“Aguasilabas” (2019) Sebastian Macchi Trio
Sebastián Macchi (voice, piano, rodhes, guitar)
Carlos Aguirre (fretless bass, voice) Gonzalo Díaz (drums, percusion, glockenspiel, voice)
アルゼンチンのシンガーソングライター、あるいはピアニストSebastián Macchiの現代フォルクローレ。
Carlos Aguirre のレーベルShagradamedraから。
オーソドックスなピアノトリオ編成を中心にボーカルを載せた歌物中心、Carlos Aguirreがベースを担当。
ゆったりとしたテンポ、フワフワとしたフォルクローレベースのビートに、優しく哀し気なメロディ、繊細な音使い。
CD一枚、全13曲、全編それ。
とても繊細なCarlos Aguirreの音楽を、さらに繊細にしたような音。
零れ落ちるような美しいピアノと儚げな声。
疾走する場面はなく、強い浮遊感を纏いつつ、淡々と音楽は進みます。
河沿いミュージックなんて言葉があるようですが、確かに水が流れていくような、ときおり川面がきらめいているような、木漏れ日のような音。
景色は緩やかに移ろっていきます。
河沿いミュージックなんて言葉があるようですが、確かに水が流れていくような、ときおり川面がきらめいているような、木漏れ日のような音。
景色は緩やかに移ろっていきます。
少しビートが上がっても、その強いビートを包み込むようなこれまた繊細な歌声。
全曲少し哀し気な表情のキャッチーなメロディ。
いろんな構成、いろんなメロディが揃っていて、楽曲ごとに表情は異なるのですが、どこを切り取ってもセンチメンタルにならざるを得ない音の動き。
それでいて沈痛さや深い哀しみとは距離のある、淡いセンチメンタリズム、どこか懐かしい空気感。
あくまで前向きな音。
本家本元、南米のSaudade、その現代の音。
名作“Luz de agua” (2005)に並ぶ名作。
posted by H.A.