吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Flora_Purim

【Disc Review】“Everyday Everynight” (1978) Flora Purim

“Everyday Everynight” (1978) Flora Purim

Flora Purim (Vocals)
Michel Colombier (Electric Piano, Piano, Synthesizer) George Duke (Electric Piano, Vocals) Herbie Hancock (Piano, Electric Piano) David Foster (Piano) Michael Boddicker (Synthesizer)
Al Ciner, George Sopuch, Jay Graydon, Lee Ritenour (Guitar) Oscar Neves (Acoustic Guitar)
Alphonso Johnson, Byron Miller, Jaco Pastorius (Bass) 
Chester Thompson, Harvey Mason (Drums) Airto Moreira (Drums, Percussion) Laudir de Oliveira (Percussion)
David Sanborn, Michael Brecker (Saxophone) Raul De Souza (Trombone) Randy Brecker (Trumpet) 

エヴリデイ、エヴリナイト
フローラ・プリン
ビクターエンタテインメント



 Flora Purim、アメリカンソウルフュージョン~AORの色合いが強いアルバム。
 人気曲”Samba Michel”、Jaco Pastoriusの参加含めて、これが一番の人気アルバムなのだと思います。
ゲスト陣も豪華です。
 哀愁が漂うポップス然としたキャッチーなメロディに、キッチリとしたビート感、音作り。
 多くの楽曲を提供したMichel Colombierの色合いが強いのでしょう。
 その洗練、カッコよさについて異論はありませんが、Flora Purimの作品としては、違和感があるというか、何というか。
 これも気持ちを切り替えて聞かないと・・・
 
 全曲捨て曲なしのキャッチーなメロディ。
 ファンキーながら洗練された完璧なアレンジ。
 スキのない演奏。
 時折のスキャットは相変わらずアバンギャルドだし、ブラジル風味も少々。
 でも、スキャットにしてもサンバにしても、アメリカンな音の流れに飲み込まれてしまって・・・気が付けばメローなソウル~AOR風コーラス。
 締めは”Why I´m Alone”と題されたバラードにDavid Sanbornの泣きのサックス・・・
 オシャレです。
 洗練の極みです。
 でもこのサウンドだと、Flora Purimの歌のアクの強さが前面に出てしまって・・・と思うのは少数派?
 それとも、そう感じるのは、“Return to Forever” (Feb.1972)含めてかつてのマニアックなジャズのFlora Purim、ブラジリアンソウルフュージョン、ジャジーMPBのFlora Purimを知っているがゆえの特殊な感覚、悲しさなのでしょうか?
 うーん?
 アメリカンソウルフュージョン~AORとして名作、カッコいい音楽であることは間違いありません。
 ジャケットもいかにもAORっぽくてとても素敵です。

 


posted by H.A.  


【Disc Review】“Nothing Will Be as It Was... Tomorrow” (1977) Flora Purim

“Nothing Will Be as It Was... Tomorrow” (1977) Flora Purim

Flora Purim (Vocals)
Larry Nash, Patrice Rushen, Hugo Fattoruso, Wagner Tiso, Dawili Gonga:George Duke (Keyboards)
Reggie Lucas, Jay Graydon, Al McKay, Toninho Horta (Guitar)
Byron Miller (Electric Bass) Ringo Thielmann (Bass)
George Fattoruso (Drums) Leon Ndugu Chancler (Drums, Tom Tom, Congas, Bongos, Bells) Dennis Moody, Eric McClinton, Greg Walker (Handclaps) Airto (Percussion)
Dorothy Ashby (Harp) Raul De Souza (Trombone) Ernie Watts, Fred Jackson (Reeds) George Bohanon, Oscar Brashear (Brass)
Ivory Stone, Julia Tillman Waters, Maxine Willard Waters, OPA, Josie James (Vocals)
 
ナッシング・ウィル・ビー・アズ・イット・ワズ...トゥモロウ+2
フローラ・プリン
ビクターエンタテインメント



 Flora Purim、AOR色が強い人気作“Everyday Everynight” (1978)の前のアルバム、本作もAORな音。
 George Dukeは引き続き参加していますが、長年サポートに入っていたAlphonso Johnson, Ron Carterが抜け、ブラジル系の人がサポート、加えてReggie Lucas, Jay Graydon, Al McKay, Toninho Horta, Ernie Watts, Fred Jacksonなどのちょっとレアな感じの名前。
 キャッチーなメロディに、シンセサイザーストリングスとファンキーなビート、女性コーラス、シンセサイザーが彩りを加える、いかにもこの時代のAOR、ソウル系。
 プロデューサーは一時Miles Davisハンド、Weather Report、SantanaのドラマーのLeon ChanclerとFlora夫妻。
 Milton Nasimentoナンバーなどブラジル曲も取り上げていますが、ここまでくると完全にアメリカンAORでしょう。
 Soft&Mellowというほどにソフトでもメローでもないけども、そんな感じに近づいてきました。
 所々にかつての柔らかなブラジリアンフュージョン、強烈なファンクフュージョンの色合いがあったり、Floraさんもサイケに叫んだりはしていますが、洗練されたアメリカンフュージョン〜AORの色合いが勝ります。
 一曲にゲスト参加するToninho Hortaもブラジルっぽくは弾いていません。
 Wether ReportっぽさもReturn to Foreverっぽさも今は昔、この人の作品でよくあった何だこりゃ?の部分はなくなり、ポップな音のオンパレード。
 ここまでポップで洗練されてしまうと、全体のサウンド自体はオーソドックスになってしまい、楽曲のキャッチーとボーカルの個性での勝負になるのでしょうが、そこは好みでしょう。
 私の好みはブラジル的であり、ジャジーなサウンド、あるいは軽くてファンキーなビート感。
 徹底的にオシャレになってしまえばそれもいいのですが・・・

 


posted by H.A.  


【Disc Review】“That's What She Said” (1976) Flora Purim

“That's What She Said” (1976) Flora Purim

Flora Purim (Vocals)
George Duke (Electric Piano) Hugo Fatuoroso, George Duke (Synthesizer)
Jay Graydon, David T. Walker (Guitar)
Alphonso Johnson, Byron Miller (Electric Bass)
Leon Ndugu Chancler (Drums) Airto (Percussion, Bongos, Congas)
Ernie Watts (Flute) Joe Henderson (Tenor Saxophone) George Bohanon (Trombone) Oscar Brashear (Trumpet)
 
THAT'S WHAT SHE SAID
FLORA PURIM
フローラ・プリム




 Flora Purim、強烈なファンクの“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)、ジャジーな“Encounter” (1976、1977)と同時期の録音。
 強烈なベースが目立つファンキーな作品。
 リリースは後の人気作“Everyday Everynight” (1978)と同時期のようです。
 制作、リリースの経緯についてはわかりませんが、同時期、参加メンバーも近い“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)、さらに“Encounter” (1976、1977)と合わせて三部作と捉えるのが適当なのかもしれません。
 強烈なファンクの“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)、
 ファンキーな本作“That's What She Said” (1976)、
 ジャジーな“Encounter” (1976、1977)、
といったところ。
 全編ノリのいいファンクですが、“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)のように終始ド派手に押し寄せてくる感じではなく、粘って跳ねるファンキーな音中心、少々軽快な感じ。
 ギターのカッティングと、タメと疾走が交錯するベースの絡み、数曲のホーンアンサンブルも含めてファンキーなソウルっぽさが濃厚。
 一方でパーカッションの薄さも含めて、ブラジル~ラテンの色は薄いかもしれません。
 楽曲はGeorge Duke中心、ブラジル系の楽曲はAirtoの一曲のみ。
 もちろんこの人のバンドならではの強烈なグルーヴ、疾走感は健在。
 ファンキーながらエキサイティングな演奏が並びます。
 激しいビートとホーン、スキャットボイスが絡みつつ、強烈な疾走感でドカーンと押し寄せてくる演奏も何曲か。
 質感は変われど、それがこのバンドの特徴なのでしょう。
 それでもヘビーではなく、軽快でスムースなのがこのアルバムの色合いでしょうか。
 それにしても、本作も凄いベースラインの連続。
 Wether Reportよりももっともっともっと激しいAlphonso Johnsonが聞ける作品。
 いつもサポートに入っているByron MillerもAlphonso Johnsonと同じく凄いベーシストのようですね。


 

posted by H.A.  


【Disc Review】“Encounter” (1976、1977) Flora Purim

“Encounter” (1976、1977) Flora Purim

Flora Purim (Vocals)
George Duke (Piano, Electric Piano, Synthesizer) Hermeto Pascoal (Electric Piano, Clavinet, Vocals) McCoy Tyner (Piano) Hugo Fattoruso (Synthesizer)
Alphonso Johnson, Byron Miller (Electric Bass) Ron Carter (Acoustic Bass)
Airto (Drums, Congas, Percussion) Leon Ndugu Chancler (Drums)
Joe Henderson (Tenor Saxophone) Raul De Souza (Trombone)
 
Encounter
Flora Purim
フローラ・プリム



 Flora Purim、どれだけ有名な作品なのかはわかりませんが、私的大名作。
 Chick CoreaもStaley Clarkも参加していませんが、“Return to Forever” (Feb.1972)、 “Light as a Feather” (Oct.1972)に続くReturn to Foreverの作品はこれ、ってな感じが似合うサウンド。
 それらに並ぶような・・・は少々大げさなのかもしれませんが、そんな大名作だと思います。

 この期のファンクな音は抑えられ、いかにもブラジリアンなとても柔らかでしなやかなビート、幻想的なムードとほどほどの洗練が絡み合うブラジリアンコンテンポラリージャズってな面持ち。 
 同時期のド強烈なファンクアルバム“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)、“That's What She Said” (1976)がGeorge Duke+Alphonso Johnsonの色合いだとすれば、こちらはHermeto Pascoal+Ron Carter。
 穏やかで柔らか。
 ジャズ、ファンク、ポップスのバランスの取れた前々作“Stories to Tell” (1974)よりもさらに穏やかなイメージ。
 ここまでの作品、質感に大きな幅はあれど、MPBにカテゴライズすると落ち着きそうな内容でしたが、本作は「コンテンポラリージャズ」の色合い。
 全編しっとりとしたイメージに加えて、4ビートの場面もしばしば、少しながら初期Return to Foreverのムードもあり、ジャジーなFlora Purimが戻ってきています。
 多くの楽曲を提供したブラジリアンHermeto Pascoal、さらにRon Carterの柔らかなベースの色合いが強いのでしょう。
 ファンクナンバー、サイケな色もありますが、それらもマイルドな質感。

 冒頭のChic Coreaの”Windows”から、柔らかなビート、サックスが醸し出すジャジーなムード。
 続くは、優しいHermeto Pascoalのブラジリアンメロディ、スキャットが交錯する幻想的なバラード。 
 さらに美しいエレピに導かれる漂うようなバラードから、高速な4ビートでのインプロビゼーション。
 Hermeto Pascoalのエレピのフワフワとした感じと、自身のいかにもブラジリアンな柔らかで切ないメロディの組み合わせは最高。
 さらにRon Carterはジャズっぽさ、柔らかさに加えて、Miles Davis黄金のクインテット時を想い起こさせる伸び縮みするビートもしばしば。 
 これだけ穏やかな音だと、さすがのFloraさんもあまり頻繁に奇声を上げることが出来なくて・・・
 それでも常時感じられる強烈なグルーヴは、ブラジリアンフュージョン最高のリズム隊ならでは、と言っておきましょう。
 4ビートかと思っていると思うとサンバになったり、その他諸々カッコいいビートの曲が並びます。
 
 LPレコードB面に移ると重厚なMcCoy Tynerのピアノとスキャットとの幻想的な絡み合い等々、素晴らしい演奏が続きます。
 時折の4ビート、さらにエレクトリックマイルス的な激しさと狂気が入り混じるような音。
 最後も漂うような定まりそうで定まらないルバート的な展開から、強烈なJoe Hendersonのサックスと幻想的なスキャットとの絡みで締め。

 Flora Purim の私的ベストを上げるとすれば、本作か、“Stories to Tell” (1974)。
 ジャズの人は本作、ファンクが好きな人は“Open Your Eyes You Can Fly” (1976)、諸々のバランスが取れていて洗練されているのは“Stories to Tell” (1974)、洗練されたAORがよければ“Everyday Everynight” (1978)、といったところでしょうか。
 いずれにしても作品の色合いの幅が広い人ですが、柔らかな音、ジャズ寄りならば、本作で決まりでしょう。


 

posted by H.A.  


【Disc Review】“Open Your Eyes You Can Fly” (1976) Flora Purim

“Open Your Eyes You Can Fly” (1976) Flora Purim

Flora Purim (Vocals)
George Duke (Electric Piano, Synthesizer) Hermeto Pascoal (Electric Piano, Flute)
David Amaro (Acoustic, Electric Guitar) Egberto Gismonti (Acoustic Guitar)
Alphonso Johnson, Ron Carter (Bass) 
Leon Ndugu Chancler, Roberto Silva (Drums)
Airto Moreira, Roberto Silva (Percussion) Roberto Silva (Berimbau) Laudir de Oliveira (Congas)

Open Your Eyes You Can Fly
Flora Purim
フローラ・プリム


 Flora Purim、完成度の高い“Stories to Tell” (1974)から続くアルバム。
 激烈ファンク・・・と書いてしまうと違和感もあるのですが、そんな感じの音。
 ベースはWeather ReportのAlphonso Johnson中心。
 Weather Reportの時よりも激しい動き・・・というか、ここまでやらなくてもいいんじゃないの・・・というような凄まじい演奏。
 さらにドラムにSantana、Weather ReportのLeon Ndugu Chancler。
 名作“Tale Spinnin'” (1975) Weather Reportと同じコンビ。
 さらに、ぶ厚いパーカッションが鳴り響く、強烈なビート、ド派手なブラジリアンファンクフュージョン。
 楽曲はChic Coreaが三曲にHermeto Pascoal、オリジナル曲。
 “Return to Forever” (Feb.1972)から名曲”Sometime Ago”がカバーされています。
 それを含めて強烈なファンクモード。
 初期Return to Foreverの清廉なムード、ジャズの香りはすっかり無くなりました。
 中期Return to ForeverとWeather Reportが合体した音、とも言えなくもない、そんな質感。
 冒頭から激しいファンクビートとChick Coreaの書いたキャッチーでロックなメロディ、歪ませたキーボード。
 二曲目は優雅に始まりますが、ビートが入ると強烈な疾走感を伴う激しい音。
 そんな演奏が続きます。
 強力なパーカッションの響き、ラテン~ブラジルテイストが混ざる強烈なグルーヴと疾走感、強烈なインタープレー。
 混沌はありませんが、ベースが動きまくり、打楽器と多重録音されたスキャットボイス、その他が塊となって押し寄せ来るようなド迫力。
 ここまで激烈なジャズ系のボーカルアルバムってあったかなあ?
 それでいてロック系にはない、しなやかなグルーヴ感。
 それにしても変わった、というか、激しいなあ・・・
 Return to Foreverっぽい清廉なジャケットに騙されないで、いや騙されて聞いてみてください。
 私はぶっ飛びました。
 なお、同時期の録音として、ちょっと本作とは違った色合いのファンク“That's What She Said” (1976)、しっとりとジャジーな“Encounter” (1976、1977)があり、比べると面白かったりします。




posted by H.A.  


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