吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Fusion

【Disc Review】“Side-Eye NYC (V1. IV)” (2019) Pat Metheny

“Side-Eye NYC (V1. IV)” (2019) Pat Metheny

Pat Metheny (Guitar)
James Francies (Keyboards) Marcus Gilmore (Drums)


SIDE-EYE NYC (V1.IV)
PAT METHENY
ADA/BMG/MODERN RECORDINGS
2021-09-10


 Pat Metheny、新作は新メンバーでのトリオ。
 スタジオ録音とライブ録音が半分ずつ。
 少し前の録音、“From This Place” (2019)とも時期は遠くないのだと思いますが、全く違うメンバー。
 ドラムは長年の盟友Antonio Sanchezではなく同世代の名手Marcus Gilmoreへ、キーボードは若手コンテンポラリージャズの名手。
 デジタル色も交えつつのコンテンポラリージャズ。
 キーボードは21世紀型。
 Herbile Hancockな感じに、Hip Hop的というか、ミニマル的というか、そんな色合いも交えつつの今な感じのコンテンポラリージャズピアノ&オルガン&シンセサイザー。
 冒頭は長尺で激しい演奏のライブ音源。
 ドラムは静かにヒタヒタと迫ってくる系、“Still Life (Talking)” (1987)あたりのあの感じ。
 静かな緊張感、シンセサイザーとフワフワしたエレピが絡み合う中でギターが奏でる物憂げなメロディ。
 複雑に形を変えながら、中盤から終盤に向けて激しいインプロビゼーションとともにテンションを上げていくバンド、強い高揚感の中での幕。
 今風ポップな先端ジャズに彩られたドラマチックなPat Methenyサウンド。
 なるほど、新基軸はこの線か・・・
 と思いきや、以降は意外にも普通な感じのコンテンポラリージャズフュージョン。
 続くBetter Days Ahead、他にもBright Size Life, Turnaround, The Batといった懐かしい楽曲も演奏され、それらはどこかで聞いたバージョンに近い感じ。
 他にもジャズブルース・フュージョンやら、爽やかフュージョンっぽい感じやら。
 ギターはいつも通りですが、リズムはひねった感じがそこかしこ、キーボードはジャズフュージョンの形を守りつつも変幻自在、アグレッシブなインプロビゼーション。
 “From This Place” (2019)は壮大でゴージャスな音絵巻でしたが、本作は少々カジュアル、今風コンテンポラリージャズ。
 さて、次は本作の一曲目の線なのか、あるいは”The Way Up” (2003-4)From This Place” (2019)路線なのか、それらのフュージョンなのか、はたまたもっと別な形なのか。
 さて、、、?



 


posted by H.A.



【Disc Review】“Eberhard” (2019) Lyle Mays

“Eberhard” (2019) Lyle Mays

Lyle Mays (piano, keyboards, synthesizers)

Bill Frisell (guitar) Mitchel Forman (Organ, Electric piano) Steve Rodby, Jimmy Johnson (bass) Alex Acuña, Jimmy Branly (drums, percussion)

Wade Culbreath (vibraphone, marimba) Bob Sheppard (Sax, Woodwinds) Timothy Loo, Erika Duke-Kirkpatrick, Eric Byers, Armen Ksajikian (cello) Aubrey Johnson, Rosana Eckert, Gary Eckert (vocals)

Eberhard
Lyle Mays
Oim
2021-08-27


 Lyle Mays、遺作。
 恩人Eberhard Weberへのトリビュート作品。
 制作途上で逝去し、Steve Rodby他?が仕上げたらしい約13分の組曲。
 いかにもEberhard Weber的な柔らかで幻想的なフュージョンミュージック。
 名作“Later That Evening” (1982)的であり、これまた名作“Solo: Improvisations for Expanded Piano” (1998)的であり、さらにPat Metheny Group的でもあり、それらの表情が交錯するいかにもLyle Maysな音。
 柔らかなビート、起伏を伴いながら薄く鳴るストリングス、マリンバが作る幻想的な空気感。
 リリカルなピアノとフレットレスベースが奏でる哀し気なメロディ。
 南米的な空気を付け加える女声スキャット、木管。
 それらの絡み合いが織り成す綾。
 繊細な質感で穏やかに始まりつつも、その表情はグラデーションを描きながら徐々に、そして複雑に変わっていきます。

 ビートが強くなりテンションと音量が上がる頃には”The Way Up” (2003,2004)なムード。
 そしてジャズなサックス、マリンバ、スキャットボイス、ピアノその他の激しい絡み合い、強烈な高揚感の中での大団円。
 さらに消え入るようなマリンバ、静かに鳴るシンセサイザーが作る余韻とともにフェイドアウト・・・

 さながら短編映画、とてもドラマチック。
 もしフルアルバムであれば、他がどうあれ名盤になっていたのでしょう。

 一曲のみであることが極めて残念です。
 が、その一曲がカッコいい。

 最後の最後まで、素晴らしいモノを遺していただきました。



 


posted by H.A.



【Disc Review】“Shinkansen” (2020) Shinkansen

“Shinkansen” (2020) Shinkansen

“Shinkansen : Toninho Horta (guitar) Jaques Morelenbaum (cello) Liminha (bass) Marcos Suzano (percussion)
Guests : Branford Marsalis (soprano saxophone) Ryuichi Sakamoto (piano) Jessé Sadoc (trumpet, flugelhorn)

シンカンセン
Shinkansen
SMJ
2020-10-28


 Toninho Horta、新ユニットShinkansen:新幹線。
 あの名曲?のタイトルを冠したユニット。
 ギタートリオにこれまた日本に縁が浅くないJaques Morelenbaumのチェロが加わるバンド、楽曲によってこれまた豪華なゲストが加わる編成。
 意外にもカッチリした印象のジャズフュージョン。
 静かなパーカッションとエレキベースがビートを作り、エレキギターとチェロが代わる代わる前面に出て、ところどころにゲストが加わる、そんな構成。
 ソプラノサックスが聞こえると洒脱なフュージョンテイスト、ピアノが鳴っていると少々妖しい、ゲストの御方の色合い。
 ヴォイスの登場場面は少々のみのインスツルメンタルミュージック。
 のほほんとしたあの名曲?も、キッチリとしたリズム隊に後押しされ、キッチリとしたフュージョンに様変わり。
 ステディなビートを刻み続けるパーカッションに弾むエレキベース、攻めるチェロ。
 そしてフワフワと柔らかく丸っこいクリーントーンのエレキギターは、楽園で流れていそうな、そんな音。
 いつもながらのToninhoさんの柔らかくて軽快なブラジリアンミュージックではありますが、前作“Belo Horizonte” (2013-2018)とはちょっと違う面持ち、タイトなジャズフュージョン寄り。
 楽曲はオリジナル、少々哀しい、でも前向きなSaudadeなメロディたち。
 名作“Moonstone” (1989)辺りの感じに近いかもしれませんが、もっと直球でしょうか。
 攻めた感じの先端的で妖しい演奏もありますが、なんだかんだで優しい感じの勝ち。
 ちょっと拍子抜けなくらい平和で元気いっぱいですが、Toninhoさんが入っていれば、さらに彼の楽園エレキギターがたっぷり聞こえれば何でも名演。
 とても優しくてハッピーな感じ含めて、よろしいのではないでしょうか。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Whitestone” (1985) Joe Pass

“Whitestone” (1985) Joe Pass

Joe Pass (guitar)
John Pisano (guitar) Don Grusin (keyboards) Nathan East, Abraham Laboriel (bass) Harvey Mason (drums) Paulinho Da Costa (percussion) Armando Compean (vocals)
Joe Pass、1985年作。

Whitestone
Joe Pass
Pablo
1991-07-01


 Joe Pass、1985年、フュージョン作品。
 フュージョン寄りのメンバーを集め、1980年代型フュージョンど真ん中の演奏。
 明るくポップなキメキメサウンド。
 その中を疾走するギター。
 ギターの音色は、かつての鉄線弾いています、ってな感じではなく、丸く艶やかなクリーントーンに様変わりしています。
 “Simplicity” (1967)、“Intercontinental” (1970)あたりの音が戻ってきた感じかもしれません。
 キレイで艶やかなクリーントーンで疾走する、いかにもジャズなギター。
 楽曲はメンバーのオリジナルのフュージョンに加えて、Ivan Linsなどのブラジル曲、 なぜかAndy Narellが何曲も。
 ならばスチールパンを入れてしまえば、別な感じの作品にもなったんだろうなあ。
 “Tudo Bem!” (1978)など、ラテンものもカッコいいのにね。
 フュージョン然とした佇まいは、往年のジャズ演奏が好きな人からすれば敬遠されてしまうのかもしれません。
 似合っているかどうはさておき、これだけたっぷり美しいジャズギターが聞けるフュージョン作品は、なかなかないのではないのでしょうかね。




posted by H.A.


【Disc Review】“LIVE 1975” (1975) Jeff Beck

“LIVE 1975” (1975) Jeff Beck

Jeff Beck (Guitar)
Max Middleton (Keyboards) Wilber Bascomb (Bass) Bernard Purdie (Drums) 
John McLaughlin (Guitar)

Live 1975
Jeff Beck
Alive The Live
2019-11-30


 Jeff Beck、“Blow by Blow” (1975)発表後のライブ音源。
 こちらもブートレッグで出回っていたものなのでしょうか。
 中身はファンキーでソウルなフュージョンミュージック。
 “Blow by Blow”からベースとドラムが交代し、ハードで重めのビート。
 ギターもディストーションがしっかり効いた太くてド派手な音、音数もたっぷり、攻撃的。
 あの手この手を駆使した変わった音も使いながら、あちこちにぶっ飛んでいくフレーズ。
 どの曲もやたらド派手でドラマチック。
 洗練された“Blow by Blow”に対して、少々荒い録音も手伝ってワイルドでざらざらした質感。
 ロックです。
 “Blow by Blow”からの楽曲に加えて、“Superstition”、” Got The Feeling”の歌なしバージョンがあったり、メローだった“Definitely Maybe”、“'Cause We've Ended As Lovers”が攻撃的激情バラードになり、とびきりファンキーだった”You Know What I Mean”は何だかよくわからないひねくれた感じになってみたり。
 あのアドリブまで暗記してしまったあの曲この曲が、スタジオ録音のフレーズの断片を散りばめながら、テイストも少し変わって大音量で演奏されていく様には、何とも言えない感慨が。
 ボーナステイクではJohn McLaughlinが一曲に参加、さらに別ステージから“'Cause We've Ended As Lovers”, ”You Know What I Mean”を選んでもう一回、なんて涙ちょちょぎれ。
 さすが、わかっていらっしゃる。




posted by H.A.


【Disc Review】“Breezin'” (1976) George Benson

“Breezin'” (1976) George Benson

George Benson (guitar, vocals)
Jorge Dalto (acoustic piano, clavinet) Ronnie Foster (electric piano, Minimoog synthesizer) Phil Upchurch (guitar, bass) Stanley Banks (bass) Harvey Mason (drums) Ralph MacDonald (percussion)
Claus Ogerman (arranger, conductor)

Breezin'
George Benson
Warner Bros / Wea
1994-08-22


 George Benson、言わずと知れたソフトでソウルテイストなジャズフュージョンの定番。
 同時期の”Stuff” (1975-1976)には少しマニアックな感じもありますが、こちらはさらに洗練され、サラサラと流れていくような音。
 “Bad Benson” (1974)、前作“Good King Bad” (1975)よりももっと柔らかでソフトな音。
 冒頭のストリングスが聞こえただけで、あの楽園な世界。
 ちょっとタメて始まるイントロからメロウさ爆発。
 キメキメフュージョンとは一線を画したしなやかなビート。
 フュージョンってよりも、クロスオーバー、あるいはソフトソウルインスツルメンタルってな言葉の方がしっくりきますかね。
 ここまでタイトルと音が一致する演奏もなかなかない感じの爽やかさ。
 後のAORな感じやらディスコな感じやらと比べれば、とてもソフトでジャズテイスト。
 あの“This Masquerade”でも、ジャズなギター、ピアノのインプロビゼーションのスペースもたっぷり。
 ギターとスキャットのユニゾンはこれあたりが元祖なのでしょうかね?
 ピアノが南米系のJorge Daltoってなことも、きっと柔らかさの隠し味になっているのでしょう。
 定番的ジャズフュージョン、哀愁のラテン、スムースなソウルっぽい楽曲を含めてギターが弾きまくられていますが、上品なストリングスに彩られ、その全てがソフトな楽園サウンド。
 ソフト&メロウの横綱アルバム、ってことでよろしいのでは。



posted by H.A.

【Disc Review】“Benson & Farrell” (1976) George Benson, Joe Farrell

“Benson & Farrell” (1976) George Benson, Joe Farrell

George Benson (guitar) Joe Farrell (flute, bass flute, soprano saxophone)
Don Grolnick (electric piano) Sonny Bravo (piano) Eric Gale, Steve Khan (guitar) Will Lee, Gary King (bass) Andy Newmark (drums) Nicky Marrero (percussion) Jose Madera (congas) Michael Collaza (timbales) 
Eddie Daniels, David Tofani (alto flute)

ベンソン&ファレル
ジョージ・ベンソン
キングレコード
2017-12-06


 George Benson、1976年作、CTIから。
 レーベルのスター?二人を冠したジャズフュージョンですが、これがCTIからの最終作?
 録音は “Breezin'” (1976)の後のようです。
 前作“Good King Bad” (1975)と同様に、David Matthewsの楽曲がたっぷりのポップなサウンド。
 エレピを中心としたジャズフュージョンコンボに、ゴリゴリのテナーサックスやトランペットではなく、フルート、ソプラノサックスの柔らかな彩り。
 前作以上にシンプルで軽快、ソフトなジャズフュージョン。
 が、ギターは少々ハードなインプロビゼーション。
 前作のようにちょっとひねった感じではなく、あの超高速ジャズギター弾きまくりのGeorge Bensonさんが戻っています。
 Joe Farrellもたっぷりとは吹いていますが、こちらは意外にもソフトな感じでしょうか。
 契約消化云々・・・だったのかもしれませんが、かえって妙な仕掛けが無くてスッキリした印象。
 全部合わせて不思議なバランス。
 サラサラと淡々と流れていくソフトでポップなジャズフュージョンなような、ギターだけを聞いてみるとハードなジャズなような。
 そんな不思議な感じを残しつつ、ソフトソウルジャズフュージョンの決定盤、ソフト&メロウな”Breezin'” (1976)へと時代は移っていきます。




posted by H.A.


【Disc Review】“Good King Bad” (1975) George Benson

“Good King Bad” (1975) George Benson

George Benson (guitar, vocals)
Eric Gale (guitar) Don Grolnick (clavinet) Bobby Lyle, Roland Hanna, Ronnie Foster (keyboards) David Friedman (vibraphone) Gary King (bass) Andy Newmark, Steve Gadd, Dennis Davis (drums) Sue Evans (percussion)
Joe Farrell, Romeo Penque, David Tofani (flute) Randy Brecker (trumpet) Fred Wesley (trombone) David Sanborn (alto saxophone) Michael Brecker, Frank Vicari (tenor saxophone) Ronnie Cuber (baritone saxophone) and Strings



 George Benson、1975年作、ジャズフュージョン作品、CTIから。
 モダンジャズはもとより、1970年代ジャズな感じもなくなり、すっかりジャズフュージョン、あるいはクロスオーバーなサウンド。
 David Matthewsを中心としたポップでメロウなメロディに、バウンドする8あるいは16ビート。
 エレピはもちろん、ホーン、ストリングスのアンサンブルに彩られたゴージャズなサウンド、キッチリと計算し尽くされたのであろう凝った編曲。
 前作“Bad Benson” (1974)よりも抑えられたオーケストラ、次作あの“Breezin'” (1976)よりもちょっと強めのビートと音。
 洗練されています。
 そんな中で、ギターのインプロビゼーションのスペースもたっぷり。
 従来の高速弾きまくりジャズギターだけではなくて、オクターブ奏法をひねったような不思議な音使いの場面がたっぷり。
 ここまでくると、あの“Breezin'” (1976)に入っていても違和感のない演奏、AORインスツルメンタルな感じの演奏が並びます。
 それでもまだアーシーな感じも少しだけ残っていますかね?
 そんなバランスがいい感じ。
 なお、ボーナストラックとしてSam & Daveの“Hold On, I'm Coming”なんて収められていて、しっかり歌っていらっしゃいます。
 これまたクロスオーバーなソウル。
 全部含めて、クロスオーバー黎明期を抜けたかな?、な洗練されたサウンド。




posted by H.A.


【Disc Review】“Bad Benson” (1974) George Benson

“Bad Benson” (1974) George Benson

George Benson (guitar)
Phil Upchurch (guitar, electric bass, percussion) Kenny Barron (piano) Ron Carter (bass) Steve Gadd (drums)
Garnett Brown, Warren Covington, Wayne Andre (trombone) Paul Faulise (bass trombone) Alan Rubin, Joe Shepley, John Frosk (trumpet) Phil Bodner (English horn, clarinet, alto flute) George Marge (English horn, flute, piccolo flute) Ray Beckenstein (flute) Al Regni (flute, clarinet) Brooks Tillotson, Jim Buffington (French horn) Margaret Ross (harp) Alan Shulman, Charles McCracken, Frank Levy, Jesse Levy, Paul Tobias, Seymour Barab (cello)

バッド・ベンソン
ジョージ・ベンソン
キングレコード
2016-09-07


 George Benson、1974年作、CTIから。
 シンプルなソウル~ファンクフュージョン“Body Talk” (1973)に対して、後のキッチリしたビートのフュージョンな感じ、派手で凝りまくったオーケストラのゴージャスなサウンドを含む一作。
 冒頭”Take Five”は、背景は控え目なものの、凝ったリズムパターンで徹底的に弾きまくり。
 続くは一転、ストリングスを背景にした漂うようなバラード、さらには攻めたストリングスが彩るラテンなフュージョン、ソフトなフュージョンときて、ド派手なホーンのオーケストラの激しキツメな演奏。
 締めはエレピとストリングスが背景を彩る、静かで綿々としたバラード。
 いろんな色合いを詰め込みつつの、ポップなようで凝ったジャズフュージョンサウンド。
 CDではボーナストラックとして、ジャズ、ブルース、ソロギターでのバラードが加わります。
 シンプルなところから抜け出そうと試行錯誤しつつ、選ばれたのが攻めた6曲だったんだなあ、と感心しきり。
 余分なものをそぎ落として、あの洗練の極み“Breezin'” (1976)に昇華?していく過程が見えるような演奏集。




posted by H.A.


【Disc Review】“Body Talk” (1973) George Benson

“Body Talk” (1973) George Benson

George Benson (guitar)
Earl Klugh (guitar) Harold Mabern (electric piano) Ron Carter (bass) Gary King (electric bass) Jack DeJohnette (drums) Mobutu (congas)
Gerald Chamberlain, Dick Griffin (trombone) Jon Faddis, John Gatchell, Waymon Reed (trumpet) Frank Foster (tenor saxophone)

ボディ・トーク
ジョージ・ベンソン
キングレコード
2016-09-07


 George Benson、1973年作のジャズフュージョン、CTIから。
 前作“White Rabbit” (1972)から一転、再びコンボを中心とした編成。
 そちらとはまた違った形で脱ジャズした音。
 4ビートではない、8、16ビートのファンクで弾むリズム。
 Donny Hathaway一曲、他はリフ一発、とまではいかないものの、シンプルでソウルなテイスト。
 前々作“Beyond the Blue Horizon” (1971)に管楽器が加わる形ですが、それらはあくまで彩りとしての音。
 本作の方がシンプル、ジャズではなくソフトソウルな音。
 図らずとも身体が揺れる軽快に弾むビート。
 そんな音に乗って疾走しまくるジャズギター。
 強烈なインプロビゼーションを中心とした演奏ですが、汗が飛び散らないソフトなソウルのジャズファンク。
 このあたりの一連のCTI作品、少しずつ色合いが違っていて、それが面白い。
 本作は、1970年代ジャズ以上、フュージョン未満、軽快なソウル~ファンクで弾きまくるGeorge Bensonの一作。




posted by H.A.


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