吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Folklore

【Disc Review】“Flores de la Noche” (2017) Silvia Salomonem, Alfonso Bekes

“Flores de la Noche” (2017) Silvia Salomonem, Alfonso Bekes

Silvia Salomonem (voice) Alfonso Bekes (guitar)
Carlos “Negro” Aguirre (accordion, flute) Celina Federik (arpa, keyboard) Patricia Hein (cello) Luis Medina, Cristian Ávalos (guitar) Daniel Maza (bass) Lucas Solari (drums) Gonzalo Díaz (percussión) Maru Figueroa (voice)



 アルゼンチンのギタリストAlfonso BekesとボーカリストSilvia SalomonemのDuoアルバム。
 Shagrada Medraの最新作。
 Duoでの演奏を中心として、楽曲ごとに少人数の鍵盤、チェロ、木管が入れ替わりに加わる現代フォルクローレ、Shagrada Medraの定番サウンド。
 サラサラと水が流れるようなアルペジオに優し気な歌、ときおりの風のような弦、管楽器。
 ボーカルは透明度の高い声の可憐系、とても素直な声と歌。
 ゆったりと漂うようなフォーキーなバラードを中心として、アップテンポなファンク調、エレキギターを交えてちょっと強めの音でのフォークロック調などがアクセント。
 シンプルなようでいろんな音、色合いが複雑に絡み合いながら進む音。
 二人のオリジナル中心の楽曲は、少々のセンチメンタリズムが漂うナチュラルな郷愁感系。
 時折Carlos Aguirreの必殺技、ギターのユニゾンとコーラスワークの断片をちりばめながら、素朴に過ぎず洗練され過ぎない、絶妙のバランス。
 定番の現代フォルクローレ、そのフォーキーで優しい系。
 今の季節にはピッタリの音、でしょう。




posted by H.A.

【Disc Review】“El sentido del paisaje” (2013) Guillermo Rizzotto

“El sentido del paisaje” (2013) Guillermo Rizzotto

Guillermo Rizzotto (guitar)

El sentido del paisaje (Solo guitarra II)
Guillermo Rizzotto
Rip Curl Recordings
2013-04-18


 アルゼンチンのギタリストGuillermo Rizzottoのソロギター作品。
 “Solo guitarra” (2005,2011)、Duo作品“El paso del tiempo” (2009)と同じく穏やかで柔らかなガットギター。
 それら二作と比べると少しアップテンポ、躍動感が強い場面が増え、メロディの哀感が強くなったようにも感じますが、基本的な質感は同じ。
 少し沈んだ感じで淡々と紡がれる穏やかなメロディ。
 都会のカフェやバーな感じではなく、草原な音の流れ。
 全編センチメンタルですが、情熱や激情を表出する場面はありません。
 フォルクローレなナチュラルで優しい質感のところどころにスパニッシュな空気が流れるのは、アルゼンチンの空気感なのでしょう。
 これが都会のカフェやバーで流れているとカッコいいんだろうなあ・・・
 湿度が低くて爽やかで広々とした空間へのトリップミュージック。
 もちろん少々センチメンタルなサウダージ付き。




posted by H.A.

【Disc Review】“El paso del tiempo” (2009) Guillermo Rizzotto, Pablo Gimenez

“El paso del tiempo” (2009) Guillermo Rizzotto, Pablo Gimenez

Guillermo Rizzotto (guitar) Pablo Gimenez (wind instruments)
Roberto Kuczer (trumpet) Juan Pablo Rodriguez (percussion)

El paso del tiempo
Guillermo Rizzotto
Rip Curl Recordings
2013-07-28


 アルゼンチンのギタリストとの管楽器奏者のDuo作品。
 “Solo guitarra” (2005,2011) Guillermo Rizzottoに続くアルバムなのだと思います。
 同様に優し気なメロディ、とても静かで穏やかな音。
 瑞々しいギターにフルートを中心とした柔らかな管の響き。
 ギター自体がとても柔らかな質感なのですが、さらにフルートを中心とした木管楽器がさらに柔らかな色合い。
 アルゼンチン~フォルクローレの定番の構成は”Soltando Amarras” (1998) Quique Sinesi, Marcelo Moguilevskyってな名作を想い起こしますが、全く違う質感。
 シャキッとした質感、ハイテンションなそちらに対して、とても淡い色合い。
 終始ゆったりとしたテンポ、少し沈んだ空気感は幻想的ですらあります。
 二人のオリジナル曲はGuillermo Rizzottoのいつもの淡くて優しい淡い系、少し哀感高めなメロディを中心として、クラシカルで南米山奥系の色合いもあるPablo Gimenezのメロディ。
 南米らしいナチュラル感、郷愁感たっぷり。
 Guillermo Rizzottoの音楽は爽やかで湿度感の低い落ち着いた朝なイメージなのですが、本作はちょっと湿り気の強いしっとり系。
 森の朝靄とか、ちょっと曇った昼下がりのBGMに合うんだろうなあ・・・




posted by H.A.

【Disc Review】“Solo guitarra” (2005,2011) Guillermo Rizzotto

“Solo guitarra” (2005,2011) Guillermo Rizzotto

Guillermo Rizzotto (guitar)

Solo guitarra
Guillermo Rizzotto
Rip Curl Recordings
2012-05-16


 アルゼンチンのギタリストGuillermo Rizzottoのソロギターアルバム。
 ブラジル、アルゼンチン、その他南米系だけでもこの種のガットギターでのソロ演奏作品はたくさんあるのでしょう。
 ECM慣れしていると、どうも1970年代のRalph TownerやEgberto Gismontiの緊張感が強い音をイメージしてしまうのですが、本作はもっと優しくてメロディアス、キャッチーな音。
 フォルクローレ系の人なのか、クラシックに寄っているのか、あるいはジャズの人なのかはよくわかりません。
 基本的には南米フォーキーですが、クラシカルでもあり、ジャズ的でもある微妙なバランスの演奏。
 あくまで漂うようなビート感と静かで穏やかでセンチメンタルな音の流れ。
 少し悲しげだけども湿度は低くてあくまで爽やか。
 今のような春、あるいはもう少し先の初夏のような音。
 部屋の空気の清涼剤。




posted by H.A.

【Disc Review】“Algo Asi” (2011) Mario Yaniquini

“Algo Asi” (2011) Mario Yaniquini 

Mario Yaniquini (guitar)

Algo Asi [CD] Mario Yaniquini 2012-01-29

 アルゼンチンのギタリストMario Yaniquiniのソロギター作品。
 クラシックの人なのだと思います。
 Carlos Aguirreを数曲、同じくアルゼンチンのMarcelo Coronel、Carlos Moscardiniの楽曲を取り上げた演奏集。
 Shagrada Medraからではありませんが、同レーベルの“Sones Meridionales” (2009,2010) Pablo Ascuaと同様に、南米の香りが漂うクラシックギター。
 もちろん楽曲が現代のフォルクローレ、ポップス、タンゴ系なので、南米的なのでしょうが、ギターの音も柔らか。
 あのCarlos Aguirreの感傷的なメロディが、柔らかな音のガットギターで淡々と奏でられていく・・・
 それだけ。
 他の作曲家の楽曲も同様に、郷愁感が漂う優しいメロディ。
 流れていると部屋の湿度が下がり、空気が浄化されていく・・・系の音。
 心地よさ最高。




posted by H.A.


【Disc Review】“Corochire” (2010) Cacilia Pahl

“Corochire” (2010) Cacilia Pahl

Cecilia Pahl (voice)
Matias Arriazu (guitar) Sebastian Macchi (piano) Juan Nuñez (bandoneon) Guto Wirtti (contrabass) Mariano Tiki Cantero (percussion) 
Santiago Cuchi Martínez (violin) Rodrigo Roco González Jacob (viola) María Paula Leiva (cello)

Corochiré
Los Años Luz Discos
2010-08-20


 アルゼンチンのボーカリストCecilia Pahl の現代フォルクローレ、あるいはアルゼンチンポップス。
 Shagrada Medraからではなく、アルゼンチンの別レーベルから。
 後の作品“Litoraneo” (2014)とメンバーが近く、同様の質感の明るく穏やかで優しい音。
 そちらよりも少し素朴かもしれません。
 単に楽器編成の違いなのかもしれませんし、時間の経過なのかもしれませんし、レーベル、プロデュースの色合いなのかもしれませんし、気のせいなのかもしれません。
 いずれにしても素朴で少し土の香りがするような、温かで自然な音。
 明るくてラテンな陽気さはあるものの、少々しっとり系。
 柔らかで温かな南米ボイスで伸び伸びとした歌にアコースティックなバンド。
 ギターとピアノが静かにシングルトーンを絡ませ、バンドネオンやストリングスが穏やかな彩りを添える現代フォルクローレ定番の音。
 春らしくて気持ちいなあ・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Los viajes de dia” (2008) Rumble Fish

“Los viajes de dia” (2008) Rumble Fish

Claudio Bolzani (guitar, voice) Manuel Cerrudo (piano, keyboard) Gaston Bozzano (contrabass) Tuti Branchesi (drums, percussion)
Carlos Aguirre (piano, accordion) Mariano Suarez (trumpet, flugelhorn) Luis Suarez (flute) Ariel Migliorelli (bass)

 Shagrada Medraではありませんが、再びアルゼンチンのアーティストが続きます。
 アルゼンチンのバンドRumble Fish、ピアノトリオ+ガットギター+αでの静かなジャズフュージョン。
 名作“Luz de agua” (2005)、"Creciente'' (2016)の Claudio Bolzaniがメンバー、Carlos Aguirre もゲストで数曲参加。
 あの儚げなスキャットが時折乗ってきますが、あくまでピアノとギターを中心としたジャズフュージョン。
 キッチリ整ったビート感と洗練されたムード。
 Claudio Bolzani作品、あるいはQuique Sinesi諸作に近い空気感もありますが、さらにスッキリさせた感じ。
 ジャズ寄りの現代フォルクローレというよりも、少しだけ南米エスニックなジャズフュージョンの方がしっくりきます。
 実質的なリーダーはベースのGaston Bozzanoなのかもしれませんが、全体を通じた少し沈んだムード、端々のやるせないムードはClaudio Bolzani参加作品に共通する空気感。
 徹底的なまでに端正なピアノと、一歩後ろに引いた感じのとても静かで穏やかなギター。
 ドラムもベースもゲストも抑制された音使い。
 楽曲はメンバーのオリジナル曲にCarlos AguirreQuique Sinesi, Toninho Horta
 いかにもな、少々センチメンタルな現代フォルクローレ~ブラジル・ミナスなメロディ。
 強いグルーヴやドカーンとくる場面はありません。
 終始抑制されたムードと端正に過ぎる音の流れは、さらりと聞き流してしまいそうですが、じわじわとくる系。
 後ろでPat Metheny的なギターのストロークが静かに鳴り続く中での、Carlos Aguirre的なピアノの繊細な音が舞い落ちてくる”Villa Berna”など、なかなか他では聞けない色合いでしょう。
 抑制の美学、男の哀愁、静かな音のClaudio Bolzaniの面目躍如・・・ってなところ・・・かな?

※これはAca Seca Trio, Claudio Bolzani, Fernando Silvaの豪華メンバー。


posted by H.A.


【index】"Shagrada Medra"

 Shagrada Medra、廃盤になっているものが多く、いまだに全貌はつかめていません。

 音の作り方からはざっくりと、純フォルクローレ系、ポップス系、クラシック系、ジャズ系、タンゴ系ぐらいに分類できそう。
 それらが入り混じり、さらに、繊細、明朗、寂寥・・・などなど雰囲気が分かれて、いろんな色合い。
 2018年春の時点で私が知る限りのお気に入りは以下。
 ジャズの香りもある、繊細な色合いの作品群。


Carlos Aguirre Grupo (Crema)” (2000)
 

Carlos Aguirre Grupo (Roje)” (2004)
Luz de agua” (2005) Sebastian Macchi, Claudio Bolzani, Fernando Silva

Carlos Aguirre Grupo (Violeta)” (2008)
 

Las Mananas El Sol Nuestra Casa” (2010) Javier Albin
Anima” (2011) Ethel Koffman
Resonante” (2011) Luis Chavez Chavez
Luminilo” (2011) Juanjo Bartolome
Cantos Sin Dueno” (2012-2014) Agueda Garay
Luz de agua: Otras canciones” (2015) Sebastian Macchi, Claudio Bolzani, Fernando Silva
Matriz del agua” (2015) Martín Neri

"Creciente” (2016) Claudio Bolzani




 ブラジル系と比べるとジャズの香りが薄目のモノが多いのですが、フォルクローレの奇数拍子系の浮遊感はそれとは別種の心地よさ。
 御大の第一作“Carlos Aguirre Grupo (Crema)” (2000)に全てが包含されているようにも思います。
 “Carlos Aguirre Grupo (Violeta)” (2008)が次のピークで、次がさてどれでしょう・・・?
 "Creciente” (2016) Claudio Bolzaniあたりでしょうか?
 聞いていない作品の中にも凄いのがあるのでしょう。
 他の作品含めてハズレはなさそうなので、これからは新譜をキチンとチェックしようかなあ・・・と思いつつ・・・



posted by H.A.


【Disc Review】“Vals de Papel” (2017) Luis Barbiero

“Vals de Papel” (2017) Luis Barbiero


Luis Barbiero (voice)

Sebastián Macchi (piano, keyboard) Carlos Auirre (piano, accordion, bass) Martin Sued (accordion) Mauricio Guastavino, Juan Pabla Perez, Cacho Hussein, Silvia Lopez (guitar) Damián Ortiz (mandolin) Joe Troop (violin, banjo) Fernando Silva (bass) Gonzalo Díaz (drums, percussion) Pedro Guastavino (pandeiro) Mauricio Bernal (marimba) Horacio Lopez, Nahuel Ramayo (percussion)

Eugenio Zappa (claninet) Ruben Carughi (trombone) Juan de Dios Puerta Bernabe (tuba) Cintia Bertolino (voice) and strings

Vals de Papel
Elefante en la Habitación!
2017-11-28


 アルゼンチンのフルート奏者Luis Barbieroのボーカル作品。

 前作にあたるのであろう“Música Argentina de Cámara” (2015)からはクラシックな人だと思っていましたが、本作はいろんな要素が入り混じるアルゼンチンポップス。

 リーダーのボイスは艶やかで優しげ、伸びやか。

 少しノスタルジックな香りも漂う南米テイスト。

 冒頭、ボッサ風ビートのギターで始まりますが、エレピとマリンバ、ピアノが絡み合う不思議な音から始まります。

 続くはいかにも現代フォルクローレ、美しいピアノとCarlos Aguirre的なギターのアンサンブルを背景として、女性とデュエットする歌うスローなワルツ。

 さらにはパーカッシブでキューバっぽいラテンポップス、ピアノのみを背景にした濃密系のバラード、アコーディオンに先導されるセンチメンタルなワルツ、巻き舌のスペイン語がマシンガンのように発せられるアップテンポ・・・

 などなど、これでもかこれでもかといろんな南米的な空気感がてんこもり。

 目くるめくように変わっていくようで、なぜか雰囲気は同じ。

 とても穏やかで少々ノスタルジック。

 さりげないようで楽曲、演奏ともに極めて上品で上質。

 楽曲ごとに変わる少人数の編成、アンサンブルを含めて、徹底的に練り上げられているのであろうことがうかがえる音作り。

 前作と編成が全く異なるため、印象のギャップが大きいのですが、実は音の流れ自体は同じなのかもしれません。

 現代フォルクローレとは片付けてしまえない、いろんな南米が詰まったような一作。

 ひょっとしたら大名作なのかもしれません。





posted by H.A.


【Disc Review】“Paino Pampa” (2016) Sebastian Benassi

“Paino Pampa” (2016) Sebastian Benassi 


Sebastian Benassi (piano)




 アルゼンチンのピアニストSebastian Benassiのソロピアノ作品。

 クラシックとフォルクローレ、ジャズが入り混じる、とても静かな演奏集。

 ヨーロピアンなムードも漂うクラシックな空気感に、ジャジーな演奏も交えながら進む静かな音の流れ。

 各曲二分+αの短い演奏、全17曲。

 ゆったりとしたテンポで奏でられる美しく、少々センチメンタルメロディは、南米曲とオリジナル曲、いずれも美しく優しいメロディ。

 冒頭から今にも止まりそうなスローテンポでの優雅な演奏。

 続くは南米ジャズなこれまた優雅な音~優しいメロディの漂うようなワルツ。

 とてもエレガントなクラシックな演奏、優雅な奇数拍子のフォルクローレな演奏、揺れながら迫ってくるような南米ジャズな演奏、端正なジャズバラードな演奏、いずれもとても静かで上品な演奏が続きます。

 ワンコーラス+αが奏でられるだけで、次々と景色が遷り変わっていくような展開。

 アップテンポは数曲のみ。

 ビート、躍動感は抑えて、ただただ漂うような美しいピアノの音。

 どこか柔らかでのどかなムード、懐かしい空気が漂うのは、南米のメロディ、アルゼンチンのピアニストならではでしょうか。

 “The Köln Concert” (Jan.1975) Keith Jarrettとも、“Caminos” (2006) Carlos Aguirreとも、“Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014) Andre Mehmariとも、おそらくはクラシックとも違うピアノミュージック。

 急がない、飛び跳ねない音の動きは、まったりとした時間には最高のBGM。

 もちろん上品で上質、心地よさ最高。





posted by H.A.


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