吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Free_Jazz

【Disc Review】“Milano Strut” (1978) Don Pullen, Don Moye

“Milano Strut” (1978) Don Pullen, Don Moye
Don Pullen (Piano, Organ) Famoudou Don Moye (Drums, Percussion, Congas, Bells)

 Don Pullen、イタリアのBlack Saintレーベルからのフリージャズ。
 この時期のDon Pullenの作品は、“Capricorn Rising” (1975) Don Pullen, Sam Riversなど、激烈系フリージャズ。
 本作はドラムとのDuo。
 もー好きにしてください・・・と言わざるを得ない、暴力的なまでのど激しい系。
 “Interstellar Space” (Feb.22.1967) John Coltraneもビックリの、黒い情念のほとばしりな音。
 もう勘弁してください・・・と思うこと、十数分。
 突然現れる美しいメロディ、ルバートでの漂うようなスローバラード。
 激情と混乱、安らぎが錯綜する音。
 これまたあの後期John Coltraneのバラードの世界。
 さらに、LPレコードB面、オルガンで演奏される“Milano Strut”の哀愁漂うクールな音。
 これはあのKip Hanrahanの世界。
 クールでやるせなくて、しかもオシャレ。
 こちらが先なので、彼の音のイメージの一部はDon Pullenだったのかもね?、と想わせる一曲。
 このままいって欲しい・・・の願いも虚しく、かき回されるピアノ。
 うーん・・・
 ・・・にしても素晴らしいジャケットだなあ・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Capricorn Rising” (1975) Don Pullen, Sam Rivers

“Capricorn Rising” (1975) Don Pullen, Sam Rivers
Don Pullen (Piano) Sam Rivers (Tenor Saxophone, Soprano Saxophone, Flute)
Alex Blake (Bass) Bobby Battle (Drums, Tambourine)

Capricorn Rising
Don Pullen
Black Saint
2017-01-20


 Sam Rivers、Don Pullenとの共同リーダー作品。
 ど激しい系のフリージャズ。
 時代感はわからないのだけども、“Agharta”、“Pangaea”(Feb.1.1975) Miles Davisに近い時期。
 激しい系のフリージャズの時代は終っていた時期のようにも想像するのだけども、これでもかこれでもかの激しい系。
 これは熱い。
 あるいは暑苦しい。
 Sam Rivers、Don Pullenともに、あっけらかんと演奏するようなイメージもあるのだけども、この音は重くて熱い。
 血と汗が噴き出るような凄まじい音の洪水。
 全4曲、B面の二曲は明るいラテンな感じですが、それも激しい。
 全編疾走し続け。
 疲労度も120%。
 それでも、聞き終わるとなぜかスカッと爽やか・・・かな・・・?
 とにもかくにも体育会系な音。
 とても激しくて、男臭くてカッコいい音楽。
 夏には聞きたくないけどね・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Expression” (Feb.15.1967, Mar.7.1967) John Coltrane

“Expression” (Feb.15.1967, Mar.7.1967) John Coltrane
John Coltrane (tenor saxophone, flute)
Alice Coltrane (piano) Jimmy Garrison (bass) Rashied Ali (drums)
Pharoah Sanders (flute, piccolo, tambourine)
 
EXPRESSION
JOHN COLTRANE
IMPUL
2012-05-15


 John Coltrane、スタジオ録音では最後のセッション?を中心とした最終アルバム。
 発表されたのは逝去されてからでしょうから、どこまで本人の意図が反映されている構成なのかどうかはわかりません。
 ここまでと変わっているのはPharoah Sandersが一曲のみの参加、また、サックスではなくフルート、ピッコロ。
 Pharoah Sanders はMar.7.1967のセッションには参加していませんし、Feb.15.1967のセッションにしても、後に発表された“Stellar Regions” (Feb.15.1967)に収められた部分をにも参加していません。
 バンドの形を変えようとしていたのは確かなのでしょう。
 よく、悟りの境地で穏やかで・・・云々といった解説を見たように思うのですが、そうでもないように思います。
 確かにPharoah Sandersがいないセッションは絶叫が無くなっていますし、彼が次入ったセッションにしてもフルート、ピッコロが中心なのでサックスよりは穏やかに聞こえます。
 絶叫フリージャズの世界からは抜け出したように思います。
 が、サックスは旋回を繰り返す不安感、深刻さを伴ったフレージングが中心、バンドの音から沈痛さは抜けていません。
 全体の質感は激しい系のフリージャズです。
 スローなフリービート、ルバートでのバラード“Expression”、“Offering”の序盤あたりに重厚な安らぎのようなモノを感じはしますが、後半はあの激烈で沈痛なフリージャズのColtrane。
 “Expression”、“Offering”がこれから先の姿だったのかもしれません。
 後に発表された“Stellar Regions” (Feb.15.1967)にも近い演奏が多く、素直に考えればそうなのでしょう。
 ・・・と思っていたら、CDで追加された”Number One” (Mar.7.1967?)は、Pharoah Sanders 抜きでも“Meditations” (Nov.1965)のような絶叫フリージャズ。
 確かに優し気な部分、穏やかな部分が徐々に増えてきていますが、まだ悟りといった感じにはほど遠い、激情に満ちた演奏。
 いずれにしても、まだJohn Coltraneの心は穏やかではなかったように感じます。
 Miles Davisはビジネス面を含めて計算されたスタイリッシュさだったように思いますが、John Coltraneはその内面をさらけ出すような、ある意味人間的なスタイリッシュさ。
 スタイリッシュさといった言葉も違和感がある、生々しさのようなものがカッコよさの源泉だったように思います。
 それだけに対峙するのがつらくなる部分も。
 いずれにしても多くの巨人と同様に、謎と余韻を残しつつ、John Coltraneの公式作品はここに終わります。




 posted by H.A.

【Disc Review】“Interstellar Space” (Feb.22.1967) John Coltrane

“Interstellar Space” (Feb.22.1967) John Coltrane
John Coltrane (tenor saxophone, bells)
Rashied Ali (drums)
 
INTERSTELLAR SPACE
JOHN COLTRANE
IMPUL
2000-05-20
ジョン コルトレーン

 John Coltrane、Rashied Aliとの激烈なDuo作品。
 スタジオ録音としては最後から二番目のセッションなのだと思います。
 10分前後の楽曲に分かれており、テーマで始まりテーマで締めるジャズ的構成ですが、間はほぼほぼフリーインプロビゼーション。
 継続するグルーヴを叩き出していたElvin Jonesのドラムに対して、離散的なビートのRashied Ali。
 激烈さ、Coltraneへの直接的な反応ではElvin Jonesが勝るように思いますが、繊細ってなのは適当な形容でないのかもしれませんが、うるさくなく、小刻みなビートを次々と繰り出すイメージ。
 その分変化に富んで予測不可能、よりサックスが前面に出てくる印象のDuo。
 Coltraneは後期の激烈サックス、旋回するようなフレーズのオンパレード、フリーキーな音も多用。 
 それでもPharoah Sandersがいる際の演奏と比べると、あるいはこの時期になると絶叫する場面は少ない印象で、あまり身構えずに聞けるようにも思います。
 行きたいところに行けなくて同じところをグルグルと廻っている・・・
 言いたいことが言いきれずにひたすら語り続ける・・・
 そんな後期Colttaneの咆哮。
 あるいは彷徨。
 そんなところに共感する人が多いのでしょうか?
 そんな音をたっぷりと浴びたい時には最高のアルバムでしょう。




 posted by H.A.

【Disc Review】“Stellar Regions” (Feb.15.1967) John Coltrane

“Stellar Regions” (Feb.15.1967) John Coltrane
John Coltrane (tenor, alto saxophone)
Alice Coltrane (piano) Jimmy Garrison (bass) Rashied Ali (drums)
 
Stellar Regions
John Coltrane
Grp Records
1995-10-10


 John Coltrane、最終アルバム“Expression” (Feb.15.1967, Mar.7.1967)と同セッションの未発表作品集。
 発表されたのは1995年。
 長らくお蔵に入っていた事実上の“Expression”アウトテイク集ですが、完成度の高いアルバム。
 激しさはほどほど、それゆえにお蔵に入ったのかもしれませんが、なぜ1995年まで出なかったのかはわかりません。
 全体の印象は、激烈フリー期に入る直前、“Sun Ship” (Aug.1965)、”First Meditations” (Sep.2.1965)に近い感じでしょうか。
 McCoy Tyner, Elvin Jonesはいませんが、オーソドックスなジャズの香りもわずかながら漂っていて、新しい ジャズカルテットの唯一の作品としてみることもできます。
 Rashied Ali のドラムは相変わらず変わっていますが、Jimmy Garrisonが素直にウォーキングする場面があったり、Alice Coltraneはこれが彼女の真骨頂なのでしょう、繊細で美しいピアノがフィーチャーされる場面が多かったり。
 フリービート、スローのルバートから始まり、徐々に激烈に変わっていく展開が多い印象。
 それらは“Expression”収録の“Expression”、“Offering”に近い感じ、それらに劣らない素晴らしい演奏。
 Pharoah Sandersが参加していないことも、“Ascension” (Jun.28.1965)、あるいは“Kulu Sé Mama” (Jun.10.16,Oct.14.1965)以降の絶叫フリージャズから変わっていこうとしていた途上だったのかもしれません。
 あるいはColtraneだけで絶叫する場面もいくらかあり、彼がいなくても絶叫状態にトランスする方法を見つけたので・・・といったのは考えすぎでしょうか。
 いずれにしてもその場面も決して多くはなく、この期の作品としては身構えなくても聞けるアルバム。
 とても素敵なジャケット。
 上方を見上げるColtraneの頭の中には何があったのか?
 このアルバムと“Expression”の中にその答えがあるのだと思うのですが・・・
 人気作なのかどうかはわかりませんが、私は大好きなアルバム、名作だと思います。

 


 posted by H.A.
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