 そんな音に乗った御大のジャズなトランペット。
 派手で凝ったサウンドの中に響くクールな音。
 バリバリとたっぷり吹く場面もたくさん。
 Hip Hop風あり、濃ーいボーカル入りソウル~AOR風あり、軽めスキャットがお洒落なポップフュージョンあり、スパニッシュ~ラテンあり、ディスコ風あり、1980年代風ド派手フュージョンあり。
 全編通じてポップ。
 なんだか懐かしいような、この手のサウンド久々に聞いたような・・・
 ま、御大がたっぷり吹いているんだから、よろしいのではないでしょうか。
 さておき、時代々のポップ、あるいは粋、スタイリッシュさを極めていこうとしていたように思うMiles御大、もし今ご存命ならRobert Glasper閥、Kendrick Scottあたりと組んでいたのでしょうかね?
 あるいはKurt Rosenwinkel系、はたまたもっともっと先端の人たちとでしょうか?
 さて?




posted by H.A.


【Disc Review】“Belo Horizonte” (2013-2018) Toninho Horta & Orquestra Fantasma

“Belo Horizonte” (2013-2018) Toninho Horta & Orquestra Fantasma

Toninho Horta (guitars, voice)
Andre Dequech (keyboards) Yuri Popoff (bass, voice) Esdra Nenem Ferreira (drums) Robertinho Silva (Percussion) Lena Horta (flute, voice) 
Nivaldo Ornelas (tenor sax) Breno Mendonca (soprano sax) Wagner Souza (trumpet, flugelhorn) Pedr Aristides, Joao Machala (trombone)
Juarez Mareira (guitar) Rudi Berger (violin) William Galison (harmonica)
Lisa Ono, Joyce, João Bosco, Deular Andrade, Carla Vilar, Tadeu Franco, Coral Mater Ecclesiae, Samuel Victor, Freitas Ferreira (voice)


 Toninho Hortaの2019年リリース作品。
 コンボ編成+αで時間を掛けて制作された様子のセルフカバー集と新曲集のたっぷりCD二枚組。
 全編、あの柔らかでさり気ない浮遊感たっぷりのブラジリアンフュージョン~ポップス。
 ピアノトリオ、パーカッション、フルートに自身のギターのオーソドックスな編成をベースに、楽曲ごとに管楽器、ストリングス、コーラス、ゲストボーカリストなどが加わる、あるいは人数を絞る、これまたオーソドックスなMPB作品の構成。
 一枚目のセルフカバー集は、ボーカル曲中心。
 “Durango Kid”から始まり、 小野リサが歌う“Beijo Partido”、Joyce, João Boscoの参加が一曲ずつ、などなど。
 “Moonstone” (1989)あたりの雰囲気、スッキリしたコンボ演奏を中心に、柔らかな歌、あの丸いクリーントーンのエレキギターもたっぷり。
 いかにもあの時代のMPB、ブラジリアンフュージョンっぽい感じなのですが、柔らかな空気感、しなやかなビートがとても心地いい、極めて上質な定番サウンド。
 CD二枚目は新曲、インスツルメンタル中心。
 明るいのだけどもどこか陰のある、そしてどこか懐かしいSaudadeな演奏揃い。
 Orquestra Fantasmaはデビュー作"Terra dos Pássaros" (1979)のバンド名のようです。
 それを意識したのかどうか、少々顔を出すファズが掛かったサイケなギターやらエレピやらを含めて、あの時代の空気感もちらほら。
 かといって過剰ではない、スッキリした今風の音。
 所々で聞かれる静かにヒタヒタと迫るビート、柔らかなギター、スキャットヴォイス、メロディの動きは、あの時期のPat Methenyへの影響がまるっと見える音。
 Patさんは変わりましたが、Toninhoさんは変わりません。
 それがカッコいい。
 全部含めて、ノスタルジーとか何とかを超えた、とても素敵で心地よい今の音。




(1979) "Terra dos Pássaros
(1980) ”Toninho Horta” 
(1988) ”Diamond Land” 
(1989) “Moonstone” 
(1992) ”Once I Loved” 
(1992) “Sambao” Kenny Barron 
(1993) ”Durango Kid” 
(1994) “Live in Moskow” 
(1994) ”Foot on the Road” 
(1994) “Toninho Horta & Carlos Fernando” 
(1995) ”Durango Kid 2” 
(1995) “Cem Boce” with Joyce 
(1997) “From Belo to Seoul” with Jack Lee 
(1997) “Serenade” 
(1998) ”To Jobim with Love” (From Ton to Tom) 
(1999) “Duets” with Nicola Stilo 
(2000) “Quadros Modernos” with Juarez Moreira and Chiquito Braga 
(2003) “Vira Vida” with Nicola Stilo 
(2004) ”Com o pé no forró” 
(2007) “Solo ao Vivo” 
(2007) “Toninho in Vienna” 
(2007) “Cape Horn” with Arismar do Espírito Santo 
(2008) “Tonight” with Tom Lellis 
(2010) ”Harmonia & Vozes” 
(2010) “From Napoli to Belo Horizonte” with Antonio Onorato 
(2012) ”Minas Tokyo” 
(2014) “No Horizonte de Napoli” with Stefano Silvestri 
(2015) "Alegria é Guardada em Cofres, Catedrais" with Alaíde Costa
(2013-2018) “Belo Horizonte” 

posted by H.A.

【Disc Review】“Natural Ingredients” (1980) Richard Tee

“Natural Ingredients” (1980) Richard Tee 

Richard Tee (Keyboards, Vocals)
Eric Gale (Guitar, Bass) Matthew Bragg (Bass) Steve Gadd (Drums) Ralph MacDonald (Percussion)
Hugh McCracken (Harmonica) Tom Scott (Saxophone) Barry Rogers, Jon Faddis, Randy Brecker, Seldon Powell, Tom Scott (Horns) Lani Groves, Richard Tee, Ullanda McCullough, Valerie Simpson (Vocals) and Strings

ナチュラル・イングレディエンツ
リチャード・ティー
ビクターエンタテインメント
2002-08-21


 ソウルなピアニストRichard Teeのリーダー作。
 Stuff諸作はもちろん、あの時代のソウルやら、AORやら、“Winelight” (1980) Grover Washington Jr.やら、いろんなところで彼の音は聞こえているのですが、アルバム一枚全編そのまま、あの幸せな音が鳴り続ける一作。
 1970年代のソフトなソウルから洗練されたフュージョンミュージックへの移行、あるいはAORなんて言葉が定着した時期でしょうか。
 Stuffの渋さやら淡々としたところやらが薄くなって、全編ハッピーでおシャレなサウンド。
 フワフワとしたフェイザーたっぷり、たぷんたぷんなローズの音にくるまれた空間の中で鳴る訥々とした胸キュンギター、渋いボーカル、その他諸々のくすぐり合い。
 心地よさ最高。
 アコースティックピアノになると叩きまくれる鍵盤、ノリノリのグルーヴ。
 さらにご本人のボーカルは、ちょっとしたきっかけさえあれば、シンガーとしても大成したんじゃない?と思うぐらい、カッコよかったのですが・・・泣。
 フュージョン、ソフトソウル、AORの隠れ名作。




posted by H.A.


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